太らない教室 [健康]
スロトレの石井直方教授が書いた、ダイエットの本。
本当にダイエットが必要なのは、若い女性より中高年の男性だっていってたよ。
最初に正しいダイエット知識のチェックがある。
楽して気ままに暮らしてきたのに、楽してダイエットなんてできません。
でもやみくもに頑張ればいいものでもありません。
強い運動をしたからといって、望ましいダイエット効果が得られるとは限らない。
1時限目 体脂肪を落とすためのやさしい科学
肥満が健康に悪いのは蓄積された体脂肪がアディポサイトカインという生理活性物質を分泌し、
動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣の直接的な原因になりうるから。
特に内臓脂肪は皮下脂肪の3倍アディポサイトカインをだす。
人間の身体は余剰のエネルギーは脂肪としてため込むという仕組みがあるので太るのが当たり前。
人体は余分なエネルギーがあって初めて精神的に余裕のある安定した日常生活が送れる。
免疫機能も機能する。女性が子供を産むときには余剰不足と判断されると子どもがつくれなくなる。
太りすぎも健康に悪いが、命が危険があるのはやせすぎ。
サウナでおちているのは水分だけ。
ダイエットの目的は体脂肪、とくに内臓脂肪を落とすこと。
皮下脂肪と内臓脂肪は見た目はどちらも白色細胞だが、褐色細胞と呼ばれる見た目の違う細胞がある。
胸からわきにかけてと、心臓及び腎臓の周りにすこしあるだけで、成人で合計40gといわれる。
褐色細胞は熱の生産をする。
このとき脳からの指令が交感神経に通じてβ3アドレナリン受容体とうタンパク質が働く。
この受容体の機能が低い人は太りやすいが、日本人は3割がこれにあたる。環境の問題だと思われる。
だから日本人がアメリカ人と同じような食生活をおくれば太るのはあたりまえ。
褐色細胞は確かに大切だが、その生産する熱量は全体の20%、熱の60%は筋肉が生産している。
ダイエットを始めると皮下脂肪よりは内臓脂肪の方が早くおちるが、仕組みはわかっていない。
皮下脂肪は生まれてから5歳くらいまでと思春期の2回顕著に増えて、細胞の数は増えない。
しかし子どものころにダイエットすると、成長すべきところが成長しなくて、さらに普通に食べるだけで太ったりするようになるのでご法度。
内臓脂肪は子どものころはないのに、増えるのだが、その増え方は不明、
さいしょのわずかな内臓脂肪が分裂するか、さまざまな種類の幹細胞が脂肪になるか、このどちらかだと思われる。
筋肉をつくるもとになるサテライト細胞は、刺激を与えると筋肉になるが、放っておくと脂肪になる。
それと同じように不活発な生活を送っていると、お腹の中に幹細胞からつくられた脂肪がついてしまうのかも。
できたばかりの内臓脂肪の方がおちやすいかもしれないから、ダイエットは早めに始めよう。
ダイエットの目的は脂肪を落とすこと。
脂肪を1グラム落とすには7キロカロリーのエネルギーを余分に消費しなければならない。
1キロなら7000キロカロリーで3日間絶食するくらいの大変さ。
だから1週間で脂肪が5㎏へるなんてありえない。減ったらそれは脂肪以外だと思っていい。
3か月で2キロ脂肪が減れば十分だと思って目標をたてよう。
摂取エネルギーを消費エネルギーより小さくするのがダイエット。
運動によるエネルギー消費に過剰な期待は禁物。1時間ジョギングしても360キロカロリー。
ただし、運動や基礎代謝で消費されるエネルギーは「脂肪5:糖質5」が基本。
つまり30gしか脂肪が減っていない。1キロなら40回やらないといけない。
続けることが大切で、そのための目標が肝心。
食事制限だけのダイエットは運動が危険だったり、運動ができないくらい太っているひとが対象。
なぜなら、脂肪だけでなく筋肉もおちてしまう結果になるから。
基礎代謝は生きる為に最低限必要なエネルギー代謝。
基礎代謝はどんなに活動的な人でも活動代謝(運動したりしたとき使われるエネルギー)より多い。
一日の消費カロリーの60-70%が基礎代謝。
基礎代謝は筋肉の量に比例する。だから筋肉を減らすと痩せにくくなってしまう。
ところで基礎代謝は、正確に測る方法が確立されていないので推定なんだって。
筋肉が基礎代謝をあげるのは熱をだしているから、体のなかで筋肉は最大のエネルギー消費者。
筋トレを始めてもすぐに筋肉量は増えないのだが、交感神経の活動がよくなって、脂肪が燃えやすくなる。
2限目 食事制限の常識・非常識
ここ数か月の体重がかわっていなければ摂取量と消費量がイコールつまり平衡状態にある。
ここから何キロカロリー引くべきか考える。
一日150-200キロカロリーがよいが、これはきちんと専門家がつくった食事メニューなどがないと難しいし、
ご飯だけとかを減らすのはよくない。
かといって大きく減らす(1食カットなど)は簡単、メタボやその予備軍がすぐに健康な状態にしたいときには有効。
実際には、ダイエット代替え食を1食おきかえる方法をとる。お腹がすいたら低カロリーのビスケットで耐える。
しかし、カロリーを減らすと最初の1か月は効果がでるが、2-4か月後にはその時点の摂取量にあわせた平衡状態がやってくる。
だから、その状態を維持するには、この食生活をずっと続けないといけない。
もし、代替え食をもどすと、筋肉が減ってしまっている分、リバウンドして脂肪がつきやすくなる。
食事制限ダイエットをするのなら、効果が出たら、すこしずつ食事を戻しながら運動を増やすのがポイント。
糖質と脂質どちらを減らすべきか
糖質は素早くエネルギーになる、脂質は蓄えやすいが燃えにくい。
低脂質ダイエットは脂肪の摂取を減らして脂肪を減らすのが目的。
低糖質ダイエットは、血糖をあげてインスリンがやってくると脂肪も増える(筋肉や肝臓もインスリンで栄養=グルコースをとりいれる)ので、糖質の摂取を制限しようというもの。
実際に両者をやってみて比較した実験では、6か月では低糖質が効果があるが、1年では変わらないという結果だった。
しかし低糖質ダイエットには欠点がある、
・糖質(グルコース)が不足すると脳がエネルギー不足と判断する。
・蓄えていた脂肪をなるべく使わないように指令をだす。
・交感神経の働きをさげ、活性をひくくし、体温を下げてしまう。セロトニン分泌がさがり不機嫌になる
・インスリンがないと筋肉が合成されない。またはエネルギーを節約するため筋肉を分解してしまうかも。
筋肉はつねに合成と分解をくりかえしているが、中年以上の人が普通に暮らすと分解が多いので筋肉はへtっていく。
食事をとると合成の方向にむかうが、そのとき働くのがインスリン。
極端な低糖質ダイエットは筋肉の分解を進めてしまう。
余分なものはカットしていいが、極端にぬいてしまうと弊害がでる。
食事をすると筋肉の合成が高まるので、総摂取カロリーが同じなら食事の回数は多い方が筋肉は増える。
ボディビルダーはみなやっている。
食事内容を見直して適度に減らすのはいいが、回数は減らしてはいけない。
筋肉をつくるにはアミノ酸がいるが、肉でなくてもいい、
サプリメントのプロテインは大豆由来のものも多い。
しかし摂取したタンパク質が必ず筋肉になるわけではない。
小腸は動くためにタンパク質が必要で、組織を再生するにもアミノ酸を使う、
肝臓にいって、体に悪いものがないかチェックするときも、肝臓の代謝が激しいのでアミノ酸がつかわれる。
筋肉になる前にかなりの量が臓器でとられてしまう。
でも一度に撮りすぎると消化しきれないことがあるので、小腸や肝臓が満足してる3時間後にもう一度食事をするのがよいといわれている。おやつに良質のたんぱく質と糖質を含んだ何かを食べればいいとうことになる。
カルニチンはミトコンドリアという細胞中の小器官に脂質を運び込む物質。
しかし脂肪が分解されてもエネルギーに使われないと意味がないので、摂取してから有酸素運動が必要。
アドレナリンは交感神経が活性化されると副腎から分泌され、β3アドレナリン受容体に結合して細胞内のリパーゼとう酵素が活性化して、中性脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解される。カフェインやフォースコリンはこのリパーゼを持続的に活性化させる。
フォースコリンはカフェインより強烈で死に至る毒性がある。また分解されてもエネルギーにならないと減らないのは同じ。
カプシエイトは交感神経を活性化し、体の熱生産をダイレクトに高める。カプサイシンと違って辛くない。
3時限目 運動による賢いカロリー消費術
無理して運動ではなく活動量を増やすと考える。歩くのは立派な運動。
強い運動(100%最大酸素摂取量で運動するなど)をしても、使っている脂肪はごくわずかでほとんどが糖質。
できるだけ頑張って運動すると脂肪は減るというわけではない。
50%の運動強度が最も効率いい。70%以上だと効果が減ってしまう。
頑張って長くゆっくり運動するのが脂肪を消費するのによい。ものたりないくらいでいい。
100%最大酸素摂取量で走ると驚くほど活性酸素がでる。50%以下の運動ではあまりでない。
運動で落とす脂肪は集積効果、一度で脂肪がおちることは絶対ない。
時間をかけて身についたものは、短期間では削れない。
正月にごちそうを食べて何キログラムも太ったというのは誤認。お腹のなかのものの分が増えただけ。
普通の生活をすると減っていくもの。
運動してかく汗と脂肪消費量は無関係。
人間の体温は10度あがると確実に死ぬ。ラップを巻いたりして汗の温度調節作用を制限するのは危険。
体脂肪燃焼が目的なら強度の低い有酸素運動をするのが最も効果的。
ただし最初の5分は糖質が消費され、その後エネルギーになりやすい脂肪がつかわれる。
体脂肪が燃えるのは15-20分後。
ただし運動をやめても体脂肪の分解はしばらく続くので一度休んで再スタートしても脂肪は燃焼する。
実験では中断して5分休んだりしながら有酸素運動をつづけたほうが脂肪分解がすすんだ。
これはアドレナリンの分泌が増えていることと関係していると思われるが、まだすべて説明できていない。
ぶつ切りのほうが続けてより効果があるのは間違いない。
アドレナリンの分泌をもっとも強く促すのは筋トレ。
だからブツ切れ有酸素運動に筋トレを加えると効率がいい。
4時限目 ダイエットと筋トレ
普通の生活をしている一般人男性は40%、女性は35%が筋肉。
筋肉が活動するとエネルギーを消費してくれる、体脂肪もエネルギー源にしてくれる。
活動していないときでもエネルギーを消費している。(熱生産)
筋肉は全代謝の半分を筋肉が担っている。
筋肉が少なければ食事も少しでよい。
筋トレをしても筋肉量はすぐに増えないが筋力はすぐにあがる。
トレーニングをしていあに人は今ある筋力の70%も発揮できていないのだが、
筋トレで眠っている部分を使うようになれる。
その伸び率は最初の2週間が最も大きい。
筋肉は普段力の70%しかつかっていない、残り30%は火事場の馬鹿力にとってあるらしい。
最初の1,2か月は筋肉は太くならないといわれていたが、
MRIなどでみると少しであるが太くなっている。
はっきりわかるのは3か月後になる。
太くなったらそれは筋肉の腫れ、筋トレで筋肉に小さな傷ができ、それを増強させるため組織が腫れるので普通の反応。
筋トレは2日に一回がよい。
一回のトレーニングで筋肉が合成方向に刺激をうけている時間は2-3日。
回復するまえに使うと疲労して逆に筋肉が弱くなってしまう。
同じ筋肉を毎日筋トレしてはいけない。
筋肉が太くなったり、強くなったりするのは、そこに必要性があるから。
今の自分の能力に対し、少し負荷がオーバしていないと、筋肉が強くなろうという反応はおきない
ただ、どうなったら上のような状態=オーバーロードになるのかは実際は解明されていない。
筋肉には白っぽく、トレーニングで太くなる速筋と、日常生活で使われる赤っぽい遅筋がある。
筋トレの効率は速筋のメカニズムにあわせたもの。
筋肉はサイズが小さいものから使われるので、まず遅筋が使われる。
高い負荷をかけるのは速筋を太くするため。
最大筋力の65%を超えないと十分に速筋を使っているとはいえないが、90%を超えると筋力はあがっても筋肉は太くならない。
最大筋力80%が最も速筋繊維を効率的に太くする。
負荷になれたら負荷をあげることが必要。
そして上がらなくなるぎりぎりまで上げる。追い込まれて初めて筋肉は負荷に耐えるように発達する。
セットは3回やったほうが効率よくて、1回ではとても低いことがわかっている。
遅筋は低負荷の刺激を繰り返すと鍛えられ、わずかだが量も増える。
スロトレは全身的にきついのではなく、使っている筋肉だけを狙い撃ちしてしんどくさせる。
筋肉がしんどくなければトレーニングにならない。
お腹をぶるぶるふるわせるマシーンは生理学的には筋肉が鍛えられる根拠も、脂肪が減る根拠もない。
EMSも、効果あるレベルまで筋肉をしべきするなら飛び上がるほどになるが、筋トレにはならない。
加圧トレーニングは静脈の流れを制限して強い負荷がかかったと筋肉に誤解させて、
弱い負荷で高い負荷と同様の効果をねらうもの。このとき大量の成長ホルモンが分泌することがわかっている。
スロトレもこれと同じで原理で、筋肉の緊張を保つことで血流を制限している。
アイソメトリックもスロトレに似たメカニズムで筋肉を低酸素にすると速筋が動くことを利用している。
スロトレは最大筋力の40%まで負荷を下げても効果がある。
筋トレはフォームが大事、
違っていると思ったような効果がないばかりか、膝関節などを痛めてしまう。
ウエイトトレーニングは上げるときは速く、下すときはゆっくりが基本。
V字腹筋は、胸と脚の両方を近づける感覚で、とくに上半身の運動が不足になりやすいので注意。
スクワットは腰を落としたときの膝がつま先の真上にくるように、つま先の向きは30-45度、足の幅は広め。
痛かったらやめる、痛い動きはしないが基本。
女性はそもそも上半身ムキムキになる筋肉系をもちあわせていないので、ムキムキになりません。
スロトレぐらいでムキムキになれません。
筋トレをしてもすぐに筋肉は増えない(基礎代謝はあがらない)けれど、代謝の高い状態になってそれが続く。
筋肉を動かすと交感神経が活性化してアドレナリンが分泌され、子房の分解を促進して代謝を高めてくれる。
うまく筋肉を刺激すると成長ホルモンが分泌され、アドレナリンの何倍も脂肪を分解してくれる。
だから、筋トレで代謝をあげて有酸素運動をするのがもっとも効率よく脂肪を使う方法である。
5時限目 ダイエットの新しい常識
脂肪を燃やすには有酸素運動しかないが、筋トレでアドレナリンや成長ホルモンをだして、脂肪を分解し、分解された血中に流れる脂肪酸を有酸素運動で燃焼するという順番が大事。
実験では筋トレの20分後に有酸素運動をするのが最も脂肪燃焼効率が高かった。
アドレナリンは筋トレの最中から分泌され、すぐに脂肪を分解する。分泌に個人差がない。
成長ホルモンは運動習慣がある人ほど多く分泌し、筋トレ後すぐ放出されるがその効果は2時間後。
運動習慣のないうちはアドレナリンを、ついてきたら成長ホルモンをあてにしてよいということになる。
一般的なメニューとして、5分間足踏み(ただし太ももが床と平行になるくらいまでゆっくりあげる)
それから筋トレ15分、毎日やるなら違う筋肉を刺激すること。10回くらいできる強度で3セット
20分休憩してから有酸素運動または活動的に動く。
食事制限をするなら無理なく、長く、習慣として続けられる範囲で。
プロテインの摂取は運動後2時間でも効果がかわらないと報告されている。
筋トレをやめても筋肉は一度鍛えて増強した記憶があるので、次回はすみやかに筋肉増強が行える。
目的は脂肪を減らすこと。
場当たり的でなく、トータルで、時間をかけて着実に脂肪をおとし、脂肪のつきにくい体にすること。
すぐに体重を落とす必要があるなら食事制限、そして有酸素運動。
目的は健康なので、体重が減るのに夢中になりすぎないように。
お腹を凹ますには、ギューとお腹を引っ込めて30秒保つドローインを繰り返せばよい。
本当にダイエットが必要なのは、若い女性より中高年の男性だっていってたよ。
最初に正しいダイエット知識のチェックがある。
楽して気ままに暮らしてきたのに、楽してダイエットなんてできません。
でもやみくもに頑張ればいいものでもありません。
強い運動をしたからといって、望ましいダイエット効果が得られるとは限らない。
1時限目 体脂肪を落とすためのやさしい科学
肥満が健康に悪いのは蓄積された体脂肪がアディポサイトカインという生理活性物質を分泌し、
動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣の直接的な原因になりうるから。
特に内臓脂肪は皮下脂肪の3倍アディポサイトカインをだす。
人間の身体は余剰のエネルギーは脂肪としてため込むという仕組みがあるので太るのが当たり前。
人体は余分なエネルギーがあって初めて精神的に余裕のある安定した日常生活が送れる。
免疫機能も機能する。女性が子供を産むときには余剰不足と判断されると子どもがつくれなくなる。
太りすぎも健康に悪いが、命が危険があるのはやせすぎ。
サウナでおちているのは水分だけ。
ダイエットの目的は体脂肪、とくに内臓脂肪を落とすこと。
皮下脂肪と内臓脂肪は見た目はどちらも白色細胞だが、褐色細胞と呼ばれる見た目の違う細胞がある。
胸からわきにかけてと、心臓及び腎臓の周りにすこしあるだけで、成人で合計40gといわれる。
褐色細胞は熱の生産をする。
このとき脳からの指令が交感神経に通じてβ3アドレナリン受容体とうタンパク質が働く。
この受容体の機能が低い人は太りやすいが、日本人は3割がこれにあたる。環境の問題だと思われる。
だから日本人がアメリカ人と同じような食生活をおくれば太るのはあたりまえ。
褐色細胞は確かに大切だが、その生産する熱量は全体の20%、熱の60%は筋肉が生産している。
ダイエットを始めると皮下脂肪よりは内臓脂肪の方が早くおちるが、仕組みはわかっていない。
皮下脂肪は生まれてから5歳くらいまでと思春期の2回顕著に増えて、細胞の数は増えない。
しかし子どものころにダイエットすると、成長すべきところが成長しなくて、さらに普通に食べるだけで太ったりするようになるのでご法度。
内臓脂肪は子どものころはないのに、増えるのだが、その増え方は不明、
さいしょのわずかな内臓脂肪が分裂するか、さまざまな種類の幹細胞が脂肪になるか、このどちらかだと思われる。
筋肉をつくるもとになるサテライト細胞は、刺激を与えると筋肉になるが、放っておくと脂肪になる。
それと同じように不活発な生活を送っていると、お腹の中に幹細胞からつくられた脂肪がついてしまうのかも。
できたばかりの内臓脂肪の方がおちやすいかもしれないから、ダイエットは早めに始めよう。
ダイエットの目的は脂肪を落とすこと。
脂肪を1グラム落とすには7キロカロリーのエネルギーを余分に消費しなければならない。
1キロなら7000キロカロリーで3日間絶食するくらいの大変さ。
だから1週間で脂肪が5㎏へるなんてありえない。減ったらそれは脂肪以外だと思っていい。
3か月で2キロ脂肪が減れば十分だと思って目標をたてよう。
摂取エネルギーを消費エネルギーより小さくするのがダイエット。
運動によるエネルギー消費に過剰な期待は禁物。1時間ジョギングしても360キロカロリー。
ただし、運動や基礎代謝で消費されるエネルギーは「脂肪5:糖質5」が基本。
つまり30gしか脂肪が減っていない。1キロなら40回やらないといけない。
続けることが大切で、そのための目標が肝心。
食事制限だけのダイエットは運動が危険だったり、運動ができないくらい太っているひとが対象。
なぜなら、脂肪だけでなく筋肉もおちてしまう結果になるから。
基礎代謝は生きる為に最低限必要なエネルギー代謝。
基礎代謝はどんなに活動的な人でも活動代謝(運動したりしたとき使われるエネルギー)より多い。
一日の消費カロリーの60-70%が基礎代謝。
基礎代謝は筋肉の量に比例する。だから筋肉を減らすと痩せにくくなってしまう。
ところで基礎代謝は、正確に測る方法が確立されていないので推定なんだって。
筋肉が基礎代謝をあげるのは熱をだしているから、体のなかで筋肉は最大のエネルギー消費者。
筋トレを始めてもすぐに筋肉量は増えないのだが、交感神経の活動がよくなって、脂肪が燃えやすくなる。
2限目 食事制限の常識・非常識
ここ数か月の体重がかわっていなければ摂取量と消費量がイコールつまり平衡状態にある。
ここから何キロカロリー引くべきか考える。
一日150-200キロカロリーがよいが、これはきちんと専門家がつくった食事メニューなどがないと難しいし、
ご飯だけとかを減らすのはよくない。
かといって大きく減らす(1食カットなど)は簡単、メタボやその予備軍がすぐに健康な状態にしたいときには有効。
実際には、ダイエット代替え食を1食おきかえる方法をとる。お腹がすいたら低カロリーのビスケットで耐える。
しかし、カロリーを減らすと最初の1か月は効果がでるが、2-4か月後にはその時点の摂取量にあわせた平衡状態がやってくる。
だから、その状態を維持するには、この食生活をずっと続けないといけない。
もし、代替え食をもどすと、筋肉が減ってしまっている分、リバウンドして脂肪がつきやすくなる。
食事制限ダイエットをするのなら、効果が出たら、すこしずつ食事を戻しながら運動を増やすのがポイント。
糖質と脂質どちらを減らすべきか
糖質は素早くエネルギーになる、脂質は蓄えやすいが燃えにくい。
低脂質ダイエットは脂肪の摂取を減らして脂肪を減らすのが目的。
低糖質ダイエットは、血糖をあげてインスリンがやってくると脂肪も増える(筋肉や肝臓もインスリンで栄養=グルコースをとりいれる)ので、糖質の摂取を制限しようというもの。
実際に両者をやってみて比較した実験では、6か月では低糖質が効果があるが、1年では変わらないという結果だった。
しかし低糖質ダイエットには欠点がある、
・糖質(グルコース)が不足すると脳がエネルギー不足と判断する。
・蓄えていた脂肪をなるべく使わないように指令をだす。
・交感神経の働きをさげ、活性をひくくし、体温を下げてしまう。セロトニン分泌がさがり不機嫌になる
・インスリンがないと筋肉が合成されない。またはエネルギーを節約するため筋肉を分解してしまうかも。
筋肉はつねに合成と分解をくりかえしているが、中年以上の人が普通に暮らすと分解が多いので筋肉はへtっていく。
食事をとると合成の方向にむかうが、そのとき働くのがインスリン。
極端な低糖質ダイエットは筋肉の分解を進めてしまう。
余分なものはカットしていいが、極端にぬいてしまうと弊害がでる。
食事をすると筋肉の合成が高まるので、総摂取カロリーが同じなら食事の回数は多い方が筋肉は増える。
ボディビルダーはみなやっている。
食事内容を見直して適度に減らすのはいいが、回数は減らしてはいけない。
筋肉をつくるにはアミノ酸がいるが、肉でなくてもいい、
サプリメントのプロテインは大豆由来のものも多い。
しかし摂取したタンパク質が必ず筋肉になるわけではない。
小腸は動くためにタンパク質が必要で、組織を再生するにもアミノ酸を使う、
肝臓にいって、体に悪いものがないかチェックするときも、肝臓の代謝が激しいのでアミノ酸がつかわれる。
筋肉になる前にかなりの量が臓器でとられてしまう。
でも一度に撮りすぎると消化しきれないことがあるので、小腸や肝臓が満足してる3時間後にもう一度食事をするのがよいといわれている。おやつに良質のたんぱく質と糖質を含んだ何かを食べればいいとうことになる。
カルニチンはミトコンドリアという細胞中の小器官に脂質を運び込む物質。
しかし脂肪が分解されてもエネルギーに使われないと意味がないので、摂取してから有酸素運動が必要。
アドレナリンは交感神経が活性化されると副腎から分泌され、β3アドレナリン受容体に結合して細胞内のリパーゼとう酵素が活性化して、中性脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解される。カフェインやフォースコリンはこのリパーゼを持続的に活性化させる。
フォースコリンはカフェインより強烈で死に至る毒性がある。また分解されてもエネルギーにならないと減らないのは同じ。
カプシエイトは交感神経を活性化し、体の熱生産をダイレクトに高める。カプサイシンと違って辛くない。
3時限目 運動による賢いカロリー消費術
無理して運動ではなく活動量を増やすと考える。歩くのは立派な運動。
強い運動(100%最大酸素摂取量で運動するなど)をしても、使っている脂肪はごくわずかでほとんどが糖質。
できるだけ頑張って運動すると脂肪は減るというわけではない。
50%の運動強度が最も効率いい。70%以上だと効果が減ってしまう。
頑張って長くゆっくり運動するのが脂肪を消費するのによい。ものたりないくらいでいい。
100%最大酸素摂取量で走ると驚くほど活性酸素がでる。50%以下の運動ではあまりでない。
運動で落とす脂肪は集積効果、一度で脂肪がおちることは絶対ない。
時間をかけて身についたものは、短期間では削れない。
正月にごちそうを食べて何キログラムも太ったというのは誤認。お腹のなかのものの分が増えただけ。
普通の生活をすると減っていくもの。
運動してかく汗と脂肪消費量は無関係。
人間の体温は10度あがると確実に死ぬ。ラップを巻いたりして汗の温度調節作用を制限するのは危険。
体脂肪燃焼が目的なら強度の低い有酸素運動をするのが最も効果的。
ただし最初の5分は糖質が消費され、その後エネルギーになりやすい脂肪がつかわれる。
体脂肪が燃えるのは15-20分後。
ただし運動をやめても体脂肪の分解はしばらく続くので一度休んで再スタートしても脂肪は燃焼する。
実験では中断して5分休んだりしながら有酸素運動をつづけたほうが脂肪分解がすすんだ。
これはアドレナリンの分泌が増えていることと関係していると思われるが、まだすべて説明できていない。
ぶつ切りのほうが続けてより効果があるのは間違いない。
アドレナリンの分泌をもっとも強く促すのは筋トレ。
だからブツ切れ有酸素運動に筋トレを加えると効率がいい。
4時限目 ダイエットと筋トレ
普通の生活をしている一般人男性は40%、女性は35%が筋肉。
筋肉が活動するとエネルギーを消費してくれる、体脂肪もエネルギー源にしてくれる。
活動していないときでもエネルギーを消費している。(熱生産)
筋肉は全代謝の半分を筋肉が担っている。
筋肉が少なければ食事も少しでよい。
筋トレをしても筋肉量はすぐに増えないが筋力はすぐにあがる。
トレーニングをしていあに人は今ある筋力の70%も発揮できていないのだが、
筋トレで眠っている部分を使うようになれる。
その伸び率は最初の2週間が最も大きい。
筋肉は普段力の70%しかつかっていない、残り30%は火事場の馬鹿力にとってあるらしい。
最初の1,2か月は筋肉は太くならないといわれていたが、
MRIなどでみると少しであるが太くなっている。
はっきりわかるのは3か月後になる。
太くなったらそれは筋肉の腫れ、筋トレで筋肉に小さな傷ができ、それを増強させるため組織が腫れるので普通の反応。
筋トレは2日に一回がよい。
一回のトレーニングで筋肉が合成方向に刺激をうけている時間は2-3日。
回復するまえに使うと疲労して逆に筋肉が弱くなってしまう。
同じ筋肉を毎日筋トレしてはいけない。
筋肉が太くなったり、強くなったりするのは、そこに必要性があるから。
今の自分の能力に対し、少し負荷がオーバしていないと、筋肉が強くなろうという反応はおきない
ただ、どうなったら上のような状態=オーバーロードになるのかは実際は解明されていない。
筋肉には白っぽく、トレーニングで太くなる速筋と、日常生活で使われる赤っぽい遅筋がある。
筋トレの効率は速筋のメカニズムにあわせたもの。
筋肉はサイズが小さいものから使われるので、まず遅筋が使われる。
高い負荷をかけるのは速筋を太くするため。
最大筋力の65%を超えないと十分に速筋を使っているとはいえないが、90%を超えると筋力はあがっても筋肉は太くならない。
最大筋力80%が最も速筋繊維を効率的に太くする。
負荷になれたら負荷をあげることが必要。
そして上がらなくなるぎりぎりまで上げる。追い込まれて初めて筋肉は負荷に耐えるように発達する。
セットは3回やったほうが効率よくて、1回ではとても低いことがわかっている。
遅筋は低負荷の刺激を繰り返すと鍛えられ、わずかだが量も増える。
スロトレは全身的にきついのではなく、使っている筋肉だけを狙い撃ちしてしんどくさせる。
筋肉がしんどくなければトレーニングにならない。
お腹をぶるぶるふるわせるマシーンは生理学的には筋肉が鍛えられる根拠も、脂肪が減る根拠もない。
EMSも、効果あるレベルまで筋肉をしべきするなら飛び上がるほどになるが、筋トレにはならない。
加圧トレーニングは静脈の流れを制限して強い負荷がかかったと筋肉に誤解させて、
弱い負荷で高い負荷と同様の効果をねらうもの。このとき大量の成長ホルモンが分泌することがわかっている。
スロトレもこれと同じで原理で、筋肉の緊張を保つことで血流を制限している。
アイソメトリックもスロトレに似たメカニズムで筋肉を低酸素にすると速筋が動くことを利用している。
スロトレは最大筋力の40%まで負荷を下げても効果がある。
筋トレはフォームが大事、
違っていると思ったような効果がないばかりか、膝関節などを痛めてしまう。
ウエイトトレーニングは上げるときは速く、下すときはゆっくりが基本。
V字腹筋は、胸と脚の両方を近づける感覚で、とくに上半身の運動が不足になりやすいので注意。
スクワットは腰を落としたときの膝がつま先の真上にくるように、つま先の向きは30-45度、足の幅は広め。
痛かったらやめる、痛い動きはしないが基本。
女性はそもそも上半身ムキムキになる筋肉系をもちあわせていないので、ムキムキになりません。
スロトレぐらいでムキムキになれません。
筋トレをしてもすぐに筋肉は増えない(基礎代謝はあがらない)けれど、代謝の高い状態になってそれが続く。
筋肉を動かすと交感神経が活性化してアドレナリンが分泌され、子房の分解を促進して代謝を高めてくれる。
うまく筋肉を刺激すると成長ホルモンが分泌され、アドレナリンの何倍も脂肪を分解してくれる。
だから、筋トレで代謝をあげて有酸素運動をするのがもっとも効率よく脂肪を使う方法である。
5時限目 ダイエットの新しい常識
脂肪を燃やすには有酸素運動しかないが、筋トレでアドレナリンや成長ホルモンをだして、脂肪を分解し、分解された血中に流れる脂肪酸を有酸素運動で燃焼するという順番が大事。
実験では筋トレの20分後に有酸素運動をするのが最も脂肪燃焼効率が高かった。
アドレナリンは筋トレの最中から分泌され、すぐに脂肪を分解する。分泌に個人差がない。
成長ホルモンは運動習慣がある人ほど多く分泌し、筋トレ後すぐ放出されるがその効果は2時間後。
運動習慣のないうちはアドレナリンを、ついてきたら成長ホルモンをあてにしてよいということになる。
一般的なメニューとして、5分間足踏み(ただし太ももが床と平行になるくらいまでゆっくりあげる)
それから筋トレ15分、毎日やるなら違う筋肉を刺激すること。10回くらいできる強度で3セット
20分休憩してから有酸素運動または活動的に動く。
食事制限をするなら無理なく、長く、習慣として続けられる範囲で。
プロテインの摂取は運動後2時間でも効果がかわらないと報告されている。
筋トレをやめても筋肉は一度鍛えて増強した記憶があるので、次回はすみやかに筋肉増強が行える。
目的は脂肪を減らすこと。
場当たり的でなく、トータルで、時間をかけて着実に脂肪をおとし、脂肪のつきにくい体にすること。
すぐに体重を落とす必要があるなら食事制限、そして有酸素運動。
目的は健康なので、体重が減るのに夢中になりすぎないように。
お腹を凹ますには、ギューとお腹を引っ込めて30秒保つドローインを繰り返せばよい。
タグ:石井 直方
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