世界中から集めたへんな判決。なかにはへんな訴えも多い。
アメリカとか、意外な判決が多い。
あと、その国の常識が繁栄されていたり。
全部で74例がのっていたが、その一部を。

2004年中国
訴え・妻が結婚前に美容整形を受けていたことを知らなかった。離婚と賠償金を求める。
判決・離婚を認める。まt、妻は夫に1000万円の賠償金を払え。
生まれてきた子の顔で、疑った夫が問い詰めたところ、結婚前に韓国で1000万円かけて整形したと告白。

2006年ドイツ・ベルリン市
訴え・「汗くさい」と、離陸直前に飛行機を下ろされた。33万円の損害賠償金を支払え。
判決・くさい乗客を断るのは、航空会社の権利。訴えを棄却する。
ハワイからロサンゼルス経由でドイツに向かう国際線で飛行機に乗り込んできた男性弁護士がくさいと隣の席の女性がクレーム。乗務員は「あたらしいシャツに着替えてください」と求めると男性が拒否したので、飛行機を下ろされた。
判決の決め手は、航空会社のウェブサイトに「攻撃的な体臭を持つ乗客の輸送を断ることもある」と明記してあったこと。

1970年アメリカ・カリフォルニア州
訴え・セックス中毒になったのは、ケーブルカーで頭をぶつけたせい。
判決・セックス中毒は、ケーブルカーが原因。市は、賠償金1020万円を支払え。
大した事故ではなく、セックス依存症も自己申告だったが、陪審員の判決は意外なものだった。

2003年アメリカ・ミシガン州
訴え・拾った5セントで遊ぼうとしたら、カジノからつまみ出された。これは、人権侵害にあたる。
判決・人権侵害と認め、カジノに9600万円の支払いを命ずる。
カジノでは他人の賞金に手を触れてはいけない規則になっているので、警備員が注意したが、結局つまみだされた。
はじをかかされた賠償金として9600万円の賠償金が命じられた。スロットより儲かった?

2003年アメリカ・テキサス州
訴え・父親が、義理の息子を犬小屋で生活させた。
判決・父親も犬小屋で1か月服役しなさい。
アメリカではこういったユニークな判決がときどきあるらしい。
義理の息子は実父のもとにいって暮らしたらしいです。

2007年イギリス・ロンドン市
警察官が勤務中に空港の警備室で性行為
判決・警察無線のイヤホンをつけ、「警戒」を怠っていなかったので無罪。
クリントン大統領のホワイトハウスでの性行為も無罪でした。

2007年佐賀県
訴え・見知らぬ男からもらって知らずに飲んだ錠剤が覚せい剤だった。
判決・無罪。故意に使用したとは認められない。
パチンコ店で知り合った男性からバイアグラ錠を購入。オマケにもらった錠剤が覚せい剤だった。財布を落として警察にとどいたとき錠剤が不審に思われて尿検査したら覚せい剤反応がでたそうです。素直に応じたことから故意ではないと認められたそうです。

2006年三重県
訴え・電話番号案内のお姉さんに「俺の嫁になってください」と、2617回も電話をかけた。
判決・懲役1年、執行猶予4年。
63歳の男性が、無料のテレクラ感覚で使っていたようです。番号案内はうけていないので料金は払っていないとおもわれます。他に東京でも2008年に37歳の男性が2600回電話番号案内にかけていたそうです。最後は怒られるのが快感だったとか。

2007年ドイツ・ベルリン市
訴え・「オリバー・カーン」という大人のおもちゃの販売をやめてほしい。
判決・発売元は、オリバー・カーン選手に850万円の慰謝料を払え。
オリバー・カーン選手はドイツの超有名サッカー選手。訴えは肖像権の侵害。

2002年宮城県・仙台市
訴え・参列した結婚式で、70歳の女性がバージンロードにつまづいて骨折。式場の責任なので6000万円支払え。
判決・ホテル側は女性に1720万円支払え。ただし、参列者はバージンロードを踏まないように注意すること。
バージンロードのカーペットが床に固定されていなかったなど安全対策に問題があったとされたのです。

1997年フィリピン・マニラ市
訴え・結婚式のウエディング・ケーキがけばけばしく、傾いていたせいでPTSDになった。
判決・棄却。ケーキ代として1万2000円支払う。
訴えたわりには、ケーキの前でニコニコしたり、食べていたりする写真があったらしい。でも判決まで10年。

1999年長野県
訴え・立川談志の楽土の最中に居眠りして主催者から会場を追い出された。10万円損害賠償しろ。
判決・訴えを棄却する。居眠りは落語家のやる気をなくすこともある。
談志師匠も、最初はよびかけていたが、ぜんぜん起きないので「やる気なくなっちゃたよ」と20分で中断。訴えられたのは談志師匠ではなく、主催した落語愛好会だった。

2007年オランダ
訴え・近所の人たちが宝くじで24億円当選。宝くじ運営会社は精神的ショックに対し、損害賠償金を支払え。
判決・宝くじ運営会社には何の責任もない。棄却する。
郵便番号で当選するというタイプの宝くじだったそうです。
世界的にみて、宝くじに関する訴訟で多いのは「口約束」だそうです。

1999年アメリカ・イリノイ州
訴え・歯磨きをすると、歯茎が赤くなる。これは人類滅亡を狙った陰謀に違いない。
判決・根拠に乏しいので、訴えを棄却する。

2002年アメリカ・ロサンゼルス市
訴え・47年間、たばこを吸い続けたせいで肺がんになった。
判決・たばこ会社は31億円を支払え。
陪審員がだしたのは3兆1000億だったけど、判事が「大きすぎて違法性が感じられる」と圧縮してこの金額。

同じようなものに、追突された車の持ち主が、相手ではなく、車の会社を相手に「頑丈に作らなかったから」と訴えて1300億の支払い命令がだされたことが、このときも陪審員は5400億円を払えと出していたそうです。

2008年マケドニア
訴え・ハチミツを盗むクマを逮捕してほしい。
判決・クマは35万円支払え。ただし野生のクマなので国がかわりにはらうこと。
原告はさんざん対策したのですが、対策装置の発電機が壊れたのだとか。

2001年鹿児島県
訴え・原告=ウサギ ゴルフ場が建設されると、我々が絶滅するので中止してほしい。
判決・ウサギは原告になれないので棄却。
奄美大島の希少なアマミノクロウサギを守る目的で起こされ、判決文では、自然環境に配慮した工事許可を求めています。その後ゴルフ場計画のうち1つは撤回されたそうです。

2006年アメリカ・ロサンゼルス
訴え・アーノルド・シュワルツェネッガーは38年間無免許でバイクに乗っていた。
判決・バイクに乗っていた現場を警察官が見ていないので不起訴。
本当に渡米から38年間無免許でのっていたようです。知事だからひいきしたのでは?といわれた判決でした。

2004年フランス・ニース
訴え・死んだ恋人と、結婚させてほしい
判決・シラク大統領の弦の一声で「結婚を認める」
ナポレオン時代に、死者と結婚できる法律があったが、財産目当ての結婚を防ぐため国王の許可が必要だった。
一審では認められなかったが、シラク大統領の鶴の一声で特別に認められました。

2008年イギリス・ロンドン市
訴え・結婚した男女が、たまたま生き別れた双子だった。結婚を無効に。
判決・近親結婚なので、結婚は無効。
双子を里子に出した生みの親が事実を届けて発覚。最高裁まで争われた。
イギリスでは憲法がなく、過去の判例の積み重ねで判決がでる。

2007年アメリカ・ネブラスカ州
訴え・すべての災いは神様の責任である。災いをなくすように裁判所から神様に命じてほしい。
判決・神様が出廷できないので裁判開けず。
訴えたのは上院議員のチェンバース氏。

1925年アメリカ・テネシー州
訴え・学校で進化論を教えてはならない。
判決・有罪と認め、罰金刑に処す。
共和党の政治家ジェニングズ氏が1900年に、進化論を「神が7日間で世界を創った」に反するとして教えるのを禁止という法律を作った。進化論を教えるのを許可する判決もあるが、訴訟が怖いので今でも教えていないそうです。

1984年アメリカ
訴え・マイケル・ジャクソンが僕のベッドに入ってきた。
判決・和解。16億8000万円を40年で支払う。
この訴えは、少年の両親が仕組んだ脅迫だったことがわかっている。でも判決がでた当時、自分もとマイケルを訴えた人が1年間で130件もいた。

2008年アメリカ・シアトル
訴え・世界最悪のスパム・キングを、長い間刑務所に入れてほしい。
判決・懲役26年。
2005年にもマイクロソフトから訴えられていた、スパムキングことロバート・アラン・ソロウエイは賠償金の命令も無視してスパムメールを送り続け、豪邸に住んでベンツを乗り回していたそうです。陪審員の心証は最悪ですね。

2007年中国
訴え・パソコンのアイコンを「線香をもったパンダ」にするパンダウィルスを作った。
判決・禁固4年
アイコンが変わるだけで被害はないそうです。刑務所には雇いたいというオファーがきたそうですよ。
ちなみにウィルス削除プログラムは、刑務所のなかで犯人が作成。配布されたそうです。

1977年アメリカ
訴え・俳優ジャック・ニコルソン邸で巨匠ポランスキー監督が13歳の少女をレイプ。
判決・裁判中に逃亡して、現在も国外逃亡中
というわけで、ポランスキー監督はアメリカには戻れないそうです。

2008年東京都・池袋
訴え・街で、女性に「キャバ嬢にならないか」と声をかけた
判決・逮捕
「キャバクラ等に係るスカウト行為の規則」が施行されて10分後、池袋で22歳の大学生アルバイト勧誘員が逮捕。みせしめだったのでしょうが、実名報道されました。罰則は「50万円以下の罰金または拘留若しくは科料」

2007年バハマ
訴え・550億円に上る遺産を相続した赤ん坊の真の父親は自分である。
判決・DNA鑑定で決定。
ストリップショーに出演中に石油王J・ハワード・マーシェルにプロポーズされたアンナ・ニコル・スミスは、結婚14か月後に夫の遺産の半分550億円を相続。自身も39歳の若さで急死。このとき生まれたばかりの女児がいました。4人の男性が自分が父親であると名乗り出ましたが、結果は元恋人と判明。アンナは誰にでも「自分こそが本命」と思わせるのがうまかったといわれています。


おバカでもわかる裁判員制度入門
裁判員になるのは20歳の以上の有権者からくじ引きで選ばれた名簿が作られ、その人にお知らせが届きます。300人い一人くらい。そのなかから裁判に参加するのですが、全員ではないので、4000人に一人くらい。

裁判員裁判の対象は、殺人や強盗致死、傷害致死、危険運転致死、放火、誘拐、虐待などで、軽犯罪ではありません。

裁判員になれない人もいます、懲戒免職をうけて2年以内や、自衛官、都道府県知事、逮捕・拘留されている人、心身の障害のある人など。
辞退できるのは、70歳以上の人、地方公共団体の議員で会期中に当たる場合、学生や生徒、介護や養育のある人など、個人的理由は申請してみないとわかりませんが、会社が忙しいなどは認められないことが多いです。

無断でドタキャンすると10マ年以下の科料が科せられる場合があります。

裁判で公開された内容意外は、発表すると6か月以下の懲役か50万円以下の罰金に処せられます。

戦前にも裁判員裁判はあったけど、不人気だったし、戦争になって廃止されたんだとか。


へんな判決

  • 作者: のり たまみ
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2008/08/04
  • メディア: 単行本