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孤独のチカラ [子育て]

現代(本がでたのは2005年)の日本人は孤独を悪いもののようにとらえて恐れすぎている。自分の中の井戸を掘り下げる作業は孤独な時間にしかできない。その時間を仲間とつながってつぶしてしまうと、単独者になる訓練ができない。
自分の井戸を掘って、偉人たちと共通の地下水脈につなげるには教養を求める=魂を求める読書で言葉のドリルを使う。

著者の斎藤孝さんがブレイクする前の浪人時代から明治大学で32歳で職を得るまでの間はずぶずぶの孤独な時代で、本人は「暗黒の十年」と呼んでいるらしい。

浪人してはいった大学でも孤独で、内実のある付き合いがしたいがそれが難しく周囲とうまくいかず、いつか10倍にして返してもらうと莫大なエネルギーにして死者の本や音楽に没頭したらしい。
若気の至りであったが、そのとき「つるむというやり方では到達できない地点がある」単独者として目覚めた。

群れて成功した人はいない。
学びの第一の構えは単独者であることを理解してもらわないといけない。
単独者はエネルギーが高い。
自らに機械する力=自期力が高いのでプライドが高い鼻持ちならないタイプに見える。
エネルギーがありすぎるので内圧を上手にアウトプットしていかないと危険。
重要なのは自己客観力。結果をだすこと。
年とともにエネルギーは衰える。エネルギーのあるうちにアウトプットする能力をみにつけておくことが大事。
一人の時間は基本的に自分を鍛える時間、何かを技に変えていくために費やす時間。人は孤独なときにこそ力を伸ばす。
単独者になることで人は強くなれる。
<付き合い>を断ることも人生のある時期には必要。
むやみに孤独を恐れることはない、積極的に孤独を作り出し、そこに充実感をもつ単独者になれ。
ひとかどの仕事をしている人は、間違いなく上手な孤独との付き合い方をこころえている。
現代人は人間づきあいと恋愛が頭をしめすぎている。
自分を掘り下げる作業は一人でしかできない。
孤独のなかで一人でも大丈夫だと思えると安心感になるが、人とつるんでばかりいたひとは孤独で不安になる。
ヨガや禅における単独者状態。
呼吸を使って体に注意をむける。

仕事は才能でなくポジションでやるもの。
ポジションを与えられれば大概のひとは経験値をあげてこなす。しかし安住していると精神をダメにする。
クリエイティビティは職業と関係ない、チャレンジする人がそうなのだ。
安住していないかチェックするのに、鏡を使った内観。教養をみがく(一人のときに本をよむなど)ことで外部の鏡をもつ。日記を書き、考えを整理して思いを根付かせるをあげていた。作家でも書く作業はつらい。書くことは自分の孤独力を育てる一つの技法。
ブログは人にみせるのが前提なのでちょっとちがう、またただ攻撃的なものでは意味がなく、くやしさをばねに自分を奮い立たせる書き方がよい。

孤独を乗り越えるための3つの手法
手先のことに集中する
翻訳・英語本にトライ
マニアな読書

孤独の時代には思い切って自分を絶対視することが必要。強い思い込みは孤独にしかうみだせないパワー。本当の意味で事故を衝き動かす原動力は自己を肯定する力。

孤独を救うイメージは水
でも地水火風はどれもいいと思う。
孤独であっても自分はどんなときにも自然に抱かれていると思うこと。すると豊かになれる。
孤独に押しつぶされないようにするには体との一体感を大切にする。体に向き合わず周囲に注意をむけていると寂しさにからめとられてしまう。
体というものはひとつの持ち運び可能な寺院とみなすのがよい。
女性の方がひとりの時間の過ごし方はうまい。

一人の時間を味わうために歩く、放浪する、例スナフキン。
人生と夢のおりあいはつけないと、夢を実現できない人間だと自己否定してしまうので、夢をちょっとずらすくらいの大人の工夫が欲しい。
時代との違和感は孤独をあおる。例 永井荷風・谷川俊太郎の作品 ここまで暗くならなくてもいいと思うが、孤独はパワーにもなる。孤独を排除する傾向はよくない。

今はちょっと寂しくて落ち込んでいるだけでも「プチうつ」などとネガティブにとらえらえる。孤独を味方にしてポジティブにしていきたい。
文学は人間はそもそも孤独だと教えてくれる。
思春期におすすめ
・十九歳の地図 中上健次
・バッテリー あさのあつこ
・石の思い 坂口安吾
・デミアン ヘルマン・ヘッセ
青年期におすすめ
・人間失格 太宰治
・城 カフカ
・方丈記 鴨長明
・一握の砂 石川啄木
読書は死者の世界へ旅すること。

現代は野心が希薄になり、空気は明るい。
孤独についてあこがれをかきたてるようなモデルが必要だ。
日本人を含むアジア全体で単独になることが苦手、それを理解したうえで自分がめざすべきスタイルをもった孤独の実践者をみつけておくとよい。
中原中也・林尹夫の「潜沈」

生とは限定された時間をどう生きるかという真剣勝負の場。禅は典型的な孤独の作法。
おいしいものを食べたり、いいものを欲しがったりするのは動物でもできるが、自分がこの良い存在していること、意義を意識化できるのは人間だけで、それは大きな快楽の源になる。それをつきつめたのが禅。
愛の孤独は苦しさのなかにも甘美さがある。特に失恋の喪失感は味わい尽くすことで人間を深くする。ストーカーは愛の孤独に耐えられないひとがなるもの。孤独こそが他社への理解力を強める。
ピアノは弾けるようになるまでの孤独の鍛錬を感じるのでセクシー。
コレクションは集めるのが自己目的化してしまうと孤独とはおおきくはずれてしまう。
コレクションのような自分の快楽の維持に安住できると幸せだが、人間的に成長しようとすれば、精神は少なくとも一度、心地いいある地点からの断絶を引き受けなくてはならない。

人はノルアドレナリンで不快、セロトニンで安定、ドーパミンで快楽を感じる。
ノルアドレナリン状態という不快感も、そこから逃げたい、成長して乗り越えたいとことを成す原動力になることがある。芥川龍之介、太宰治、夏目漱石。

死と向き合うことは完璧な孤独。
日本人は無常観や執着をすてる教育をしてきたが、今は孤独と向き合わない、孤独を成長のためのミッションだとうけとらなくなった。しかしそれが現代人の寂しさを助長している。孤独への過剰な恐れは教養を軽視する風潮と一致している。孤独をポジティブなものに感じるには教養が必要だから。実際に教養があるかではなく、そういうものに出会いたいと思う気持ちがあるかである。

著者の孤独のイメージは地下水脈で偉人たちとつながっている喜び。それがあれば孤独は怖くない。

歌には情緒を動かして孤独な気分を甘やかにかんじさせてくれる作用があるが、孤独の表層をなでているようなもので、小説などで自分の中の井戸を掘る作業とは違う。
言葉によるドリルが必要で、そのためには自分の魂の友を求めるような気持ちで読書すること。



孤独のチカラ

孤独のチカラ

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: PARCO出版
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: 単行本



タグ:齋藤 孝
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