せいめいのれきし―地球上にせいめいがうまれたときからいままでのおはなし

著者は絵本作家として有名な人で、細かくて線の細いペンに水彩画という感じの絵を描く人。
地球の誕生から現在の自分の1日までを、全5幕の劇に見立ててかいた本。
その時代に繁栄した生物や植物が絵で描かれたよこに、短い解説があり、その解説を取り囲むように、造山運動の様子や生物の分類などが補足的に書かれている。
第五の幕では現代の1年足らずになってスケールの緩急かなりついている


プロローグ
ぐるぐる回る銀河系のなかでわれわれの太陽もその中を回る恒星のひとつである。惑星は太陽の周りをまわっている。地球は最初火の球のようだったが、次第に冷えてやがて雨がふる。
火の時代にとけて固まったのが火成岩、水ができてからその水の作用でできたのが水成岩。一度できてから熱や圧力で変化したのが変成岩。生物がいた証拠はみつかっていない。

1幕　古生代
カンブリア紀・・・5億年前の水成岩からみつかった無脊椎生物。三葉虫はその代表
オルドビス紀・・・暖かい浅い海に頭足類が繁栄、岩には地衣類が発生
シルリア紀・・・地面が盛り上がり、地表にでた海藻のなかに生き延びて地表の植物になったものがでる。脊椎動物の誕生。繁栄していたのは「うみさそり」
デボン紀・・・シダ類の登場、魚が繁栄、中には肺をもったものもあらわれる
石炭紀・・・石炭の基になった植物はこの時代のもの。両生類の登場、昆虫の登場
二畳紀・・・山がたかくなり、寒く乾いた気候になった、氷河とさばくが生まれる。裸子植物の誕生。爬虫類（からを持つ卵を地上に生む動物）の誕生。

2幕　中生代
三畳紀・・・気候が少し穏やかになり、川が山を削ってながれだす。爬虫類は繁栄する。爬虫類は4本または2本足で歩くものがでる。また水に戻ったものもいる
ジュラ紀・・・あたたかく湿った気候、草食爬虫類の大型化、鳥類の誕生、小さな哺乳類の誕生
白亜紀前期・・・山が高くなり、寒くなってくる、爬虫類は繁栄を続け、植物は花をつけるものが現れる
白亜紀後期・・・どんどん山が高くなり寒くなり、砂漠が現れる。爬虫類の繁栄の終了

3幕　新生代
第三紀　始新世・・・大地が動き、高かった土地が低くなり、寒く乾いていた気候は蒸し暑くなる。大地は熱帯樹で覆われ、爬虫類は衰退し、鳥類と哺乳類が繁栄する。この二つは温血動物。
第三紀　斬新世・・・火山活動、山が高くなる、少し涼しくかわいた気候になる、草が地上を覆うようになる。いろいろな種類の哺乳類が現れる
第三紀　中新世・・・噴火が激しくなり、涼しく乾いてくる。森は平原にかわり、草食動物は決まった草を食べるようになる。哺乳類が繁栄する。その大きさは哺乳類としては歴史上最大のものになる。
第三紀　鮮新世・・・噴火と造山運動のピーク　寒くなる。平原が砂漠になり、今残っている哺乳類の先祖以外の哺乳類は絶滅する
第四紀　更新世・・・北から氷河が発達したり退いたりする。人間は生まれていたがまだたいした力はない

4幕　新生代から現代
第四期　現世・・・人間が火を使い、石や骨で武器をつくり、動物を捕まえて肉を食べ皮をきていた。ほら穴に住み、壁に野獣の絵を描いた。
およそ350年前まで・・・人間は農耕牧畜を始め、集まって村や町、都会を作るようになる。船で海を渡り、文字を発明し、記録を残すようになる
およそ200年前まで・・・舞台はアメリカにうつり、開拓民が土地を開墾し生活をたてるところになる
およそ100年前まで・・・上と同じ土地が豊かな農場になった風景。農業の時代
およそ25年前まで・・・同じ土地から人々がいなくなり、農業に変わって都会ではたらくようになる。主人公が売りにだされた土地を買う場面が書かれる

5幕　現在
1年前まで・・・買った土地に家と画室をたて、羊を飼って、果樹の手入れをする様子が描かれる。子どもたちが大きくなる
その年の秋まで・・・・寒さが近づいて木々が枯れて、鳥が南に渡っていく
冬まで・・・雪景色、雪かきする様子、地面の中で植物が根を伸ばす様子が描かれる
春まで・・・雪が解けて、緑が芽吹き、鳥が戻ってくる
昨日まで・・・暖かい春の日にリンゴが花をひらかせ、草が緑になった様子が描かれる
夕暮れまで・・・新月が沈み、あたりが暗くなっていく
夜明けまで・・・星がたくさんな空の様子、日付が変わって朝が来るようす
今現在・・・夜明けの空と、庭の様子。

次はあなたの物語が始まりますでおしまい。

せいめいのれきし―地球上にせいめいがうまれたときからいままでのおはなし (大型絵本)

• 作者: バージニア・リー・バートン
• 出版社/メーカー: 岩波書店
• 発売日: 1964/12/15
• メディア: ハードカバー