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ねんきん定期便がよくわかる本―あなたの年金完全チェック! [雑学]

2009年に書かれた年金定期便の本

きっかけ
平成16年年金制度改革。
それによって、いつからいくらもらえるのか国民全員に情報を届けようと始まった。
その準備中に年金記録問題が発覚、急きょ、年金特別便が送られた。
その後は年金定期便が毎年一回誕生月に届く。
届くのは現在国民年金や厚生年金に加入している人。共済の人には届いていない。

年金は二階建て
20歳から80歳の人はすべて国民年金に加入している。これが一階部分で共通
厚生年金に入っている人は二階建ての家をもっている。支払いは厚生年金と一緒なので国民年金を払った覚えがなくても国民年金は払っている。

定期便の3つのパターン
50歳未満の人用
50歳以上の人用
働きながら年金を受け取っている人用
内容は
加入履歴、国民年金納付状況。厚生年金標準報酬月額一覧、
回答票が水色なら必ず回答が必要。
白なら間違っている場合のみ、回答が必要
水色に回答すると、不明な記録は調査が行われる、1年以上かかって、次回の定期便にまた同じものがくるときもある。
心配ならねんきんダイヤルか社会保険事務所で調査の状況を確認できる。

ポイント
封筒がオレンジなら記録が間違っている可能性がある。
本人のチェックが大切。
年金は障害者年金とも関係しているので、若い人でも関係なくはない。納付期間の1/3が未納ならもらえないが、それだともらえない人が多いので、過去1年間滞納がなければOKという救済制度がある。

年金定期便をサンプルに番号を振って一通り解説。

・50歳未満の人の年金定期便
年金をもらうには25年の納付期間が必要で、1か月たりないだけでももらえない。
障害年金や遺族年金も同様。

空白期間がないか、加入履歴をチェック。未納期間があったら記憶をたどって、収めた記憶があれば調査してもらおう。
加入履歴の下の厚生年金保険の基金に数字がはいっていれば、その期間は基金に加入していたということ、社会保険庁だけでなく、厚生年金基金からも年金がもらえるので手続きを忘れないこと。

厚生年金保険の標準報酬月額は1年一度見直し。
ボーナスを記録するようになったのは平成15年4月以降なので、それ以前の記録はない。
標準報酬月額が同じでも保険料が変わるのは毎年保険料率が変わるから。

「これまでの国民年金保険料の納付状況」で保険料を納めているのか、免除になっているのか、未納になっているのか詳細な記録が確認できる。
学生納付特例は学生の期間納付を免除する制度
若年者納付猶予は30歳未満のフリーター期間などに使える。
「/」は共済年金や厚生年金加入期間で、国民年金も収めているので大丈夫。

年金加入記録回答票
水色なら必ず回答する。
記録にもれや誤りがあったら、なるべく思い出して具体的に書く「和菓子を製造していた」などでもよい
標準報酬月額があまりに記憶とちがっているとか、○○市役所の窓口で保険料を納付したのに記録がないなどの場合も記入して回答。

・50歳以上の人の年金定期便
年金を受けられる年齢

老齢年金の見込み額は60歳まで現在の制度に加入するという過程で計算されている。
見込み額には配偶者の加給年金額、厚生年金基金、共済組合からの支給ははいっていない。
遺族年金は老齢厚生年金の3/4


・年金を受け取っているひとのねんきん定期便
これからの年金額
60歳以降も厚生年金に加入している人は退職後に年金額が再計算されるので増える。
在職中に年金を受け取るときは老齢厚生年金が減額される。
65歳以上でも減額が続くが、老齢基礎年金(1階の年金部分)は全額もらえる。
厚生年金への加入は70歳までなので保険料は払わない。しかし働く限り減額は続く。
記録にあやまりがある場合、さかのぼって正しい年金がもらえるが受け取り開始まで時間はかかる。

年金見込み額試算の方法解説。

「年金記録に結びつく可能性のある記録のお知らせ」が入っている人は、記録をチェックして連絡を。
すでに社会保険事務所などで確認が済んでいるときはいらない。
年金記録確認第三者委員会へ申立て中なら連絡してみよう。解決するかも。

年金記録の改ざんは144万件あるといわれている。
これは会社が保険料を滞納してその金額が大きくなってきたので、社会保険事務所が回収できない保険料を減らすために標準報酬月額を下げたためといわれている。
改ざんされている可能性のある記録は朱書きされているので注意してみてみよう。その時期に給料が下がったかどうかがポイント。

ねんきん定期便に関する質問や問い合わせは社旗保険事務所やねんきん定期便専用ダイヤル、インターネットでもできる(社会保険庁のHPから)

社会保険庁は平成22年に廃止。日本年金機構が設置される。社会保険庁は厚生労働省の外局だったが、
日本年金機構は公益法人で職員はすべて非公務員。


加入記録のチェックポイント
年金額=加入期間なので空白期間は徹底チェック
老成基礎年金=1階部分は20-60歳の40年が対象期間
老齢厚生年金=20歳未満でも60歳以上でも加入期間は計算対象。
アルバイトも厚生年金に入っていることがある。
結婚してサラリーマンの妻になったとき届を忘れていることがある。
学生時代に親が年金を払ってくれていませんか


加入期間の数え方
資格を取得した日は厚生年金では入社日。
国民年金では20歳になった日。ただし前日で数えるので、4月1日うまれの人は3月31日生まれとみなされ3月分の保険料が必要になる。でも払い終わりも早くなる。
資格を失った日は厚生年金は退職の翌日。著者によると間違っていることが多いのは月末まで働いていたのに資格喪失が翌月になっていないケースが多々あった。故意かはわからにという。


年金をもらうために必要なこと
とにかく保険料を納めた期間が25年必要。
免除期間もカウントされるが、年金額は減額される
カラ期間=昭和36年4月から昭和61年3月までサラリーマンの妻または夫だった場合、保険料を納めていなくても25年にカウントされる。あと海外に住んでいた期間もカラ期間にできる。
ただし、年齢による例外がある。若い人はきっちり25年。


年金額(出版当時)
老齢基礎年金(1階部分)=792100円(満額=40年ぜんぶ収めた場合)
治めていない期間が38年なら38/40をかけて計算される。
カラ期間は加入期間とみなされるが、年金の計算をするときには1円にもならない。
厚生年金は標準報酬月額の平均と加入していた月数で決まる。
若いころの安い給料も退職前の高い給料も全部計算にいれて平均できめる。
大昔の安い給料は今の水準におきかえる=再評価される。

50歳未満の人の年金見込み額は、25年の受給資格が発生して初めて有効になる
実績はこれまでの加入期間に見合う分のみで計算した結果。(受け取るときは受給資格がいります)
年金額は毎年4月に前年度の物価や賃金水準によって改定される。
将来マクロ経済スライドが実行されると平均寿命がのびたり年金制度に加入している人が減ったという理由でも年金額を減らすことができるようになる。年金額は低く見積もろう。


国民年金の加入月数と納付月数があわない場合
未納月数には免除期間は入らない。また、平成3年3月以前の学生の期間は国民年金に強制加入ではないので未納期間に入らない。しかし、保険料は納付されていないカラ期間になり満額はもらえないので注意。
また前納していると、加入月より納付月が多くなる。ただし差が前納期間とあわなければ隠れた未納がある可能性がある。本当におさめすぎている場合もあり、今は返してもらえるので調べてみよう。

年金手帳は基礎年金番号と忘備録。なくしても年金がもらえないことはないんで大丈夫。
ちなみに身分証にはならない。


サラリーマンの妻期間が空白になっている人がたまにいる
サラリーマンの妻は第3号被保険者だが、しくみができたのは昭和61年4月だから。
それ以前は空白期間。
昭和61年4月以降が空白期間なら手続きもれの可能性あり。
ちなみに第3号被保険者の保険料は皆で負担しており、夫が払っているわけではない。


国民年金保険料が未納の場合、強制加入なため督促や差し押さえなどの強制執行もある。
支払いが困難なときは免除の申請をしてみよう、審査は世帯で行われる。
しかし、学生など親が裕福な場合免除がうけられないので学生納付特例制度があり、本人の所得のみで判断してくれる。また卒業後の進路が決まらない30歳未満の人用に若年者納付猶予制度がある。これは本人と配偶者の所得のみできまる。
免除の場合は加入期間だけでなく一定の割合で年金額につながる。
しかし学生と若年者の場合、あとで保険料を納めないと年金額にはつながらない。
障害年金・遺族年金のことを考えると未納期間は無い方がいい。


過去の未納期間
未納期間は2年以内なら納付できる。
国民年金で満額の年金をもらいたい場合、60歳になっても任意加入して未納期間分の保険料を払うという方法がある。
免除や特例を受けた期間は10年間は追納できる。しかし3年以降は割増あり。
60歳以降働くなら厚生年金に入るので国民年金の任意加入はできない。老齢基礎年金は増えないが、老齢厚生年金は増える。


付加年金
国民年金にしか加入していない人が2階建て部分を手に入れる方法。
第1号被保険者なら月額400円プラスして付加年金に入ると、月額200円に支払った月数をかけた額がもらえる。
つまり2年で元がとれる。長生きすればするほどお得。


記録がびっしりあるけど見るべきポイント
標準報酬月額が不自然にさがっていないかチェックする。
標準報酬月額は4-6月に支給された給料の平均で決定し9月分から反映。
基本給など固定的な賃金が変動した場合は3か月の平均をとって標準報酬月額に2等級以上の差がでれば4か月目から改定する。
そして最高額は62万円
ボーナスは平成15年4月から社会保険事務所に届けるようになった。ボーナスからも同じ率料で保険料を引き、年金の支給にも反映させるというもの。ボーナスの記述がないなら会社が賞与支払い届け出をわすれている可能性がある。
ちなみにそれ以前はボーナスの記録はない。


年金記録の改ざんは会社が保険料を滞納して負担をへらすために社員の標準報酬月額を引き下げて届けるという方法で144万件おきているといわれている。
標準報酬月額不自然に下がっているのはおかしいが、役職定年制なども考えられるので、同僚などと照らし合わせてみよう。雇用保険の記録が役立つときもある。


年金手帳が複数あって番号がいくつかあるときは統合できることがあるので確かめてみよう。


ねんきん定期便には厚生年金基金の支払いはむくまれていないので注意しよう。
いくらになるかは各基金にといあわせないとわからない。
また加給年金や振り替え加算もはいっていない
加給年金=原則厚生年金に20年以上加入していた人の配偶者や子どもの家族手当として支給される。ただし配偶者が65歳になるまで。
振り替え加算=65歳以降はこの名前で加算されるが、昭和41年4月2日以降に生まれた人はゼロになる。


年金を増やす方法
加入期間を増やす、繰り下げで受け取り開始を遅らす。
しかし人の寿命はわからないので本当にお得なのかはわからない。


遺族厚生年金
夫の定期便の老齢厚生年金の3/4が遺族年金(老齢基礎年金は違う)
子どもが18歳未満なら遺族基礎年金がある。
こどもがいないか、こどもが成人した40歳以上の妻には中高齢寡婦加算60万がプラスされる。ただし65歳になるまで。
その後は自分の老齢基礎年金がスタートする。それだと一気に年金が減るので経過的寡婦加算が上乗せされる。
ただし、若い人がなくなったら加入期間が短くても300月加入したとみなして計算する。
子ども(18歳未満)がいる場合平成21年度は一人102万の遺族基礎年金がうけとれる。
しかし、未納だともらえないとこがるので注意。亡くなった人の年金記録は調べるのが難しい。


年金の見込み額を計算するシートの解説


離婚の年金分割
平成19年4月から実施された離婚時の年金分割。
実際に分割するのは標準報酬月額や標準賞与額。
記録をかきかえるので公正証書か裁判所の決定が必要。
その後再婚・離婚しても、分割された婚姻期間の記録はそのままなので、分割した人と再婚すると遺族年金は少なくなる。


充実した福利厚生として企業が導入してきた企業年金だが金利がひくくなり、加入者が少なくなってお荷物になっている。基金には国に代わって支給している部分があるが、それを返し(代行返上)解散する基金もある。
剰余金の生産などは基金による。


障害者年金と年金記録
障害基礎年金をもらっているひとは、65歳以上になると障害基礎年金か老齢基礎年金かいずれかの選択になる。
万が一障害が軽くなって障害基礎年金をもらえない事態になったときのために老齢基礎年金のこともきちんとしておこう。
1・2級の障害基礎年金受給者は法定免除となる。払っている人もいる。
しかし、将来老齢基礎年金をもらわない場合は払った保険料は無駄になる。
障害基礎年金をもらっている人は、65歳以上になると障害基礎年金+老齢厚生年金でもらえる。


記録が見つかっても、若いころの給与は低いのでかえって標準報酬月額が下がることもあり得る
また、妻の記録がみつかって、加入期間が延びたために配偶者加給年金額がもらえなくなることがある。
現在、みつかった記録で年金が減額されるときは記録は統合しないことになっている。


年金制度は生きるための制度。自分らしく生きる為にまた残される家族のためにということを基準にいろいろな選択をすればいい。
それが損になるか得になるかだれにもわからない。



ねんきん定期便がよくわかる本―あなたの年金完全チェック!

ねんきん定期便がよくわかる本―あなたの年金完全チェック!

  • 作者: 菅野 美和子
  • 出版社/メーカー: ビーケイシー
  • 発売日: 2009/10/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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