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面白法人カヤック会社案内 [ビジネス]

個性的な会社として知られる面白法人カヤックの会社案内。
もとは慶応義塾大学環境情報学部の友人たち3人で立ち上げた会社だそうです。
面白いのは、在学中とか、卒業後すぐ起業したんじゃなくて
貝畑さんは大学院 政策・メディア研究科に進学
久場さんはアメリカ放浪
柳澤さんはソニー・my-ジックエンターテイメントに入社。
2年間それぞれに活動してから起業したんだそうです。

友人同士の起業ということもあり、「何をやるかより、誰とやるか」を重視しているそうです。
一緒に働く仲間が仕事を楽しくする秘訣なので、経営理念にあっている人をとっているそうです。
経営理念は「つくる人を増やす」
これになる前にも、いくつかあったそうですが、今はこうなったそうです。
そして、お飾りではなく、社員で共有し、自分たちの仕事を点検するときに実際に使っている。
採用のときにも、つくったものをみせてもらうそうです。
つくる人を増やすには、まず自分が楽しくつくらないとダメだからって。

社員の感想としては、楽しすぎて働きすぎると書いてあって面白かった。
取引先の人たちも、楽しそうに仕事しているけど、中身はまじめってベタほめだし。

この本がでた時点で創業から10周年。
創業期はインターネットの創生期。
でも、伸びそうだから選んだんじゃなく、面白そうだったから選んだそうです。
そして面白くないことも、面白くなるように徹底的に工夫をしたそうです。

面白くなるには、仲間がいてこそ、なにか光るものがあるひとがお互いの欠点を補い合いながら面白い人になってくのが会社。社会もいっしょ。
会社の存在理由は社会に貢献することといいきっていました。
利益ではない。利益は大切で社会に貢献できているバロメーターだけど、一番じゃないと。


・経営理念
社員全員が暗唱できる経営理念
経営理念とは、カヤックという法人が何のために生きているのか?を問うもの。
すべての法人は社会に貢献するために存在する。その法人がどのようにして社会に貢献するかを言語化したものが経営理念。
経営理念は法人の存在理由。目的。利益は手段。
目的を見失わないために、みんなが覚えられて力をもった言葉それを探してたどりついた。
「つくる人を増やす。」

つっくるという行為は自分を深く理解することにつながる。
自分だけのモノサシであらゆることを見られるようになっていく。
自分なりの幸せになる方法論が見えてくる。一人一人が幸せになれる社会につながっていく。

つくると反応があり、他人が喜んでくれることが、自分の喜びになるという感覚がわかる。
つくる人がひとりでも増えれば社会はきっと、よりよくなる。
つくることは、つながること。
オープンにきがるに「つくる喜び」をあらゆる人へと広げる市場を提供する。
そして「つくらない人を、つくる人」にする。

経営理念を見直す「ぜんいん社長合宿」で、何度か修正したものだそうです。
経営理念が企業経営に密接に関係するものだと、年を追うごとに実感しているという。

採用も経営理念にそうので、多様性より似た者同士を重視しているそうです。
新規事業をするときも、人事評価も。


・行動指針 サイコロ給料決めてます
カヤックスタイルのキーワード
1「何をするか」より「誰とするか」 
 その人を選んだ自分の責任。一緒にがんばりましょう。
 誰とするかで何をするかも決まってくるものです

2鎌倉本社と旅する支社
 思いっきり仕事もしたいが、自然に囲まれて暮らしたい理想の生活スタイルを求めて鎌倉になりました。
 海外にいきたいので海外支社。どこでも仕事ができるの実証実験でもある。ハワイではあまり働けなかったらしいが。
 24時間遊び、24時間働く、そういう気概をもっているの決意表明。

3サイコロ給とスマイル給
 給料日前に全社員がサイコロを振って、基本給×さいころの目%の給料をもらう。
 友達同士で起業するとお金でもめるといわれて、思いついた方法。
 人の評価なんてあいまいなもの。査定に一喜一憂するのは馬鹿らしいという意味もある。
 スマイル給は毎回ランダムに割り振られた相手のでよいところを評価して、給与明細に記載。イントラネットで公開。支給額は0円。

4「それって漫画っぽい?」
 カヤックは漫画のヒーローのような法人を目指している。
 ヒーローの7か条
  必殺技、まっすぐ、まさかの展開、決め台詞=面白法人、最後は勝つ、すごい仲間、弱点=いっぱいあるから心配いらない

5量が質を生む
 凡人ができるのは数をうつこと、継続すること、それを楽しそうに行うこと。
 数で勝負する。これは凡人にしかできない、凡人の才能
 誰が見ても意外とできそうだぞと思うものでも、数多く楽しそうに作り続けることでみんなを勇気づけることができる。


・沿革 1998年資本金3万3000円でスタート
 カヤックは小舟ではなく、創業者3人のイニシャル。カヤクという案もありましたが、物騒なので、響きのいいカヤックに。それにあわせて小舟のロゴにしたそうです。カヤックはイヌイットが狩猟に用いる皮貼りの小舟で、過酷な環境でも決して沈まないそうです。
 カヤック10年の歩みが世間のニュースとともに表形式にしてありました。

・事業内容 「絵の測り売り」から「どんぶりカフェ」まで
 まず、事業一覧の表があり、仲は7項目
 1オリジナルウェブサービス事業、広告モデル、課金モデル、物販モデル、システムを企業に貸す
  どこにも分類できない、収益性も期待できないモデルもたくさん。つくった理由はつくりたかったから。

 2受託によるウェブ制作事業、 大型開発・CGMサイト、口コミキャンペーン、面白い技術を利用したもの、アイデアツール
  制作ポリシーは「クライアント、ユーザー、そして僕らプロダクション、三者を本当の意味でハッピーにすること。
  Yesの数だけ、Noも言う、NOの100倍案を出す。
  レベニューシェアでは開発のあとも継続的に運営協力をする。

 受託とオリジナル両方をやったいるところは少ないが、両者がよい影響を与えあっているという。
 
 3携帯事業 携帯サイト運営
 4飲食事業 鎌倉に「DONBURI CAFE DIINNG bowls」を開店
 5提携サービス、BEYES、T-SELECTなど
 6ラボ事業 BM11
 7エコ事業 BBU ザックザックなど

 具体的事業の紹介
 ・ART-Meter 絵がいいかどうか決めるのは見る人なので、場だけを提供するというコンセプト。出したい人がだして買いたい人が買う。値段は絵の大きさで決める。リアルショップも展開
 ・HOUSECO 施主が建築家を探すサイト、自分の希望する家の条件をいれると複数の建築家から設計案があつまる。
 ・BEYES リアルショップもあるアパレルセレクトショップのオンライン店舗の支援。レベニューモデル。フェイレンツェ支社と協力して買い付けの模様をリアルタイムで更新したりした。
 ・沖縄の海にサンゴを植えよう SNSでユーザ登録した人が30人集まるとさんごを一つ植え付けるプロジェクト。ウェブとリアルが連動したユーザー参加型のキャンペーン。

 これらのサービスの受賞歴。国内のも海外のもある。


・戦略 ユニークであり続ける仕組みを持っています
 「新しいものを生み続ける」にこだわる。
 量が質を生むというカヤックスタイルで、オリジナリティのあるサービスを作り続ける。
 2007年1月にうまれたBM11=ブッコミイレブンは、11名のメンバーで構成され、過酷に楽しく新サービスを量産するチーム。
 カヤックのラボラトリーという位置づけ。3カ条は 究極のポジティブシンキング、納期は今すぐ、とことん与えつづけよ(見返りなし)

 作ったものに固執せず、計画性ももたないのが強み。
 生煮えのアイデアでもとりあえず口にできる環境をつくる。
 ブレストからアイデアを出すが、意見のない人にもとりあえず何かいってもらって、それでもダメなら人の意見を繰り返してもらって、才能のある人がそれを拾っていくという風にしている。
 バーチャルブレストとして「元気玉」というメーリングリストの仕組みがあり、全社員の知恵が借りられる。
 年がら年中イベントをしているのもブレスト。
 名刺も社名もすべてが作品。今の社員の名刺は似顔絵付だそうで、すべて本にのっています。
 経営理念も作品。


・財務 上場するかはわかりませんが、全部見せます
 株式会社化した2005年以降の売り上げや経常利益の一覧表。
 2008年は利上げ8億8千万、経常利益(見込み)9千万。
 非上場でも財務を公開するのは、財務情報は企業の通信簿で、後悔するのは経営陣への健全なプレッシャーになると考えるから。
 数字にこだわっていないわけではないが、収益以外のつくった数やスピードにも重点をおいている。
 収支がなりたたないということは、社会に貢献していないので潔く解散するつもり。
・組織・採用 あなたのつくったもの、見せてください!

・組織・採用
 ○代表紹介 お互いを紹介しあう形式で。
 ○組織図 企画部、技術部、閃光部(フラッシュディベロッパー)、意匠部(デザイナー)、起立部(現場スタッフ)、演出部(コピーライターなど)、ギブ&ギ部(総務、人事)、特務部(特別スキルの外部スタッフ)
 ○職種 役員(創業者3名)、キャプテン、レギュラー、ルーキー、カヤックらしさの理解と実践で判断。
 ○社員紹介 名刺

 ○採用方針・教育方針
  どんなものをつくっているか。カヤックのつくったものでどんなものが面白いと思うか、どこか面白いと思ったか
  マイペースか?フラットな組織なので自律性は大事。
  素直な人か? 足りない部分を指摘したとき素直にうけとめてくれない人とは仕事できない。変化しないと組織はなくなってしまう。
  面接の結果、あえて、他の会社をすすめることもあるという。
  やめたいといってきた人には、経営理念と働く仲間に共感できていないか確かめ、それ以外なら協力して取り除くことができるかもと考える。

 ○社員が会得すべき7つのおしえ
  カヤックでは必要と感じたら自分で学習する人が多いので、定型的な教育への取り組みはそれほどない。自主的にお互いのつくったものを発表しあう勉強会は開かれている。外部のセミナーも申請すれば受講できるが強制や推奨はなし。一応新人には一人先輩をつける。総合的な教育は「みんなの情報ポータル」というイントラネット。

  第1の教え コミュニケーションをとったほうが勝ち。こんなものまで!も公開する。当事者で歩み寄るのが一番の近道。そして歩み寄ったほうが勝ちとしておく。

  第2の教え とりあえずやってみる

  第3の教え 自ら変化を起こせ。無理にでも変化を起こすため、オフィスの引越しや社内の席替え、人事異動も意識的に活用している。

  第4の教え 思考を止めるな。感情的になると止まる。客観的になると動き出す。考える人を増やす。

  第5の教え 与え続けよう。組織から得ているものより自分が組織に与えているものの方が多いと実感できれば、楽しく自信をもって仕事ができる。

  第6の教え アスリートたれ。練習する。健康に自信を持つ。体も心も。道具をしっかり手入れする。

  第7の教え ありがとう。口にするだけで、自分も相手も変える言葉。

 ○社員の評価は、360度評価。評価軸はクリエイティブスキルとコンピテシー。前者は定量評価、後者は定性評価。評価者は所属する部やプロジェクトリーダー2名、自由選択3名、ランダム選択2名、すべての評価はイントラネットで公開される。役員も。

 ○カヤック写真の本音 楽しいけど、働き過ぎちゃうみたいですね。自分のテンションあげとかないとキツイとも。


・CRS活動 本来はこういうことですよね?
 CSRは企業の社会的責任。カヤックの存在がCRSそのもの。
 ネット上のサービス「THANKS」では、登録すると、毎日メールが届き、それに返信する形でお礼をいうとサイトに乗る仕組み。誰かのありがとうをみると温かい気持ちになる。
 お金になっていないサービスだけど、サービスの対価はお金じゃなくてもいいよね。


・事業所一覧 フィレンツェと静岡に支社があります
 事業所の写真。自由が丘支社はハウスコでコンペしたもの。人工芝のオフィス。ART-Meterのショップもココ。
 イタリアオフィスの仕事風景、プールサイドでパソコン広げてた。
 静岡支社、技術系スタッフのみ、静岡に帰るけどやめたくないという社員がいて開設。
 鎌倉本社 和をテーマにした24時間遊び、24時間働けるオフィス。
 遊び場 由比ガ浜のSOHOビルの一室。サーフィンなど海遊びの拠点。

・お客様の声(役職などは当時)
 一緒に仕事をした人たちからのコメント。ほめ過ぎって自己評価してあった。

・おわりに 「自愛」のすすめ
 面白く生きるためのヒントは「自愛」
 美しくない自分も愛せるようになりましょう。

 自分を好きじゃない人は、人もすきになれない、これは直感的に正しい法則。
 自分を好きになる⇒人を好きになる⇒考え方が他者中心になる⇒他の人からも好かれる 無限のスパイラル。
 出発点は自分を好きになること。

 会社も、まず自分の会社を好きになる。
 なんか違うなとおもっていたらやめましょう。それが社会に貢献することになるはずです。
 カヤックが来年もあるかわからない、終身雇用をアテにするような人とも働きたくない。だから、カヤックの仲間にはカヤックがなくなっても十分活躍できる人であってほしい。
 そのためのヒントが自愛。

 自愛がないと実力の50%もだせません。
 どんよりしてしまっている自分も愛しましょう。

 年とともに人には物理的につらいことが増えてくるのですが、精神面が成長するのでつらいことも乗り越えやすくなります。

 変われる自分を見ると、自分を好きになることができます。
 自分を変える唯一無二の魔法の言葉は「ありがとう」です。
 感謝したり、されたりすると、驚くほど自分を好きになれます。


今、HPで確認すると代表取締役は変わっていなくて社外取締役という方が2名いますね。
社員の規模は当時の100人から200人になっているようです。

鎌倉本社も変わってないようですね。



面白法人カヤック会社案内

面白法人カヤック会社案内

  • 作者: 柳澤大輔
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2008/11/06
  • メディア: 単行本



タグ:柳澤大輔
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