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人間には使えない蟹語辞典 [雑学]

人の言葉は人間によって、また自然界の法則に左右されている部分がある。
生物としてのヒトの条件によっても言葉は規制されている。この身体的条件をもたない他の生物がどんな言葉をもつか考えた本だそうだ。
もちろんシャレです。
著者は日本語の研究家として有名な金田一京助を祖父に、春彦を父にもつ日本語学者。

動物別索引がついていた。

まず、人間の言葉の意味を取り上げ、意味と用例を解説。
その後他の生物の言葉に直して、その意味と用例を解説、そしてその生物について解説(これが見開き)
その生物に関連する格言を、人間の言葉と対比させてあげ、意味と用法を解説。

各章の終わりに、著者と「みうらじゅん」とのゆるい対談あり。

第1章 魚介類語編
例 カニ
人間語 前向きに考える
カニ語 横向きに考える
格言 口角泡をとばす→カニ語だと「甲殻泡を吹く」意味はその気になればどこでも生きていけるという教え。そもそも水中生物だったカニはエラ呼吸。わずかな水分でエラ呼吸を可能にするのは泡のおかげ
格差社会→カニ語では「殻差社会」意味は空の大きさがその個体の格・価値を決定するというカニ界の傾向を表した言葉。脱皮を繰り返したカニと要請時では個体としての強さが異なることからカニ?

第2章 哺乳類語編
例 コアラ
人間語 酒池肉林・・・ぜいたくきわまりない酒宴。ちなみに女性とは関係ない。
コアラ語 酒池ユーカ林・・・他の生物が好まないユーカリを食物とするコアラのみがうれしい状況。酒池にとくに意味はない。
格言 
指紋・・・指先の内側にある、細い隆起線からなる文様。個人によって違うので識別に用いられる。
縞紋・・・シマウマの白と黒からなる文様、個体によって違う。
年とともに丸くなる・・・若いころに頑固だったり融通がきかなかった人も年を重ねると柔和になるということ。
年とともに荒くなる・・・気性の悪さを表したことば、ただでさえ気が荒いうえに、年をとるとさらに気が荒くなるシマウマを指した格言。

第3章 鳥類語編
人間語 とさかに来る・・・怒りで頭に血が上るほど腹をたてること
ニワトリ語 もみじで蹴る・・・鶏闘でみられるような、ニワトリが蹴り合うようないさましい戦いの様子。転じて精神が高揚したときすぐに行動にうつすことをいう。
格言 不動心・・・どんな状況でも揺るがない強い心、精神を持っていること。武道家に多い。
    不動足・・・動かない鳥としてしられる「ハシビロコウ」の足取りの重さをさしていう。

    枝毛・・・毛先が枝のように二股またはそれ以上にさけていること
    枝羽・・・先天的に根元から二又に分かれている羽のこと、エミューのものが有名

第4章 爬虫類・両生類編
人間語 無色透明・・・まったく何の色もない、透き通った様子
カメレオン語 有色迷彩・・・明らかに色がついているにも関わらず周囲に溶け込んで目立たない様子。カメレオンに使われることが多い。
格言
 身を削る・・・大変な苦労とする。骨身を削る。
 尾が切れる・・・危険な場面に遭遇しても、結果として少しの犠牲で難を逃れることのたとえ、トカゲ語でよくつかわれる。

第5章 虫語編
人間語 石の上にも三年・・・冷たい石でも3年すわれば暖かくなることから、どんなことでも辛抱が報われるたとえ
蝉語・・・土の下にも六年・・・物事の価値は人前で過ごす時間だけでなく、その前の目につかない時期も含めて評価すべきだとのたとえ。セミが土中に6年間暮らしたあと、地上で2週間で死ぬことから土中の生活こそが本来の姿であるということによる。

格言
 わが世の春・・・自分の思いのままになる、もっとも得意な時期、絶頂期。
 わが世は冬・・・自分意外が活動しない時期というのは、すべてが思い通りになるというツチイナゴ界に伝わることわざ。



人間には使えない蟹語辞典

人間には使えない蟹語辞典

  • 作者: 金田一 秀穂
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 単行本



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