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宇宙においでよ! [子育て]

著者は宇宙飛行士の野口聡一さん。スペースシャトルのミッション・スペシャリストであり、ISSに5か月滞在した。子供向けに自身の体験や宇宙について書いたもの。

一番伝えたいことは、宇宙は身近になったこと、そして宇宙にいくと何かが変わる、映像で見たものとはまるで違う体験ができる。船外活動中に国際宇宙ステーションのてっぺんで、ゆっくり回る地球をみたとき、66億人の中でこの光景がみれるのは自分だけだと感謝し、この経験を伝えなければと思ったそうだ。

宇宙とは地球の上空100キロメートルから。
スペースシャトルが宇宙にいくまで8分半。
打ち上げの詳細な描写や、宇宙食の解説。トイレの使い方。遊びで野球やピアノをひくけど、ピアノは鍵盤をたたくと反動で天井にあがってしまう。
スペースシャトルの中はスケジュールがいっぱいでかなり忙しいこと。
ISSではそれほどではないこと。
スペースシャトルの中をイラスト付きで紹介。

船外活動では宇宙が死の世界で、そこにある生命に満ちた地球を奇跡の星と感じたそうだ。
はじめて船外にでるときの緊張感の描写。


野口さんは神奈川出身だが、小さいころは父親の仕事の関係で兵庫に住んでいた。
自身の特徴として、集団になじむ能力をあげていた。
まず、じっと観察すること、どんな人にも共通する部分があるので、そこを糸口にだんだん仲間入りする。
ただし、過度に相手にあわせようとするのは逆効果といっていた。

小さいころから宇宙飛行士になりたかったわけでもなく、高校のとき見たスペースシャトルの打ち上げで、職業として宇宙へいけるというので興味がでてきたのだそうだ。それから進路として航空宇宙学科を選んだわけで、高校は地元の進学校だったが、初めてのことで先生もびっくりしたらしい。結局京都大学を受けて落ちたそう。本人は受かる気満々だったので、ショックだったらしい。しかし、良く調べると東大の方がよかったことがわかり、最終的にはよかったのではないかと楽天的に語っていた。

宇宙飛行士を職業とするまえはボーイスカウトをしていて、無人島に泊まったり、日本中を旅行したりしていた。
茅ヶ崎にいたこともありFENを聞いていて、アメフトファンにだったので、アメフトの中継はFENにかじりついていたそうだ。

東大では優秀な人が多く、宇宙工学コースに進めなかったので原動機コースを学び、IHIに就職。これも面白い先生と会えたしそれでよかったと語っている。
その後宇宙飛行士の募集があったので応募。見事合格したのだが、適応能力を買われたのだろう本人は評価していたようだ。

宇宙飛行士になるには、日本での募集試験に合格したあと、NASAで宇宙飛行士養成クラスに入って1年半から2年勉強と実習をする。
宇宙飛行士の資格も3つにわかれていて、パイロット(アメリカ人のみ)、ミッションスペシャリスト(船外活動とロボットアーム操作、パイロット補助)、ペイロードスペシャリスト(専門的な知識をもって宇宙実験を行う科学者、今はエデュケーター・アストロノート)がある。
野口さんはミッションスペシャリストでその中でも一貫して船外活動を希望していた。

養成クラスの中身は授業、シュミレータ訓練、ジェット機の飛行訓練。
ジェット機T-38 には最初の1年で100時間以上の飛行義務があり、かなり忙しい。
こなすコツは失敗をさっさと忘れることだそうだ。
野口さんはロシアでも訓練をうけたことがあり、アメリカの方がより実践的でロシアの方が勉強が多いとかいていた。

訓練が終わっても宇宙飛行士は指名がないと飛べない。
養成クラスが終わったら、アドバンスト訓練(ロボットアームの操作や船外活動など専門的技術を磨く)があり、任命されてから仕事内容にあわせた訓練がある。だいたい4年くらいかかる。
その間に国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の開発にかかわたり、ロシアでの訓練をうけたりしていた。

毛利衛さん若田光一さんも宇宙に行き、次はいよいよというときコロンビア号の事故。
死について本当に考えた。しかしそれでも宇宙へ行きたいし、できることは全部やって死の危険をなるべく減らすことを決意。家族とも何度も話あったという。

「きぼう」はテラス付きのワンルームマンションといったところ、狭い船内に7人で暮らすスペースシャトルと比べるとかなり広い。こちらもイラスト付きで紹介。
「きぼう」では実験や観測を行う。宇宙で暮らすことのノウハウも作る。
特徴はテラスとよばれる船外実験プラットフォームがあること。部品をきっちりサンボペーパーでこすって精密につくりあげているため、すごくきれいで静かなんだそうだ。

野口さんは宇宙で地球といっしょに何かやってみたいと書いていた、合奏や授業などを考えていたようだ。
実際の滞在中はTwitterやテレビ出演などもしていた。(本の時点では長期滞在が決まったことろ)

子どもたちに、未来予想図に宇宙を加える時代がきている。デザイナーだってエンジニアだって、宇宙服や宇宙滞在用のソフトなどの分野が考えられるようになった。
ぜひ可能性をひろげてほしい。

いつか修学旅行に宇宙に行く時代がきて、みなが宇宙を体験することで何かがかわるかもしれない。


宇宙においでよ!

宇宙においでよ!

  • 作者: 野口 聡一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/24
  • メディア: 単行本



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