四つの署名 シャーロック=ホームズ全集 (2) [小説]
BBCのドラマ「SHERLOCK」を見たら、すっごくおもしろかったので、原作を読んでみました。
今回も、ドラマの元ネタがいっぱい。
140種類の葉巻と紙巻とパイプタバコをとりあげ、その灰の区別を色刷りの絵入りで説明した論文
「さまざまなたばこの灰の識別について」について、が話の中にでてくる。
また、ワトスンの懐中時計から元の持ち主の性格や習慣をいいあてるシーンもある。(ピンク色の研究)
ワトスンと結婚するのはメアリー。(シーズン3)
外が見えない馬車のなかで、ロンドンの道を知り尽くしたホームズが行先をあてる(ピンク色の研究で徒歩タクシーを追跡するシーン)
どこかの原住民らしき男が吹き矢でホームズたちを攻撃するシーンはシーズン3にちょっとだけでてくる。
ここからは4つの署名の内容になるのでネタばれに注意!
冒頭はシャーロックのコカイン中毒に心をいためるワトスンの心情からはじまる。
本人によると頭を使うことがないからしかたなくやっているのだから、難しい問題をだしてくれという
そしてワトスンの懐中時計の元の持ち主が兄であり、アルコールの問題があり、元は金持ちだったが、
今はお金の問題をかかえていることをいいあてる。
終わってしまうと、もっと難しい問題がほしいといって、ふさぎこむ。
そこに依頼人、ミス・メアリ・モースタンが現れる。
ワトスンは一目で彼女を気に入ってしまう。
彼女は家庭教師をしており、女主人が昔ホームズに世話になったので、相談するようにすすめられてたのだという。
彼女によると、彼女の父はインドで士官をしていて、アンダマン島で時計集警備隊の隊長をしていたという。
自分はエジンバラの寄宿舎学校にいたが、17のとき、休暇でロンドンに戻った父親と会う約束をしていたが、
行方不明になってしまったのだという。
4年後に自分の住所を探す広告が新聞にのったので、そのころ家庭教師に入った家の女主人のすすめで
住所をしらせたところ、毎年立派な真珠がひとつぶ送られてくるようになった。
そして、今年、会いたいので警官をつれないでライシアム座に来てほしいと手紙をもらったのだという。
ホームズの鑑定によると、わざと筆跡をかえているが、真珠の送り主と同じ筆跡だという。
二人は夜同行することを約束する。
劇場に向かう途中、メアリーは父親の机にあった、意味のわからない紙だといって、建物の平面のようなものに、
赤インクで十字のしるしをつけ、一番下に4つの署名がのっているものをみせる。
ホームズによるとインドの紙だという。
劇場では使用人らしき男がまっていて、3人を4輪馬車でロンドン郊外へつれいく。
ワトスンは途中で道がわからなくなるが、ロンドンを知り尽くしているホームズは、どんどん通り名をあげていく。
インド人の下男にでむかえられて、長い頭でてっぺんがはげている男のところに案内される。
東洋風の部屋へ通され、男はサディアス=ショルトーだと名乗る。
サディアスはメアリーの父親が、自分の父親とインドでいっしょだったこと。
インドでみつけた財宝をわけることで父親と話し合いの最中に、発作を起こして宝物の箱に頭をぶつけて死んでしまったこと。
状況から、殺したと疑われることを恐れた父親が真相を隠していたことを告げる。
父親は病気で死が近いことを悟った時、自分と兄のバーソロミューを呼んで、真実を告げ、
死んだモースタン氏の娘がきがかりだから、財宝をわけるようにという。
しかし財宝にはいわくがあったらしく、その財宝の話をしている最中、何者かが中庭から覗き見しているのを見て
父親は財宝の場所を告げずに息をひきとったこと。
義足の男を異様におそれていて、一度関係ない人に発砲までしたことがある、
その前にインドから手紙がきて、いっそ用心深くなっていたことなどを話す。
また、父親の死後書斎が荒らされ、そこに4つの署名のカードがあったという。
財宝は兄のバーソロミューが屋敷の庭をほりかえし、家をすみずみまで探したがみつからず、
その後隠し天井にきがついて発見したばかりだという。価値は50ポンド以上あるのではないかという。
しかし、その分配について、兄はメアリーに分ける必要はないといっているという。
自分は父のいうとおりメアリーに宝物の一部と思われる真珠を送ったし、分配の権利があると思うという。
そして、兄を説得するのについてきてほしいという。
4人がショルトー邸を訪れると、門番(報復を常におそれていた死んだショルトー氏は門番にプロボクサーをやとっていた)が
訪問をきいていないので、サディアス以外は通せないという。
ここで、ホームズが昔ボクシングをしていて、男と知り合いだったというエピソードが挟まれ、
4人は館に入る。家政婦のハーンストーン夫人が、バーソロミューが書斎に閉じこもって、様子が変だと泣きついてくる。
男3人で書斎の鍵穴からのぞくと、異様な表情のバーソロミューが腰かけた体勢でみえるが、応答はない。
鍵がかかっていたので戸を破ってなかにないると、毒矢で殺された後だった。
死体のそばには4つの署名の紙切れがおちていた。宝物はなくなっていた。
自分が殺したと疑われるというサディアスをなだめて警察に連絡させると、ホームズは室内を調べ、
犯人は屋根に上りはねあげ戸から侵入、そして宝物が見つかった天上にあけた穴から
室内に侵入、その後窓から義足の男を侵入させてたと推理。
天上には異様に小さい足跡が残っていた。
実験用のクレオソートに足をつっこんいるので犬で追跡できるとわかった。
また毒物は植物性のアルカロイドで、頭に矢が天上からうちこまれたと推理。
そこにアルセニー=ジョーンズ刑事が登場。
案の定サディアスと家の使用人がぐるになって殺したと推理。
ホームズは適当に流して、ワトソンにメアリーを送って、知り合いから犬を借りてきてくれるように頼む。
途中、クレオソートのたるのニオイにまどわされながらも、
犬(みっともない雑種のトービー)は犯人たちが船にのったところまでたどる。
追跡を続けながら、ホームズは推理をきかせる。
宝物はおそらくアンダマン島の囚人のものだったが、ショルトー少佐はそれを手にいれた。
しかし囚人が脱走し、イギリスまで追いかけてきたので、少佐は用心して暮らしていた。
署名は囚人たちのものだろうが、白人らしき名前は一つしかなく、それはジョナサン=スモールなので
彼が現在イギリスにおり、バーソロミューを殺し宝物を奪ったと推理。
アンダマン島で囚人だったことから日焼けしており、サディアスが窓からみた顔からひげをはやしていることがわかる。
ホームズは船着場の親子から、義足の男の依頼で夫が船足の早いランチにのって外出したことを知る。
うまく船の特徴をききだして、ベーカー街特捜隊にさがさせるがみつからない。
そうこうしているうちに、ジョーンズ刑事がサディアスと使用人たちを逮捕したことが新聞にのる。
ホームズは地名辞典からアンダマン島の住民は異様に背が小さく、どうもうで気難しいが、
一度信頼を得るとみも心もささげつくす人々であり、毒矢や石で殴って難破船の生存者を襲い、
人肉を食べるので恐れられているということを調べ、スモールの共犯者がアンダマン島の原住民だとうと推理する。
ホームズの予想が外れ、目的のランチはなかなかみつからなかった。
その間、ワトスンはメアリーの家を訪ね、メアリと女主人に事件の進展具合を話したりして、
ますますメアリが好きになっていく、しかし、宝物が見つかればメアリが半分は手にいれるわけで、
自分は財産家の若い女性にいいよる、年金生活をする退役した医師ということになり、
結婚しても彼女とうまくいくか不安になる。
一方ホームズは、とうとうしびれをきらし、自分で変装してランチを探しにでかけていく。
ワトスンがホームズをまっていると、ジョーンズ刑事がやってきて、ホームズの指示できたこと。
容疑者のアリバイがみつかってお手上げ状態だという。
そこに変装したホームズが戻ってくるが、二人ともホームズと気が付かない。
ホームズはひとしきり芝居をしたあと、船は色を変えるために船大工のところに持ち込まれていたのを突き止めたという。
そして、宝物をみつけたら、メアリーのところに運んであけさせたい、
あと、ベーカー街で犯人の話をききたいという要求をジョーンズにのませると
警官と警察で一番早いランチを用意して、包囲網をつくるようにいう。
義足の男とアンダマン島の原住民の男を乗せたランチがあらわれ、ホームズたちも警察のランチで追跡。
途中原住民が吹き矢を口にもっていくのをみて、ホームズとワトソンが発砲。男はテムズ川に沈んだ。
義足の男は船を急旋回させて岸にのりあげ、上陸しようとしたところを取り押さえられる。
義足の男はホームズの推理通り、ジョナサン=スモールであった。
ワトスンが宝箱をメアリの元に運んだが、中身をあけてみると空であった。
ワトスンはその場でメアリに結婚を申し込み、メアリは承知する。
ベーカー街に戻り、みなで男の話をきくと、男はランチで逃げる途中にすべてテムズ川にすてたという。
自分の宝を人に渡したくなかったのだという。
そして、宝を手に入れたいきさつを話し出す。
故郷である娘のことでごたごたを起こし、軍に志願してインドに派遣された。
ガンジス川で泳いでいたところをワニに襲われ、二十歳を前に義足になった。
連隊長の友達でインド藍の栽培にきていた男に雇われ、クーリー(労働者)の監督をするようになった。
申し分ない暮らしだったが、セポイの反乱がおきて農園は襲われ、アグラの城壁ににげこんだ。
そこも包囲されたので、ふるい要塞に立てこもることになった。
スモールも、二人のパンジャブ人といっしょに門の一つを見張ることになったが、
ある晩、その二人がナイフをつきつけ、味方になれという。
二人によると北のほうの金持ちの藩王が、反乱をさけるために、
財産を半分にわけ、半分を宝石にして家来にもたせてアグラ砦に送り込んだ。
白人が勝った場合は宝石が残り、反乱が成功したら自分の家に隠した半分が残るように、
自分は反乱軍についた。
その宝をもった男を仲間がつれてくるので、殺して皆で宝を分けようというのだ。
二人のパンジャブ人と、案内してくる仲間。そしてスモールが乗って、計画がまとまった。
3人は宝をもってきた商人アクメットを殺し、宝を砦の壁に隠した。
4つの署名はこの仲間のもので、メアリの父がもっていたのが、隠し場所の地図だったのである。
しかし、藩王はアクメットに扮した男を信用しておらず、見張りをつけていたため、
砦に入ったはずのアクメットがみつからないことから、4人の殺しがばれてアンダマン島で囚人になったのだ。
藩王は退位させられ、宝は発見されなかったが、4人も手がだせなくなった。
アンダマン島では将校たちが夜な夜なトランプに興じていて、ショルトー少佐とメアリの父のモースタン大尉もいた。
二人ともいいカモになっており、財産を失う危機にあった。
スモールは二人に話を持ちかけ、脱走を手伝ってくれれば、宝の5分の1を渡すという。
二人は承知したので、スモールは他の囚人たちの同意をとりつけ、宝の地図と署名がはいった紙を渡す。
それがメアリの父がとってあった紙切れだった。
しかし、ショルトー少佐は仲間を裏切り、宝を手に入れると退役してイギリスに帰ってしまった。
スモールは宝よりもショルトーへの恨みを晴らす一心で生きてきた。
偶然助けた現地人になつかれ、彼の手引きで脱走し、二人でなんとかイギリスまでたどり着き、
原住民を人食い人種の見世物にして生活しながらショルトーに復讐する機会をうかがっていたのだという。
話をききおわったホームズは、満足して彼をジョーンズ刑事にひきわたす。
ワトスンが結婚の報告をすると「おめでとうとはいえないな」といって、
また冒頭の無気力状態にもどりつつあった。
今回も、ドラマの元ネタがいっぱい。
140種類の葉巻と紙巻とパイプタバコをとりあげ、その灰の区別を色刷りの絵入りで説明した論文
「さまざまなたばこの灰の識別について」について、が話の中にでてくる。
また、ワトスンの懐中時計から元の持ち主の性格や習慣をいいあてるシーンもある。(ピンク色の研究)
ワトスンと結婚するのはメアリー。(シーズン3)
外が見えない馬車のなかで、ロンドンの道を知り尽くしたホームズが行先をあてる(ピンク色の研究で徒歩タクシーを追跡するシーン)
どこかの原住民らしき男が吹き矢でホームズたちを攻撃するシーンはシーズン3にちょっとだけでてくる。
ここからは4つの署名の内容になるのでネタばれに注意!
冒頭はシャーロックのコカイン中毒に心をいためるワトスンの心情からはじまる。
本人によると頭を使うことがないからしかたなくやっているのだから、難しい問題をだしてくれという
そしてワトスンの懐中時計の元の持ち主が兄であり、アルコールの問題があり、元は金持ちだったが、
今はお金の問題をかかえていることをいいあてる。
終わってしまうと、もっと難しい問題がほしいといって、ふさぎこむ。
そこに依頼人、ミス・メアリ・モースタンが現れる。
ワトスンは一目で彼女を気に入ってしまう。
彼女は家庭教師をしており、女主人が昔ホームズに世話になったので、相談するようにすすめられてたのだという。
彼女によると、彼女の父はインドで士官をしていて、アンダマン島で時計集警備隊の隊長をしていたという。
自分はエジンバラの寄宿舎学校にいたが、17のとき、休暇でロンドンに戻った父親と会う約束をしていたが、
行方不明になってしまったのだという。
4年後に自分の住所を探す広告が新聞にのったので、そのころ家庭教師に入った家の女主人のすすめで
住所をしらせたところ、毎年立派な真珠がひとつぶ送られてくるようになった。
そして、今年、会いたいので警官をつれないでライシアム座に来てほしいと手紙をもらったのだという。
ホームズの鑑定によると、わざと筆跡をかえているが、真珠の送り主と同じ筆跡だという。
二人は夜同行することを約束する。
劇場に向かう途中、メアリーは父親の机にあった、意味のわからない紙だといって、建物の平面のようなものに、
赤インクで十字のしるしをつけ、一番下に4つの署名がのっているものをみせる。
ホームズによるとインドの紙だという。
劇場では使用人らしき男がまっていて、3人を4輪馬車でロンドン郊外へつれいく。
ワトスンは途中で道がわからなくなるが、ロンドンを知り尽くしているホームズは、どんどん通り名をあげていく。
インド人の下男にでむかえられて、長い頭でてっぺんがはげている男のところに案内される。
東洋風の部屋へ通され、男はサディアス=ショルトーだと名乗る。
サディアスはメアリーの父親が、自分の父親とインドでいっしょだったこと。
インドでみつけた財宝をわけることで父親と話し合いの最中に、発作を起こして宝物の箱に頭をぶつけて死んでしまったこと。
状況から、殺したと疑われることを恐れた父親が真相を隠していたことを告げる。
父親は病気で死が近いことを悟った時、自分と兄のバーソロミューを呼んで、真実を告げ、
死んだモースタン氏の娘がきがかりだから、財宝をわけるようにという。
しかし財宝にはいわくがあったらしく、その財宝の話をしている最中、何者かが中庭から覗き見しているのを見て
父親は財宝の場所を告げずに息をひきとったこと。
義足の男を異様におそれていて、一度関係ない人に発砲までしたことがある、
その前にインドから手紙がきて、いっそ用心深くなっていたことなどを話す。
また、父親の死後書斎が荒らされ、そこに4つの署名のカードがあったという。
財宝は兄のバーソロミューが屋敷の庭をほりかえし、家をすみずみまで探したがみつからず、
その後隠し天井にきがついて発見したばかりだという。価値は50ポンド以上あるのではないかという。
しかし、その分配について、兄はメアリーに分ける必要はないといっているという。
自分は父のいうとおりメアリーに宝物の一部と思われる真珠を送ったし、分配の権利があると思うという。
そして、兄を説得するのについてきてほしいという。
4人がショルトー邸を訪れると、門番(報復を常におそれていた死んだショルトー氏は門番にプロボクサーをやとっていた)が
訪問をきいていないので、サディアス以外は通せないという。
ここで、ホームズが昔ボクシングをしていて、男と知り合いだったというエピソードが挟まれ、
4人は館に入る。家政婦のハーンストーン夫人が、バーソロミューが書斎に閉じこもって、様子が変だと泣きついてくる。
男3人で書斎の鍵穴からのぞくと、異様な表情のバーソロミューが腰かけた体勢でみえるが、応答はない。
鍵がかかっていたので戸を破ってなかにないると、毒矢で殺された後だった。
死体のそばには4つの署名の紙切れがおちていた。宝物はなくなっていた。
自分が殺したと疑われるというサディアスをなだめて警察に連絡させると、ホームズは室内を調べ、
犯人は屋根に上りはねあげ戸から侵入、そして宝物が見つかった天上にあけた穴から
室内に侵入、その後窓から義足の男を侵入させてたと推理。
天上には異様に小さい足跡が残っていた。
実験用のクレオソートに足をつっこんいるので犬で追跡できるとわかった。
また毒物は植物性のアルカロイドで、頭に矢が天上からうちこまれたと推理。
そこにアルセニー=ジョーンズ刑事が登場。
案の定サディアスと家の使用人がぐるになって殺したと推理。
ホームズは適当に流して、ワトソンにメアリーを送って、知り合いから犬を借りてきてくれるように頼む。
途中、クレオソートのたるのニオイにまどわされながらも、
犬(みっともない雑種のトービー)は犯人たちが船にのったところまでたどる。
追跡を続けながら、ホームズは推理をきかせる。
宝物はおそらくアンダマン島の囚人のものだったが、ショルトー少佐はそれを手にいれた。
しかし囚人が脱走し、イギリスまで追いかけてきたので、少佐は用心して暮らしていた。
署名は囚人たちのものだろうが、白人らしき名前は一つしかなく、それはジョナサン=スモールなので
彼が現在イギリスにおり、バーソロミューを殺し宝物を奪ったと推理。
アンダマン島で囚人だったことから日焼けしており、サディアスが窓からみた顔からひげをはやしていることがわかる。
ホームズは船着場の親子から、義足の男の依頼で夫が船足の早いランチにのって外出したことを知る。
うまく船の特徴をききだして、ベーカー街特捜隊にさがさせるがみつからない。
そうこうしているうちに、ジョーンズ刑事がサディアスと使用人たちを逮捕したことが新聞にのる。
ホームズは地名辞典からアンダマン島の住民は異様に背が小さく、どうもうで気難しいが、
一度信頼を得るとみも心もささげつくす人々であり、毒矢や石で殴って難破船の生存者を襲い、
人肉を食べるので恐れられているということを調べ、スモールの共犯者がアンダマン島の原住民だとうと推理する。
ホームズの予想が外れ、目的のランチはなかなかみつからなかった。
その間、ワトスンはメアリーの家を訪ね、メアリと女主人に事件の進展具合を話したりして、
ますますメアリが好きになっていく、しかし、宝物が見つかればメアリが半分は手にいれるわけで、
自分は財産家の若い女性にいいよる、年金生活をする退役した医師ということになり、
結婚しても彼女とうまくいくか不安になる。
一方ホームズは、とうとうしびれをきらし、自分で変装してランチを探しにでかけていく。
ワトスンがホームズをまっていると、ジョーンズ刑事がやってきて、ホームズの指示できたこと。
容疑者のアリバイがみつかってお手上げ状態だという。
そこに変装したホームズが戻ってくるが、二人ともホームズと気が付かない。
ホームズはひとしきり芝居をしたあと、船は色を変えるために船大工のところに持ち込まれていたのを突き止めたという。
そして、宝物をみつけたら、メアリーのところに運んであけさせたい、
あと、ベーカー街で犯人の話をききたいという要求をジョーンズにのませると
警官と警察で一番早いランチを用意して、包囲網をつくるようにいう。
義足の男とアンダマン島の原住民の男を乗せたランチがあらわれ、ホームズたちも警察のランチで追跡。
途中原住民が吹き矢を口にもっていくのをみて、ホームズとワトソンが発砲。男はテムズ川に沈んだ。
義足の男は船を急旋回させて岸にのりあげ、上陸しようとしたところを取り押さえられる。
義足の男はホームズの推理通り、ジョナサン=スモールであった。
ワトスンが宝箱をメアリの元に運んだが、中身をあけてみると空であった。
ワトスンはその場でメアリに結婚を申し込み、メアリは承知する。
ベーカー街に戻り、みなで男の話をきくと、男はランチで逃げる途中にすべてテムズ川にすてたという。
自分の宝を人に渡したくなかったのだという。
そして、宝を手に入れたいきさつを話し出す。
故郷である娘のことでごたごたを起こし、軍に志願してインドに派遣された。
ガンジス川で泳いでいたところをワニに襲われ、二十歳を前に義足になった。
連隊長の友達でインド藍の栽培にきていた男に雇われ、クーリー(労働者)の監督をするようになった。
申し分ない暮らしだったが、セポイの反乱がおきて農園は襲われ、アグラの城壁ににげこんだ。
そこも包囲されたので、ふるい要塞に立てこもることになった。
スモールも、二人のパンジャブ人といっしょに門の一つを見張ることになったが、
ある晩、その二人がナイフをつきつけ、味方になれという。
二人によると北のほうの金持ちの藩王が、反乱をさけるために、
財産を半分にわけ、半分を宝石にして家来にもたせてアグラ砦に送り込んだ。
白人が勝った場合は宝石が残り、反乱が成功したら自分の家に隠した半分が残るように、
自分は反乱軍についた。
その宝をもった男を仲間がつれてくるので、殺して皆で宝を分けようというのだ。
二人のパンジャブ人と、案内してくる仲間。そしてスモールが乗って、計画がまとまった。
3人は宝をもってきた商人アクメットを殺し、宝を砦の壁に隠した。
4つの署名はこの仲間のもので、メアリの父がもっていたのが、隠し場所の地図だったのである。
しかし、藩王はアクメットに扮した男を信用しておらず、見張りをつけていたため、
砦に入ったはずのアクメットがみつからないことから、4人の殺しがばれてアンダマン島で囚人になったのだ。
藩王は退位させられ、宝は発見されなかったが、4人も手がだせなくなった。
アンダマン島では将校たちが夜な夜なトランプに興じていて、ショルトー少佐とメアリの父のモースタン大尉もいた。
二人ともいいカモになっており、財産を失う危機にあった。
スモールは二人に話を持ちかけ、脱走を手伝ってくれれば、宝の5分の1を渡すという。
二人は承知したので、スモールは他の囚人たちの同意をとりつけ、宝の地図と署名がはいった紙を渡す。
それがメアリの父がとってあった紙切れだった。
しかし、ショルトー少佐は仲間を裏切り、宝を手に入れると退役してイギリスに帰ってしまった。
スモールは宝よりもショルトーへの恨みを晴らす一心で生きてきた。
偶然助けた現地人になつかれ、彼の手引きで脱走し、二人でなんとかイギリスまでたどり着き、
原住民を人食い人種の見世物にして生活しながらショルトーに復讐する機会をうかがっていたのだという。
話をききおわったホームズは、満足して彼をジョーンズ刑事にひきわたす。
ワトスンが結婚の報告をすると「おめでとうとはいえないな」といって、
また冒頭の無気力状態にもどりつつあった。
偕成社文庫 3226【2500円以上送料無料】四つの署名/コナン・ドイル/各務三郎
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