著者はJAXAのエンジニアで、日本の実験棟「きぼう」の設計にかかわった人。
こどものころ1979年に東京で開かれた宇宙科学博覧会でサターンロケットをみたこと、そいsて「コスモス」という宇宙番組でカール・セーガンが語る人類や地球のことを聴いて、宇宙を通じて世界がひとつであることを理解し、戦争のない世界をつくりたいとおもったことなどあって、宇宙開発のエンジニアを志したそうである。
東大で「宇宙工学科」に進学できなかったが、あきらめず「産業機械工学科」にすすみ、ロボットコンテストにでるなど経験をつんだそうである
実際に著者が参加した「きぼう」のエンジニアリングモデル(実験用)の実験の様子や問題がおきてそれを解決する様子、外国のメーカーと交渉して懸念事項を解決する様子などが語られている。
JAXAは全体の指揮をとるので、多くのメーカーに調整をし、実験の日程をたてたりするのが大変だったそうである。
フライトモデル(実際のきぼう)ができあがってからアメリカへ運ぶ様子など、重力のあることろで重力のない状態で使うものを作る苦労などが語られていた。
また、エンジニアに必要なのは粘りと集中力、前向きな気持ち(なんでもそうかなあ)なんだんあと思った

宇宙ステーション(ISS)は世界15カ国が協力し、1998年から始められ2010年完成予定の有人宇宙ステーション
地球上空400kmにあり約90分で地球を1周している。肉眼でもみることができる

ISSの目的
無重力での科学実験・・・重力の影響のないところでは物質が均質にまざったり、大きな結晶をつくりだすことができる、流体が対流の影響をうけない
生物が宇宙でいきていけるかの実験など
太陽や電磁波のキャッチ

「きぼう」の構造
船内実験室・・・中にはラック23個の収納棚がならんでいる、
船内保管室・・・倉庫、実験に使う材料や、スペアの部品を保管
船外実験プラットフォーム・・・無重力・真空で実験をおこなうための場所、エアロックで隔てられておりロボットアームで操作する
船外パレット・・・船外実験に使う実験装置や材料を保管
ロボットアーム・・・10m1本、2m2本テレビカメラで船内から操作して実験を行う
衛星間システム・・・ISSに指令を送ったり。ISSからの情報を受けたりする。本来はNASAのジョンソン宇宙センターを通すが、きぼうでいくつもの実験をおこなうときのために日本と直接つながっているシステムもある

宇宙環境の特徴
「空気がない」・・・空気は地球から運んでいる。エアロックの開閉や、ISS自体のほんの少しの隙間から空気はへっていくから、組成は酸素21% 窒素78% その他1% 酸素だけだと燃えやすくて危険だから。普段はわすれているけど空気にも重さがあるから、それを計算しわすれないようにする
「重力がない」・・・遊園地のジェットコースターが急降下するとき体が浮いているように感じるように、ISSは常に地球におちながら回っている
「温度差が大きい」・・・大気がない宇宙では対流もなく、直接太陽光にさらされる部分は150度まであがる、またあたらないときはマイナス150度までさがる



宇宙ステーションにかけた夢―日本初の有人宇宙実験室「きぼう」ができるまで (くもんジュニアサイエンス)

  • 作者: 渡辺 英幸
  • 出版社/メーカー: くもん出版
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本