シュタイナー学校では、1年生からずっと同じ担任がクラスをみる。おおきくなるにしたがって専門科目がはいり、他の先生がかかわっていくようになる。

この物語では新人教師スーザンのクラスを舞台に、それまで9歳での危機をのりこえてきたクラスが変容し、ついにデパートで集団で万引きをしたり、学校周辺であぶない自転車の乗り方をしたりして苦情がくるなどの事態になる。
スーザンはすっかり自信をなくすが、周囲の教師たちや、ベテラン教師のハリエットによる指導により、自信をとりもどし、自立した自己を確立するために生徒たちがもがき、苦しんでいることを理解し、いままでと違った対応が必要なことを学ぶ。

それまで絶対的存在だった教師は一歩退いた存在となり、ユーモアと知恵をもった導き手となること
12歳は自己を確立しようとするが、体も成長過程であり、不安定な存在であることを理解すること
押し付けは彼らから反発した自己表現を引き出すだけである
彼らの判断を引き出し、個人的な感情を表現する場所をあたえることが大切
生まれたばかりの自己を否定されるのは、12歳には耐えられない、「彼ら自身」ではなく「彼らの行動」を非難する
判断材料をあたえて、判断をまかせる、自分自身の行動を客観的に見させる。

具体的なケースとして、喫煙や服装が過激な男の子とドラッグに手をだしてしまった女の子がとりあげられている。
また、シュタイナー学校年度終わりにわたされる、生徒への手紙とその返信が1年から7年までのっていた。


反抗期のシュタイナー教育―自立へと向かう遙かな旅

  • 作者: ヘルマン ケプケ
  • 出版社/メーカー: 学陽書房
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本