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IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 [プログラミング]

IT業界に入ったばかりの人を対象に書かれた学習方法の紹介の本。
目的は仕事か終わってからもつい勉強してしむような「楽しく学び続ける人」をつくること。
2010年6月出版


第1章 つまみぐい勉強法とは何か?

つまみぐい勉強法の価値
小さいゴールに全力投球し続けることなく、自分が楽しそうだなと思うものを次々「つまみぐい」することで高いモチベーションを維持する。
合わないとおもったらやめる、罪悪感を持つ必要はない。すきなことを継続して学ぶのが目的なのだから。

3法則
・えいやで、すぐ始める
 ジャンルは興味と仕事で使いそう、あるいは一緒に勉強する人がいる、教えてくれる人がいるなどで決めよう
 やり方は、本、勉強会、ウェブサイトなど、できそうなものをえらんではじめる

・他の勉強へすばやくスイッチする
 ただし、継続できるものをみつけて続けることは必要。プログラミングを学んでちょっとしたものが作れるようになったら、次はライブラリやツールの使い方を覚えるとか、GUIの作成方法を覚えて他の人が使ってもらえるツールをつくるなどいろんな方法が考えられる。
 一回の勉強のサイクルは人それぞれ、1-2週間や2-3か月などいろんな人がいる。一度勉強した対象に戻るのもオススメ。著者は3か月で対象は3つでスパイラルでやるそうな。

・対象は変わっても、勉強自体は続ける
 学生とちがって枠がきまっていて、その範囲をすべて覚えればよいという減点法ではなく、社会人の勉強は加点法。引出しを増やすことで、仕事の幅も広がる。独力でなく他の人との協力で良質なアウトプットをだすことが大事。
 勉強することで正解が拡がって、自分のゴールをみつけやすくなる。

勉強が浮かくいかなる理由
やり方があわない。
人の前で発表するのが好き? 資格をとる? ソフトウェアを作って公開?いろんあ方法がある、対象は変えず、やり方を変えてみる

状況が変わった
無理せず楽しく継続できるものを選ぼう

戦力的撤退もあり
ゲームと同じでいきなりラスボスは無理。達せ出来なそうなら一旦撤退して別の場所でレベルアップして再挑戦すればいい。

「合わないことが分かった」と考えよう
勉強がうまくいかなくても自分のせいと悩む必要はない。行動している限り経験は蓄積され、成長している。あんしんして振り出しに戻ろう。

終着点は自分で決めよう
得意技をみつける
 ・つまみぐいしただけなのに、思った以上に効果がある
 ・自分で普通と思っているのに、他の人から評価が高い
 ・実施していて楽しい
これらは得意技をさがすキーワード

最初から目標がきまってきなくても、歩き出そう。
つまみぐいで歩いているうちに、得意技がみえてきて、社会で生かす方法もみえてくる


第2章 守りの勉強法
自分の勉強をする前準備として、目の前の仕事改善するためのヒントを紹介

新しい仕事が与えられた瞬間が勉強のスタート
システム開発には、「作る対象の技術」=金融や製造、「作る技術」=開発環境やプログラミング、ネットワークの二つがある。だから作る対象の言葉をしること、プロジェクトのイメージを理解することが必要。次は担当範囲を把握、大きな目標のなかのどこに貢献するのかみえるとモチベーションも高くなる。

調べ方を学ぶ
先輩に聞くはリーサルウエポン=最終兵器

独りで調べる方法
・先輩からきいた本やサイト、ただし一度全体を見通して検索用地図を頭にもっていないと必要なものを端から端までさがすことになる
・ソーシャルブックマーク
 ウェブサービスの一つで「はてなブックマーク」など。日本や世界のユーザーが価値があると判断したページから検索できる。知識を生み出す人をウォッチし続けると質の高い情報を得ることができる。
・通常の検索エンジン エラーコードなどはそのままいれてみる
・大きな問題は課題を小さく分解して調べてみよう、目の前の事象に引きずられて本質にたどりつけないことがある
 問題解決のステップ例
  1 どういう問題があったのか?
  2 どうやって問題個所を特定したのか?
  3 どうやって修正方法を決定したのか?

質問の仕方を工夫しよう
質問する前に今の状況を整理
1 具体的にどんな作業をしたか
2 その結果どういう状態になったのか
3 本来どういう状態になりたかったのか
4 そもそも何をしたかったのか?
伝えるときには4→3→1→2の順。
一番大切なのは1で、この段階で自分で問題解決の糸口をつかむこともある

情報の質について考えてみよう
一次情報か二次情報か
 一次情報・・・開発元や開発者の情報や翻訳、ソースコードやシステム現物
 二次情報・・・一次情報を見た人がそれを咀嚼してわかりやすく伝えたもの、ブログなど

事実か?判断か?
 事実・・だれが受け取っても同じ情報。
 判断・・・人の感想

情報か?経験か?
 実際に他見することによって得られる情報は貴重。情報は実践、経験して価値がある。

最終的なアウトプットから学ぶ
ソフトウェア開発なら
 ソースコードを見る前に、周囲をみわたす、ドキュメントが何でかかれているか、どういう開発環境課、ソースコード管理は?テストは?バグ管理は?
 ソースコードから、コメントのかきかたやルール、名前の付け方、関数やメソッド、クラスの行数、ライブラリやフレームワークの実践的使い方などがわかる。
 改善できる箇所があるか? プロジェクトに浸かっている間はきがつけないことがあるメモしておいて、効率のよい開発に役立てよう

つまみぐいで仕事の引出しを増やす
新人はいろんな仕事が振られるが、仕事もつまみ食い。
メモのかきかた、整理の仕方などの細かい作業スキルやビジネスマナーなどの向上に役立つことも。
他の人と作業するうえでの仕事の仕方、人との関わり方について力をつける。
中堅になったらある程度得意技を選ぼう。また足りない部分がわかっていれば伸ばしていける
仕事の枠は自分で決める。組織でなければできない仕事ができるので会社。

GTDを基にした心の渋滞の解消法
紙にやらなければならないことを書き出して、手をつけられそうな簡単なことから実行。重要度が高い仕事は簡単な仕事に分解してみる。


第3章 攻めの勉強法
仕事と関係なく自分で積極的に行う勉強

勉強時間をつくる
まず時間別にやっていることを書き出し、削減できるものなどを分析して勉強時間の枠を用意する。
あとのアンケートでは、早朝、深夜の勉強をしているひとが多く、通勤時間が次に多かった。
次は自分に合ったやり方を選ぶ。電車なら小さい本を広げたりポッドキャストをきくくらいならできるなど、制約や自分の好みで計画を立てよう。ストレスなく続けられるのが一番。

本は最強の時短勉強メディア
選び方は、何度も書店にいってみるのが一番の近道。あとは先輩友人の紹介やブログの書評、読みこなすとだんだん必要かどうか判断できるようになる。
ジュンク堂書店のコンピュータ書籍の入荷情報をしらせるTwitterもある。再入荷情報をみると売れている本がわかる。
ただし、読める速度以上では消化でいないし、レベルがあるので、だめなら他を読んでからあたろう。

本の選び方戦略
古典は基本
そのうえで横軸に
よりよい習慣⇔新しい分野
縦軸に 品質のよい設計⇔実装の低レベルとみて、どの部分の知識がほしいのかで本を選ぶ
勉強会アンケートでは月の書籍代は平均3000円
IT以外では「デザインパターン」や「7つの習慣」「ザ・ゴール」などもよく読まれていた。

ソースコードから学ぶ
良いソースコードに触れて読まない限り、善いコードはかけるようにならない。
オープンソース化されていて、読めるコードは大量にあるので、人のソースコードを読んで、盗めるところはどんどん盗もう。
そのソースコードが何のためのものか?意識して読もう
コードの読み方の例
 使い方のわからない関数の名前で検索して、どう使われているか調べる
 フレームワークや既成のツールをおいかけて、ユーザの操作やデータの流れと処理を追う。
 アプリケーションを起動時からおいかけ、モジュール分割、パッケージのまとめ方などの構築方法を知る
 拡張性をもったプログラムの拡張機能の周辺をみて、分離方法、拡張可能な仕組みをどのように実現しているか調べる
 エラーメッセージや画面上の表示メッセージで検索し、それが生成されている場所から読んでいく
最初に手を付けるソースコードは自分が使っているプログラミング言語に付属している標準ライブラリやフレームワークがおすすめ
新しい言語なら今まで使っていたものと同じ機能を実装してるライブラリを見るとプログラミング言語の特徴がつかみやすい。

オープンソースから学ぶ
ただしライセンスに注意。改変可能か、再配布可能か

学んだことはブログなどでアププット
利点
 自分の知識をまとめる ただし、ある程度丁寧に書かないと後でみてわからない、分野別に書き溜めるのもいい
 人の役に立つ情報の発信 自分の観測している情報を定期的に発信したりする、修正や最新情報に注意
 ネットワークの構築 ブログならRSSなどで読んでもらえる
 自分を伝えるツールになる 蓄積されることで、履歴書などよりITスキルを伝えられるようになる。知り合った人が読んでくれる。

ブログを使った学習の強化
 メモを整理
 ストーリーを整理・・・読者が読みたい理由は自分のメリットになる内容か
 ブログにまとめる・・・手間はかかるが成果として蓄積されるし、読み手を意識すれば構成を考えるようになる
あなたが読みたいと思ったブログなどをマネしてみよう
最低限、下書きで1度、最終画面で2回は確認しよう

翻訳で学ぶ
 翻訳のメリットは一次情報を細かいところまで知ることができる
 翻訳で大切なのは日本語力、海外でも理系の人はあまり文章はうまくない。文章を通じて書いた人が言いたかった気持ちを訳す
 翻訳はちょっとずつ。あるいは、チームで
 恐れずに公開。著者も学生時代の翻訳があって今読むとひどい訳だが、それは自分が成長した証し。公開にあたっては原文の著者に了解をとる
 翻訳で学んだ知識をアウトプットすることで、成長できる、人に教えたくなる。一度詳しい知識を身に着けると関連情報がでてきたときの情報収集も早くなる

マインドマップの解説


第4章 勉強法座談会
つまみぐい勉強法を効率よく行う手段として勉強会の紹介

勉強会歴10年以上の先輩との座談会
 勉強会は社会人の勉強法として役にたつ。IT業界では安いし
 昔は会社で教わったが、今は会社に余裕がない。すごい人に必ず会えるとも限らない。
 長く続く勉強会では性質が変わることがある。流行によってなくなることも
 主催する側が力むと続かない、自分が楽しいからやる。
 初心者も提供する側になろうという心構えがほしい。
 モチベーションが続くのは楽しいから。
 ベテランの人の方が「できない」といえなくて難しい。でもその人のメリットを生かすと伸びだす。
 いろんな分野をつまみぐいしていると「つながった」と思うときがある。
 場を提供することで起きる化学変化がおもしろい。
 IT業界は新しいモノがよくでるけど、名前が違うだけで理論派そんなに変わらないものも多い
 会社はほっておくと保守的になる、先進的なことを追いかけないと競争に負けてしまう。チャレンジしないと。
 ライトニングトークスがすごい発明
 勘違い、若さとバカさは前に進む原動力

勉強会メリット
 一緒に学んでいく仲間ができて、日常に変化が生まれる
 知識の幅がひろくなり、世の中の情勢がわかる
 自分のスキルがどの程度のものかわかり、自身につながる。高い目標もみつかる
 勉強会の中心メンバになればマネジメントスキルが身につく
 自分のブランドがつくれて、本や雑誌の執筆の機会が得られることがある


第5章 勉強会に行こう
勉強会10のメリット
 ファミリーを作る・・・人脈がひろがる、助け合える仲間が増える、知り合いでも付き合いが深まる。
 日常に変化を与える・・ルーチンワークと違うのでやる気スイッチが刺激される
 方向性をただす・・・仲間の中で一番スキルの高い人に近づける、調べる方向にアドバイスがもらえる、自分の持つ技術を客観的に見直せる
 リーダーシップを伸ばす・・マネジメントにかかわることで成長
 世の中の流れを知る・・独りではあらゆる情報にアクセスできない、よく知っている人の選別してくれた情報は貴重
 初心者レベルからロケットスタートする・・不要かどうかの判断はベテランが確実、軽快にスタートできる、初心者向けワークショップなども利用しよう。ただし教わったらブログにまとめたりフィードバックして感謝の気持ちを持つ・
 ストレスへの耐性をつける・・・実力がついたと実感し、認めてくれる人が増えるので、会社の評価以外の価値をもつことでストレス耐性ができる。
 高い目標を発見する・・・まわりとひっぱりあって高い目標を発見できる
 自分のブランドを確立する・・知識はアウトプットされないと気が付かれない。勉強会で知名度があがると頼られる。
 出版デビューのチャンスをつかむ・・・参加者には出版関係の人もいる

勉強会の探し方
 コミュニティを探す・・・SNSやメーリングリスト
 人を探す・・・ブログの勉強会レポートなど
 勉強会情報を探す・・・ATND、こくちーずなど
一度参加したら仲間からの口コミも聞ける

輪を広げるためのコツ
 事前にあいさつ、コミュニティで積極的に発言(ただし、明日までの仕事なんです、助けて下さいは不快に思う人がいるのでやめましょう)、勉強会用名刺をつくる。マインドマップで興味ある分野を書いたり、会った日を書き込んだりできる、内容もバージョンアップして、配りなおすくらいでいい。社内とわけて、連絡先も別にするとよい。
 キャンセルの連絡は必ず
 わからないことは主催者にきこう、主催者も初めて来る人がどんな人か知りたい
 当日は積極的にメモをとり、ブログにも書こう。懇親会は出れらたら出よう。

勉強会の落とし穴
 高揚感のみで、一人する勉強を怠ると知識と人脈が増えるだけで、スキルアップできない。自分がネタを仕入れる時間、じっくり勉強する時間も大切に。
 お客さん気分で参加するのは損
 時間が減るのは覚悟
 自分が上という意識を捨てる。相手のよいところを探す。年齢によらず教えを乞う
 ハンドルネームをころころ変えない

プチプチ時間管理術
 日時が明確でそこまでにやらないといけないことをまずいれて、他は空いた領域にいれていく。この後からいれたものは後回しにできる予定(緩衝材のようなもの)なので、緊急なこと、重要度があがったことがあれば後ろにずらす。プチプチは緩衝材のこと。
 定期開催の勉強会なら、参加していることをみなに周知しておくと、「○○の日」と理解してくれたりする。

勉強会開催方法
「学びたいもの」「メンバー」をある程度きめる

考えておきたいこと
目的・・勉強会を通じて何をしたいのか?
機会・・参加者にとってどんな体験があるのか?
前提・・参加者の前提となる知識にはどのようなものがあるか?
メンバーを集めて30分でもいいから話してみよう。

設計図
 他に参加する人はいるか
 どんなタイプの勉強会にするか
 どこで実施するのか 
 いつ・どのくらいの周期で実施するか

開催
 教える人とマネジメントは分けたほうがいい
 リマインダーメール(忘れている人がいるので)
 振り返り
 次回予告
振り返りツールとしてKPT紹介
KEEP=よかったこと、PROGULEM=問題点、TRY=次回、将来挑戦したい

勉強会に参加した人たちがよく「離陸した感じがする」という。
自分でも学べるが、いったん勉強会を体験すると入ってくる情報の流れと速度が変わる。


第6章 勉強会を思考タイプ別に攻略
全員がうまくいく勉強法はない。エマジェネティックスをもとにした4つの考え方紹介。

第7章 家庭を持っている人の勉強時間の作り方
家族第一
週末は連続してでかけないなど家族に配慮
配偶者がでかけたいときには進んで留守番する
予定をつたえ、どんなことを学んだかなどを話す。
懇親会や書籍代はキツイ、でも勉強が必要なことを理解してもらい折り合いをつけている。
子どもに親が勉強を続けているのを見せるのはメリット

独身のうちの方が勉強もラク。是非始めよう。



IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 (技評SE選書)

IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」 (技評SE選書)

  • 作者: 奥 乃美
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2010/05/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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