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新版 ファーブルこんちゅう記〈1〉タマコロガシものがたり [自然科学]

アンリ・ファーブルは1823年フランスの貧しい農家の子供に生まれた。粘り強く勉強し、16歳で師範学校の給費生となった。優等で卒業後は、小、中学校、師範学校の教員になった。昆虫の観察は31歳のときはじめ、50年以上にわたって続け、「昆虫学的回想録」という本を書いた。この本は昆虫の話だけでなく、自伝的内容や社会、人生になどの風刺や意見がはいったもので、必ずしも順を追って書かれていないので、このシリーズは子供向きということもあり、昆虫ごとに抜粋し、その生態観察に絞って順を追って編集しなおしたそうだ。

1巻目はタマコロガシ
馬の糞を食べるこの虫は、糞を前足で削って団子にして転がして運ぶ。
坂道をひたすら押していき、失敗して玉が転がり落ちても何度も運ぶ。あきらめないし、いやになったりしない。
仲間のタマコロガシが手伝うふりをしたり、玉をうめる穴をほっている隙に、玉を泥棒する。しかも、とられた方はぜんぜん気にしないで、また玉を作りに行く!

ファーブルが箱の中でタマコロガシを飼って、道に落ちている馬やラバの糞を与えたて、観察しようとしたところ、みな卵を産まないで死んでしまった。
その40年後、移り住んだ田舎で、羊飼いが放牧地から拾ってきた洋ナシのような玉の中に卵があった。
そこで、タマコロガシは馬やラバの糞を食べるが、子供を産みつけるときに羊の糞を洋ナシ型にして、その細い部分に卵を産むとわかった。細い部分に産むのは、お日様の熱で卵がかえるためだったり、空気の通りがよくなるためだろうと書いてあった。お日様の光があれば5・6日、曇った日が続くと12日くらいで孵る。

 孵ったタマコロガシの幼虫(親にはにていない!)は糞を食べながら下に掘っていき、自分の糞を使って洋ナシ型の家を修復する。お尻は左官屋のコテのようになっているそうな。それは空気が入ると食べ物の糞が固まってかじれなくなるからだろうといっていた。
そして、ナシ玉のしたまでかじるとさなぎになり、だいたい28日目くらいで親虫になる。しかし、ひっかいている音はするのになかなか出てこない。そして死んでしまった。ナイフで穴をあけてやっても死んでしまう。
そのとき2千年以上前にギリシャのホールス・アポローンが、親が玉を水の中に捨てると子供が生まれると書いているのを思い出し、水雑巾をかけると、タマコロガシがでてきたそうだ。自然界では雨のあと外に出てくるというメカニズムらしい。

それにしても観察の細かさ、数には恐れ入る。ナシ玉の首に卵が産みつけられているのは、玉を100個ちかく調べたそうな。
また、タマコロガシは真っ暗ななかでないと、ナシ玉をつくらないので、ガラス瓶に覆いをして、ときどき開けては観察するなど、観察方法も粘り強く考えていた。


新版 ファーブルこんちゅう記〈1〉タマコロガシものがたり

新版 ファーブルこんちゅう記〈1〉タマコロガシものがたり

  • 作者: 小林 清之介
  • 出版社/メーカー: 小峰書店
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本



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