SSブログ
[PR]本のベストセラー

スポーツができる子になる方法 [子育て]

著者は教育学博士で、専門はスポーツバイオメカニクス。
「運動会で1番になる方法」という著書で有名になった。

運動オンチといわれる子どもでも、きちんとしたやりかたをすれば自己記録を更新できる。
この本では走るだけでなくスポーツ全般につながる運動の基本、「走る」「投げる」「飛ぶ」「打つ」を伸ばす股関節活性化ドリルを紹介。
これらはツリー構造になっていて、最終目標である野球やサッカー、テニスや柔道などの基礎動作になる。
幹である運動の基本を身につけることで、スポーツ全般が得意になる。

ドリルを実践して自分の体を自在にコントロールできるようになると運動が好きになり、いろいろなスポーツが上手にできるようになる。

股関節があらゆる運動のもと、手足を使うときも基本的には股関節と体幹の捻りからうみだされるパワーをムチ運動で伝えることで行う。
運動で大切なのは「加速度」=筋肉に力をいれるタイミング。
だから形をまねしてもうまくいかない、タイミングは身体知であるので何度もくりかえし「いい感じ」をつかんでいくしかない。


第1章 どんな子どもでも運動はうまくなる

小学校から中学校にかけては運動の「巧みさ」(スキル)を身につけるのに最適な時期。この時期に身につけると一生忘れない。
スポーツをするときだけでなく、日常生活においても役に立つ。

子どもをスポーツ好きにさせるためにスポーツ少年団にいれる親もいると思うが、基本的な動きのパターンが身についていないと上手にできないので、かえって嫌いになってしまうことも。
このドリルがあれば、運動が苦手な親でも効果的に教えられる。
親子で楽しみながら実践してみよう、なかなか効果のでない子どもでも続けるモチベーションになる。

勉強のように運動も身体動作の体系化で、だれでも学習できるようになる。
ただし、運動は「身体知」なので事象をいかに自分のものにするかは依然難しい。
動作は無意識なので、動きを言葉で伝えるのは難しい。
自分が動いているつもりの動作と実際の動作が一致しない場合もある。


第2章 誰も教えてくれなかった身体運動の基本

運動は形をまねただけではうまくいかない。それは運動が形ではなく特定の筋肉に「力」をいれるタイミングが本質で、力とは「加速度」だから。
腕の振りで解説。
腕を前に大きく振り上げるためには、腕が後ろにあるときに力をいれて前に振だし、腕が真下にきたときには力が抜けて、その位置おいで腕が肩越しまで上がってくる。腕を無理に引き上げようと腕が前にあるときに力をいれてもぎくしゃくしてしまう。
速い選手の走りをみるとモモが上がっているのは、腕ふりと同様に後ろから足を降り出すさいに力をいれたことによる。モモあげ運動は、股関節を柔軟にして素早く動かすのには効果があるが、モモを高く上げるという結果をまねても速くは走れない。
ビデオや写真で動きをまねても「加速度」がぬけているので肝心なところがわからない。

力をどこで入れるのかは何度も繰り返し体得していくしかない。トップアスリートでも同じである。
運動の力の入れ具合は、日常の自然な動作の延長にある。だから股関節活性化ドリルはスポーツのためだけでなく、日常の動作の役に立つ。


第3章 バイオメカニクスでスポーツの世界が変わる

アフリカ系を除くと100メートルで世界記録は日本人。
これは身体運動を研究したバイオメカニクスの成果である。それまでの勘と試行錯誤から論理に裏付けされたトレーニングに変わったおかげで陸上だけでなく、水泳、野球、卓球、ゴルフなどで世界に通用する選手が育っている。

スポーツバイオメカニクスは魔法の杖ではないので、これですべて解決するわけではなく、練習やトレーニングの繰り返しが必要だし、苦しいのは変わらない。
心技体でいえば、技の部分だけなので、従来の練習も必要。うまく組み合わせて使おう。

科学とは「今わかっていることから、わからないことを推測する」こと。
身体運動を科学的に研究するようになったのはここ十数年で、測定機器やITの発達でデータ分析が容易に素早くなったのが後押ししている。

国立スポーツ科学センターではトップアスリートやコーチのサポートを行っている。著者も女子トップスプリンターのフォームチェックなどに参加、加速度をリアルタイムで図るために「モーションキャプチャ」と「フォースプレート(床反力計)」を使ったという。こうしたバイオメカニクスの分析と選手の主観で記録を伸ばしてきたが、スポーツには予測できないことも多いのでバイオメカニクスは万能ではない。
しかしその成果は確実にアマチュアスポーツにも浸透していくだろう。


第4章 「股関節」の動きがあらゆる運動の基礎になる

「股関節活性化ドリル」はスポーツバイオメカニクス理論により「階層化」「体系化」されている。そのドリルをやることで何に役立ち、何につながっていくか明確になっている。
身体動作を習得するための階層化
日常動作(立つ・座る・お盆運び・寝る・起きる・鞄運び)

ワーク(体幹、四肢、バランス、巧みさ)

ドリル(スプリント・ジグザグなど)

基本動作(走る・跳ぶ・投げる・打つ・捕る・蹴る・組む)

スポーツ

すでにスポーツをしている子どもは、そのスポーツのドリルをやるのもいいが、ドリルをすべてやってみて、得意なスポーツをやってみるのも手。
ドリルはすべてを順番にする必要はないので、子どもの興味に応じて他のドリルに切り替えたり回数を減らしたりしていい。体が動くと楽しいということを子度わが感じるのが一番大切。

すべての動作に共通する重要な原則
1 股関節を中心に体幹(手や足を除いた胴体のこと)を使う。
2 体幹の捻りを利用する
3 反動のパワーを利用する
4 ムチ動作で、パワーを効率よく腕や脚に流す。
これがあるとダイナミックな動作がスムーズにできる。股関節活性化ドリルはこの原則がマスターできるよう作ってある。

速く走るために必要なのはインナーマッスル
腰を使うのはすべてのスポーツで重要
体幹の捻りがパワーを生み出しすべてのスイングの元になる。腕だけではパワーはでない。
反動が端的に使われているのは「跳ぶ」動作。アキレス腱は特にばねの動きをする組織。筋肉と違ってエネルギーを使わないのも特徴。
体の中心からの動きを手足に伝えるのがムチ動作。

泳ぐのエッセンス まず浮くこと、そして水の抵抗を減らして効率よく前にすすむための動作を習得すること。
滑るのエッセンス 重力によって生み出されたエネルギーをコントロールする。空気の抵抗を減らす。


第5章 スポーツや運動を楽しくツ続けるための秘訣

子どもの動作がぎこちない場合は、力の入りすぎ、ゆっくり力を抜いて動作をスムーズに行えるようになってからスピードをあげる。
スムーズに動けるようになったら、リラックスしながらも集中できるようにトレーニングする。

ドリルの動作がスムーズになっても、身体知の感覚をつかむには練習が必要。ドリルのステップを細かくわけたり、親や兄弟友達とやるなど工夫してみよう。
小さいころから一つのスポーツしかやっていなかった子どもには基本動作の習得は将来役にたつはず。
理屈でわかってドリルをやって伸びる子もいる。個性にあわせた褒め方、教え方をしよう。

人間の体は10歳までに「脳神経系」が発達、小脳に記憶がストックされ意識しなくてもその動作ができるようになる。リンゴの皮むきなどはさせたほうがいい。
心肺機能は小学校高学年から中学生にかけて発達。
高校生の時期までに「筋骨格系」が発達する。
股関節活性化ドリルは脳神経系に働きかけている。
多少の筋肉痛は起こるが、1時間を超えるような長時間行わない限りは体を壊すようなことはない。

なかなか上達しないときもある。地道な練習の積み重ねしかない。モチベーションを上げるように努力しよう。
中学生以上ならメンタルトレーニングをとりいれるのもよいかも。
団体スポーツでは同じ状況は二度と起こらない、常に自分で考えて判断する練習をさせるべき。


股関節活性化ドリル実践編

安全な場所で準備体操やストレッチをしてから(特に大人)
子どもの喜びそうなものから初めて一日全体で20-30分程度行えば十分。短時間でも毎日あるいは2日に1度程度定期的にやるのがいい。
基本パターンは繰り返しが重要。飽きないように解説どおりでなくても動作をわけてもいい。達成できる目標をクリアしてモチベーションを落とさずに続けられるよう工夫しよう。

ドリルとワークのチェック表。

スプリントドリル
股関節を大きく使って走るスピードを向上させる。股関節の屈曲と進展に意識を集中して、モモをハサミのように交差させる。うまくいくと、脚全体が鞭のように動く。

ドリル1 腕ふり 片脚を浮かせて、後ろ脚を軸に腕をふる。肘を意識するとうまくいく、腕ふりが腰を通して足の動きに伝わるようにする。
ドリル2 片脚モモ上げ 膝と足首をリラックスさせて股関節だけでたいみんぐよくモモを引き上げると、足首が勝手に円を描くように動く。
ドリル3 スキップ 膝を前に放り出す感じで、股関節だけで前方に上げてスキップする。大きく腕を振って前に前にすすむ。
ドリル4 踵ひきつけ 膝に力をいれずに、モモをビュンおt少しだけ上げた勢いで踵を上げてみる、ひざがリラックスしていて勝手に曲がるようになると素早く脚が前にでるようになる。脚をちいさく折りたたんだ方が脚の回転半径が小さくなり速くなる。
ドリル5 競歩 享保で接地している脚の引き戻し感覚をつかむ。歩くスピードを徐々に上げていって、歩くのが無理なスピードになったら、スウィング脚の膝を曲げてそのまま走ってみる。
ポイント
・脚を前から後ろに引き戻すさいには、地面ン委競ってする足を一本の棒のようにして動かし、地面をしっかりととらえる。
・後ろから目にスウィングする脚は、ひざと足首をリラックスさせて股関節だけでやると脚全体が鞭のように動きます。
・モモをハサミで切るように交差してみましょう。

ジグザグドリル
股関節を内側に捻る内旋、外側に捻る「外旋」が大切
ドリル1 前後・左右の切り返し
ドリル2 コーンを用いた切り返し
ドリル3 腰回転・・・カニのように横移動しながら、上体と腰をひねる。右足と左足が90度方向に交互に動く動きになる。
ドリル4 急速方向転換
ドリル5 全速ジグザグ走行

反動ジャンプドリル
目標は、足首と股関節の反動動作を習得すること。一瞬に大きな力(地面反力)が身体全体にかかるので、ケガをしないように、順序を踏んで練習する。
ドリル1 縄とび 両脚、片脚
ドリル2 両脚垂直跳び
ドリル3 両脚ドロップ着地 台から片脚だけ前に出して、飛び降りて両脚で着地。
ドリル4 助走付き両脚ジャンプ 2から3歩の助走で、踵から踏み込む
ドリル5 助走付き片脚ジャンプ 2から3歩の助走で、ひざをの母子、かかとから踏み込む。
スーパーボールのようなバネ人間をめざそう

ムチ動作ドリル
脚と体幹で作った大きなパワーを手や脚の末端に流して、端末のスピードを上げる動きを練習するドリル、型から先のヒジや手首には力をいれず、体幹の動作で自然に腕が鞭のようにしなるまで練習する。
ドリル1 リリース習得 ダーツ投げ ヒジからの反動をつけて手首のスナップをきかす
ドリル2 スナップ習得 長い紐 体幹の捻りを元に戻しながら反動で紐をふる。手首は温度計を振るようにスナップをきかせる
ドリル3 肩回転習得 バット 腰をいれてバットを振る
ドリル4 シャドーピッチング
ドリル5 真下投げ

腰の切れドリル
腰の回転をうまく使うことで、腕や脚におおきなパワーを流してうつ動作を習得するドリル。ラケットやバットは腕ではなく腰の運動でふる。ラケットの先端のスピードがあがる。
ドリル1 スウィートスポット確認
ドリル2 トスバッティング
ドリル3 素振り
ドリル4 壁打ち
ドリル5 サーブ

キャッチドリル
ボールを巧みにとらえて、次のスローイングやパスにつなげるドリル。
ドリル1 手のひらで捕る
ドリル2 柔らかく捕る
ドリル3 ゴロを捕る
ドリル4 次の動作を考えてフライを捕る
ドリル5 次の動作を考えてゴロを捕る

キックドリル
ボールを正確に遠くへキックし、ボールをドリブルする巧みさを高めるドリル。目標は左右の両脚でボールを思い通りに扱えるようにすること。
ドリル1 リフティング
ドリル2 トラッピング
ドリル3 インサイドキック
ドリル4 インステップキック
ドリル5 ジグザグドリブル

体当たりドリル
相手とのコンタクトをうまくかわす、当たるようにするドリル
ドリル1 押すだけ相撲
ドリル2 引くだけ相撲
ドリル3 背面相撲
ドリル4 ドライビングドリル
ドリル5 ガードプレイ

体幹ワーク・・・背面ワニ這い、背中でお絵かき、お尻歩き、後ろニョロ転・・・後方回転

四肢ワーク・・・足指じゃんけん、メンコ、コマ回し、フリスビー

バランスワーク・・・竹馬・手バランスくずし・ロープバランス崩し・一輪車のり

巧みさワーク・・・まりつき・石けり・水風船キャッチボール・影ふみ

日常動作・・・立つ、すわる、お盆運び、寝る・起きる、鞄運び(左右交互に肩掛けする

スポーツ別ドリル
野球・サッカー・バスケットボール・バレーボール・テニス・卓球・器械体操・陸上競技・柔道・剣道・ダンス/バレエ


スポーツができる子になる方法

スポーツができる子になる方法

  • 作者: 深代 千之
  • 出版社/メーカー: アスキー
  • 発売日: 2007/08/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

[PR]Kindle ストア ベストセラー

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。