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空想科学読本4[新装版] (空想科学研究所の本) [雑学]

ウルトラマンや仮面ライダーといった空想科学の世界を科学的に考えてみようという本。
第4弾
SPA誌の書下ろしをベースにする予定だったが、深い考察が欲しいと大部分が書下ろしになったそうな。

第1部 その話は本当か?

・ホウキで空を飛ぶ
なぜ、ホウキで飛べるのかは問わない。きっと魔女だから魔法の力で揚力や反重力を生み出しているのだろう。
検討するのは、実際にホウキで飛んだらなにが起こるのか?
画面で見る限り、宙を飛ぶ能力を持っているのはホウキだけに見える。
ということは、両側が固定されていない鉄棒にまたがっているようなもの。
人間の重心は股間の少し上にあるから、これは不安定。すぐに上下さかさまになってしまい、元には戻るまい。
安定するのは、ホウキの上に上半身を伏せて、両手両足をぶらんと垂らした状態だが、これでは絵になるまい。
または、ホウキから籠をさげてそこに乗るか、ヤジロベエのように天秤棒と重石で安定させるか(肥え担ぎみたいだが)どちらか。
ホウキにかかる飛ぶ力が均一にかかっているとしたらそれも問題だ、重心がとりづらくなる。
両端にかかっているほうが重心はとりやすいが、映画ではホウキの柄は木製で折れることもあるらしいから、ポッキリいってしまいそうだ。
しかも荷物をつけていたし。
飛ぶ力をすきなようにかけられるなら、ホウキの上下で飛ぶ力を変えておくと安定するけど、上下わかるようにしておかないと、逆向きに乗って飛び立とうとすると回転して地面に頭をうってしまうだろう。
映画でよくみるとホウキの場合は根元のわらを束ねたあたりに座っているようだが、デッキブラシにまたがったときにはモロに股間に力がかかる。
最後に飛行船から宙づりになっている友達を救うために7階建てのビルのわきから一気に舞い上がったが、これは1秒で20mの高さを垂直にあがった状態で、股間にかかった力は200㎏。これは両足に相撲取りがぶら下がったようなもので、きついことこの上ない。
やはりホウキはやめて、掃除道具がいいなら、塵取りとか雑巾にすべきでは?

・人類滅亡の危機
「新世紀エヴァンゲリオン」では、西暦2000年に南極で「セカンドインパクト」と呼ばれる大爆発が起こり、全世界の半数の人々が死亡したという。
この大爆発で南極の氷が解けたということだから、これによる海綿上昇は80m。一瞬で溶けた場合押し寄せる津波はこれを越えたろうから、全世界の半数の人が死亡したというのも納得できる。日本で水没を免れる県庁所在地は盛岡、山形、甲府、長野、宇都宮、前橋、大津、奈良のみ。
日本の00年の人口1億2600万人の半分6300万人が亡くなったとしたら、その墓地は広大だ。
アニメでは主人公が父親と墓地の前で話すシーンがあったが、このとき見渡す限り墓だらけの景色が広がっていた。
これはきっと国が作ったに違いない。アニメで見る限り墓石の高さは1.5m、間隔はそのほぼ2倍。これが6300万だと面積は570平方キロメートル。東京23区から足立区を抜いた面積に等しい。残った土地は貴重だから、きっと山をけずって、石は安いコンクリートで作ったに違いない。
この広大な墓地では墓参りも大変だ。アニメで見る限り道路は内容だから、近くに乗り付けてあとは徒歩。墓石の文字はローマ字だったから、ローマ字順に並んでいるとして墓を探すしかないのだろう。しかし、訓令式か、ヘボン式かを間違えると距離はだいぶ違ってしまう。まったく目印がなければ最悪19万㎞も歩くんだから、それに比べればマシであるが、同性同名は並んでいることになる。筆者が電話帳で調べたところ、「サトウヒロシ」さんは推定95万7150人。墓地が正方形なら縦8千基×横120列。2870㎞もの距離になる。これは東京ー博多間の約3倍。お参りの人は目的の「サトウヒロシ」さんを探すのはさぞ大変だろう。没年は同じだしね。
それにしても、これだけの人がなくなったら、親戚や好きなアイドル、尊敬する漫画家なんかの墓を巡るだけで大変だ。一度いったらいっぺんにお参りしたいが、これには寝袋と食料が必要だ。筆者の場合で計算するとお参りしたい墓は約500基、これが均等に散らばっているとしたら、最短でも500㎞を歩き、一日10時間歩いて50日。過労死や餓死、行方不明がでるんじゃないか?

・沈没大陸の伝説
1931年にイギリスのチャーチワードという軍人が提唱したムウ大陸。
1万年2千年前に大平洋上に栄え、高度な文明をもち、世界中を植民地にしていたが、天変地異が起きて一夜にして海に沈んだという。
それにしても、そんなに前では農耕も牧畜もなく、日本なら縄文初期。そんな時代に世界を植民地にして、いったい何を貿易していたのか?
空想科学の世界ではこのムウ大陸の末裔がしばしば登場するが、今回は映画「海底軍艦」を例に考察してみる。
海底軍艦は元日本海軍の神宮司大佐によってひそかに建造された万能軍艦である。海上を80ノット、海中を50ノット、地上を自足300㎞、空をマッハ2、地底を時速20㎞で進み、ドリルの先から冷凍光線を放つ。
神宮司大佐がこれを作ったのは、第二次世界大戦の敗戦に納得せず、アメリカと戦争するためだった。
なのになぜか、ムウ帝国の人たちは、海底軍艦の建造をやめないと攻撃するぞと脅迫状を送ってきた。これでは海底軍艦が怖いと告白しているようなものだ。ほっておけば、アメリカと戦ってくれて消耗してくれたのに・・・海底で1万2千年も頑張ったのに結局海底軍艦に滅ぼされちゃうし。
ところでこの映画によるとムウ大陸は太平洋上にアフリカ大陸の1.6倍の大きさで存在する巨大大陸ということだった。
海に沈んだ原因は明らかになっていないが、陸地の沈降を起こすのは断層である。断層とは、地盤に大きな力がかかって亀裂が起こり、両側の高さが食い違ったり水平方向にズレたりする現象をいう。ムウ大陸の場合、沖の海底に亀裂が走り、大陸をのせた側の岩盤が沈み反対が持ち上がったのだろう。
ムウ大陸をオーストラリア大陸と同じくらい平坦だとすると、2230mを12時間(一夜)で沈降するとすると、垂直方向の変動速度は秒速5㎝。
変動速度はともかくとして海岸線が周囲から押し寄せてくる、この速度は時速320㎞。やがて海岸線は大陸の中央でぶつかり高さ400mの水柱となって吹き上がる。これによる海面上昇は44m。引き起こされる自身はマグニチュード12.2。震度5以上で揺れる被災地面積を単純計算すると2300兆平方キロメートル。全地表の460万倍。これはファーストインパクトだろう。ムウ帝国の人もだか、地球が危ない。
大陸が沈んだ位置からしてその震度は4千メートル。空気が残るとしたら奥のほうが高くなっている洞窟などが考えられるが、400気圧の空気なんかすったら血液に大量の酸素が溶け込んで死んでしまう。もちろん体は圧潰してしまうだろう。ムウの人々はよほど頑丈にちがいない。
最初どうやって生き延びたかはともかく、映画では地熱発電所をもって、地下都市を建設していた。エネルギーがあれば海水をろ過したり電気分解して酸素を作ったりできたかもしれない。
それはともかくスペースが限られているから、産児制限は必要だ。映画の都市から推定すると人口は10万人。平均25歳で子供が生まれるとして1万2千年で480世代。5万組の夫婦が生涯に2人の子供を産むなら人口は変わらないが、1%の夫婦が3人の子供を産んでしまうと、480世代で1100万人になってしまい。1%の夫婦が子供1人だと9千人に減ってしまう。ムウの人々がこの問題をどうクリアしたのか実に興味があるが、海底軍艦に滅ぼされてしまったので知るすべはない。

・怪獣食物連鎖
怪獣が食事をするシーンなんてないし、石油や石炭ウランを食べるなんて怪獣図鑑にはさらりと書いてある。
この謎に光をあててくれたのが「帰ってきたウルトラマン」の第5・6話。登場したグドンとツインテールは激しく戦うのだが、MATが持っていた謎の文献によると、グドンはツインテールを食べるのである。しかも生まれたてのツインテールはエビのような味がしておいしいと書いてある。誰か食べたのか?
しかし、そういう理由で戦っているのなら決着がついてから1匹だけ倒したほうが効率的なのに、なぜか両方と戦っていたウルトラマンはなんだったんだろう。MATの隊員なんだから情報は知っていたろうに。
ところで、グドンがツインテールを食べるとしたら、食物連鎖の法則からいってツインテールはグドンより多いはずである。ライオンを基準に計算するとツインテールはグドンの68倍いるはずである。ところがエビの味がするからには腐りやすいはずなので、食いだめが必要だ。しかしいくら食いだめしても限界があるので、これで計算するとツインテールが絶滅しない最低個体数は250匹。グドン1匹よりこっちのほうがやっかいじゃないか。
ところでツインテールは何を食べるのか?口が地面についているのであまり大きくあけられないとすれば、実は人間が食べやすい大きさだ。グドンと同じ方法でツインテールが人間を食べる量を計算すると、1日に590人が食べられ、日本の総人口でも2年4か月で絶滅する。こうなるとグドンは人間にはむしろ益虫である。ウルトラマンにはどんどんツインテールを捕まえてきてグドンに食べてもらうようにしたほうがいい。そしてツインテールが絶滅すれば、ツインテールを食べるグドンも絶滅するわけで一石二鳥である。

・恐怖による白髪化
「ベルサイユのばら」のマリー・アントワネットの白髪について考察。
革命のあと、国王一家はテュイルリー宮にいたが、王妃の故国オーストリアに脱出を試みて捕まる。その後パリに戻されるが、その間にマリー・アントワネットの金髪は白髪になったというのだ。そんなことが可能なのか。
たしかに苦労知らずに育った彼女にとって、この脱出行は恐怖に満ちていただろう、見つかれば間違いなく死刑である。
かなりの精神的ストレスを受けていたことが予想される。
人間は寒くなると鳥肌が立ち、血糖値が上がる。ストレス反応はこれと同じことが起こるが、精神的なストレスはこうした反応では改善しない。そうすると体は防御反応をやめてしまうので、抵抗がさがり、胃潰瘍やがん、場合によっては死亡することもある。
白髪は毛母細胞がメラニン色素を作る能力を失うこと。でもすでに伸びた髪の色素は抜けないはず。もしパリに戻る5日間で白髪化したのなら、その間に白髪が伸びたことになり、髪の長さを50㎝とするなら一日10㎝、常人の200倍のスピードで細胞分裂したはずである、当然食事も大量に必要だし、垢も200倍で排出される、脱出馬車の後ろには料理人と食料を積んだ馬車が連なり、国王一家の馬車は彼女の体臭でかなり臭さだったはず。
そうでなければ脱出前に髪を剃っていないといけないけど、これはかなりありえないだろう。
ストレスで起こるとすれば、白髪化より脱毛のほうが科学的にありえる話ではあるが、王妃様がつるっぱげではベルばらファンに怒られそうである。
ところで「あしたのジョー」で矢吹丈が真っ白になって燃え尽きた相手、ホセ・メンドーサは、15ラウンド終了後、判定がでるまでの間に白髪化していた。この速度で生え変わったとしたらリングの上には10万本の髪が抜け落ち、毛母細胞の分裂のため、ホセは消滅してしまうだろう。だってごはんたべられないからね。

第2部 実現したらどうなるだろう?
・宇宙空間での格闘
宇宙には踏みしめる大地も、上下を決める重力もない。人間型のモビルスーツはどう戦えばいいのか?
ガンダムとザクを例に考察。
そもそも、シャアのヘルメットが無重力空間に適さない。あんなとがったものが飛んできたら大変だ。
仮面をしていて軍隊に入ることができるかも疑問だったので、筆者は自衛隊に問い合わせてみたがもちろん不可だったそうだ。
ところでモビルスーツの戦闘であるが、そもそも宇宙空間では自分の速度がわからない。レーダーなら可能だが、そもそもレーダーが役にたたなくなるミノフスキー粒子のせいでモビルスーツで戦っているんだからレーダーは役にたたない。
意味があるのは相対速度だけだが、相手が近づいているのか、自分が近づいているのかわからない状況では大激突の危険は大きい。
なんとか相違速度と距離がわかったとしよう。
相手が見えたら、それは相手が相対速度で接近中ということだ。こちらも突進したら大激突になるから、相手をみたらまず減速だ。そして安全に近づく。
そうして近づいても、上下はないから相手はさかさまかもしれないけど。どんな体制にもなるという宇宙空間では初心者のアムロは、歴戦の勇士シャアに比べて圧倒的に不利だろう。
そして近づいても、踏みしめる大地はないから、投げ技もパンチも無効。自分が回転するだけだ。
もし当たったら相手は離れていく、相手からは殴って逃げたようにみえるだろうけど。
パンチを有効にするためには相手をヘッドロックにするとかして殴らないといけない。
キックも同様。
いっそ関節技にしたほうがいいのでは。
では、武器はどうか?
ガンダムの頭部の門の60㎜バルカン砲で攻撃すると、反動で激しい回転が始まる。そしてザクからとおざかっていくことだろう。
ザクの場合は体の正面で120㎜マシンガンを撃つこの反動をまともにうけるとザクは自由落下の8割の勢いで後退してしまう。
というわけで、いろいろままならないので、筆者が科学的に正しいデザインのモビルスーツを考えてみた。
前後後退が自由にできるように、胸と背中に同じ推力クラスターをつける。側面にもつけるともっといい。
敵の位置と距離を測定するために赤外線やX線などのさまざまな波長を利用するレーダーをつける。どれか役にたつだろう。
上下がない宇宙で、どんな大勢で敵と向かい合ってもいいように手足は左右上下均等につけておく、これならパンチやキックの際に反対の手足で反動を抑えることも可能だ。かっこ悪いが、これが正しい宇宙戦闘用モビルスーツなのである。

・小さくなって暮らす
ウルトラセブンはほとんどの時間をダンに変身したまますごしている。これは人間がハツカネズミになって暮らすようなもの。
これによって起こる日常生活の生涯を科学的に考察。
「質量保存の法則」があれば、ダンになっても体重は3万5千トン。これは愛媛県松山市の市民全員が一人になって歩くようなもので、都会をあるいてもコンクリートが沈み込み、新雪に埋もれるように遭難してしまうだろう。しかしこうなっていない。では体重はどこへ消えたのか?
ウルトラアイになっているとしたら、胸ポケットに入れれば穴があき、その辺においたら沈み込んで行方不明。ウルトラの星で始末書をかくはめになる。
ウルトラの力で質量保存の法則を何とかしたとして、戦闘直後にダンに戻るのは危険である。セブンの全身にコンクリートの破片などが降りかかっていたら、小さくなったとたん押しつぶされてしまうかも。また、急激に縮んだとき、股間に高さ1mくらいのコンクリート片でも転がっていると股間を直撃。しかも小さくなるときの速さは時速72㎞になるのでかなり痛い。空を飛んでいくのは正しい選択だ。
生物は体内で作りだした熱を表面から逃がすことで体温を保っているが、このバランスは体の大きさに左右される。
セブンがダンに戻ると身長は22分の1、体積は1万1千分の1、体表面積は500分の1になる。これでは小さくなったとき猛烈に寒く、しかも渇いているはずだ。もしダンで快適ならセブンでは暑すぎる。
これもウルトラの科学力で乗り切ったとする。
生物の行動は重力に縛られている。棒高跳びの棒と鉛筆をたてて両方を倒すと、棒高跳びの棒のほうがゆっくり倒れる。身長40mのセブンと1.8mのダンでは歩く時も、このぐらいの差があるのだ、感覚がちがいすぎて、小さくなったら歩くことすらままならないだろう。
これはセブンがスローモーに動くというわけではない、動きは人間より4.7倍遅くなるが、実際の速度は人間より4.7倍も速い。ネズミのほうが速く動くのに競争したら像が勝つようなものだ。
パンチやキックといった重力がかかわらない動作でも同じ、それどころか周囲の人間はセカセカ動き回るように見えるはずだ。
ここで「ウルトラ戦士 宇宙警備隊ひみつ百科」をみるとウルトラの星の重力は地球の120倍以上だという。
重力によって物体が運動する時間は、長さの平方根に比例するとともに、重力の平方根に反比例する。重力が120倍なら、運動に要する時間は11分の1。
ウルトラの人々は地上のウルトラセブンの11倍の速さで動き回っていたはずだ。
セブンにとっては地球は無重力に近い。こんなんで怪獣を投げたり走ったりするのは思ったようにいかないだろう。
こうなるとダンになっていたほうが、感覚的にはウルトラの星にいるのと近いが、それでもまだ2.3倍の開きがある。ウルトラの星にあわせるならダンの身長は33㎝。犬になったらよかったのでは?

・平面ガエル
つぶれても死なない「平面ガエル」にど根性とはどういうものか?
ぴょん吉はいったいどんな大勢で押しつぶされたのか?
仰向けなら目がみえるが腹はみえず、仰向けなら腹しかみえない。
しりから頭にむかって押しつぶされたと思われるので、石にでもつまづいて逆立ちになったところを押しつぶされたのだろう。
これだと脊椎が圧迫骨折してしまう。カエルは首がないからそのままなら顔は胴体の中央部にめりこむのにそうなっていないから、一度背骨がZ型に折れた後、圧迫されたと考えられる。これで死なないとはまさに「ど根性」である。
さらにぴょん吉は目がヒロシののど元に迫り、足の水かきはベルト近くに達している。ヒロシの身長を中2男子の平均164.4㎝とすると、ぴょん吉の身長は37㎝。デカイ。日本で一番大きいカエルでさえ体長は20㎝である。トノサマガエルと思われるぴょん吉の体長は7㎝前後と考えられるから相当押し広げられたのだろう。しかも頭が極端に拡大している。計算すると頭部の面積は196倍。薄さは0.1㎜になったと思われる。まさに平面ガエル。
頭に比べて大きくなっていない胴体のほうは、厚みは8.5㎜になる。もし体も同じ厚さになったとすると平面ガエルの身長は1m7㎝。こんな巨大はTシャツはあるか?
ところで飼い方であるが、日本の国産の中小型種の水陸両用ガエルの飼い方を参考にすると、体が乾かないようにシャツは濡れたまま着て、霧吹きでときどき湿らせる。冬は寒いので上着を着て、夏は素焼きの植木鉢をかぶせてガードする。エサは生きた昆虫。本によるとチャバネゴキブリを増やして与えるのがいいというので、部屋はできるだけ不潔にして、リンゴやバナナの皮を床に投げ散らかしておく。毎朝あつめて瓶に詰めて学校へもっていき、給食の時間に与える。まさにど根性。こんな生活では友達も恋人もできないので人間社会はあきらめて、ぴょん吉にあわせて沼のほとりにでも住んだほうがいいかもしれない。

・星を超えた恋愛
「宇宙戦艦ヤマト」にでてきたガミラス星とイスカンダル星は連星だった。
侵略者ガミラスを倒し、放射能除去装置を手に入れるには都合はよかったが、ガミラスの総統デスラーはイスカンダル星の女王スターシアに恋していたらしい。この恋愛は成就する可能性はあったのか?
デスラー総統にはメラという妻と娘がいるらしいが、二人は遠いサイレン星に住まわされているらしい、なんでもメラは人の心が読めるらしく、旦那としてはうっとうしかったようだ。しかし愛しのスターシアは地球人の古代守と結ばれ子供まで生まれてしまう。悲恋である。
ところでイスカンダルとガミラスについての科学的データは少ない。アニメでは島が報告している最中に古代進がさえぎってしまうからである、迷惑。
わかったのは太陽までの推定距離は3億㎞で第8番目の惑星。大きさは地球のおよそ1.3倍。
地球と同じ密度ならヤマトのクルーは普通に歩けるわけはないはずだから、密度は3分の1ということだ。
さらに地球より太陽に遠いのに明るさがかわらないから太陽サンザーは我々の太陽より4倍明るい、質量で1.4倍ということになる。
イスカンダルは地球時間の2年5か月でサンザーを一周する。
ガミラス星については、デスラー総統の説明があった。直径は1万6千㎞、構造は特殊で表面を厚さ10㎞の外郭が覆い、内核星との間には巨大空洞が広がっている。総統によるとガミラスは年老いた惑星で、地底が浸食されてこのような空洞になったという。ブラウン管に定規をあてて測ると、内核星の直径は1万3300㎞で地球よりやや大きい。密度は星が生まれたころに浴びた太陽光線の強さに大きく影響されるので、イスカンダルと同じとして求めると、ガミラスの重さは52垓トンでイスカンダルの52%。大きさは同じだが、重さが異なる連星ということになる。
距離はわずか4万6千㎞で月の8分の1しかない。ガミラスから見たイスカンダルは満月の46倍、面積は2千倍になる。これは明るい。満イスカンダルの明るさは曇りの日以上だ。でもガミラス星人が住んでいるのは地底だ。意味ないな。
お互いが1周する周期は17時間16分。これだけ近くて速いとイスカンダルがガミラスからうける潮汐力は月の7万倍、ガミラスが受けるのは13万倍。地球の太平洋沿岸では最大1.5mだが、イスカンダルは10㎞、ガミラスは19㎞。ガミラスではさらに変形がおきて毎日二回規則正しく地震がおきるかもしれない。
もしかしたらお互いの星が原因で地震がおきてきたとしたら仲が悪くなるのでは?
イスカンダルの地平からガミラスが昇るシーンで図ると上昇するのに5.6秒。この速さでイスカンダルが自転しているとすると1日はわずか3分だ。これに対しガミラスの事典は最長17時間16分になる。これでは感覚はかなり違っているのでは?
さらにはガミラスがイスカンダルの半分しか質量がないので、デスラー総統はイスカンダルではかなりひ弱だ。重力が半分なんだから。
そもそも地球まで行かなくてもサンザー太陽系のほかの惑星があるのでは?ガミラスは第3惑星というから、第8惑星であるイスカンダルとの間に4,5,6,7惑星があったはず、そこも居住可能なんじゃあ・・・
愛の星イスカンダルの女王と結婚したければ、侵略しないでそれらの惑星に平和に移住すべきだったかも。

・昔のヒトのすごい武器
「木枯し紋次郎」の楊枝。
「水戸黄門」の風車の弥七の風車。
なぜ手裏剣や吹き矢ではなくこんな日用品を使っているのか?
やってみればわかるが楊枝を噴き出すだけでも大変だ。気体が物体を押し出す力は断面積に比例するので、細いものほど力を受けにくいからである。
竹串で図ると長さ18㎝、質量0.6g、直径はたった2.5㎜。なんでこんな細いものを飛ばさないといけないんだろう?
映画で紋次郎は楊枝の長さは決まっているといっていた。当時の区切りのいい数字でおそらく1尺、30.3㎝としよう、すると質量は1g。
これを弓道の矢の速度で射出すると時速200㎞。普通に口にくわえたら3㎝ほどが入る。
楊枝を噴き出していた壁に突き刺す=1gの物体を3㎝射出する間に時速200㎞まで加速するとなる。
要求される圧力は100気圧。プロパンガスの6倍。口の中にこんな圧力かけたら普通は頬が破裂するから、紋次郎は鋼鉄のほっぺたであるに違いない。
弥七の風車は手で投げる分簡単か?しかしHPによるとあの風車はすべて手作りで、しかも八兵衛が作ることもあるようだ。大丈夫か?
次の問題は空気抵抗だ。筆者が実験をしようと風車をおとしてみると、軸を中心にきりもみ状に回転してしまった。これでは刺さらない。
そこで軸に対して風車の回転軸をあわせてあげるときれいに回った。これだと刺さったとき風車が横にならないので、可動式にして、刺さったらその勢いで横向きになるようにすれば完璧だ。
ここでやっと空気抵抗の計算ができる、ビデオで確認すると、弥七の風車は長さ20㎝前後、軸の直径が5㎜の鉄だとすると重量は30g、風車の対角線は14㎝。というわけで44%の空気抵抗をうける。
柱に突き刺さるのだから紋次郎と同じくらいの速さで飛んできた(時速200㎞)とすると、30mはなれた弥七が放った風車の初速はマッハ45。空気抵抗は140トンになるが、これを弥七ははねのけた。これでは普通に手裏剣を投げたほうがましなのでは。もしかしてすごーく手裏剣がヘタだったので軌道が安定する風車にしたのかも。

・人間の巨大化
空想科学の世界では巨大化は珍しくないが、生身の人間はさすがに驚く。
「ウルトラマン」のなかでメフィラス星人の超能力で巨大化させられたアキコ隊員の苦難を考える。
元のアキコ隊員の身長は155㎝体重は50㎏と推定される。これが身長40mに巨大化。元の26倍である。
同じ比率で大きくなるのだから、バスト80㎝→21m、頭部のサイズは縦5.7m、横3.3m、顔面で4畳半+6畳のアパートと同じ広さ。
目はトイレの窓と動作いう、鼻の穴の直径は推定26㎝で頭がすっぽり入るだろう。
推定体重は850トン。シロナガスクジラ5頭分である。
散歩をすれば、地面には500系新幹線1両が20mから落下したのと同じ衝撃が加わる。
小さいときに100m20秒だったなら、巨大化した彼女が走ったときつま先の運動速度は時速182㎞。角度20度で車を蹴り上げるとこの速度で吹っ飛んだ車は170m先に落下する。
声は声帯が巨大化したため4.7オクターブも低くなり、重低音になる。
涙を流すと直径7.8㎝重さ240gの涙が高さ34mから時速93㎞で落下。当たれば即死。
巨大化したのなら細胞がおおきくなったか、増えたかしたはずだが、大きくなっただけでは強度が不足して立ちあがることもできないだろう。
知能指数1万のメフィラス星人のことだからアキコ隊員の遺伝子情報をコピーして細胞をつくって埋め込んだに違いない。ヘルメットや征服まで巨大化させていたんだから、きっとあらゆるコピーがつくれるんだろう。
胃の内容物もコピーしないと空腹になってしまうから、そうしたのならウンコも巨大だ。推定4.5トン。自分で食べたわけでもないのに過酷である。
ここまで書いたところで、イラストの近藤ゆたか氏からアキコ隊員の体重が載っている本を教えてもらう。
それによると体重は1万トン。これはひどい。排泄物は50トンである。
トイレは科特隊本部ビルより大きい。こっそり入るのも無理なら音も隠しようがない。
本部が渋谷にあるなら山の手線全域と練馬、田園調布まで音は響き渡る。
さらには着替えや入浴などを考えれば大豪邸が必要で、人間を巨大化させるメフィラス星人は本当に怖い相手だったのである。


第3部 空想科学に歴史あり!

・カラータイマー
カラータイマーは不思議である。自分のピンチを相手に知らせることになるからだ。
にもかかわらず、歴代のウルトラマンはすべてつけている。いったいどんな利点があるのか?
「ウルトラ戦士大全集」によれば、カラータイマーは手術で取り付けられるエネルギー計測器であるという。
さらにその理由は「自分がつかれてきたことがわからなくて、あと一歩のところで怪獣を逃がすと困るから」
ということはウルトラの星の人たちは飲み屋の酔っ払いが自分が酔っているとわからないように、自分がつかれているかわからないらしい。
しかも位置は胸のど真ん中で自分では見えない。だから音を出すのだが、怪獣にもまるわかりである。
夜間に忍び寄る場合なんて最悪だ。せめて音か光どっちかにしようよ。
その音だが、現場付近であの音量なら、怪獣はかなりの騒音だ。でもいちばんうるさいのはウルトラマン本人ではないだろうか?計算ではすぐそばで聞いたジェット機のエンジン音なみに130デシベルになるはずだ。ウルトラマンの聴覚は人間の1千倍だから本人が失神する。
マナーモードにしたほうがいいのでは?
しかもカラータイマーは壊されると絶命するらしい。手術でとりつけたのに弱点?
露出していると危ないからかくして戦ったらどうか?それではスペシウム光線は打てないか?
ここで、ドロボンがカラータイマーを盗んだ話を思い出した。カラータイマーを取られたウルトラマンはペッチャンコになり、カラータイマーをつけたドロボンはパワーアップ。しかし3分後に点滅し弱ったところをタロウに倒されていた。
ここで気が付く、初対面の怪獣たちにカラータイマーの点滅の意味はわからないのだ!
よく考えれば、カラータイマーが鳴り出すとウルトラマンは必殺技を出したりして強くなる、ということは怪獣たちの間?ではカラータイマーは地獄の秒読みである。
このうわさが広まれば、カラータイマーが点滅しだすと怪獣たちは逃げ出すか平謝りするだろうから戦わずして勝てる。
便利だなカラータイマー。

・悲劇の最終回
「ジャイアントロボ」の最終回は悲劇的かつ感動的だ。
最終回で追い詰められた悪のギロチン帝王が「わしの体は原子力エネルギーの塊だ。わしを攻撃すると地球が木っ端みじんになるぞ!」と脅したので、
ジャイアントロボは帝王を抱えて宇宙空間に飛び立ち、彗星に正面衝突して爆発したのである。
この悲劇は回避できなかったのか?
ジャイアントロボを作ったのは地球人の科学者ドクトル・ガルチュア。ギロチン帝王に脅されて絶海の孤島で身長30m、体重500トンのすばらしいロボを作った。このロボは最初に命令した人間のいうことを聞くようになっていた。ガルチュアは改心してロボを破壊するつもりだったのに、そこに漂着した日本人少年大作君があらわれて「おい、ロボ動いてみろ」といったので、ロボは大作君のいうことを聞くようになったのである。
そもそも大作君が漂流していたのはギロチン帝王が彼の船を沈めたせいなんで自業自得。
ガルチュア博士も、そんな危険なロボをアバウトな設定にしておいて、しかも初対面の少年にペラペラしゃべっていいのか?
それ以前に、九官鳥の声とか聴いたらどうなっていたんだ?
ともかく、相手の組織がヌケていたのは確かなのに、なぜロボは悲劇的な結末を迎えたのか?
そもそもロボの電子頭脳はすばらしく優秀だ。大作君が「飛べ」といっただけで、彼を手にのせて危険のない速度で、大作君の故国日本へ飛ぶなど、かなり部分自分で判断できるのだ。
そうなると戦いの最中に、ちょっと遠いところで見ている大作君の指示はかえって邪魔だったのでは?
「キックだ!」といっても足元に民家があるかもしれないじゃないか?
だいたい日本の小学生の指示なんだから「負けるなロボ!」とかかなりアバウトだ。「助けて」といわれても具体的にどうすればいいか普通のロボットはわからないのにロボは自分でみて判断しているようだし、これならヘタな指示は出さず「ギロチン帝王を倒せ」というだけのほうが良い結果だったのでは?
最後のシーンで大作君が「ロボ戻れ」といっても宇宙空間にいってしまったのは、実はアバウト命令に対する愛想つかしだったのでは?
ろころで、ギロチン帝王は地球が木っ端みじんになるといっていたが、彼の全身が核爆弾になっても地球を木っ端みじんにするエネルギーの50億分の1にしかならない。まあ、それでも9800メガトンの爆発が地上で起きたら大変だけど。
でも、ロボが飛び立って爆発が起きるまでおよそ1分なので、爆発の高さは350㎞。これは低い。地上に放射能が降り注ぎ、浴びる放射線は2万シーベルトになってしまう。しかし、そうはならなかった。ということはギロチン帝王に含まれていた核物質は見積もりより小さかったことになる。
計算では全身に含まれる核物質は0.00024%。
なーんだ全力で攻撃してよかったんじゃないか。
ロボはきっと「人間よもっとしっかりしろ」といっているだろう。

・知られざる弱点
ウルトラマンはスペシウム光線、仮面ライダーはライダーキック。
しかし、相手の弱点がわかれば、そこを攻めたほうが効率的ではないか?
そう思って怪獣や怪人を調べると面白い弱点がたくさんあったので、それをまとめてみた。

ゲゾラは水に強いが火に弱い。(ゲゾラはイカの怪獣)
トカゲロンは寒さに弱い。(トカゲは変温動物)
怪鳥怪人ゲバコンドルは真っ暗闇が苦手(鳥目なんだね)
自然界の動物が怪獣や怪人になると納得のいく弱点が多い。

生まれながらの怪獣バルタン星人は「火星にしかないスペシウムに弱い」弱点も空想上の物質だが、一応説得力はある。

では空想上の存在なのに弱点が現実的な例
東映映画「怪獣大決戦」に登場しt巨竜は、体長100m、体重2万トンなのに、クモ・ナメクジが苦手。
ウルトラマン80のイダテンランは口から風速60mの突風を吐くが、犬に弱い。吹き飛ばせがいいのに・・・

もっともらしいが科学的に考えると怪しい弱点
地底怪人モグランは「光に弱い」。でも本物のモグラは光を感知できないので、ぜんぜん平気なんだって。
改造エレキングは「月の光をエネルギーとしているので、夜中、満月の日にしか活動できない」29日に1日しか活動できないなんて・・・
耐熱怪人ゴースター「火山の噴火を自由によびおこす。1000度の高熱をなんとも思わない。」マグマの温度は1500度です。
ブラックビジョンは「胸にある長さ10mのつのは、敵に刺さると二度と抜けない」じゃあ、ウルトラマンAと戦ったヤツは、まだ一度も敵を刺してないうちに生涯を閉じたんだなあ。
ギルガラスは「空を飛ぶスピードがライダーより劣る」ライダーは空は飛ばない。
ノイズラーは「超音速旅客機や新幹線などの騒音や音波を好んで吸収する宇宙怪獣」だが、騒音は宇宙には届かない。残念。

改造に失敗した例
ギリザメスは「鼻先はドリルのようにまわり、どんなかたいからでも穴をあけてしまう。弱点はノコギリのような鼻」自慢しといて、実は弱点。
カナリコブラは「コブラハンドのつけね、ここが折れやすい」改造ミスだろう。

本人は気にしているが実は全然困らない弱点
オクスター「長い間水中で暮らしていたので、地上では10分間しか生きられない」大丈夫、ウルトラマンより長い。
ムカデタイガー「接近戦に弱い。得意技はムカデパンチ」接近戦で使え。

自分の得意技に自分で耐えられない
鮮血怪人狼男は「指先から発射する火炎弾は強力だが、炎にあたると弱い」
核兵器をつくった人類が放射能に弱いようなものだ。

普通のことを弱点といわれる
ブラックドーム「腕をもぎとられると戦力が低下する」
ギラドラス「首を切られるとバッタリ」

ガイコウモルは「弱点なし」だが、出身地がアフリカのアラブ。地理カンはないらしい。

インパクトのある弱点
伝説怪人ナマハゲ「日本古来の神をあがめないで、異国の神を崇めている人間を憎み、皆殺しにしようとたくらんでいる。ヨーロッパやアメリカの思想に染まった人間が嫌い」なのに、つくった超獣は「スノーギラン」英語名。

弱点は普通だが、数が多い
ミミズ男「水分がなくなると弱い。陸上での動きが鈍い、頭の上かrの攻撃に弱い」
シルバーキャットは「部品の破損が多い」直してやれよ!
怪獣王子ジアトリマ「敵からの攻撃に非常に弱い」家にいましょう。

怪獣や怪人がここまで明確な弱点を持つのは、弱点のある人間が感情移入しやすくなるからかもしれない。


・ヒーローの能力向上
ヒーローが後輩になるほど強くなるのは、空想科学世界の傾向だ。
しかし、あまりに強くなると地球が危機におちいるかもしれない。
ウルトラシリーズを題材に考えてみる。
06年6月までに地球を訪れたウルトラ戦士は30人を大きく超えている。
この身長をグラフ化すると株価か野菜の値段のように変動している。
初代ウルトラマンから3代続けて身長は40mだったが、ウルトラマンスコットは82m。アメリカの平和を守りにきたウルトラ戦士だ。
速さは初代がマッハ5なのに、最速のネオスはマッハ29。
ウルトラマンは飛んでいても地上を走るグレードやパワードに抜き去られてしまう。
しかし、あまりに速いと減速できないで怪獣のいるところに降りれない。また地球の丸みにそって飛べなくなってしまう。
マッハ29のネオスだあと、一度地球から離れてから減速して地球に戻ってくるとすると出発点に戻るのは5時間19分後、これは遅い。
マッハ32.5のレジェンドは地球にかえって来られないだろう。
ところでかつて筆者はウルトラマンの変身時間と飛行速度から、彼が守れる範囲は日本全土に及ばないと計算した。
ではレジェンドなら守れるのか、地球の重力をふりきらないマッハ32.5で3分間飛ぶと距離は2012㎞。
東京から最北の宗谷岬まで1090㎞、南端沖ノ鳥島まで1730㎞、最東端南鳥島まで1870㎞、最西端与那国島まで2020㎞・・・惜しい。
しかし、地底を進むなら話は別である。マッハは流体中の音速をもとに計算されるので、地中で岩石を溶かしてすすむと思われるティガのマッハ1.5は実は秒速11.6㎞。3分で到達できる距離は2080㎞である。
ティガより早い地底速度をもつ、ダイナ、ガイア、コスモス、レジェンドも余裕で日本を守れるのだ。よかった。

・戦隊ヒーローの32年
筆者は戦隊ヒーローは常に5色、リーダーは赤ときまっており、戦う前に自己紹介。最後は巨大ロボットに乗るというパターンになっていると思い込んでいたが、イラストの近藤ゆたかさんに指摘され見直すと、戦隊シリーズは伝統を守りつつも変革を忘れていなかった。
各戦隊を比較しながら32年、30代の歴史を振り返る。
全戦隊の正隊員の色は、赤30名、青30名、黄27名、桃23名、緑14名、黒14名、白5名、茶1名。
リーダーの色も第2代ジャッカー電撃隊は白、21代メガレンジャーは黒、第18代カクレンジャーはニンジャホワイトで女性など、変化していた。
歴代の戦士と第6の戦士をいれて総勢163人。そのほとんどが地球人で日本人。明らかに外国人、またはそう思われるのは3-4人。タイムレンジャーのタイムグリーン・シオンはハバード星人。ギンガマンは全員異世界出身。日本ばかりに世界の平和を託していいのか?
第3代バトルフィーバーJでは国や地域を代表するメンバー5人で構成されているのに、バトルフランス、バトルコサック、バトルケニアに変身するのは日本人だし、バトルフランスはフラメンコで敵を粉砕していた。それはスペインの踊りでは?
名前の付け方は色+戦隊名だが、そうするとタイムレンジャーの場合女性隊員は「ピンクタイム」これはちとまずいから「タイムピンク」などいろいろ工夫しているようだ。ただし、第8代「超電子バイオマン」では「ピンクファイブ」が、第14代「地球戦隊ファイブマン」では「ファイブピンク」が存在するなどちょっとややこしい。
有名な自己紹介を、集められるだけのビデオをみて測ったところ平均24.7秒。これだと100m20秒の鈍足で走ってきても124m以上離れていないと殴られる。
ちなみに一番長いのは第6代「大戦隊ゴーグルV」の42.1秒である。カール・ルイスは427m走れる距離だ。だが、第26代忍風戦隊ハリケンジャーは3人で40.8秒もかかっている。戦力が少ないんだから早く済ませればいいのに。
自己紹介が短いのは第24代「未来戦隊タイムレンジャー」の5.1秒。共通の「タイム」は抜かして「タイムレッド」「ブルー!」「イエロー!」といくわけで短い。時間保護局のみなさんは時間を大切になさるようである。
巨大ロボットの合体時間も長すぎるのではと指摘をうけていた。第3代から合体ロボが登場したので全28戦隊のうち、ビデオを入手できた25戦隊について測定すると、最短は第28代「特捜戦隊で勝レンジャー」16.1秒。最長は第8代「超電子バイオマン」2分22秒であった。
ちなみに自己紹介最短のタイムレンジャーは合体は長いほうから2位の1分59秒。これは未来の30世紀からマシンを送ってもらっているので仕方ないか。
そのマシンだが、なぜか恐竜時代や古代エジプト、天守閣の忍者のそばなどを通るんだが、なんで20世紀にくるだけなのにそんなに遠回りするんだろう?
これだけの時間をかけて合体したロボットだが、合体時間の平均58秒に対して、平均戦闘時間は62秒。短い。
合体時間が最長の超電子バイオマンの戦闘時間はなんと1分23秒。怪人の皆さんは本当に我慢強い・・・
それにしても倒された怪人が巨大化したのに、また倒すとさらに巨大化しないのだろうか?
巨大化前の怪人の身長は2m前後なので、60mくらいに巨大化するとして30倍。
やられそうになるたびにその調子で巨大化されたら地球最後の日になりそうだ、気をつけろ!スーパー戦隊!


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