収納カウンセリングの著者が、「何度片づけてもうまくいかない」人に書いた本。

「人は面倒なことは続かない」それが一般的だ。
誰でも片付いた状態を維持できる方法を実験した末、「棚」「引出」「つるす」の方法にいきついた。
ただし裏にある理由をしらないといけない。
それがわかれば条件の中でベストな収納法を自分で決められるようになる。
奇をてらうような珍しい道具や方法は紹介していない、結局面倒だから。
「短期間で片付けやすい」収納を実現し、余った時間を有意義に使ってほしい。

飯田式、収納3つの基本
棚・・・いれるものに合わせて奥行きを変える。直接置くほかに、箱やトレースタンド、引出しなどと組み合わせる。棚板を増やせるものがよい。
引出し・・・入れるものに深さをあわせて、軽くひけるものを選ぶ。引出しの中は重ねないで建てる仕切る。
つるす・・・ハンガーに服をかけるときには、奥行き60㎝必要。コート丈以外の服をつるしたいときは2段にする。1本のハンガーやひとつのフックに違う種類のものを重ねてかけない。


目次があり、その次にモノ別に収納方法が索引で引けるようになっている。
アイロン、空き缶、空き箱・・・などとアイウエオ順になっている。

PART1整理・収納の考え方
良い収納の基本・・・与えられた場所やスペースの中で一番出し入れに労力や時間がかからない収納と定義

収納指数=「歩数」+「アクション数」
アクション数・・・ドアの開け閉め、引出しの開閉など。
使用頻度の高いものの収納指数をさげるように収納する。

たくさん入れるほど、出し入れは面倒になり、しまわなくなる。
多くいれることは目的ではない。目的は取り出して使うこと。

収納と片付けは違う
収納=指定席づくり
片づけ=指定席に戻すこと。
収納ができていないなら片づけはできない。
収納には適切な家具がいることを理解しておこう。

整理・・・使い道をはっきりさせ、不要とわかったら処分する。
掃除・・・汚れをとること
インテリア・・・室内装飾

収納の前に整理が必要。
良い収納をしていると掃除も楽で短時間で済む。
インテリアは収納ができたひとだけが楽しむことができるもの。

片付かない原因
1家や家具の問題
 収納スペースが足りない
 置きたい場所に収納がない
 入れる場所といれるもののサイズがあわない
2心の問題
 捨てられない
 収納の方法がわからない
 時間・体力(気力)がない・・・時間をねん出するか体力をつける、物を減らすなどからはじめよう。

モノが片付く5つのステップ
1 モノを持つ基準を自覚する
2 いらないモノを取り除く
3 置き場所を決める
4 入れ方をきめる
5 快適収納の維持管理

キッチンを例に解説
容量オーバーなものを減らすため、どんな料理をするか、何がいくつあればいいかなど考えて同じ用途のものは一つに絞る
ゴミとリサイクル、熟成箱(捨てるかどうか考えるモノをいれる)を用意して仕分け。コツは時間を区切り、間引き感覚で行うこと。全部出すと迷う。
要らないモノを出したら置き場所を決める。「ここにあれば便利」が正しい置き場。
場所が決まったら入れ方を決める。アクション数が最小になるように、重なっていると不便なら棚をいれるなどする。
快適収納を維持するため、使ったら戻す、むやみにモノを買わない。買うときは置き場所をイメージ。
散らかりやすくなったら、これを5つのステップをリピート。
何をすてていいかわからなかったら、一度すべて熟成箱にいれて、使ったら開いたところに戻す。
思い出の品はおけるならおいておくが、なければ写真を撮るなどして処分を。


部屋別収納のポイント

玄関周り
1はかない靴を見直す
2すべての靴がすぐ見える出せるように置く
3おいておかなくてもいいモノは移動・・・傘を廊下に収納するとか、ゴルフバックは書斎とか
4つい玄関においてしまうものには指定席をあたえる・・・キーホルダーや印鑑、郵便物など

靴は下駄箱に素直に並べられられる量しか持たない。
収納グッズとしてシューズホルダーやブーツスタンド、靴の箱を利用。
スリッパは下駄箱にいれてすっきり
傘はつるす、立てる
傘たてはコンパクトに棚に入れる例を紹介していた。
折り畳み傘も下駄箱の棚に置いていた。
郵便物はインテリアにあう、A4のあまり深くないトレーにいれる。持ち出す手紙もおけると便利
鍵や印鑑は靴箱の裏にフックなどを用意してかける
コートや上着は帰宅直後めにつくところに置いた一時置きようのハンガーラックにかける、壁掛け型、ドアかけ型もよい。脱ぐときころに置く。

どうしても靴箱に入らない靴は廊下やクローゼットの下に収納。ただし忘れやすいと自覚すること。
収納ケースにいれたり、箱にいれて写真をはりつけてとりにくい場所でも一目で中身がわかるようにする。
下駄箱の棚板がたりないときは増やす。ダボ穴がなくても高さをそろえたいての上に横板をわたしてつくれる。


リビング・・・モノがちらかっていても30分で片付くのが目標
みんなが使うもの(筆記用具やはさみ耳かき爪切り、ホチキスなど)は0アクション収納にする
モノの家は一か所とは限らない。爪切りをソファーとダイニングでするなら両方に配置
みんなの使う生活雑貨と個人のモノに分ける

リビングの生活棚の使いこなし例が写真でのっていた。

家族の人数分の重ねられるカゴを用意して、とりこんだら個人のものにわけて部屋に運び、各自で畳んでもらう。
一人で畳むときでも楽。
子どもがリビングで遊ぶならおもちゃの指定席をつくる。
できるだけ「ゆとり」がでるように圧迫感のある家具はおかない。使いにくい場所は結局無駄なものをいれる場所になる。


ダイニング
食事に使う調味料やお箸は食事中に立たずにとれる場所に置く・・・カトラリーを使っていた。
お菓子にも置き場をつくる
卓上コンロ・ホットプレートはテーブル近くに
文具の置き場所もテーブルまわり
雑誌や書類のファイルなどの本棚も必要

万能ワゴン1台にダイニングテーブル周りの必要なものをいれる例を写真で紹介。

ダイニングやリビングには個人別の収納も必要。
収納には扉の無い収納棚がおすすめ、棚で個人別に区切る


キッチン・・・調理しやすい、片付けやすい、掃除しやすい
食品の指定席をきちんと決める
よく使う食器はシンクやコンロ近くに置く
家電製品を効率よく収納・・・ジューサーなどしまいこむと使わない
ゴミの指定席は大切
キッチンのモノを効率よく収納できるシステム家具を写真入りで紹介

アイテム別解説
鍋・フライパン、フライパンのふた、ボウル・ざる、食器やグラス、保存容器(ふたと本体をわけていた)、食品の買い置き、
キッチンツール(たてる、つるす、ひきだし)、液体調味料(よくつかうならコンロのちかく)、ラップ・ホイル、
ふきん・ビニール袋(たたみ方つき)、洗剤(だしておくなら保存容器を変える)、ゴミ袋、買い物躯
お皿は立てるより、棚板を増やして重ねておいたほうが取り出しやすい!
食品は見えるようにすると食べきるようになるガラス瓶などにうつすとよい
新聞紙を使ってふたのないゴミ箱に生ごみを捨てる方法を写真で解説。
冷蔵庫のなかは見えるように、出せるように使う


洋寝室・クローゼット・・・シンプルが一番工夫はいらない
1アクション収納をめざそう。
クローゼットの中に引きだしをいれない(アクションが増える)
扉の後ろに引き出しや棚をおかない
ハンガーを揃える
奥を有効に使おうとしない

男性の収納、ワイシャツは互い違いに重ねる、出したものの指定席をつくる、一時かけフックを用意。
ウォークインクローゼットは位置やサイズによっては歩く面積が無駄なスペースになることも。


和寝室・押入れ・・・奥のスペースには使用頻度の低いものを
天袋は使おうと思わないのが無難
上段は衣類をつるすならスタンドハンガー、棚をつかう。棚は手前を一時置きにするのでないなら手前に配置して奥は無視
上下段共通で押入れ台、引出しケース、すの子いたなどをしよう。よく使うものは両側に。
下段はキャスターつき家具が便利
押入れの中段の外し方解説

衣替えの必要ない収納は1アクション収納
服のもっとも簡単な収納はハンガーにかけてつるす、フックにつるす
畳んだ服を棚に重ねる(柔らかい服はトレーに)
下着や靴下は畳んで引出しに縦に並べていれる。仕切りが必要、種類別に1列にする。
ハンガーは用途別にそろえる、スーツ用男性・女性とスラックススカート用。
ハンガーには1着または一揃い以上はかけない
もっとも楽なハンガー収納を活用するため、ハンガーパイプはできれば2段とる

衣類の畳み方を服の種類別に解説、長袖T,ショーツ、キャミソールなど

衣類の一時かけの場所をつくっておこう。



子ども部屋
必要なものは、学習机、教科書参考書用奥行30cmの本棚、学用品おもちゃをいれる奥行40㎝くらいの棚、衣類をいれる収納場所、寝具
家具は大人になるまで使うのを念頭に選ぶ
衣類は大人と同じ収納
おもちゃは、すぐ遊べる、自分で片付けられるように、高さの調節できる棚で種類別に並べる(籠やボックスもつかう)
ランドセル置き場は学習机のすぐそばに中身が出し入れしやすく置く
おけいこバックや上履きも指定席を
棚板の高さ調節ができると便利


洗面所・・・さっとふけて、いつでもすっきりとした洗面台
ティッシュは壁につける・腕時計の指定席をつくる
見た目もすっきり美しく(いればなどは中の見えないふた付きカップなどにいれる)
手間がかからない入れ方にする
掃除のしやすさも考えて、少ないアクションで移動できるようにする。

タオルは必要最小枚数で見える収納
洗剤・シャンプーは籠にいれておくだけ


バスルーム・・・掃除のしやすい空間に、狭い洗面脱衣所に置けないものも浴室に
バケツの代わりに洗い桶の方がつるせるし、使いやすい
脱衣籠は日中はバスルールに
手が届く場所に使うモノを


トイレ・・・すっきりと掃除しやすく
掃除用具などは籠にまとめる
トイレットペーパーはトイレの近くに


一つの行動に必要なものはひとつにしておくと収納指数が下がる
梱包セットなど。




モノ別収納のポイント
装飾品
 かばん・バック・・・意外と思い出せないもの。服のちかくに棚にたてる、つるすで見えるようにする。スタンドや詰め物を使う。
 アクセサリー・・・イヤリングやブローチは浅い引出し、細いチェーンは絡まないようにつるす。ネクタイやベルトは落ちないように専用のハンガーで

書類
 新聞雑誌の切り抜き・・・切り抜いたらテーマ別分類フォルダーに
 取扱い説明書・・・使用頻度は低くても置き場所がわかるように。住宅設備や家電などにわけてマチつきの書類いれに
 手紙・・・読み終えたら状差しやウォールポケットに。いっぱいになったら捨てなど分類する
 年賀状・・・クリアファイルにいれて、同じ人からのものは重ねていく
 文房具・・・文房具たてなどに入れて使う。見た目もきれいなものを、一スペース一アイテムで、使う場所分用意
文房具や衣類には仕切り板が便利、ケント紙などでつくる方法が解説されていた。

紙類
 新聞・・・読んだ場所から手の届く場所へ
 読み終えた新聞・・・新聞を読むリビング内が理想の置き場
 本・雑誌・・・あらかじめ最大スペースを決めておく、どうしても捨てられないなら段ボールにいれて一覧か背表紙の写真を。

家電
 パソコン・・・付属して使うものをすっきりまとめる。トレーやCDなどをまとめ、細かいインクの買い置きなどはボックスにまとめる
 アイロン・・・でかける間際でもすぐ使えるように、アイロン台と一緒に
 ミシン・・・できるだけ使う場所に収納
 季節家電・・・できるだけ使う部屋まは近い場所に、一年1回でもだれでもわかるようにする
 掃除機・・・掃除しようかなと思わせてくれる場所におく、しまいこまない

AV機器
 リモコン・・・棚のスペースを狭くして専用の指定席をつくる。使用頻度にあわせて置き場所を考える
 CD/DVD・・・タイトルが見やすいように棚に並べるかボックスで、コンポやデッキの側に置く。
 ゲーム類・・・バラバラなまま無造作に箱にいれて棚に

日用品
 梱包用品・・・ふたのないボックスに立てて棚にいれる
 紙袋類・・・用途にあうサイズがすぐにみつかるようにスタンドでたてるだけ、クリアファイルも使う
 薬・・・常備薬はシップサイズが立つ引出しに、引いたらすべてみえるようにする。毎日の薬やサプリメントは0アクションのテーブルまわりに
 裁縫道具・・・浅い引出しに見えるように置くと便利
 電池・電球・・・細かく仕切って珠る別にわけてボックスに。
 掃除道具・・・掃除用具のスペースを限定する
 健康グッズ・・・ボックスにいれてまとめてよく使う場所に置く
 防災用品・・・持ち運びしやすいバックにいれてそのまま持ち出せる状態で保存。もってでやすい場所に
 室内園芸用品・・・気が付いたときすぐだせるように、部屋の雰囲気にあった片手で開け閉めできるボックスなどにまとめて植物の側に置く。
 飾り物・・・しまっていることを忘れないように、目に付く場所におく
 リサイクル品・・・処分しようと思えるときまでふたのないリサイクルボックスにいれて、見える場所に。
 化粧品・・・片手で出し入れできる収納ボックスにたてて、すべてがみえるように。ブラシにも指定席をつくる。
 思い出の品・・・大きめの衣装ケースにいれて、残しておける数を制限する。
 お茶・コーヒー類・・・使うものはセットでトレーや籠に
 
突然の泊り客のための宿泊セットをつくろうとして紹介してた。


棚の増やし方
ダボ穴がある場合、ピンと棚板を用意
穴が無い場合、両サイドに板をわたして板をのっける(一時的)
固定だなしかなければその棚はとって、棚柱をつけて板をカットしてつくる。

収納は投資。時間を生み出す。


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