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シャーロック=ホームズ最後の挨拶 下 シャーロック=ホームズ全集 (12) [小説]

BBCのドラマ「SHERLOCK」を見たら、すっごくおもしろかったので、原作を読んでみました。
ドラマの元ネタをひろいながら、あらすじを書いていくので、ネタバレしたくない人は特に後半は読まないでね。


4個の短編からなっている。









1 瀕死の探偵
ハドソン夫人がワトスンのところにやってきて、ホームズが死にそうだという。
あわててワトスンがかけつけると、様変わりしたホームズがベッドで苦しそうにしていたが、ワトスンに近づくなという。
自分は東洋のめずらしい伝染病にかかっており、治療法はないというのだ。
そして、病気に詳しい人物をワトスンに連れてきてくれと頼む。その人物はカルバートン=スミス氏というスマトラ島の農園主で、素人だが、病気について一番詳しいという。自分はこのスミスともめたことがあって、相手は嫌がるかもしれないか、どうにかして連れてきてほしい。そして来るときは別々にできてくれるようにともいう。
ワトスンは訳が分からなかったが、ともかくホームズのいうことを聞くことにする。
スミス氏は最初いやそうにしていたが、ホームズが瀕死の状態だと聞くと、訪問を承諾する。
先に帰ったワトスンをベッドのそばに隠すと、スミス氏がやってきて、ホームズに病原菌いりの小箱を小包で送ったのは自分で、以前ホームズのおいと自分がもめて、甥が死んだときも、同じように始末したがホームズが気付いているようなので、殺そうとしたのだと告白する。
それを聞いたとたんホームズは病気のふりをやめる。呼び寄せておいた刑事たちがスミスを逮捕。
証人としてワトスンもでてくるようにいわれる。
小包のしかけに気が付いたホームズは、これを機会にスミスをはめることを思いつき、3日間飲まず食わずで重病人のふりをしたのだという。
自分は仮病の論文がかけると豪語し、ハドスン夫人をだますのが最初の関門だったという。


2 フランシス=カーファックスの失踪
冒頭でホームズが、ワトスンがトルコ風呂にいったと指摘して驚かす、いつものパターンでスタート。
その後、フランシス=カーファックス嬢の失踪の話になる。
伯爵令嬢であるフランシスは名家の生き残りで、有名な宝石をもっている。中年にさしかかった夫人で、独身のまま気ままにくらしている。
2週間ごとに元の家庭教師に手紙を書いていたが、それが途絶えたので、その夫人と親族がホームズに調査を依頼してきたのだ。
ホームズが取引先の銀行を調べたところ、最後から2番目の小切手はかなりの金額がローザンヌで振り出され、その後に元のメイドに50ポンドを降り出したのが最後だ。それはフランスモンペリエにあるリヨン銀行で現金化されている。
ホームズは忙しいので、ワトスンに調査にいってほしいというので、ワトスンはローザンヌにむけて旅立った。
滞在したホテルの支配人によると、40に近いが美しい貴婦人で、従業員の評判もよく、メイドもホテルの給仕頭と婚約していて、人気者だった。
楽しい滞在だったようだったが、ある日野蛮な、色が浅黒くて背の高い顎髭の男が訪ねてきて、その後あわてて出発したのだという。
行先はわからないように工夫されていたがワトスンはクック旅行者の支所長から聞きだして、行先のバーデンに向かうことにする。
レディは滞在中にシュレンジンガー夫妻と知り合いになり、布教活動に熱心な博士の信仰心にうたれて、行動をともにするようになったようだという。
シュレンジンガー夫妻は、博士の容体がよくなったのでロンドンに戻り、レディも同行したという。出発の数日前にメイドのマリーが泣きながら「ひまをとる」といってやめていった。滞在中の費用はレディの分も含めてシュレンジンガー博士が支払った。また、ローザンヌで現れた野蛮な男が1・2週間前にレディを探しに来たという。
ワトスンはメイドに会うためにモンペリエに出発する。ホームズからシュレンジンガー博士の耳について調べるように電報が届いたが、出発後だったので調査できなかった。
メイドによると、ローザンヌから主人が立ち去ったのは、野蛮な男の精だと思う。バーデンではやめる間際には自分が不正をはたらいているかのような態度をとられたという。いずれにせよ結婚してひまをもらうつもりだったので、そうしたのだという。50ポンドは女主人からの結婚祝い。
メイドと別れたワトスンは道で野蛮な男に出会い格闘になって殴られそうなところをフランス人に助けられるが、なんとそれはホームズだった。
実はロンドンを離れてよくなったので、先回りしたのだという。
そして野蛮な男を呼び寄せて紹介した。彼はグリーンと名乗り、フランシスを愛していたが粗暴な行いをしたため、フランシスからも避けられ、アメリカにわたり成功した。本国に戻ってフランシスを探していたのだが、バーデンから先の行方が分からないのだという。
ベーカー街にもどると、ホームズはシュレンジンガー博士の左耳の形がぎざぎざだったことを突き止め、彼がオーストラリアの悪党で、孤独な夫人の宗教心につけこんでは騙すのだといいう。レディは彼に監禁されている可能性が高いという。
そこまでは分かったが、それ以上の情報が得られないまま1週間が過ぎたころ、ようやくシュレンガーとおぼしき人物がレディの宝石を質にいれたと情報が入った。ホームズはグリーンを呼び出して、顔が知られていない彼に、同じ質屋を見張るように依頼する。
数日後、今度はシュレンジンガー博士の夫人が宝石をもってきた。グリーンは後をつけ、葬儀屋で棺桶をたのんでいることや、彼らの家をたしかめるとホームズに報告に戻る。
レディの身に危険がせまっていると判断したホームズは、令状をたのんで発行をまたずにシュレンガー博士の家に踏み込むが、棺桶をあけるとレディではなく老婆だった。ホームズたちはシュレンガー博士が読んだ警官によって外に追い払われてしまう。
一度引き上げたホームズだが、棺が普通より深かったことに気が付き、翌朝、葬儀のため運び出される棺を強引にあけさせると、クロロホルムの綿にくるまれたレディがあらわれた、老婆の上に寝かされていたのである。
ワトスンの手当てでレディは息を吹き返し、ホームズは大失敗をするところだったと胸をなでおろすのだった。
ただし、悪党どもは逃げてしまった。
シュレンガー博士一味は、救護院から瀕死の老婆を身寄りだといって引き取り、死亡したところで医師をよんで証明書をかかせ、特注で深く作った棺に二人分の死体をいれて正式な手続きで埋葬してしまおうとしたのだった。



3 悪魔の足
冒頭は、ワトスンがホームズが有名になるのをきらっていたのに、引退後突然「コーンウォールの恐怖」を発表しないのはなぜかと手紙をもらって困惑するところから始まる。

ホームズがオーバーワークで医師から休養を命じられ、イギリス南西部のコーンウォール半島に滞在していたときのことだった。
ふたりがのんびりと散歩や研究にいそしんでいると、一番近い町のラウンドヘイ牧師が相談にやってきた。彼は考古学の知識があってホームズとも知り合いになっていた。
牧師によると、昨夜、彼のところに下宿している、マーティマー・トリジェニス氏の兄弟が発狂し、妹が死んでいるのが見つかったというのだ。
昨夜、マーティマーは兄妹の家にいってカード遊びをしたのだが、10時すこしすぎに帰った。
翌朝、モーティマーが散歩していると、急病人のところに向かうという医者にあった、それが兄弟の村だったので、モーティマーも同行した。着いてみると、妹は椅子に座ったまま恐怖の表情で死んでおり、二人の兄弟が歌ったり、笑ったり、叫んだりして妹のまわりをうろついていた。発見したのは家政婦のポーター夫人で、起きてくると3人がこの状態だったので、窓をあけてから男の子をつかって医者を呼びにやらせたのだという。
部屋にはろうそくの燃えさしと暖炉の燃えかすがあり、モーティマー氏が部屋をでたときのままで、そのまま消えたのだろうととのことだった。また、モーティマー氏によると、一度兄弟が庭になにかいるようだといったが、確かめもしなかったし、帰りにも怪しいことはなかったという。
モーティマーは悪魔の仕業という。

ホームズは家にもどり、モーティマーが家をでた直後に犯罪が行われいたので、彼の足跡をこっそり調べたが、彼が家に戻った形跡はないという。
そこにトリジェニス家の親戚だという、ライオン狩りの名人で冒険家リアン=スダンデールが現れる。
アフリカに出発する予定だったが、ラウンドヘイ牧師が電報をくれたので、戻ってきたのだという。捜査の進み具合を聞くが、手がかりがないときくと帰っていった。
翌朝、モーティマーが兄弟と同じ死に方をした。現場にかけつけたホームズは芝生をしらべ、テーブルにあったランプの傘についていた物質を削げ落として持ち帰った。
家でワトスンと二人で持ち帰った物質を燃やしてみると、一瞬で恐怖に恐れわれ、二人は命からがら外に逃れ出る。
ホームズは、部屋に最初に入った人がみな気分が悪くなったことと考え合わせ、この物質が原因と推理。
スダンデール氏を呼び出して、彼がモーティマーを殺害した現場を見たとウソをいうと、スダンデールは真相をうちあける。
彼はモーティマーの妹ブレンダを愛していたが、妻がわかれてくれないので結婚できないでいた。
モーティマーが使った物質は、スダンデールがアフリカから持ち帰った薬で<悪魔の足の根>と呼ばれている、罪人の罪の有無の判定に使うものだという。以前モーティマーに話をしていたとき、彼がこっそり持ち出して、兄弟につかったらしい。
モーティマーは、スダンデールはアフリカに行ってしまっていると油断していたが、スダンデールのことを知っていた牧師の電報で彼は戻ってきてしまい、ホームズに別の犯人の可能性を確認した後、モーティマーの罪を確信して殺したのだという。
すべてを打ち明けられたホームズは真相を胸にしまうことを約束したのだった。


4 最後の挨拶
めずらしく、映画のオープニングみたいに、国際スパイが湾の側の邸宅で、暗号文書の到着を待つシーンから始まる。
戦争前夜のヨーロッパで繰り広げられるスパイ合戦という感じ。
ドイツ人のフォン=ボルグはスポーツマンで、イギリスの社交界をわかりあるいて、スパイ活動をしていた。
その評価は高く、一等書記官フォン=ヘンリンク男爵は、彼の仕事ぶりを褒め、4年間の活動をねぎらう。
すでに家族は脱出しており、今夜彼の有能な部下アルタモントが海軍の暗号をもってきたら、彼も脱出する手はずだった。
ボルグによればアルタモントはアイルランド系アメリカ人で、反英感情が強く、仕事はきっちりしているという。
ワインにうるさい男なので、トカイ・ワインを用意して待っているのだという。
アルタモントが現れないうちに書記官はロンドンへ帰っていった。
書記官を送って外にでたボルグは屋敷には老婆の召使マーサしか残しておらず、明かりがついているのが彼女のいる部屋だという。マーサは編み物をしたり、猫をなでたりしている様子が見える。
書記官が帰って、ボルグが屋敷に戻るときには明かりが消えていた。
ボルグが書斎でかばんに書類をつめていると自動車の止まる音がしてアルタモントが現れる。
アルタモントはうまくボルグに書斎の金庫をあけさせ、次は仲間が次々とつかまって自分も危ないといいたてる。
その後ようやく取引になるが、ボルグが500ポンドと引き換えに受け取ったのは「養蜂の実用書」であった。
次の瞬間彼はクロロホルムをかがされていた。

アルタモントの正体はホームズで、外務大臣と首相のたのみでスパイをあぶりだす捜査を2年もやっていたのだ。
まず、シカゴでアイルランド系の秘密結社に入り、活躍してスカウトされるように仕向けた。
ボルグのもとでこっそり偽の情報を流し、彼のうでききの手下5人を刑務所送りにした。
マーサも彼の手下で、書記官が帰るのを待って明かりを消して合図を送ったのだった。
ワトスンは、今夜の運転手を頼まれていた。
2人はトカイ・ワインで乾杯すると、ホームズが引退してから、ここに現れるまでのことを話す。
2人は書類をかばんに詰めると、抵抗するボルグを車にのせて出発する。
ホームズは500ポンドの小切手を早く現金化しないと支払停止になるかもと話す。



シャーロック=ホームズ最後の挨拶 下  シャーロック=ホームズ全集 (12)

シャーロック=ホームズ最後の挨拶 下 シャーロック=ホームズ全集 (12)

  • 作者: コナン=ドイル
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1985/04
  • メディア: 単行本



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