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20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 [ビジネス]

著者はスタンフォード大学医学部で神経科学の博士号を取得したあと、さまざまな企業で働き、この本を書いた当時はスタンフォードで教鞭をとり、起業家育成コースとして高い評価を受けているプログラムを担当している。

年齢は50歳で20歳の息子に向けて、自分が20歳の時に知りたかったことを書いており、それは自分に許可を与えるということ。自分を縛っているのは自分の常識だけで、それを取り除けばなんだって可能だろいうこと。未来の不確実性は不安要素ではなく、わくわくするチャンスであるといっていた。

第1章 スタンフォードの学生売ります 自分の殻を破ろう
スタンフォードで起業家精神を教えるためにしていることいろいろ
・5ドルを与えて2時間で最大限に増やす
 人気のレストランの予約席を売る。
 スタンフォードの学生を採用したい企業に自分たちのプレゼン時間を売ってCMを作る。
 寮の前で無料の空気圧測定と空気入れをして、最初は空気をいれたら1ドル請求していたが、途中で任意の寄付をお願いするようにしたら、結果がよくなった。
・クリップやゴムバンドから価値を生み出す
 お金ばかりに目がいくので考えたのだそう。
 クリップをつなげた最長記録をつくってみたり
 クリップをポスターボードと交換してショッピングセンターに「スタンフォードの学生売ります。一人買えば二人はオマケ」の張り紙つけたり。

 目標はチャンスは無限にあって、見回せば問題はどこにでもあると気が付くこと。
 問題の大きさに関係なく、今ある資源を使ってそれを解決する独創的な方法はつねに存在すると気が付くこと。
 私たちは問題を狭くとらえすぎていて、もらった5ドルやクリップにとらわれず広い視点でみれば可能性が広がることに気が付くこと。元手がないのは言い訳。

 知識を詰め込むことは起業家に必要な資質にはならない。
 一つの正しい答えを選べばご褒美がもらえるなんて社会にはない。


第2章 常識破りのサーカス みんなの悩みをチャンスに変えろ
 問題はどこにでもあり、解決されるのを待っている。問題こそがチャンス。
 ふだん問題に触れている人ほど、問題に気が付かないもの。常識をすててみれば問題は発見できる。
 起業家講座では学生を快適な環境からひっぺがして、実社会に触れさせる。そして問題を発見し、それを自分たちが解決できる(チャンス)ことを感じてもらう。


第3章 ビキニを着るか、さもなくば死か ルールは破られるためにある
 ルールはただの助言にすぎない。私たちは自分で自分の監獄(ルール)を作っているのだ。
 町の反対側へ行く方法より、外国の街へ行く方が方法は何通りもある、大きすぎて挑めない問題なんてない。
 大きな挑戦をすると「できるわけがない」という他人からの邪魔が入るのが当たり前。
 そのため、著者の講座ではある問題を解決するベストとワーストの案をだしてもらい、他のグループのワーストの案をもらって、使えるようにするという演習をしている。するとワーストが実は素晴らしいアイデアであることに気が付く。なにか問題にぶつかったときに先入観をもたず、自由な発想で解決策を考える素晴らしさとアイデアに良し悪しがないことがわかる。
 ブレインストーミングはアイデアを出し尽くすために行うのであって良し悪しを競うものではない。言いだしっぺだからこのアイデアは自分のものというこだわりをすてて、他人の意見からアイデアを発展させることが大事。
 常識破りの採用を行ったクールアイリスの例。まず一番クールな存在になり、クールアイリスで働くのがカッイイと宣伝する。山のように履歴書がきたら全員研修生にして実際に働いてみる。これでその自分物の力量がわかり、相手もどんな会社か理解できて、雇った後やめる心配も減る。研修生でも正社員でもまったく同じ仕事責任をする。ソフトの評価に使った学生から社員をみつけるなど。
 大企業でもルールを破って成功した例、マイクロソフトのズーンの開発期間短縮。

 ルールは初めて飛び込む世界では役にたつが、ルールは疑ってみる価値はある。
 それは社会や企業の他自分のルールについてもいえる。
 周囲の期待を裏切って決まりきった1歩をふみはずしたとき、すばらしいことが起きることを多くの人が体験している。


第4章 財布を取り出してください 機が熟すことなどない
 何かをやろうとするとき、許可を待っている人と、自分で動き出す人がいる。
 チャンスは待っているよりも自分でとりにいったほうがいい。埋められるのを待っている隙間は常にあり、チャンスが詰まった金塊は常に地面に転がっているものだ。机にかじりついていないで、窓の外を見るべき。
 ときには人が捨ててしまったアイデアを拾って改良することも役にたつ。
 自分のスキルの幅を積極的に広げリスクをとって新しいことに挑戦する人の方が、自分のスキルや潜在能力を決めつけて決まった役割に徹するひとより成功する可能性が高い。
 リーダーになろうと思ったらリーダーの役割を引き受けること、できるかどうか考える必要はない。ただ自分に許可すればよい。



第5章 シリコンバレーの強さの秘密 早く、何度も失敗せよ
 失敗のレジュメを書くことは成功のレジュメを書くよりも役にたつ、都合よく忘れていた失敗から学べるから。
 失敗が恥と結びついている文化を持つ国では失敗は認められにくい。しかし、シリコンバレーでは失敗こそ強みの源泉であり、失敗を財産と思えることが起業家を産む土壌。
 一度も失敗したことがなければ、経験から何かを学ぶことはできない。
 学生にこれを学んでもらうためにベンチャー企業に送りこんで実習させる。変換する環境の中で猛烈なスピードでものごとを進めることの意味、資金繰り、経営陣交代、技術の製品化など手ごわい課題にぶつかる会社を目の当たりにし、1・2年後に生き残っている会社が一握りであることを学びます。優秀な人たちも失敗することを学ぶ。
 成功の確率を上げるには数をこなすこと。
 プロジェクトからの撤退は資源を注着こんだあとの方が難しい、判断は早くすべき。 やめると決めることはいつだってできる。それが最も勇気ある選択であることだってある。そして何がおきたのか分析して学べばよい。
 失敗を成功へと変える方法は多くある。どんな優れたアイデアでも問題にぶつかったとき、突破口がみつかると期待してやり続けるか、それとも見切りをつけるかは難しい。著者のおすすめは「心の声に耳を傾け、選択肢を検討する」自分自身と正直に話し合うことがもっとも大切。
 やめるとき引き際がみごとなほうがいい。後にぽっかり穴があくような辞め方をすれば、自分の評判を落とすことになる。世の中は同じ人が役割を変えて何度もあらわれるものだから、きっと自分が損をする。
 失敗は避けられないものです、失敗に備えて心の準備をし、すばやく立ち直ることに焦点をあてるべきです。たくさんのことをすれば失敗も増えますが、失敗から学ぶことで成功の確率をあげることはできます。
 仕事で成功した人は一直線に成功したわけではなく、キャリアは必ず波をかきます。着実に予想できる道より大きな仕事を成し遂げられます。
 創造性は行動からうまれ、なにかしようとして失敗するほうが、何もしないより評価されるべきです。
 リスクの評価は人それぞれで、身体的、社会的、感情、金銭的、知的リスクが考えられ、自分はどのリスクを取るのが得意なのか考えてみるのもいい。
 他人から学ぶことは失敗の確率を避ける有効な方法である。
 リスクをとってうまくいなかなくても、あなた自身が失敗者なのではありません。同様に成功したときも自分の成功ではないのです。失敗は学習のプロセスにつきものです、失敗していないのは十分にリスクをとっていないからなのかもしれません。


第6章 絶体いやだ!工学なんて女がするもんだ 無用なキャリアパスアドバイス
 情熱は大切だが出発点にすぎない。
 とても好きだけれど得意でないことを仕事にしようとすると悩みは深くなる。
 情熱を感じ才能があっても市場が小さいため仕事にならないこともあります。そんなときは趣味にしましょう。
 情熱とスキルと市場が重なり合うところがあなたにとってスウィート・スポットです。一生懸命取り組めて仕事と遊びの区別がないのが理想です。
 人からいろんなメッセージをうけるので、若いころは自分自身に求めることと他人から求められるのを分けて考えられないもの。身近な人たちは一度キャリア・パスを決めたらそこからそれないのを望みますが、それが自分にとって最良とは限りません。
 綿密な計画をたてるより、自分の感覚を頼りに予想外の事態に対応していったほうが、一見回り道にみえても結果として良好なキャリアができていたりする。
 巡ってくるチャンスの質をあげるには共に働く人の質をあげること、できる人たちはお互いに応援しあい、貴重なネットワークを気づいているから。自分が生活し働いている場所の生態系によってめぐってくるチャンスは左右される。
 ほとんどの人は自分の役割を点検しないで、おなじポジションに長くとどまりすぎている。もっと頻繁に点検し、問題は小さいうちに芽を摘むべきだ。家庭をもち、子どもをもつと、と否応なく人生のゲームが変わる。前向きに考えるならキャリアを点検し、より効率的に仕事をする工夫をする機会にめぐまれたのだ。著者としては子育ては一時期なので、細々でもボランティアでもキャリアを続けることを進めていた。
 大切なのは仕事だと思わずに取り組める役割を社会の中にもつこと。周りから暗に受けているメッセージを検証し、正しくないと思ったら突っぱねること。
 いつもキャリアを点検して、計画通り進まなかったり、大きなチャンスがきたら素早く軌道修正しましょう。
 人にキャリアアドバイスされてもうんざりしないこと、決定は自分ですればいいのです。


第7章 レモネードがヘリコプターに化ける 幸運は自分で呼び込むもの
 「幸運なんてものはないよ、すべては努力次第だよ」著者の息子の言葉。
 運を呼び込む人たちは、周囲に起きることに注意を払い、チャンスを見つけます。そして未知のチャンスを歓迎し初めてのことに挑戦し、自分と違うタイプの人と付き合おうとします。外交的楽天的で、自分にいいことが起こると信じています。ものごとが期待通りすすまなくても前向きな方法をみつけだします。そうして幸運を呼び込むのです。
 扉はたくさんありその向こうにはたくさんのチャンスがあります。扉をあければいいのです。
 そして自分の知識や人脈をよく知って、必要な時にそれを駆使するのです。
 経験はどれも役にたたないということはありません。そしてチャンスはよく観察すれば周りに転がっているのです。あとは行動すれば幸運はやってきます。



第8章 矢の周りに的を描く 自己流から抜け出そう
 あなたの為になにかしてくれた人に感謝の気持ちを示す以上に大切なことはありません。
 世の中は同じ人が役割を変えて何度を現れます。世の中には50人しかいないと著者はいっています。転職先の面接官が前の職場の上司と知り合いなんてすごい在りえる話です。世の中は狭いのです。怒りにまかせて取り返しのつかないことをしてはいけません。評判ほど大切な資産はないのです。
 しかし、失敗を犯してもひどく落ち込む必要はありません。評判を回復することは可能です。それには間違いを指摘されたら、率直にみとめ、あやまり、指摘を感謝して、行動にうつす態度をみせることです。なかにはどうしても回復できないときがあるかもしれませんが、そのときはあきらめましょう。
 どんな人でも万人を喜ばせることはできないし、波風がたつこともあるはずです。そんなときは混乱が収まった後、胸を張って話せるように今の物語を紡ぎましょう。

 間違いは人生の一部です。失敗したら言い訳しないで謝罪しましょう。ぐずぐずしていると痛手がおおきくなります。自分の行動に責任をもち経験から学ぶ姿勢が大切です。

 交渉力は大切な力なのにうまく使えるひとは少ない。それは利害が対立していると当人同士が思い込んでいるから。相手の利害に耳をかたむけ、自分の利害を説明し、双方に最大限有利な結果(ウィン・ウィン)を引き出せると信じれば、交渉はうまくいく。
 もっとも重要な成果は次の交渉が可能になることです。合意がバランスのとれた公正なもので、双方がそれを守れば次の交渉はもっとスムーズにいくものです。なかにはやむ負えず交渉をやめるべきときがあるかもしれませんが、それはあらかじめ明らかにしておくべきです。

 人助けは大切な習慣なのに、私たちは自分が勝ったら相手が負けるという競争に慣れすぎて、人助けをする力が弱くなっている。人助けをするのは簡単。「なにかできることはありますか。あったら力になります」というだけでいい。そして助けを求められたとき、自分にできることなら真摯に助けること。
 人助けの能力は実はチームで仕事をするとき、とても大切なもの。すぐれたチーム・プレーヤーは各メンバーがなんでやる気になるかを知っていて、各人が成功する方法をみつけようとします、偉大なリーダーは各人が長所を生かせる方法をみつけようとします。各人が自分が「やりやすい」仕事をしていると思えるのが最高の状況です。矢の周りに的を描くのです。
 職を探すときも、自分が相手の的にあった矢なのか検討してみましょう。職場の同僚とうまくやっていけるかはとても重要です。そのためには仕事以外の話題を話てみることをすすめます。

 「正しい行為」=やるべきこと
 「賢明な行為」=ベストな判断
 賢明な人は賢明な行為を選んでしまうことが多いのだが、正しい行為は周りからの評判を高めるが賢明な行為は必ずしもそうではないと知っておくべき。
 
 多くの責任を背負いすぎると消化不良をおこし、収拾がつかなくなる。
 大多数の人間が実行できるルールは3つといわれている。やることが多いなら3つのルールで優先順位を決めよう。そして時には同時に二つの望みをかなえる方法もあることを知っておこう。

 ほんの少しの心がけで、自分でつくりがちな障害や落とし穴を簡単に避けられる。最善の方法は助けてくれる人に感謝の気持ちを表すこと。評判を守り、高めるように行動すること。謝罪の方法を覚えましょう。あらゆることは交渉可能です。すべての当事者が勝つ方向で交渉しましょう。賢明なことでなく正しいことをしておけば、あとあと堂々と話せます。あれこれ欲張りすぎて信頼してくれる人をがっかりさせないようにしましょう。

 
第9章 これ、試験に出ますか? 及第点ではなく最高をめざせ
 期待されたこと以上のことをしようと決意しましょう。そうすれば光り輝くチャンスを逃してはいけません。
 期待される最低限のことしかしないのは、光り輝くチャンスを逃しているのです。それは蓄積しいつか人生の大赤字を招きます。
 
 人はするべき努力をしなかったとき言い訳をします。本気でそうする気があるなら実現する方法をひねり出しているものです。社会的には許されても自分自自身には許してはなりません。本気で何かしたいのなら、すべては自分自身にかかっており、自分の優先順位の上位にもってこれるかにかかっているのです。さもなくばリストからはずすべきです。自分の人生に責任をもつのは最終的に自分自身です。

 成功した起業家は競争が好きだと思われがちですが、闘争心を燃やし、他人を犠牲にして目標を達成するより、自分のやる気に燃えたほうが生産的ですし、成功者はそうしています。
 これを理解するために、わざとピースを抜いた何組かの同じパズルをチームで完成させるというゲームをせせる。もともとピースが足りないので、他のチームと交渉し、必要なピースを都合つけあうようにしないといけない。このとき協力しあわないと、どのチームもほとんどできない状態で終わってしまう。逆にピースの都合をつけあった方が、全体としてパズルの完成度は高くなる。
 現実社会でも企業はそれぞれの強みを生かし、協調と競争を実践している。

 光り輝く方法は一つではありません。でも、限界を取り払い、持てる力を遺憾なく発揮しようとするのが始まりです。そして及第点ではなく、自分の行動と結果の責任は自分にあると自覚して最高点をとろうとすることが大切です。


第10章 実験的な作品 新しい目で世界をみつめてみよう
 人はそれぞれ、世の中をどうみるか自分で決めています。それを自覚し、自分自身の檻を飛び出しましょう。成功は甘美ですが、地位や権力は移ろいやすいもので、究極的には自分の力ではありません。脚光を浴びた時は楽しんでもいいけれど、時機がきたら主役は譲る覚悟が必要です。

 快適な場所から離れ、失敗することをいとわず、不可能なことなどないと呑んでかかり、輝くためにあらゆるチャンスを生かすようにすれば、限りない可能性が広がります。もちろんこうした行動は人生を不安定にしますが、同時に自分では想像もできなかった場所に連れて行ってくれて、問題は実はチャンスなのだと気付けるレンズを与えてくれます、なにより問題は解決できるという自信を与えてくれるのです。


訳者のあとがきで、日本人は遺伝的に新規探究遺伝子より、損害回避遺伝子の人が多いらしい。
日本人がリスクを取らず貯蓄好きなのは、こういった要素もあるわけだ。
だから起業家が育たないなどと悲観することはない。この弱みを強みに変える方法もあるはず。
猿まねといわれようと改良に徹してみるとか、個人のアイデアでなく集団での戦いに固執してみるとか、リスクを取らず美味しそうな話に乗らないのを美点として生かす道を模索する。それも異質な道である。


20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

  • 作者: ティナ・シーリグ
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2010/03/10
  • メディア: ハードカバー



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