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ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本 [雑学]

2009年に出版されたハイブリットカーの本。
このくらいだとプリウスは発売から12年で3代目、ホンダは2代目、日産は発売直前というところ。

第1章 ハイブリッドカーの基礎知識
ハイブリッドカーとはエンジンとモーターの異なる二つの動力機構を備えた自動車のこと。両方があるから機構は複雑、部品点数が増えるという欠点がある。

ハイブリットカーを初めて開発したのはドイツのポルシェの生みの親、フィルディナント・ポルシェ博士。
博士は1900年に電気自動車を開発したが、バッテリーの性能に限界があり、航続距離がみじかかった。
そこで、モータを駆動するための電力をガソリンエンジンで発電しようとした。
しかし20世紀にはいるとガソリンエンジンの天下になり、ハイブリッドカーは忘れ去られた。
20世紀終わりには、地球温暖化の問題があり、二酸化炭素排出量をおさえるために、電気自動車に注目が集まる。
しかし、バッテリーの技術はあまり進化していなかったために、ハイブリッドカーが開発されることになる。


ハイブリッドシステムの種類
シリーズ方式・・・エンジンを発電用(蓄電)のみに使う。トヨタのマイクロバス「コースターハイブリッドEV」
パラレル方式・・・エンジンとモータの両方を自動車を走らせる動力に利用する。駆動の主体はエンジンで、モータは発進時や加速時のエンジンに負担がかかる場合に駆動をアシストする。減速時はエネルギーを回収してバッテリーに充電する。ホンダ「インサイト」など。
シリーズ・パラレル方式・・・シリーズとパラレル両方の利点を組み合わせたもの。エンジンとモーター両方を駆動に使う。発進時や低速時はモーターを使う。通常走行時はエンジンとモーターが状況に応じて効率的に分担する割合を変えながら走行する。専用の発電機を備え、自動車を走らせながら同時にエンジンの一部の力を利用して発電した電力をバッテリーに蓄電(エンジンで蓄電するのはシリーズと同じ)、減速時にも蓄電。モーターによる駆動をなるべく多くして、エンジンを使わないという思想。

自動車の排出ガスには大気汚染と地球温暖化をもたらす環境負荷成分(二酸化炭素)がある。
大気汚染をもたらす排出ガスを減らす技術は蓄積されてきた。
地球温暖化による気候変動が問題となり、1992年12月COP3で京都議定書が制定、二酸化炭素の排出量の削減目標がたてられ、電気自動車の開発を後押ししている。
当面の利便性を失わず、二酸化炭素を削減する方法としてハイブリッドカーが注目されるようになった。

ハイブリッドカーは燃費性能をよくしたり、モーターを活用することで発進や急加速の加速がよくなる。
しかし機構が複雑なので部品点数が増えるので車両重量が重くなる。価格は高くなる。
初代プリウスは、同じ排気量のカローラ余有180㎏重かった。価格は60万以上高い。
しかし開発努力と生産性の向上で徐々に差はうまりつつある。
ガソリンやディーゼルエンジンの自動車が120年かけて高性能化されてきたのと同じ。

2009年では世界の自動車保有台数のハイブリッドカーの比率は3%。10年の実績としてはまずまず。
今後もいろんな車種で販売される。あと10年で20%まであがるのではないかといっていた。
地域交通事情として、日本は都市の人口密度が高く、100万人以上の大都市が12ある。高速鉄道が発達しているという特徴があるので、走行距離は短く、速度もあまり出ない運転が多い。ドイツは同じ面積でも国土は平らで大都市は3つのみ、高速道路網が発達し、市街地の最高速度は時速50km、一般道は時速100km、運転感覚も違う。渋滞も日本ほどないので車での移動が効率的。ディーゼルエンジンが多い。アメリカは自動車への依存が高いものの、最高速度はあまり高くない。
日本とアメリカではガソリンエンジンのハイブリッドカーの普及が進み、ヨーロッパではその後になるだろうといっていた。新興国では価格が重視されるので、当面普及は見込めないと分析していた。


第2章 トヨタ・プリウス
トヨタ・プリウスは量産型のハイブリッドカーとして1997年に登場。
当時ハイブリッドカーという言葉自体になじみがなく、トヨタは「充電の必要がない」と宣伝した。
THS=TOYOTA Sybrid Systemは、シリーズ・パラレル方式を採用。
初代は加速や上り坂が続くとバッテリーの電力を使い果たし、動力性能がおちてしまう。
減速時の自然な原則がしにくいなどの欠点があった。
燃費は28.0km/L、エンジン出力は58PS(42kw)、モーター出力30kW
2000年のマイナーチェンジで大きく改善されている。
燃費性能は29.0km、エンジン出力は72PS(53kW)、モーター出力33kW
ブレーキの感覚も改善された。
シリーズ・パラレルの方が機構が複雑で開発の手間はかかるが、燃費性能を2倍にするという目標のためにとりくんだ。
ハイブリッドカーらしい車にするにはモーターが主役であるべきという思想もあった。
よって、走りだしはモータを使う。速度をあげるときはエンジンが動き出す。このときエンジンは同時に発電機を稼働する。
エンジンとモーターの力加減をコンピュータが調節して走行。
減速するときには、アクセルをはなすと回生が働きバッテリーに充電が行われる。ブレーキペダルを踏むと通常の摩擦によるブレーキがおこなわれ、回生によるバッテリーへの充電は行われない。初代に減速時の違和感がでたのは、なるべく回生でバッテリーを充電したいが、ブレーキを効かせる必要もあるという矛盾から。
初代からマイナーチェンジの間にこれらの技術の調節がおこなわれ、普通に加速や減速ができる車になっていった。

永久磁石式同期モーター・・・ハイブリッドカーや電気自動車で使われる交流電流を使うモーター。回転軸側にネオジム磁石の永久磁石を使う。1tの車を動かし、小型化も可能。減速の際には発電とブレーキの機能も果たす。
発電用には永久磁石式同期モーターが使われるが、充電のみを行うので駆動用より小型。

プリウスのエンジンもハイブリッド用で、アトキンソンサイクルと使った直列4気筒エンジン。
アトキンソンサイクル・・・圧縮比より膨張比を大きくすることで運転効率を高める方法。エンジンの吸気バルブの開閉時間を電子制御し、通常の圧縮行程に入る状況で吸気バルブを開けたままにし、遅れて吸気バルブが閉じて圧縮行程となるようにする。
アトキンソンサイクルではエンジンの排気量を十分に生かしきった方法ではないので、最高出力はさがるが、もっとも力が必要な走りだしがモーターであり、燃料をなるべく使いたくないハイブリッドカーでは適している。
ボア×ストロークもハイブリッド用で、ロングストロークエンジンとよばれるもので低い回転で力が出しやすいようになっている。
常にエンジンを低回転にたもち、なるべくガソリンをつかわず、モーターを低い回転で効率よく動かすのを目標としている。

動力をタイヤへ伝えるハイブリッドトランスミッションに遊星歯車を利用した動力分割機構を使っている。
遊星歯車で、エンジンとモーター両方の力をタイヤに伝達している。またエンジンが始動すると発電機もまわるというしかけになっている。

プリウスに使われているのはニッケル水素バッテリー。
プラス極にニッケル、マイナス極に水素吸蔵合金を使ったバッテリー。電解液には濃水酸化カリウムを使う。
鉛バッテリーより、エネルギー密度が高く、電気が長持ちする。
ニッカドバッテリーも同じだが、マイナス極にカドミウムを使うので公害の観点から採用されなかった。
バッテリーは、電気を使い切ってから充電をしないと本来の電圧を維持できず電気が減ってしまったかのように電圧の低下を起こす弱点がある、これをメモリー効果とよぶ。
バッテリー内の電気の電量を電圧ではなく放電量で換算するしくみが必要。
また満充電状態では発電した電力が蓄えられないので、常にいくらかの空きが必要。
これらのコンピュータ制御技術が必要で、技術が蓄積されてきた。
初代プリウスでは満充電と使い切りの中間に充電状況を維持する制御がおこなわれいる。

エネルギーモニターをつけて、直感的にエンジン、モーター、バッテリー、タイヤでのエネルギーの流れが見えるようにした。
車体のデザインも空気抵抗を抑えるようにしたCd値は0.30、二代目は0.26
エアコンディショナーはガソリンで動くため、なるべく使わないように上下2層式の送風を採用。上部は外気、下は内気。
二代目からは電動のインバータエアコンになっている。3代目はオプションで屋根に太陽パネルをつけて、停車中にファンをまわして温度が上が有すぎないようにできるようにした。
UVカットグリーンガラスは初代あkら採用。
断熱材も使っている。
リサイクルしやすい樹脂部品TSOPを開発、再生した防音材RSPPも使っている。

2003年にフルモデルチェンジした2代目プリウスでは、「ハイブリッドカーでも加速がよくて速いこと」「エコとパワーの両立」が目標。
バッテリーの容量を維持しながら電圧を高める為に、バッテリーからモーターに電気を供給する経路の途中に昇圧回路を設けた。
これにより、モーターに流す電圧を274Vから500Vへ2倍近く高めた。
モーターに伝わる電力(W=ワット)は電圧(V=ボルト)×電流(A=アンペア)なので、電力もほぼ2倍になる。
エンジンと違って大きさを大きくする必要がない。
ただし、2倍の電力を供給するとモーターが過熱してその分損失になる。そのためモーター内部を改良して流れる大電流をそのまま出力にだせるように効率をよくする改善が行われた。
発電機も高回転で回せるように改良し、6500回転/分だったのを1000回転/分とした。
発電能力が高まり、モーターへ十分な電力供給が行えるため低中速での加速が良くなった。
また回生機能も改良され、より低い回転数でも回生を働かせるようにした。発電できる条件がひろがった。
停止状態から発進して100km/hに到達するまでの時間が、初代に比べ5秒も速くなり、10秒ほどで到達する。
燃費は35.5km/Lまで向上。
モーターだけで55km/h以下の速度であれば数百メートル走行できる「EVドライブモード」スイッチが装備。
昇圧をとりいれたTHSはTHSⅡとよばれるようになる。
THSⅡに採用された新技術として、インテリジェントパーキングアシストがある。
車庫入れや縦列駐車を確実に手早くすませるための運転支援機能。
ハイブリッドシステムでは後退はモーターのみで行われる。
カーナビゲーション画面で位置を設定すれば、運転者は速度調節を行うのみで自動でハンドル操作が行われ、駐車枠に泊まる。

2009年に3代目プリウスが登場。
開発の目的はハイブリッドカーのさらなる普及。
汎用性を高め、製造コストを下げて、プリウス以外の車体に詰めるようにする。
燃費性能は38km/L。初代の28km/Lから35%以上の燃費の改善となる。
初代は1.5L、3代目は1.8Lであるのに燃費性能は向上した。
排気量を大きくしたことで、基本性能として向上したトルクを活かし、低い回転のまま使うことで摩擦損失を少なくし、1.5Lエンジンと同様の力を得る。
エンジンとモーターの寸法も小さくなった。
そのためモーターの性能は最大トルクで2代目40.8kgm(400Nm)に対し、3代目は21.1kgm(207Nm)となった。
これを帯びなうため減速ギアを新設し、ギア比で力を増大する仕組み(リダクション機構)を使った。
これはトランスミッションと同じような仕組み。
これにより、2代目プリウスのモーターの最高出力は50kwだが、3代目プリウスでは60kWとなっている。
小型化した発電機には銅線の巻き方を分布巻から集中巻にして厚みを薄くする。
分布巻の方が力の出方が変動しないが、12年の蓄積で集中巻でも支障ないと判断したため。
THSⅡが小さくなり、小型自動車にもハイブリッドシステムが詰めるので大量生産ができるのでコストが下がる。
材料も少なくなり、コストが下がる。
安さを追求するという意味でニッケル水素バッテリーを継続して使っている。
この段階でリチウムイオンバッテリーも開発されたいたが、実績と値段のこなれた点で継続となった。
値段は初代プリウスで225.75万円。3代目では205万円。

2007年夏の環境フォーラムで、トヨタはプラグインハイブリッドカーを公表。
電源となるコンセントに敗戦の先についたプラグを差し込むことで充電する。
EVドライブモードを体験するとモーターのみの走行が静かでなめらかで気持ちがいいことがわかり、
もっとモーターで走行したちという気持ちが高まる。
また、モーターで走行することで二酸化炭素の排出は減る。
プラグインハイブリッドカーはアメリカで自動車マニアが改造したのがきっかけではじまった。
2009年のモーターショーにトヨタが出展したプラグインハイブリッドカーの試験車は、リチウムイオンバッテリーを積み、
モーターだけの走行で最高速度100km/h、充電後の走行距離20kmを実現。
モーター走行を増やすとバッテリーを多く積まねばならず、荷室がせまくなったり車両重量が重くなったりする。
そのため、割り切りが大切。
2010年に日産自動車が電気自動車「リーフ」を発売するとしており、性能や価格について競争が始まっている。


第3章 ホンダ・インサイト
ホンダ・インサイトは1999年に発売。プリウスが4ドアセダンだったのに対しインサイトは2人乗りの2ドアクーペ。
独創性と、常に世界で1番をもとめる故・本田宗一郎の思想が反映され、燃費は当時世界最高の35km/Lだった。
しかし2ドアクーペという対象が限定される車体であったためか、世界で17000台(国内2300台)を生産したのみ。
プリウスの初代は12万台を販売している。
2006年には2代目インサイトが5人乗りで登場している。

ホンダのハイブリッドシステムはホンダIMAシステムという。
IMAはIntegrated Motor Assistの頭文字
パラレル方式をとっており、エンジンとモーターの両方を走るための駆動力に使う。
主役はエンジンであり、モーターは加速の際にエンジンが燃費を悪化させやすい条件になると補助をする。
ホンダは二輪や汎用機器(ポンプや発電機)をあわせると世界1位のエンジン生産をしており、米国排出ガス規制(マスキー法)の対応もCVCC技術(エンジン本体を改良するもの)で世界に先駆けて基準を満たすなど、優秀なエンジンの実績があった。
初代インサイトのエンジンは排気量が1.0Lの直列3気筒の世界最軽量の小さなエンジンでインサイト専用開発されたもの。
アトキンソンサイクルは使っていないが、吸排気バルブを直立に近い角度にして燃焼室を非常に小さくし無駄のないガソリンの燃焼をするなどエンジンに徹底期に軽量化と摩擦損失の低減を行っている。
モーターはプリウスと同じ永久磁石式同期モーターで、これを円盤状に作り厚み6㎝でエンジンの直後に取り付けている。自動車ならクラッチのある場所。
モータの出力は10kWで初代プリウスの30kWに比べて3分の1。
IMAは5速マニュアルシフト、あるいはCVTのトランスミッションだが、THSはハイブリッドトランスミッションはあるが、エンジン自動車のような加減速の際に変速を行うトランスミッションは装備していない。
ホンダIMAはエンジン自動車と同じように動力をタイヤへ伝達する経路をもち、そこにモーターによる補助力を追加するというのが基本構想なのである。
バッテリーはプリウスと同じニッケル水素バッテリーで容量も同じ6.5A。ただしプリウスのようなバッテリー充電専用のモーターはない。充電は回生のみ。

このコンセプトでも低燃費を実現できたのはアルミボディの採用。
アルミは軽いが強度がないので、他の金属を混ぜて加工する。ホンダでは1990年の「NSX」でアルミボディにとりくんでおり、この経験を活かして、インサイトではアルミ板材は57%、アルミ押し出し形成30%、ダイキャスト成形材13%。アルミ押し出し形成材とアルミダイキャスト形成材で骨格をつくり、あとは屋根やボンネットフード、リアファンダーにあるに板材をとりつける。
バンパーやフロントフェンダー、リアホイールカバーは樹脂をつかって、空気抵抗をCd値=0.25に抑えた車体にしている。
鉄鋼をつかった車体より47%軽量化されている、強度は曲げ剛性で13%、ねじり剛性で38%の向上になっている。
初代インサイトの重量は820㎏で軽自動車なみ。これが燃費をあげている。
また衝突安全も、効率よく車体をつぶすことで衝撃をやわらげている。
エンジンも小さく客室を大きくとることができる。
アルミはリサイクルしやすい。

2代目インサイトは2009年2月に発売。日本の5ナンバーの枠におさまる手ごろな大きさで5人乗り。
エンジンが主役のパラレル方式に変わりはないがIMAは新IMAとして改良された。
エンジンは1.0L直列3気筒→1.3L直列4気筒と大きくなった。プリウスと同じく余裕のあるエンジンで、できるだけ低回転で力を引き出す発想である。
各気筒には混合気に着火するプラグを2か所つくり、ガソリンが完全に燃えるようにしている。
アトキンソンサイクルをとりいれる。
燃焼を終えた排出ガスを再び吸気側へ導くEFRを積極的に行い、シリンダーへ送り込む気体の量を増やしながら加速しすぎないようにした。こうすることで、ピストンを引っ張る力はあまりいらないままで、小さい加速を得ることができるようになる。
EGR=排出ガス再循環はホンダの他の車につかわれており、それをハイブリッドカーにも適用した。
アクセルペダルを戻したとき、呼気と排気のバルブを動きをすべて停止してしまう。するとシリンダーは密閉状態になり、ピストンがただ上下動を繰り返すようになる。2気筒では引っ張りにくくなり、他の2気筒で押しにくくなるので力は±0で損失しない。これをバルブ休止の発想という。
アクセルペダルを放したときエンジンが損失を出さないので回生を無駄なく有効に生かしてバッテリーに充電できる。
他にも細かい摩擦軽減と軽量化で1.3Lのエンジンで88PSを実現。
モーターは鉄板の間に磁石を挿入することでマグネトルク、リラクタンストルクを使い性能を高めている。電磁石は巻線を丸断面から角断面にして巻きつけの密度をあげた。こうして性能は10kWのままでも、厚みは22%、15%の軽量化を達成。
バッテリーは初代と同じだが、単一形乾電池を建てに6本つなげた格好をしたモジュールという一組の単位ごとに出力と耐久性を30%向上させ、モジュール本数を初代インサイトの11本から7本に減らす、これで容量は6.5Ah→5.75Ahと少なくなったが、31%の小型化と35%の軽量化を実現。容量はエンジンで補うことができる。
トランスミッションはCVTのみで5速マニュアルはなくなった。CVTの変則幅を3.5%広げている。これでタイヤへの駆動力を調節してエンジンの回転数を低く抑えて燃費を向上させる。
クラッチの結合を低い回転で行い、低い回転で大きな力を出すモーターそのものの特徴を活かすようにして、発進の加速と燃費の向上を行う。
ボディを一般的な鋼板ボディにしながら、重量は1190㎏で30.0km/Lとなった。

車体のプラットフォームを「フィット」を活用、エンジンも基本部分は「フィット」と同じにする、小型化による材料費の削減などで価格はハイブリッドカーで初めて200万円台を切った、このため月販1万台を記録し、国内新車販売台数No.1 となった。
生産性を高める為に三重県鈴鹿に専用生産ラインを作っている。
専用ラインは最初はコストがかかるが、量産すれば価格はさがる。

2代目インサイトでは、ドライバーの運転の仕方によって燃費が改善されることに改めて注目し、低燃費運転支援機能=エコアシストを装備。
エコアシストの3つの機能
1 ECONスイッチを押すことにより燃費優先の制御を自動的に行うECONモードをもつ
2 随時燃費の良しあしを表示する「コーチング機能」
3 ドライバーのエコ運転を採点する「ティーチング機能」
これらを使ってドライバーが周囲の状況にあわせながら燃費のよい運転をする方法を身につけられるようになっている。
注文装備のHDDインターナビシステムを装着するとカーナビゲーション画面上に表示もできるし、インターナビ・プレミアムクラブの会員になれば、パーソナルホームページで低燃費運転の採点履歴や経過を自宅のパソコンで確認したり、他のユーザーとランキングを競ったりできる。
発売から8か月後で、500台のインサイトから170万件の燃費データがアップロードされ、購入後300回目の運転で燃費が平均10%よくなったという。
オーナーの燃費意識も高まったという。


第4章 日産のハイブリッドカー
2000年3月に「ティーノ・ハイブリッド」を限定100台インターネットで販売。
1.8L直列4気筒ガソリンエンジンに二つのモーターを組み合わせたシリーズ・パラレル方式のハイブリッド。永久磁石同期型で一つが駆動と回生、一つが発電と指導を行う。モーターは17kWエンジンとCVT(無段変速機)を挟んで配置されている。これはホンダIMAの配置に似ている。エンジン走行中にもバッテリーに充電できる。モーターのみでの走行も可能で、発進と低速走行時にはモーターのみの走行が可能。これを日産はNEO HYBRIDとよんだ。
トヨタの遊星歯車とは別の方法で2つのモーターを活かすハイブリッドシステムである。
バッテリーにはリチウムイオンバッテリーを採用。
燃費性能23km/Lで価格は315万円。
2007年にはTHSⅡと日産のエンジンを組み合わせた「アルティマ・ハイブリッド」を北米限定で発売。
2.5L直列4気筒エンジンと永久磁石式同期モーターを組み合わせ、ハイブリッド専用のCVTであるeCVTを採用。
ニッケル水素バッテリー。
トヨタが2006年から北米限定で発売している「カムリ・ハイブリッド」と関連したハイブリッドシステムと関連していると考えられる。
2010年に日産独自のハイブリッドカーを市場導入するとしている。
2008年の先進技術発表会で中型乗用車用後輪駆動の新しい日産ハイブリッドシステムが公表された。

中型を狙ったのは大柄な乗用車ほど燃費がよくないので、そこにハイブリッドカーを投入して二酸化炭素排出量を抑える狙いがあったと思われる。北米市場にターゲットをしぼって量産効果によるコスト削減もねらったと思われる。
アメリカではプリウスやインサイトは小さいと嫌われるのである。
後輪駆動なので、車体の前にあるエンジンから後輪にむかって伝達機構がならぶ。
エンジンの後ろにクラッチ1があり、そのあとモーターとトランスミッション、そして後ろにくらっち2がある。そのためモーターのみの走行/エンジンのみの走行/モーターとエンジンの走行という3つの走行を実現。
モーターを発電機に切り替えバッテリーに充電可能。
バッテリーはリチウムイオンバッテリー。
モーターは一つなので、エンジンのみの走行も増えるはずだが、トランスミッションでエンジンの回転数を調節し、燃費をのばそうとしている。

ハイブリッド用のリチウムイオンバッテリーは、加減速での電気の出入りが激しいので、バッテリー内への電気が流れやすくするために電極の厚みを薄くし、電極材料中のリチウムを電極板に近づけるようにしている。見極材料内に経路を設け電子の移動をしやすくすることで電気抵抗を下げて出力を高めている。
電気自動車用では1回の充電で走行できる距離を長くするためバッテリーの電気容量が大きくなるようにしている。
ノート型パソコンでのリチウムイオンバッテリーの事故などから、日産ではバッテリーの正極にマンガン酸リチウムを使うことで電極の破損を予防しているとしている。PCなどはコボル時計の酸化金属リチウム。
決勝構造が違うので崩れにくい。

2009年春にスイス・ジュネーブで行われたモーターショーで公開された「インフェニティ・エッセンス」などの高級車などから、日産のコンセプトとしては、大型の乗用車の燃費を改善するのに後輪駆動のハイブリッド。小型は電気自動車でとうスタンスにみえる。


第5章 ハイブリッドカーに関する話題
電気自動車との比較
ハイブリッドカーは10年の実績があり、サービスステーションでガソリンを補給すれば、ガソリン自動車と同じに扱えるうえに、燃費が各段に優れているという特徴がある。
電気自動車は自宅で充電する。三菱の軽自動車「アイ」とi-MiEVとを比較すると2009年の電気料金(東京電力、昼386円、夜151円でフル充電)では、同年のガソリン価格1L125円で換算して、昼なら3分の1、夜なら7分の1で電気自動車の方が燃料代は安上がりである。
ハイブリッドで最も燃費のよいプリウスと比較すると、同じ距離を走るとわずかに電気自動車の方が燃料代が安くなる。
環境への影響では、電気自動車が圧倒的に効果がある。ただし使う電力に火力がどの程度つかわれているかで二酸化炭素排出量が変わってくる。
電気自動車での一回の充電で走行できる距離はスバルのプラグイン・ステラが90km、日産のリーフと三菱i-MiEVが160km。
アンケートによれば軽自動車の一日の移動距離は30-40kmが多く、世界的には50kmまでが80%、一般自動車を含めても100kmというのが多い。
しかし、もしもに備えたいのが人間なので、平均より乗ると思うならハイブリッドカーがよいだろう。

一口に燃費性といっても、そのコンセプトはいろいろである。
ハイブリッドのシステムによるもの。
車体重量やタイヤの違い
どのくらいの速度を実現するか。
ガソリンとモーターを走行中にどの程度使うかのコンピュータ制御プログラムなど。
自分の使い方や好みにあったハイブリッドカー選びを楽しもう。

ハイブリッドカーとガソリンエンジン車と最大の違いはモーターとバッテリーの電気部品の追加。
モーターは日本で発明された希土類磁石のネオジム磁石を回転軸側に使い、その周囲を電磁石で囲むモーター構造で小型高性能化が可能だったことから燃料電池車の開発に大きく貢献。
ヨーロッパではディーゼルターボエンジンの自動車をしていたので、その間に日本のメーカーは技術を開発できた。
ディーゼル、モーターとも低い回転で大きな力を出すという特徴がある。
ハイブリッドのエンジンは馬力で劣ることがあるが、それは効率の良いエンジンの運転状況となることを追及しているから。
エンジンが性能を出し切った全速力の運転状況では燃費が悪化するのが普通だが、ハイブリッドカーではモーターを使うことで燃費をあげることができる。
ハイブリッドカーでは重量が重いのが普通。プリウスとプレミオではより100㎏ほど重くなる。
クラウンでは差は190㎏、レクサスGS450hとGS350では差は240㎏
それでも燃費があがっている(プリウスはプレミオの2.2倍、他は1.5倍程度)のは、ハイブリッドの効果といえる。

ハイブリッドカーの運転のコツ
プリウスではアクセルペダルをゆっくり踏込、なるべくエンジンが始動しないようにする。
インサイトでもなるべくゆっくりペダルを踏み込み、モーターがエンジンを助けるようにする。これを支援してくれるのがアンビエントメーター。燃費に良い運転をしているか常に表示してくれるのでこれを見ながらアクセルペダルの踏込加減を覚える。やってみるとおもったより踏み込んでも燃費性能が保たれているのがわかる。
プリウスや他のトヨタハイブリッドカーでもエネルギーモニターがあるので、モーターを使っているかがわかるようになっている。
エコドライブを促進するためのハイブリッドシステムインジケーターでアクセルペダルの踏込加減を体得できる。
どのハイブリッドカーでも燃費記録を蓄積して評価する機能が備わっているので、エコ運転の上達を楽しめる。
モーターによる回生をなるべく生かすためにブレーキペダルを踏まずにアクセルペダルの戻りで減速する必要がある。しかしブレーキが間に合わなければ本末転倒。周囲の歩行者用信号などで信号の変わり目に注意して運転するようにする。
シストレバーを変えることでの減速でも回生が使えるが初心者や不慣れなドライバーにはおすすめできない。
高速道路では数台先の車の様子に注意してブレーキランプの転倒などでアクセルを戻し気味にして速度調節をすることで回生を働かせる。こうすると速度をあげるとき蓄電した電気を使うのでガソリンを使わないですむ。
この走り方はガソリンエンジンでも燃費をあげるとき役に立つ。

省エネ装備
3代目プリウスに屋根の一部ソーラーパネルをつけて、停止中に換気ファンをまわして室内にたまった熱気を排出する。これを使うことで乗り込んだときの不快感を抑え、走りだしのエアコンの電力も抑えることができる。曇天では発電できないが、その場合室内の温度もそれほど上昇しないと考えられる。
リモートエアコンシステムは、スマートキーに内臓されたリモートエアコンスイッチで乗る前にエアコンを作動させることができる。ソーラーと併用することで電力消費も抑えられる。
装備でもプリウスの運転席シートクッションや床下のスカッフプレートにエコプラスチックが使われている。
エコプラスチックは植物からつくられる樹脂で植物は成長中に二酸化炭素を吸収するので、廃棄されるとき環境負荷がない。
インサイトでは注文装備ながらフロアカーペットにトウモロコシを原料とする素材を40%含むバイオ繊維が使われている。

リサイクル
自動車の普通の部品はリサイクルされているので、ハイブリッドカーのために追加された部品バッテリー、モーター発電機が問題となる。
ニッケル水素バッテリーはパナソニックEエナジー社とトヨタと合同でバッテリーの回収・リサイクルシステムを開発。
モーターと発電機は基本鉄と銅でできているので、特殊な処置は必要なく、廃車を回収した解体業者が独自に処理をしている。
環境とエネルギー問題の解決にむけて開発製造されたハイブリッドカーなのでリサイクルにも十分な対応がされている。

ディーゼルハイブリットカー
ヨーロッパでは小型車でもディーゼルエンジンが普及している。
人口密度が狭く、公共機関が未発達で道路網が整備されているため、日本以上に移動の足として必要とされていること。
ディーゼルエンジンは燃費がよく、頑丈で耐久性が高いので、ヨーロッパでは小型のディーゼルエンジンの自動車が普及していた。
ディーゼルエンジンはエンジン回転の低いところから大きな力をだせるのが特徴だが、回転の高いところまで伸びやかに回すのは苦手だった。これを克服したのが1990ねんごろからつけられたターボチャージャー。これを加給装置として高速までなめらかな走りを実現し、それからディーゼルエンジンの高級車もでてくるようになった。
ディーゼルエンジンは高温で燃焼させるため有害物質の窒素化合物が多くでてしまうとか、PM(粒子状物質)がでてしまうという欠点があり、これを克服するために窒素化合物をアンモニアの触媒でとる装置などが開発されている。
こうした装置をつけると価格が上昇するうえに、さらにハイブリッドシステムを搭載するとさらに価格が上昇してしまうため、特に小型車では普及は難しいとおもわれる。
高級車については、燃費が悪いということもあり、今後あるかもしれない。
2009年現在、メルセデスベンツではガソリンのハイブリッドカーを製造している。

ディーゼルハイブリッドバス/トラック
日野自動車が1991年に小型と中型のトラック向けディーゼルハイブリッドを発売している。2005年には路線バス用のハイブリッドも市販している。
トロリーバスの経験から電気をためて走るバスは構想されていた。またエンジンブレーキを補助するリターダとよばれるトラック・バス特有の減速装置(流体を羽根でかき回すと抵抗がうまれるのを利用したもの)が、減速だけでなく発電にも使えると考えたため。
バッテリーが鉛からニッケル水素になり充電性能も高くなったため、ハイブリッドが実現した。
日野自動車パラレル方式ハイブリッドシステムは、ディーゼルエンジンとトランスミッションの間に薄い円盤状のモーターが配置されている。車体の横に制御を行うインバータと、電池をためておくニッケル水素バッテリーが装備されている。
三菱ふそうではシリーズハイブリッドを採用したバスがあり、屋根にリチウムイオンバッテリーをつんで、電気モーターでバスを駆動。電気がたりなくなるとエンジンで発電もおこないながら走る。減速では回生で充電。
バスは営業上の採算があり、消費財である自動車より価格が重視されるので高くつくハイブリッドは普及しにくい。
とはいえ、環境やのりごこち、さらにはアイドリングストップがいらないなど労働負荷軽減に役立つと思われる。


第6章 ハイブリッドカーをめぐる動向
トヨタの先行性
2009年現在の最高の燃費性能を誇るトヨタのTHSⅡ。トヨタではこれを小型車「ヴィッツ」に搭載し燃費性能40km/Lを目指すとしている。
中核技術ハイブリッドトランスミッションの遊星歯車を使った動力分割機構は複雑にみえるが、開発者によると一つ一つの機構はシンプルだが、組み合わせて成立させるマネージメントが大変だったとのこと。
昇圧回路もいまのところ他のハイブリッドでは採用されていない。
THSⅡ以前には、THS-CとTHS-Mというハイブリッドもあり、トヨタでも試行錯誤がおこなわれていたことを感じさせる。

トヨタのハイブリッドカー
2001年クラウン・ロイヤルサルーンに採用されたTHS-M・・・補機バッテリーの36ボルト化を前提にアイドリングストップを主体にしたシステム。世界のすう勢が12ボルトなり開発が中止。
エスティマ・ハイブリッドに採用されたTHS-C・・・発電機をもたないパラレル方式のハイブリッドシステム。重量の重いミニバンの動力性能を高めようとしたがプリウス方式が良いとの結論にいたった。
E-Four・・・エスティマ・ハイブリッドに搭載された後輪駆動用に独立したモーターを搭載した電動4WDシステム。発進の車体が後輪側に沈み込むように加速するため、急発進では後輪に駆動したほうがよい、あと雨天や氷雪時も後輪に駆動させたい。この駆動を電気だけでするので配線だけでよく、普通の4WDより簡素な機構になる。
大容量バッテリーを搭載して家電や移動オフィスとして使うという提案もエスティマ・ハイブリッドでされた。
災害時にも移動式電源基地として使える。
2005年SUVのハイブリッドカー「ハリアー・ハイブリッド」「クルーガー・ハイブリッド」大排気量3.3LのV型6気筒エンジンとモーターの組み合わせが始まる。E-Fourを採用。V6エンジン用のTHSⅡではモーターと動力分割機構の間に減速ギア(リダクションギア)を追加している。これによりモーターを小型化。
2006年にレクサスFS450hが高級車用ハイブリッドカーとして登場。3.6LのV6エンジンとモーターを組み合わせたTHSⅡである。後輪駆動用では減速ギアが2段変速になっている。これは欧州でディーゼルターボエンジンと競合させるためであった。高速走行しながらも燃費性能を実現できることを示そうとしたためであった。
この方式は2008年のクラウン・ハイブリッドにも採用されている。
2007年にレクサスの最上級セダン「レクサスLS600h」では4輪駆動のハイブリッドカーをつくった。5.0LのV型8気筒エンジンとモーターの組み合わせ。さらにTHSⅡからの出力をトランスファーを通じて前輪へ伝える4輪駆動とした。
高級セダンでも走行安全性を高める為にあえて4輪駆動として前輪と後輪の駆動力を調整しながら走る。


電気自動車の応用技術
米国カリフォルニアはマスキー法を提出した州でもあり、排ガス規制のトップランナーである。
これはこの土地が乾いた雨の少ない場所であり、大都市ロスアンゼルスは背後を山でおおわれていて、空気が拡散せず、排ガスが光化学スモッグとなって健康被害をもたらす土地柄であったことによる。
日本でも石原慎太郎都知事の「ディーゼルNO作戦」で東京の排ガスのにおいもだいぶよくなって、他の都市との違いがわかるほどだったと、著者はいっている。
ここで1990年代前半に販売する車の2%を排出ガス0にするという法案が通りそうになり、自動車各社は相次いで電気自動車を開発販売しはじめた、結局この法案は現実的でないと見送られたが、そのとき電気自動車の技術が開発され、それはハイブリッドカーの開発にも多くつかわれた。特に永久磁石同期モーターやバッテリーは開発が進んだ。

回生と回生ブレーキ
モーターの内部は円筒形をしたケース(ステーター)の内側に沿って磁石が並び、その中心にやはり磁石を持った軸(ローター)が差し込まれている。モーターの場合は、円筒ケースの内壁と、軸の磁石が向き合った時同極なら反発しあって軸を回転させる。そして半分回転すると、今度は違う極になってくっつくので、磁石の極がいれかわるように電流を切り替える。交流電流をつかうと切り替えなくても電流が切り替わって回る。
発電するときには、軸をまわすと軸の磁石と円筒形のケース内壁の磁石が磁力による抵抗をおこし電流が流れる。これが回生。バッテリーに蓄えられる電気は直流なのでインバータで変換する。
アクセル操作でどのほどの勢いで自動車を加速するか調節できるように、発電機も回生によってどのくらい発電させるかの調節はきく、そこで回生を最大にすると急ブレーキをかけたような制動力をはたらかせることもできる。アクセルペダルを戻しただけでこんなブレーキがかかると困るのでインバータに調節させる。減速のさじ加減やバッテリーをどのくらい充電できるかなど、仕組みはともかく按配は難しく、トヨタの12年の実績がここでもモノをいっている。

プラグインハイブリッドカー
電気自動車のようにコンセントで充電できるハイブリッドカー。
モーターのみの走行は騒音もださず、排ガスも出さない快適なもの。
しかし電気自動車の走行距離は限られており、普段の移動はよくても、年に1・2度の遠出には使えない。
そこで、長距離を乗る場合は、ガソリンを使った補助発電機をつけるという構想=ロングエクステンダーがでてきた。
ハイブリッドカーの側からすると、いざというときはガソリンを給油して走れて、日常の移動は電気で済ますという方向性あり、
両者があわさったところでプラグインハイブリッドカーの実現があるのではないかといっていた。
その場合シリーズ方式(ガソリンエンジンを発電のみに利用する)が使われるのではないか。

ハイブリッドカーと環境エネルギー問題
バイオ燃料は、食糧問題との絡みもあって現実的ではないといっていた。
2009年中国の自動車保有率は4%だが、日本とおなじ50%までいったとすると7億9600万台と現在の世界の自動車数の84%に相当する量が増えることになる。これは二酸化炭素排出削減は自動車にとって急務である。
また石油の可採年数と需要状況からオイルピークとよばれる、価格が安く手に入る年限は2010年と予測されており、ガソリンの高騰も予想される。
こうした事情から電気自動車が切望されるが、それまでの過渡期にハイブリッドカーが有効である。

自動車のゆくえ
ハイブリッドカーによりガソリンエンジンの楽しさがなくなってしまうと残念がる人たちがいるが、今考えて行動しないと自動車自体が使えなくなる時代がくるかもしれない。
途上国での自動車の増加により、ハイブリッドカーが普及しても二酸化炭素排出量削減が間に合わなくなるかもしれない。
また石油の枯渇問題もある。
電気自動車が普及しても電力が火力だと二酸化炭素削減にならないという話もある。
みなが考えて行動し、温暖化ガス削減に協力することが大切。
そうすることで、楽しみのために車に乗れるような世の中が保たれるのではないだろうか。


追記
2012年のハイブリッド国内普及台数は乗用車で5%。
価格が障壁になっているようだ。



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  • 作者: 御堀 直嗣
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