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不動産投資の買い替え戦略 ~購入後8年で売りなさい~ [ビジネス]

著者は不動産コンサルタントをしている「きらめき不動産」代表。
最初は「ブツ上げ」といってアパートやマンションを所有している人に「売りませんか」とアプローチして売買仲介をする仕事をしていた。
今はコンサルタントとして物件購入の選定から運営管理、売却までの一貫したコンサルタントをしている。CCIM(事業用不動産投資顧問)とCOM(米国不動産経営管理士)資格をもっている。

不動産投資はオーダーメイドの商品であるべき。その人の属性(職業・年収・資産・家族構成)や性格で手法も物件も違ってあたりまえ。

不動産投資の目的はだいたい次の5つ
・老後の不安を解消したい(安全重視)
・富裕層の仲間入りをしたい(収益重視)
・相続税を節税したい
・インフレに備えたい
・ステータスが欲しい

正しい方法はないので、自分に正直に。

目的にそって運用方針を選び、戦略をたて、ふさわしい物件がでてくるのを待つ。
でてきたら詳細にシュミレーションして最悪のケースと最高のケースを考える。そして利益が見込めるか確認。

不動産投資は業者選びと物件選びに慎重になれば、そんなに簡単に失敗するものではない。それでも失敗する人が少なくないのは、目的と運用方針や物件がマッチングしていないから。


推奨しているのは8年で買い替えて資産規模を増やしていく戦略。最大でも10年。
不動産を買うのにベストなタイミングはない。確かに景気に連動して不動産価格は上がったり下がったりするのに対し家賃収入が変わらないので利回りは上下する。しかし銀行の融資がでやすいのは物件価格が上がっているとき。
不動産投資は他人資本で資産を増やすので融資がおりるかはとても重要。
利回りは低くても、出口(売却)までしっかりシュミレーションし、8年を目安に売却タイミングを計れば資産を増やせるとしていた。

〇24年間で一番お金を残すのはだれかのシュミレーション
8年ごとに物件を買い替えるAさん
16年保有して買い替えるBさん
24年間もちっぱなしのCさん
8年ごとに景気の山と谷があり、山では価格は割高で利回りが低く、谷は価格が割安で利回りが高いと仮定してシュミレーション。
結果はAさんが、Bさんの2.5倍、Cさんの3倍になった。
同じ時間をつかって最大限の収益を得るなら買い替えによるボリュームアップが条件になる。
実は3人のIRRは同じ。資本蓄積比率でが違う。

〇短期売却、長期保有、正解はどっち?
他人資本を使って最大利益を得るにはどこかで買い替えないといけない。短期保有(5年未満)だと税制上不利になるので、著者は8年といっている。しかしリスクを抑えて行動したいならCさんの投資でよい。
Cさんの投資をしたいなら購入と売却時期は大切だが、繰り返し売買なら待つ時間をつくらず投資を続けることが大事なので、著者は「いつ始めてもよい」という。投資に仕える時間はせいぜい30年。不動産投資には時間が必要なので、早く始めたほうがよい。

不動産投資に参加している人は増えているので景気の良しあしと別に価格があがっているということもある。だから今後景気が冷え込んでも極端に不動産価格がさがることは考えにくい。

日本の不動産マーケットの透明性は世界で26番目。透明性が高まれば情報のゆがみがなくなりお宝物件もなくなっていく。そういう意味でも早く始めた方がいい。


物件ごとに購入した場合のシュミレーションをして、見開きのページにして解説。
〇新築ワンルーム VS 中古ワンルーム
〇新築木造アパート VS 中古木造アパート
〇新築RC VS 中古RC おまけに新築S(スティール)

設定条件として、購入価格だけでなく自己資金割合、金利、税率などを細かくいれている。
運営からのキャッシュフローでは10年間持っている間の予想を、空き室率5%、運営費用、減価償却などを使って細かい数字で示していた。著者はCCIM(事業用不動産投資顧問)とCOM(米国不動産経営管理士)資格をもっているので、NOI(純営業利益)、BTCFo(税引き後キャッシュフロー)などの数字をつかっていた。
売却時のキャッシュフロー予想
投資分析結果としてIRR(内部収益率)、NPV(賞味現在資産)、PB(資金回収期間)、運営・キャッシュフロー累計などを出していた。

投資効率を分析比較する指標
・表面利回り 満室家賃×12か月÷購入価格

・実質利回り(NET利回り) 家賃から運営コスト(管理費や修繕積立金・固定資産税など)を引いた利回り。 (満室家賃×12-経費)÷購入価格

・NOI利回り
NOIは営業純利益。空き室損や運営コストを引いて雑収入を加えた賞味の収入
コスト 建物管理費、賃貸管理費、修繕積立金、固定資産税、空室損、広告費、原状回復費、保険料、公共光熱費、清掃費。
雑収入 自販機や看板、駐車場の収入
NOI率 満室想定賃料に対するNOIの割合。NOI利回りはより現実に近い。 
表面利回り×NOI率 = NOI利回り

・IRR(内部収益率)
売却まで含めたトータルな投資効率の指標。投資に対する将来のキャッシュフローの現在価値と投資額が等しくなるように計算した複利割引率。5年先10年先の売却まで見据えたトータルな投資を考えるとき重要。

・資本蓄積比率
IRRは一つの物件の投資効率を測る。再投資を繰り返すような投資手法では資本蓄積比率を使う。利回りでなく、どれだけのお金を蓄積したかによって複数の投資を比較する方法。複数の投資について同じ保有期間で同じ初期投資の場合の最後のキャッシュフローでより多額の資本を蓄積したかを見る。


本にのっていた例と投資分析。
新築マンション物件プロフィール
2500万円 神楽坂駅徒歩2分 専有面積26平米 新築 家賃11万7000円
投資条件 年間の家賃133.38万円 空き室率1% 表面利回り5.62% 
     ローン金利3% 30年間 年間返済額 126万円
     運営費用 年間 18万円 
     購入諸費用 50万円
     ローン総額 2500万円
シュミレーション結果は、毎月5000円持ち出しで10年後に売却すると残債の処理に170万円残る。30年間のローンが終わって、それから10年後にようやくプラスになる物件。
新聞の広告は見開きで4000万、そこに広告がのっているならかなりの広告費が上乗せされている物件である。
新築ワンルームは10年単位の投資としてなりたたない。相続税対策として現金で買うという人以外には勧めない。





不動産業者の賃貸管理業者解説と選び方、銀行との関係、よい担当者の見分け方。

〇「実需と収益」不動産業者の種類を知る
不動産会社には実需と収益がある。
実需は実際に住む人相手に商売をする普通の不動産屋さん。
収益は投資目的で購入する人が相手、今は収益がもりあがって参入が増えているが、いいかげんな業者もいて玉石混交。誰と組むかは何を買うかより重要。

〇収益専門業者は3つに分かれる
収益専門業者3分類
開発業者(新築ディベロッパー) 土地を仕入れて建築して販売。時間と労力がいりリスクも大きくリターンも大きい

中古の買取・再販業者 この中でも区分マンションと1棟アパートマンションにわかれる。自社で買取をするのが、次の中古仲介業者との違い

中古仲介業者 売り手と買い手の間をとりもって手数料を得る業者。業態で客付けと元付に分かれ、志向性で分析計と表面利回りに系にわけられる。

ホームページなどでは見分けがつきにくいが、取り扱う物件のルートや広告の打ち方で立ち位置がわかる。

著者の会社は売主と直接つながるブツ元だといっていた。
収支シュミレーションで分析し、管理も請け負うそうです。
実際の物件の取り引き事例も1件のっていた。

〇管理会社は2つにわけられる
賃貸管理会社は入居者の募集、契約の手続きや家賃回収、退去手続きを代行し、入居者のトラブルの解決や内装リフォーム、クリーニング手配もひきうけてくれる。
賃貸管理業者も販売会社の系列と独立がある
家賃保証を使うと賃料の10~15%が手数料となる。家賃保証をつけるなら引き受ける会社が1000室以上管理していて多少のマイナスをカバーできるくらいがよい。
区分マンションなら管理組合から委託されて物件の資産価値の維持管理を行うのが役目。管理組合の会計と共用部分の清掃の日常業務と大規模修繕の計画・施工を行う。

建物管理会社には分譲会社系列と独立系がある。区分所有ならオーナーは選べない。しかし共用部分の清掃や放置自転車の確認、外壁やバルコニーの崩れなどを確認し、管理の不備がないか調べるべき、利回りの高い物件でも管理の不備が原因で資産価値が下落するケースがある。
1棟アパートやマンションは自分で選べる、それまで堅実なら引き継いでもよいし、難があるなら変えてもいい。

〇金融機関との関係性
金利も貸し出し条件もまちまち、それだけ融資姿勢が違うということ。
倫理観のない業者が顧客属性をごまかしたりしていると信頼関係が気づけない。
不動産投資は金融機関とパートナーシップを組んで行うもの、信頼関係が大事。
金融機関名は伏せてあったが融資条件などを物件や属性ごとにわけた表がのっていた。

〇よい担当者の見分け方
新築ディベロッパーや買取再販では目の前の物件を売らないといけないので、お客さんの属性にあっていなくても売ってしまう面がある。
専門知識があり熱意と倫理観のある担当者とつきあうようにしよう。一人で物件を探すより断然効率がいい。



法人化について

法人化目安は合計課税所得金額が900万円をこえるかどうか。
5億円以上の資産規模をめさすなら最初から法人というのも手。
最初は個人で初めて、買い替えるとき清算して法人化するのが一般的。
銀行融資は不動産管理法人なら個人の融資とほぼかわらない。
法人をつくって個人の資産を法人にうつすのはマズイ。融資は個人なので法人にするなら最初から審理やりなおしになる。

メリットとデメリット解説。
生命保険を活用した売却益の節税方法解説。


賃貸管理について

自主管理は損得より自分でできるかで考えるべき。
家賃保証は、空き室がきになるのか、りまわり重視かで選ぶべき。ただし保証をする会社の管理物件がおおきくないと、相手はリスクをひきうけられず、すぐに保証料があがると思え。
管理会社の選び方は、情報とノウハウがあるところ。著者の会社の管理を例に、マーケティングやクレーム対応履歴、空き室対策などを解説。


実在のサラリーマン大家さんの投資体験。
地方の1棟ものか首都圏の中古アパートをねらうが融資がおりず、キャッシュで競売物件を狙う、そのご知り合いの業者の仲介で千葉の茂原に築36年の戸建てを購入。さっそく家賃滞納にあうも保証があって損は無し、売却後はマイナス10万円になったが次の融資にすすめられた。一戸でも大家さんやっているならと日本政策金融公庫から融資してもらって中古アパートを2棟購入など。道路付けと担保価値。会社が上場企業になって融資枠がひろがったなど。かなり実用的な話。

不動産投資において物件が安いタイミングで購入するに越したことはないが、そういうときは買いにくい空気のなかで財力と慣れ、勇気が必要。2016年5月現在不動産に対する融資情勢は悪くない。どのステージにいても時間は有限。無理をすることはないが多少のリスクをとりチャレンジする人を応援したい。
日本でのCPMは増加しているが、それがないと仕事できないような状況ではない。
不動案投資をより健全にし、関わる人を幸せにするために研鑽していきたい。


不動産投資の買い替え戦略 ~購入後8年で売りなさい~

不動産投資の買い替え戦略 ~購入後8年で売りなさい~

  • 作者: 後藤 聡志
  • 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
  • 発売日: 2016/06/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:後藤 聡志
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