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日本人が知らない巨大市場 水ビジネスに挑む ~日本の技術が世界に飛び出す! [ビジネス]

水ビジネス専門家二人による対談
沖さんは東京大学の助手で水資源の研究者である。
吉村さんは水処理の企業出身で、その後国連に勤めた経験をもつ、
現在は会社を設立日本の環境技術を世界に広める活動をしている。

出版は2009年なので、経歴もその時点のものである。

世界的に水問題が注目され、ビジネスチャンスと捉えられるようになってきている。
アフリカや南アメリカ、中国ではすでにフランスやオーストラリアの企業が水道工事や管理運営、料金徴収まで受注するような事例もでてきている。それらの中には成功した例も失敗した例もあるが、ノウハウの蓄積になっていることは間違いない。
一方で日本では水事業はずっと自治体がおこなってきた。水ビジネスという考え方すら目新しいものであり、やっと政府やトヨタのような大企業が著者らに話を聞くようになったところだという。

日本の水道については、漏水率がひくく、安全な水を確実に届けるという面でレベルの高いものであるが、水道管の老朽化、公共事業の縮小による、水道ノウハウ継承の人員確保がない、維持するのが精いっぱいになるなどの弊害がでてきそうである。今後水道事業をどうするのか、ビジョンが必要。そのとき、これまでのような自治体レベルの管理は難しいだろう。
すでに小さな規模では外国資本や国内民間資本の水道事業の受注はある。
ただ、今後そういった方向にいくとしても、管理、監督はちきんとやらいと、これまでの世界の例からみてうまくいかないだろう。

日本では水ビジネスというと「よい膜をつくる」といった、技術の話になることも多いが、
ビジネスとして成り立つには、施設建設から、維持管理、料金徴収までのトータルなノウハウが必要である。
また、契約も相手が裏切るのが前提であり、不払いや、盗水の対策が必要だ。
商社などのノウハウをいれて、まず国内で試してから、海外へうってでる必要があるだろう。

今、地球規模で水の循環をしらべたり、地下水の量を調べたりする試みがおこなわれている。
こうしたデータは水ビジネスの前提になるので、大切である。
データを集める技術に参入するビジネスもある。
たとえば川の流量を正しくはかる方法などは、まだ確立されていない。
これを作って世界中の河川に売り込めば、そうとうな規模のビジネスになるだろう。

バーチャルウォーターや、世界の水資源枯渇などで水が注目をあつめている。
環境という側面からいうと、水は地産地消な面があり、ある地域で節約したからといって、
他の地域で増えるわけではないという特徴がある。
数字で、世界的に一人1日何リットルと規定できないものである。
得られる手間が違うので、料金も地域でちがう(日本国内でも最大9倍の差がある)
人口の増加で一部の都市など局所的に水が足りない、また洪水のピーク流量が変わるなどの影響があるだおる。
経済の発展と生活水準の上昇が水をつかう社会に拍車をかける。

水問題のある国には貧困の問題もあることが多い。
また環境難民の問題とも関連している。

水は権利か、それとも要求かという議論はあるが、決着はつきそうもない。
沖さんは生存の水へのアクセス権利はあるが、何もせず手にはいるものではないと思うといっていた。
水といっても、生存のたまの飲み水問題、商業性の農業生産、工業生産、文化的に快適に暮らすための生活用水、生体系維持、環境のための水、嗜好品としての水とわけて考えたほうがいいともいっていた。




第1章水はだれのものか
人口増加による飲み水だけでなく、農業や工業に必要な水も需要が増大している。
これまで河川と地下水でまかなってきたが、今後たりなくなる地域もでてくると考えられる。
水問題に会する国際会議やフォーラムの年表をつけて、世界の水への関心の高まりを解説していた。
現在はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)があり、報告書をだしている。(解決策の提示はない)

環境的な側面でいうと、温室ガスなどと違っているのは、地域的要素が高いということ。
ある地域で節約したからといって、他の地域の水が増えるわけではないという、地産地消の側面があるのが水の特徴である。
温暖化による気候の変動で、水循環の変化も注目しなければいけない。
それが深刻化するのは今世紀半ばと思われる。

人口増加によって、局地的に都市に水が足りないとか、洪水のピーク流量が大きくなるなどの変化が深刻になることも予想されている。
経済の発展と生活水準の上昇も水を使う社会に拍車をかけている。
水問題のある国は貧困の問題を抱えていることが多い。両者は関連している。
水と難民の間にも関連がある。ダムによって下流に水がながれなくなれば、下流の住民が難民化する可能性がある。
欧州ではこうした環境難民が恐れられている。

水は、人間の権利か、それとも要求かという議論があり、現在は後者の考え方が主流である。
おそらく決着はつかないだろう。
沖さんはアクセスする権利はあるが、無条件に手に入るものではないのではないかといっていた、
また、生存のたまの飲み水問題、商業性の農業生産、工業生産、文化的に快適に暮らすための生活用水、生体系維持、環境のための水、嗜好品としての水とわけて考えたほうがいいともいっていた。
東京都では水道をとめるときには町内会長のところまで確認にいくという。よほどのことが無い限りとめないというある程度の社会的合意があると思われる。

水資源はとっておくのに非常にコストがかかる。そして売るときは安い。
よって通常の資源とは違う、よってストックでなくフローしている間にいかに金銭的な価値を高めるかというビジネスになる。
日本では水を使う管理は公共財として厳密に管理され、特定の利用者に所有させないようにしているが、地下水はそうではない。
日本では川の水を使う権利は先の使用者が優先で、新たな使用者は貯留施設の設備による流量変動の平準化によって実効的に増えた利用可能量の分をつかっていいということになっている。
また取水する権利は転売できない。
このため、過剰な消費や、投機的資金の流入を防ぐことができた。
水の法律は8世紀の「養老律令」にすでにある。農耕文化なのでつねに水争いはあった。
今の取水権の考え方は江戸時代の慣習法が基になっている。
アメリカのカルフォルニアやニュージーランドでは、自分の取水権を売ることができる。
効率的に使うようになって、節水になるのを狙っているのだという。
日本の水源を買っている水メジャーがある。

水の循環を断つ(ボトルにつめて売る)などで循環が断たれるのは問題かもしれない。
地域で水の循環をとらえないといけないので、地域で対応するのがよい。
そして水の問題は顕在化したときはすでに遅いことが多い。
まにあううちにいろいろ処方箋をかいて試したほうがいい。

国内では水問題をなかなか認識してもらえないので、バーチャルウォーター=食料の輸入において、ある国の水資源需給をどの程度緩和しているか推計するため、その食料を国内で生産すると仮定したときどのくらいの量の水が必要になるか推定したもの。を紹介したところ反応がよかった。
世界の水問題が食卓に直結しているとわかると、問題を認識してもらいやすい。
途上国には水を安定して供給できれば生産性をあげられるところがたくさんある。
水汲みは重労働であり、それを解放するという意味でも水への援助はよろこばれるだろう。


第2章 問題が山積する日本の水
東京都は1200万人に水を供給していて、7割が利根川で埼玉と群馬にお願いしている。
一地域では水問題は解決できない。
利根川を使えるまでは多摩川をつかっていたので、東京の形は水源をもとめて西に延びた形をしているのだ。
人口密度が低いなら地下水でよかったのが、足らなくなって川から取水した(玉川上水)。
玉川上水は重力だけで水をおくっている。これは省エネとして見習うべき。ローマの水道橋も重力だけ。

日本国内の配管4万5000キロは老朽化がきている。
日本全国にちらばっている。
東京都はステンレス管、さらえに各家庭の給水管をしっかり接続して漏水率をさげている。

水道の国内料金格差は9倍。
水道料金は世界的には高いといわれるが、蛇口から飲める国としては高くない。
非常に高品質なサービスを、それなりの値段で供給しているといえる。

水道管の耐震化はまだそれほど進んでいない。

日本全国の電力需要の1.5%が上下水道によるもの、0.8が上水、0.7が下水

水道にかかわる公務員は全国で5万5000人、そのうち40%強が50歳以上、ノウハウがうしなわれつつある。
管理で一番重要なマッピングがまちがっているケースがあるのが問題。

水道事業の委託は汚泥処理、PFIで増えている。コアの部分は役所がやっているところが多い。
1700の自治体でまだ数十例でトライアル状態。
これまでの水道事業は維持管理を考えていないところが多い。
維持管理までまかせるようになると、先のことまで考えて設計するのではないか。
これまでは公衆衛生重視で、過剰な設備投資になっている面がある。
老朽した水インフラと、人口減少で料金収入がさがるので、先は苦しい。
フランスでは150年も民営でやってきたところもあるが、日本では水はお役所にやってほしいという要望が強い。

上下水道の保有資産は上水道40兆円、下水道80兆円。
維持するために2025年までに120兆円が必要といわれている。1年で6兆円。
日本の上下水道の料金徴収は6億円で、これでは更新費用はまかなえない。
水道料金の値上げは利用者も政治家も二の足を踏むので、しょっちゅう水道が破裂でもする事態にならないとできないかも。

日本の下水の普及率は73%だが、地域差がある、徳島13.3%など。
日本の下水処理技術は多少エネルギーを必要とするが狭い土地で効率よく処理する技術としては完成している。
しかしそのまま途上国に適用できるとは限らない。
優れたし尿処理の技術である合併浄化槽の技術などは、すぐに移転できるものだが、縦割り行政でうまくいってない。
バイオトイレットなどの衛生管理は、お金をうみださないと現地でうけいれられないかも。

円借款などのプロジェクトに日本の水技術がはいっていかないのは、海外の上下水道の運営をするための
国際入札参加資格をもった会社が日本に1社もないから。
無償分野でトレーニングをして実績を積むことをはじめている。
水は他の資源のように2倍3倍もうけることはできない。どのように、どのくらい儲けるのか手さぐり状態である。
漏水防止、水質分析は世界一、ハイテク技術では膜がある。
しかし、統合するノウハウがないので、単体でしか参加できていない。

水処理膜の基のパテントはアメリカである。しかしパテントがあるから儲かるわけではない。
水循環全体を見たシステムを構築し、コストダウンを図るのが、これからの日本のやるべきこと。
これまで役所の入札では機会均等と称して、いろんなメーカーに割ふってきたことで統合マネジメントが失われた面もある。

「水の安全保障戦略機構」は、中川昭一元財務・金融大臣が発起人の研究会が発展した任意団体。
特に財政的うらづけはなく、登録したチームが水問題の解決にコミットしていくもの
ゼロメートル地帯の問題を世界各国で共有
浄水場の疑集材をアルミから鉄にするなど
水問題のすそ野の広がりをかんじさせる内容になっている。
この本の出版時点で中川昭一氏は死去されている。
内閣府が音頭をとって、13省庁が関係する「水問題に関する関係省庁連絡会」が設置され機構と意見を交換していく。
水ビジネスの海外進出にむけて産官学政の風通しをよくするというねらいがある。

フランスの水メジャー3社、スエズ、ヴェオリア、ラ・ソーは3社で国内上下水道を寡占。8ねんかけてノウハウと資金を蓄積。
80年から海外にでた。シラク大統領がセールスマンを務めても8ねんかかった。
これからは、水ビジネスがお金になるとなると投資がくるのは明らか。

東南アジアでは水ビジネスをてがける3カ条
「盗水、漏水、不払いの防止」
地域性や宗教を考慮した方法が必要、中国の先端地域ではプリペイド方式をとっている。

日本には水争いがないといわれているが、やはり地域ではあり、「円筒分水」などはそのたまめに生まれた知恵。
問題解決のノウハウに貢献できる部分もあるはず。
まずは観測データの共有からはじめて、相手に影響をおよぼしそうなところを理解して、手順をきめたら結果がきちんとわかることが大切。

日本をはじめとするアジアモンスーン気候では水不足より、氾濫が問題だった。
今では干ばつもあるので、多すぎる水と少なすぎる水両方の問題があるといえる。
洪水をおさえこもうとしてきたのは明治以降、それまでの共存技術についても検討すべき。霞堤など。
日本橋の上の高速道路が明治以降の日本の治水を象徴している。


第3章 なぜ、水がビジネスになるのか?
地産地消であれば大きなビジネスにはならないはず。
100万人都市の出現で地域内で水がまわることは考えられなくなり、水供給の仕組みが必要になったのがはじまり

日本では水ビジネスという概念自体があたらしい。
日本では豊富な水と整備されたインフラの維持
中近東アフリカは水資源が乏しい、中国はインフラはこれからなど
世界の地域の事情に応じたビジネスが必要。

国際的にみると、現地の自治体に責任能力がなくて、丸投げした水ビジネスはうまくいかないことが多い。
パリは民営から公営にもどる
民間委託にはチェック機能が必要。

日本の水ビジネスの最大のアイテムは上下水道の民営化。
ボトルウォーターの売り上げは1兆円にとどかないが、水道は3兆2000億ある。

水は地方自治体のなかでもあまり重点をおかれていない。
民営化は賛成でも海外資本に対する抵抗はおおきい。しかし一部の下水処理には海外資本も参加している。
イギリスでは特に抵抗はないようである。
日本は安全性という意味で国内産を求めるのかも。

国内産を望んでも値上げは反対な人が多い。
サービスをよくしたり、更新料がかかるなら値上げはやむおえないこと。
もっと説明すべき。
水供給のやりかたも、飲み水につかえる水をトイレまで使わなくてもという意見もある。
吉村氏は管理監督は地方自治体よりも地方ブロックがよいのではといっていた。

海外では水需要が伸びるのは確実、人口増加と経済発展。
やはり上下水道の民営化がマーケットが大きい。サウジでの膜処理の話などでていた。

インド・パキスタンでは日本の井戸がよろこばれていたが、現在は有毒物質がはいって飲めないものが多い。

中国では海外資本の水ビジネスへの参入がはじまっている。北京、上海、成都では水メジャーが1兆円以上の受注残でプロジェクトを20以上やっている。これからは他の都市への参入が残っているだろう。
インドはムンバイなどの大都市で上下水道の民営化計画がでている。
水ビジネス先行国は政府の後押しをうけており、日本でもそうすべき。
また技術を生かしたパッケージで売り込むのもよいと思われる。

世界でみると今後10年間は海水淡水化施設がどんどん導入される可能性がある。
RO膜が使われているが、エネルギーを多くつかうので、ナノ濾過や順浸透圧法などの研究がはじまっている。
IBMもガラス電極膜などを研究しており、今後勢力図がかわるかもしれない。
ただ、日本の場合は官が統合してきたので統合技術はない。
持続性も注目されはじめており、淡水化したあとの濃縮海水の処理も検討されているが薄めて海に戻す以外の方法で
有効なものはまだない。

アメリカでは水自体がすくなくなってきており、取水権が販売されはじめている。
日本で、今から「水の話をしてください」といっている企業はすでに遅いかもしれない。


第4章 水のマネジメントにこそチャンスがある
GEは会社を買収して水分野に進出。
IBMは水の情報管理で水ビジネスを推進するといっている。具体的には水情報を収集するデジタルセンサーを世界中にばらまいてその情報をインターネットや衛星で集めるということをやtっている。
地中の水分がわかるセンサーもあるので、一国の水資源だけでなく、エネルギー、食糧まで把握できるそうだ。
食料予測がほしいのは穀物商社だが、まだ難しい。
日本で雲から水への情報収集は気象庁、国交省、バラバラにもっている。IBMは脅威。
大量の情報をわかりやすく集約化して示すという意味で情報産業が参入する余地はある。
水害の予測をするにも日本全国をみるシステムが必要だが、意識はまだ低い。
吉村氏は日本の気象の変化はチベット高原付近から由来しているので、そこをよく見ないとといっていた。
水に関するあらゆる省庁が協力して水を総合的に3Dでみられるようにするとよい。

川の流量を正確に測れるセンサーはまだないが、加発できれば有望。
地下水の変動を人工衛星から計測する方法もある。
雪の深さもなかなか測れない。
トヨタがデンソーやアイシン精機をつかって水センサーをつくったらおもしろい。
すべての国際河川に長期にわたって水センサーをいれられたら、ビジネスとしても成り立つ。
それには、まず国内で市場があって、テストできないといけない。

今日本で行っているリプレイスも、今後世界に売れるかもしれない。
下水道も中近東やアフリカから問い合わせがある。
日本下水道協会のなかに「下水道グローバルセンター」ができたり
日本水道協会の中に「水道事業国政貢献推進室」ができたりして、研修生や問い合わせがくるようになったのだ。
下水については管路と処理の話は分けて考えていい。
人口密度や利用可能な技術をくみあわせて、相手国に最適な提案ができるはず。
バイオトイレットも肥料の問題とくみあわせてかんがてみるとよいかも。

水問題は環境問題としてとらえられてきたが、ビジネスチャンスととらえる人が増えている。
すでにシンガポール、ドイツ、韓国などが国を挙げて水ビジネスとりくんでおり、日本は遅いくらいである。
日本国内で水ビジネスの実証の場所がないのは痛い。

RO膜を作っているところでは日東電工が伸びているが、理由は営業をアメリカの会社にまかせたこと。
異分野の能力を持った人材をいれれば、日本のハードを作っている会社は凄く伸びる可能性がある。
よいものを作っているだけでは売れない。
現場の生産技術といった細かいノウハウは評価されない傾向がある。
海外で失敗する会社は目に見えないマネジメント能力が欠けており、情報収集、人材育成、労務管理に力をいれていない。
カスタマーがあって、お金の動きがあるところに素早くマネジメントしなければ、利益は上がらない。

水道民営化のうまくいかなかった例、ボリビアでは民営化で水道料金が2倍になり、衝突がおきた。
民間会社が契約不履行で政府を訴え、保証金を手にいれた。
欧米の会社は相手が裏切るという前提のもと契約がきちんとしているので、国際裁判所にもちこむと大抵企業側が勝利する。
三菱商事が参入しているフィリピン、マニラの西地区では国際入札で価格を抑え、新しく水道管を引くことで、漏水と盗水を防ぎうまくいっている。
世界の10分の1が民間から水の供給をうけている。
民間資本でもうまくいっている例はあるし、供給をうける側も安定して供給されていれば、相手が誰かはあまり気にしないようだ。
投資家からみると、水ビジネスの利回りは10-50年の長期投資で年に2-3%程度。
薄利ではあっても、人間がいる限りビジネスはなりたつので、あまりもうけを急ぐ必要はない。
運営でも施設や運営権を証券化して売るなどしてリスク管理がうまい。
日本人は最後まで自分たちでやろうとするが、海外資本は常に出口を用意している。
水ビジネスはすそ野が広いので、海外にでるときは1社ではいかないだろう。

測定技術、膜技術の他には情報収集から適正な水処理まで統合マネジメントをねらうのがよい。
日本では官需に頼ってきた会社が多いので、漠としたものから何かを創り出すのは苦手。
日本の水循環、水政策を水情報の可視化でみるのは、合意形成の意味でもよいこと。
水は共有すべき情報が膨大なので、可視化できれば理解がすすむので大事。

ダムには水とともに土砂がたまってしまう欠点がある。
日本の比較的大きなダムは1700ある。水のほかに汚泥がたまってきるが、取る仕組みがあるのは数基のみ。
溜まっているのは落ち葉などの自然由来の窒素であるので、取り除くのにコストがかかる。


第5章 水問題、水ビジネスを考えるセンスを磨く
ボトルウォーターは世界的に伸びている。アメリカよりラテン系の国が多い。
日本でも増えているが、まだ食料で入ってくる方が多い。
バーチャルウォーターで日本は世界の水に支えられていると実感する人が多い。

ウォーターフットプリント=あるものをつくるのにどのくらい水がつかわれたか
しかし、水の豊富なところでつくられたか、それとも少ないところでつくられたかで事情がかわるので
あまりよい視標とはいえない。また金融の手先になる危険もある。
カーボンフットプリントは同じことを二酸化炭素でやっているが、こちらは共有財産であり合理的である。

取水して使う水だけではなくて、環境維持のための水、水利を維持するための水も大切である。
節水したいからと、手をあらうとき水をケチっても、その分が貧しい人のところに行くものでもない。
このようなことを知ってもらうのに水の教育が大切。
言行では小学4年生で水について学ぶだけ。

車1台につかわれる水は60トンくらいだが、超純水をつかってあれば、その水質を高めるためのエネルギーも考えなければならない。
ニッケルカドミウムよりリチウムの方が水を使う。

水がたりなくなることによって生じてくる水ビジネスもある。

沖氏が参加したIPCCについて
第5次報告書では、極端現象(ゲリラ豪雨など)に対する特別報告書をだすことになった。
気候の変動の影響は平均気温や降水量よりも、極端現象を介して実社会にものすごく影響がでるとしてICPPで話あわれた。裾野はひろがっている。
波及効果を考え、緩和策適応策をだすのがICPPの仕事。ただし論文などは出さない。
報告書を出すには各国の認証が必要。

IPCCの報告書はだんだん可視化されわかりやすくなっている。
ただしわかりやすさのために正確さが犠牲にしないのがIPCCの方針。
地域ごとの返答はできないので、地域単位のきめ細かな気候変動予測が必要。
適応策として、どれが適切かも地域にあわせて提案できない状態。
地域性のほかに、人口の増減や工場や農地の多さなど社会的にもさまざまな要因がある。
地域の実情に応じた選択肢を提供するための蓄積がないので、これから地域ごとの成功と失敗の経験事例をみなで共有していく必要がある。

日本が恩恵をうけているアジアモンスーン型の水の循環についてもアジアにむけて情報発信すべき

IPCCは結論をいう機関ではない。
メニューをだすだけで、決めるのは政策決定者であり、国民である。
IPCCには過去から将来の気候の変化をまとめている「ワーキンググループ1」40-50人
緩和策(二酸化炭素などのはいしゅつ削減など)をまとめる「ワーキンググループ2」40人くらい
影響評価と適応策のまとめ「ワーキンググループ3」が100人くらい
気候変動からの金銭的価値や、環境への影響を明らかにして、軽減する方法がもとめられている。
IPCCの正式メンバーは学者でなく各国政府の代表。そして推薦された研究者からなる。
日本人は自己主張が苦手な人が多い。
研究テーマを提言している側面もある。IPCC自体は研究はしない。

日本発をめざす研究開発としてよいものを、まとめている最中。
研究はすすんでいたも、ビジネスとなるとは思っていなかった人が大半。
水は世界の穀物価格相場を決める重要なよそになるので、重視されている。
ただ、データは各省庁でバラバラにもっていたりするので統合が必要。

日本は世界に水で貢献することができるはず。
漏水の防止や浄水場管理、ODAによる上下水道や灌漑用水もある、、
コンパクトな装置を出すなどの方法も水ビジネスとして考えられる。

水ビジネスは、2025年に世界で100-125兆円といわれているが、
吉村氏は、現在2000億なので、20兆まで増やしてほしいといっていた。
単品でなくマネジメントで海外と戦ってほしい。

沖氏は上下水道だけでなく水循環全体をマネジメントとしてとらえたらよいといっていた。
中国では汚水処理に参入したメーカーもいる。

日本企業はいまある技術の改良・改善がうまい。
現地でのマネジメントと維持管理をコストを下げてうまくおこなうとよい。

世界の水インフラで将来大きなビジネスは上下水道の維持管理である。

今後自治体の維持管理は減るだろう、今後は民間が増えてくる。
水道法、下水道法の過剰な施行基準も考え直すべき。

水問題の解決に貢献できる人材をそだてなければならないが、大学で水をやっているのは少ない。
東大工学部都市工学科
北海道大学 環境工学科
生命工学にはいっているところもある。
水だけの学部はないので、土木や都市工学の一部として習う、
水関係は、就職できないとみられている節もある。

これからは発展途上国の水問題も深刻化するから、エンジニアリングしていかないといけない。
その際、水の循環をプランニングできるひと
浄水場や下水処理場を設計できる人などが不足している。

水はどこでもかかわっていてゆえに無責任になる傾向がある。
個々の要素がある程度わかり、統合する技術がわかり、ファイナンシングやプランニングもわかる人材をそだてなければならない。

吉村氏のまとめ
水はすそ野が広い。いろんな切り口で宝の山になる。
いろんな情報を共有できる場をつくり、日本の技術でつなぎ、水で国際貢献をしたい。

沖氏のまとめ
水は科学技術とマネジメントが必要で、一人では難しいので、いろんなひとがチームでやったほうがいい。
統合かを官が独占してきた歴史がおわり、民に移転がはじまったところである。
水で儲けることは悪いことと考える人もいるが、現地の人に安定して安全な水が供給されるのは悪くない。
民営化は悪いことばかりではない。質のよい水が提供されるようになった例も多い。(事業の透明性は必要)
水を通じた国際援助は非常により取り組みで、保健衛生だけでなく、水汲みから解放されて時間がつくれる。
学者なので、これからも観察していきたい。

水ブームの間に水ビジネスの体制をつくりたい。社会に定着させたい。


日本人が知らない巨大市場 水ビジネスに挑む ~日本の技術が世界に飛び出す!

日本人が知らない巨大市場 水ビジネスに挑む ~日本の技術が世界に飛び出す!

  • 作者: 吉村 和就
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2009/11/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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