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進化とゲーム理論―闘争の論理 [自然科学]

生物の進化をゲーム理論を使ってモデル化(モデル化するのは表現形)する方法を解説した本

ゲーム理論・・・元は人間の経済行動に関連して定式化されたもの。対戦相手の行動によって自己の利得が影響をうけるとき、両者の利得を最適にするような戦略をESSとして定式化。経済では「合理的行動」を生物学では個体群動態と安定性の基準、「自分の利益」を「ダーウィン適応度」、ESSは進化的に安定な戦略(他からの侵入をうけない戦略)として生物に適応。種のメーンバーがお互いにゲームをしているとみなしてESSを求める。

ただし、動物たちが意識的に適応度を最適にしているのでゃない。種の存続にとって平衝点(ESS)がよいか悪いかについて何かを主張するものでもない。
発生は表現形のセットにかかわる重要なものだが、発生と適応は別のものである。

単純なモデルには発見的価値がある。適用には検証可能性が求められる。


基本モデル
 条件 無限集団・ランダム対戦
     無性生殖
     対称な対戦(1対1で同じ戦略セットから戦略を選択)
例 タカ・ハトゲームで利得行列をつくり、ESSを式から求める

持久戦モデル
 分類 相手の払うコストが分かる場合→嘘の情報をだせるので結局情報をださなくなることが予想される
     体の大きさで勝敗がわかる→嘘の情報はだせないが体を大きくするコストを払う→生活史戦略
     勝つことの価値が違うもの同士の対戦

純粋ESS・・・常に同じ戦略をとる場合のESS
混合ESS・・・戦略セットのなかからある確率で選ぶ場合のESS
     
混合ESSのメカニズムの分類
Ⅰ遺伝的多型
Ⅱ遺伝的に均一で戦略がランダム
 a一生同一戦略
 b対戦ごとに変わる
Ⅲ戦略は環境条件により頻度は自然選択
Ⅳ試行錯誤による(発生的)DSS
Ⅴ文化的継承 CSS
Ⅵ自然選択ではない。核戦略の帝王度は等しくない

基本モデルの条件を変えたモデルの定式化や例の解説
学習ルールの導入・・・ES学習ルール、RPS学習ルール 例 餌取りゲームなど
有性生殖・・・遺伝子形と表現形の定義、いがた配偶の進化 例 性比
非対称な対戦
 お互いに非対称性の情報がある場合→所有者侵入者モデル
 お互いに非対称性の情報がない場合→見定め
 1つ以上の非対称性が存在する場合
 世代間のゲーム(世話する側とされる側)
 さしつ指されつゲーム(チェスのようなゲーム)

対戦の最中に情報を交換するモデル  例 なわばりゲームなど
 交換する情報の種類
 ・資源保持能力(RHP)の情報
 ・動機づけに関する情報

協力の進化モデルの考察
協力の説明=血縁者の相互作用+個体間の相互作用
しっぺ返しのESSがなぜ安定なのか。


モデル化理論適用の問題点
表現形セットはなにかを、観察によって注意深く選ぶ必要がある
発生上の制約はなにか抑え、戦略と混同しない
集団遺伝学との兼ね合い

モデル化による期待
動物の対戦戦略行動を解き明かす
性比への投資分配の研究
成長と生活史への適用



進化とゲーム理論―闘争の論理

進化とゲーム理論―闘争の論理

  • 作者: J.メイナード‐スミス
  • 出版社/メーカー: 産業図書
  • 発売日: 1985/07
  • メディア: 単行本



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