チリの鉱山事故で地下600メートルに閉じ込められた33人が17日後奇跡の生還をはたした。彼らは3日にツナ缶2口とクラッカー半枚ミルク半カップという極端な小食生活を送っていたが、健康状態には異常なし。

一方で日本の歌人正岡子規は、35歳の若さで亡くなったが、その大食ぶりはすさまじく、特に動物性タンパク質と菓子パンを山のように食べていた。

人間が健康に長寿を全うするのに適しているのは、小食と生採食。
カロリー制限をすると微生物からサルまで寿命が延びることは、実験結果からあきらか。特にサルでは老化に顕著な差がみられ、小食がアンチ・エイジングにつながることも証明されている。
遺伝子レベルでも小食で長寿や老化防止遺伝子に、よい影響がでるものがONに、悪い影響がでるものがOFFになることが、マウスの実験でわかっている。

特に、肉、牛乳、卵はがんを引き起こすとしていた。
牛乳はカルシウムも多いがタンパク質も多いので牛乳を飲むほど消化吸収にカルシウムが必要になり結局骨からカルシウムが失われる。

腸管造血→腸から吸収された食物は腸管で赤血球に変化し全身に送られ体細胞になる。
血球可逆分化→人体が飢餓状態になると、体細胞が赤血球に変化する。

ガンは人体の解毒浄血延命装置、体内でできたゴミを引き受けてくれている。ガンにならないと敗血症ですぐ死んでしまう。
ガンは血液の汚れ、腸から吸収された毒素や性状がおかしくなった赤血球。
断食はガンの予防になり、初期のガンを治す。

タンパク質を獲りすぎると腸管造血で作られる赤血球がおかしくなる。
断食すると、おかしくなった赤血球からできた体細胞が分解され使われ?排せつされるってことらしい。

今の栄養学は20世紀初頭ごろのドイツの栄養学が基礎になっているが、現在では間違っていることが明らかなこともある。著者によると、何度も間違っていることが報告されているのに、食品会社や医薬品会社が困るので広まらないようにしているのではとしていた。

肥料を与えすぎると作物が実らないように飽食すると子供ができない。
現代人の普通はすでに過食。

過度の運動は活性酸素を生み出し遺伝子を傷つけるが運動で筋肉をつけるのは成長ホルモンの分泌を促し老化防止になる。

著者は沖ヨガの創始者沖正広さん、自然医療の森博士、免疫学の安保徹博士などの言葉や研究結果をあげながら、小食が長寿と老化防止に効果的であることを主張していた。

また、青汁1杯など極端な小食で健康な人、不食不排せつのヨガ行者プララド・ジャニの例などをあげて、人間がエネルギーを得るには3つの方法があるという理論をあげていた。

1酸素系
2解糖系
3原子核エネルギー
3太陽光+ソマチッド造血

1はドイツで栄養学が誕生したときの基礎理論になっているもので、細胞内のミトコンドリアが酸素を使ってエネルギーを作り出す。

2はブドウ糖分解で発生。嫌気性の反応。太古の生物はこちらしかもっていたなかったのが、細胞にミトコンドリアが入り込んで、酸素系の爆発的なエネルギーを使えるようになったというのが、定説になっているようです。

3は、まだ認められていないけど、鶏が、外からとったカルシウムより、卵として生み出すカルシウムの量のほうが多いことなどをあげ、生体内で原子核反応がおきているという説があるとしていた。著者によればカリウム40がカルシウムに変化することは、研究者からきいたとあった。

4は、よくわからなかったが、細胞内、特に経絡の細胞にソマチッドというものが沢山あって、それが太陽光にあたると活動してエネルギーを作り出すって理論らしい。これも認められていない。ヨガ行者など不食の不排せつの人たちは、これを使っているのではとしていた。

4は、われわれの体にある緊急バックアップシステムであるが、不安や恐れがあると動作しない(悟りのようなものが必要)なのではないかと仮説をたてていた。


「長生き」したければ、食べてはいけない!?

  • 作者: 船瀬 俊介
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2011/01/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)