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都会でできる雨、太陽、緑を活かす小さな家 [雑学]

著者は東京都の保健所に勤めるサラリーマン
仕事柄もあって、自然エネルギーやエコ住宅に興味があり、家を建てる際に自分の家に取り入れた。

土地を探したとき、唯一南むきだった現在の家の敷地(17坪の変形矮小地)に出会い、
設計から施工までこまめにかかわりながら家をたて、
そこでの生活も記録している。

土地選びにやっていたこと
建築士にみてもらい、家族分(著者は3人家族)のスペースがとれるか確認。
古地図で昔川や沼湖でなかったことを確認。
周辺環境の確認。どんなに自然住宅をたてても、周辺に工場や大きな道があるときれいな空気は望めない。
また、畑や田んぼがあればいいかというと、農薬をまくこともあるので注意が必要。

家の形や機能
変形の土地だったので曲線をいかしたムーミンハウスのような家をたてた。
太陽光発電のパネルを屋根にのせ、雨水利用の貯水槽とポンプをつけた。
壁面には緑のカーテン、2階のベランダは緑化している。

小さい家で屋根がせまいが、敷地にあわせて屋根がかなり傾いているので発電効率はいい。
緯度と同じくらいの傾きがあるとよいのだそう。
独立型というシステムを使い。発電した電気はバッテリーに貯めてすべて家で使う。
バッテリーがなくなると電力会社の電気に切り替えるシステムがついている(手動)
家族に節電意識が芽生えたという。
家全体の電気の2割をこれで賄う。

雨水は屋根に降った分を雨どいであつめて貯水槽にためる。
雨の降り始めは汚いので下水にすててから貯水をはじめる。そのためのバルブをつけてある(手動)
雨水には自動車の排ガスなどがまざっているので、フィルターとしてストッキングと金魚の水槽用フィルターを使う。
1か月に1度取り換える。
ときどき水質検査をしているが、水が腐ることはないそう。著者は雨水は川の水より雑菌がまじらないのできれいなことと、かなりの量が降るので水が入れ替わるので結果として腐らないのだろうと分析していた。
雨量がすくないと減ってくるが、いままで一度も底をついたことがなく、水道水をいれる設備は使ったことがないそう。
ポンプでくみだしてトイレの水や洗濯用の水として使う。
手動ポンプで汲みだした水で緑のカーテンたちの水やりをする。
家の水の2割を雨水で賄う。

緑のカーテンはゴーヤを植えたところ、朝晩水やって、月一追い肥で初年度100本以上とれて近所に配ったという。
今は琉球朝顔なども植えている。
花の手入れをしていると近所の人たちとのコミュニケーションにもなり、ゴーヤをわけるのもいい近所づきあいになった。
2階のベランダもワイルドフラワーやあしたばをまいたところ、水やりと月一の追い肥で充分そだっているという。
測ってみたところ緑のカーテンがあると家の壁面は10度もちがっていた。

暑さ対策として屋根は内部を通気を確保した二重構造にしている。
また施工途中で思いついて2階のリビングを風が通り抜けるように小窓をつけた。
緑のカーテンや屋上緑化の効果もあって、夏の電気代は以前の公団住宅より30%以上安くなったという。
ただし、東京のヒートアイランドのせいもあってエアコンなしとはいかない。
東京でも周辺に緑があって、蓄熱するアスファルトやコンクリートがないところはエアコンなし生活も可能かもしれない。

寒さ対策
外で灯油を燃やし、温水をつくりそれを床暖房につかっている。リビングは広いこともあってパネルヒーターを併用。
1階の床はコンクリに温水パイプを通してあるためコンクリの蓄熱効果がきいて暖房を切っても温かいが、2階はフローリングの下なので切るとすぐ温度がさがる。著者自身が家で測定して確かめた。
冬は1階で寝ることにしたという。

シックハウス対策
著者は化学物質過敏症で、新築の家にいくと目をあけていられないし、建築現場でも集合材を大量につかってあったり、シロアリ防護材に化学物質が大量にはいっていると、反応するという。
だから自然素材にはこだわって、建築士と大工さんにたのんで、防腐剤をつかっていない自然乾燥させた材木と漆喰の壁で家をたてた。流行りの珪藻土は化学物質を吸着してくれるという触れ込みだが、それほどの効果は期待できないうえにホームセンターで売られている珪藻土には糊として何がつかわれているかわからないのであまりよくないそうである。

古民家を活かす
近所の解体される廃屋と、廃業する旅館からもらった建具が家に落ち着きを与えている。

自然力を耕す。
家族農園を初めて畑を耕していると、自分が小さな家でやっていることも、雨や太陽という自然力を耕していることなのだと気が付いた。

災害時1週間自立できる家
阪神・淡路大震災の教訓から、ライフラインがなくなっても雨水と太陽光発電で1週間自立できる家をめざしたい。
電気は照明と冷蔵庫にしぼり、貯水した雨水はトイレに使う。ただしくみ上げポンプは発電力がかかるのでバケツを使う。
アウトドア用の簡易濾過機を使えば飲み水にもなるかもしれない。

将来は敷地に井戸を掘ったり、LED照明にしたり、2階のベランダで野菜をそだててみたい。


都会でできる雨、太陽、緑を活かす小さな家

都会でできる雨、太陽、緑を活かす小さな家

  • 作者: 中臣 昌広
  • 出版社/メーカー: 農山漁村文化協会
  • 発売日: 2009/11
  • メディア: 単行本



タグ:中臣 昌広
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