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生きさせろ! 難民化する若者たち [ビジネス]

著者は就職氷河期を経験し、自身もフリーターをしたことがあり、弟が正社員として過労死寸前までいくのを目の当たりにしている。

95年に日経連がだした「これからの日本経営」で労働力は
①長期蓄積能力活用型
②高度専門能力活用型
③雇用柔軟型

にわけられ、③の層はつねに雇用が不安定で、弱い立場になり、雇用主のいいなりでサービス残業したり、突然解雇されたりしやすい。つまり使い捨ての労働力とみなされているのだ。日本の場合新卒で就職できなければ、③にはいってしまい、その後そこからでることは難しい。これは既に構造的な問題なのに、自己責任にすり替えられているのではないか?著者は個別のフリーターへの取材をおこなって、一生懸命やりたいことをめざして働きつづけても、うまくいかない場合もあり、仕方なくフリーターをやっているのに、世間からは「だめなやつ」とみられ、自己肯定感をうしない、精神的に追い詰められていくひとが多いといっている。

フリーターは「甘えている」「働かない」「努力しない」などのレッテルをはられ、就職しようとしても面接にさえたどりつけないこともある。しかし、3000人の街頭アンケートによると、週5日、1日6時間以上はたらいているひとがほとんどで、仕事をかけもちしている人も多い。収入は14万くらいで、家賃と光熱費でほとんど消えて、生きるにかつかつで貯蓄もできない。仕事を休めば即日解雇されたり、収入が減ったりする不安があるので、病気でも怪我でも働く。

著者は働いても「生きていけない」といっている。生活保護など本来なら生活を守るための制度も、なるべく受給者を少なくしようと若いというだけで門前払いしたりする実体。弱いものを搾取したうえに企業の利益が守られているといっている。

日本の貧困層は1800万人、OECDの基準で貧困層は国の平均収入の半分以下の収入しかない人。彼らは働いても生きられない。働けなくなれば餓死するしかない。この国には生存権の主張が必要である。

ホームレスやフリーターに対する支援をする団体の取材
「もやい」や「フリーター全般労働組合」


生きさせろ! 難民化する若者たち

生きさせろ! 難民化する若者たち

  • 作者: 雨宮 処凛
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2007/03/13
  • メディア: 単行本



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