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一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- [小説]

小説なのでネタバレです。自分で読みたい人は読まないでください。








神谷新二はサッカー一家に育った。兄健一は優秀な選手で中高をサッカー有力校ですごし活躍。Jリーグにスカウトされジュビロ磐田にいくことになった。新二はあこがれの兄のあとを追いかけようとしていたが結果はそれほど伸びず、中学卒業を期にサッカーをやめて県立春野台高校に通う。

新二の幼馴染一之瀬連は、典型的天才スプリンターで、中学のときすすめられて陸上部にはいり100mで全国7位の成績を残すほどだったが、練習嫌いで上下関係の縛りのようなものを嫌うためか、やめてしまい。新二と同じ高校に通うようになる。

連の評判は高く、同級生の陸上部員根岸からも勧誘をうけが、連は関心をしめさない。しかし、体育テストで新二に「本気で勝負しよう」ともちかけられ、一緒に走った後、二人そろって陸上部に入る。

もともと新二の走りは連から「ボールがなければもっと速い」といわれるほどだったが、走りがサッカーのものなのであまりタイムはでない。陸上部顧問の三輪の指導のもと、新二はもともとの練習好きもあって徐々に実力をつけていく。一方連は練習嫌いで、先輩後輩を期にしない態度であれこれ問題を起こしながらも、陸上部の仲間のフォローもあってなんとか陸上を続けている。しかし、練習嫌いでも結果はだせるところが天才であるが、故障も多い。

ふたりが共に心ひかれたのが400mリレーで、二人はメンバーに選ばれともに走る。
春野台高校のリレーはまさかのバトン失敗で惜しくも南関東大会の出場をのがし、最初のシーズンが終わる。

新二の兄健一は、ジュビロ磐田に入団するため家を離れる。お別れに新二にスパイクを買ってくれて、連がすごくうらやましがる。
新二が淡い恋心をだく同級生の陸上部員谷口若菜が「中長距離に移るようすすめられた」と新二に相談する。新二は「可能性をためしてみろよ」とすすめる。このとき新二の兄のこと、谷口が鷲谷高校の仙波の影響で陸上を始めたことなどを聞く。仙波は県ではトップのスプリンターである。

冬季練習で連は夏休みのサボりのペナルティーとして、休まず、風邪ひかず、きちんと食事するというペナルティーを科せられる。なにより新二に口をきいてもらえなかったのがショックだったのか連はきちんと部活にくるようになり、走りも早くなる。
新二はフォームを作るべく練習に励む、連は生きたお手本で、やればやるほど自然にできる連が天才であることが身にしみて、連がまじめに練習しているのを嬉しいと思う反面、差がひらくのではという恐れも抱く。

春、新入部員が入ってくる、スプリンターの桃内は究極の肉体を目指すサプリメントとウェイト・トレーニングオタク。
5月の地区総体予選は、新二はすべての種目で県にいけることになる、谷口からのメールでお祝いをいわれるが、谷口の方は新人が速いため個人種目にはでれなかった。しかし谷口は中長距離にいったことを後悔していない、速い亀になる!と宣言する。
県の大会で以前からの過敏性大腸症候群になやまされる新二に、桃内が腹にチタンテープを貼ろうといってくる。新二は拒否するが、無理やり貼られてしまう。が、これで腹はおさまってしまう。そして準決勝で雨というコンディションもプラスに働いて、それまで勝ったことがない鷲谷高校の高梨に勝ってしまう。しかし決勝はガチガチで最下位。
翌日のリレーでは予選は振るわなかったが決勝はベスト更新で県3位で南関東進出を決める。しかし連が太もも裏に肉離れをおこしてしまう。
三輪は連をおろし、補欠の根岸で南関東にでるというが、連はでるといってきかない。部は深刻な雰囲気につつまれる。そのとき3年生で部長の守屋が割って入り、「自分が連に期待をすてられなかったのがいけない」という。人のことなんて気にしていなかった連が3年の守屋の最後の大会だからリレーに出場したいと思っていたことを皆が理解する。そして守屋の言葉に連もようやくあきらめる。
春野台高校は連の欠場で南関東大会はリレーだけになり、予選で敗れる。しかし三輪の計らいで翌日の種目も見学。食い入るように仙波をみる連をみて、新二は走りたいという気持ちを感じる。
新二は守屋から、次期部長をやるようにいわれ、引き受ける。

夏休み恒例のバーベキュー大会で、新二たちは三輪の後輩から三輪の現役時代の話をきく、南関東の決勝でバトンをミスってインターハイにいけなかったのだと、三輪は自分の果たせなかった思いを押し付けないし背負うなという。
新二は思わぬことから谷口若菜を誘って兄の試合を見に行く。兄がチームでプレーする姿をみて新二は胸が熱くなる。谷口はあんな才能のある人についていこうとする新二がすごいといい、新二の可能性という言葉で自分も頑張れるのだと話す。
兄のプレーと谷口の言葉に触発された新二はもっとトレーニングしたいと三輪に申し出てさらなるトレーニングメニューをたててもらう。部の短距離ブロックをさそって三連一休のトレーニングが始まる。連はプールのメニューだけ来ていた。新二は一日5食、母親が栄養バランスを考えた作った食事を食べて、自分用メニューをうれしく感じる。母親は試合をみたいというが、新二は関東に個人種目ででれるまで来ないでという。しかしそれには、仙波か高梨か連を蹴落とす必要があった。
新人戦にあわせた新二の夏のトレーニングが終わろうとしていた。

新人戦ではキャプテンのプレッシャーを感じながらも、無事に県進出。腹も桃内のテープのおかげで快調だった。
県新人戦では夏の疲労もぬけて、ベストコンデション。三輪からスタートは仙波のが参考になるといわれ、準決勝ではこれをまねて10秒台の記録をだす。新二は未知の速さと体をフルに使えた感覚に打ち震える。しかし決勝ではダッシュのやりすぎと連のスタートに惑わされ4位。一番大事なラウンドで最高の力を出す難しさを実感する。200mでも連と競り合ってほんの少しの間だが前を走る。三輪が3年の総体では連と競れるいったことが頭をよぎる。三輪は一之瀬はお前にだけは負けたくないと思っているよというと、連は苦笑いする。新二は言葉ではなく身体にきかないと連の本音はわからないと考えるが、4位は関東にはでられないので悔しく感じる。
新人戦の関東選抜は4継のリレーがのこり両親も見に来ることになる。三輪は鷲谷にチャレンジすると目標を掲げ、予選では2位通過。一位通過の昭和学舘とは僅差だった。一緒に最終を走った昭和学舘の赤津と新二は言葉をかわし、「ヤンキーの陸上選手ってめずらしい」といわれる。走ったあとには「予選から必死だね」とバカにされるが、三輪によると負け惜しみだろうとのことだった。
翌日の決勝前、連の100m決勝をみていると、両親が突然帰るといってきた、とっさに兄になにかあったのでは思う新二だったが、4継の決勝がせまっている。連が104でジュビロ磐田の連絡先を調べていたのを遮ってリレーに向かう。春野台高校は結果7位で予選の走りはできなかった。
4継リレーのあと調べると兄が交通事故にあって入院していることがわかり、新二は三輪からお金をかりて病院に向かう。

健一のケガは命に別状はないものの利き足の損傷がひどく、選手生命は絶たれたとの医者の診断だった。兄の病室に入った新二は、健一から「何をチーム・ジャージで病院になんて来ているだ」と叱責され、兄を傷つけてしまった自分の無神経さを恨み、自分の健康が兄に起こす憎悪について想像する。
翌日は学校を休み、ぶらぶらして家に帰ると父親が「友達が来てくれたので、少し説明しておいた」と告げる。
学校へはいったものの、部活に行く気になれない新二は、しばらく休むと三輪に告げる。三輪は「治ると信じてやれ」というが、新二は自分の存在すら受けつけない兄に何もできないと感じる。
母親が戻ってきて、新二に対する健一の態度を叱ったという、兄からも電話がきて、「すまなかった」というが、そこに口先だけのものを感じた新二は「俺が事故にあえばよかった」と口走り、「馬鹿言え」と叱責されるが、兄はそれ以上なにもいってこなかった。
10日以上部にいかないでいると、さすがに気まずくなってきて、退部も考えるが怖くてできない。特に連の目は怖く「走っていない新二が在りえない」とうものを感じるので、在りえない存在な自分が不思議で、こんなにも走ることが自分の中で大きかったのかと実感する。しかし自分をダメにしたいという思いはすてられないでいた。
谷口若菜は新二の家を訪れ、丹沢湖の駅伝を見に来てくれという。中長距離ブロック最大のレースを忘れていた自分に新二はおどろくが、谷口は「自分のわがままだけど、新二に見てほしい」と告げる。
新二は行くつもりだったが、当日足を失う悪夢をみて寝過ごす。行くのをやめようて、兄の病院にいこうかと思っていたが、谷口のランニングフォームが目に浮かび、新二は丹沢湖に向かう。
レースはもうはじまっていて、チームメイトの走りをみた新二は思わず大声で応援、ランナーも新二を認める、前キャプテンの守屋に託されたキャプテンの役目を思い出す。そして陸上競技は等しく走ることが尊いのだ、走るのは一人でもその苦しさと喜びを共有できると感じる。谷口をみてから新二は兄の事故以来初めて涙を流す。連がさがしにきて、テントにいこうというと新二は「蛇口がしまってから」と答える。
連は「おまえとかけっこしたくてこの部に入った、お前がいないとつまんねえ」という。「速く走れると最高に気持ちいい」という連に新二も「最高だ」と答える。新二は走る気持ちを取り戻す。


一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)

  • 作者: 佐藤 多佳子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: 文庫



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