著者は東大卒の哲学博士、戦う哲学者として有名な方らしい、20年も駅のアナウンスがうるさいと文句をいったり、商店街のスピーカーを盗んだり。いろいろ武勇伝があるらしい。あと歯に衣きせぬ言動で目立つ方らしい。

子供のころから「いずれ死ぬこと」が怖くて、望んで生まれたわけではなく、すぐに死んでしまうのに生きる意味はあるのか?そもそも死ぬとはなにか?とずっと問い続けて東大の法学部からとうとう哲学に鞍替えしてしまったらしい。

著者によると、哲学とは何の役にもたたないものだそうで、問いに答えを求め続けるものなのだそうだ。
答えを求め続けるといっても、堂々めぐりではなく、自らの思考のちからで考えをすすめていくのが哲学なのだそうだ。
ほとんどの人は「いずれ死ぬ」「いずれすべて無になる」ということから目をそらしているそうで。これに向き合うと、気が狂うか、変人になるしかないそうで、でもこの問いから離れられないひとが1万人に一人くらいはいて、そういう人に哲学が役に立つのだそうだ。

そのような著者がいろんなところに書いた文章を、「自由な生き方」「読書」「社会批判」「哲学」「人生相談」「対談」という切り口でまとめた本だった。

対談のなかに、怒りの対処法があって、本気でおこらないために演技としての怒りをみにつけたと語っているところがあった。


人生、しょせん気晴らし

  • 作者: 中島 義道
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/04
  • メディア: 単行本