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学歴社会の法則 教育を経済学から見直す [子育て]

「外部経済」・・・市場を経由しないで発生する無報酬の便益、教育をうけたものが優れた指導者になったりすること。教育の場合はここも重視しないといけない
そうしないと、稼げないことを教える意味はまったくなくなってしまう。

学歴が所得格差を生み出すのはなぜか?
データでは高卒より大卒のほうが生涯賃金が高くなっているのはなぜか?
人的資本論によれば、大卒のほうが自分に投資しているからということになる。

シグナリング理論・・・直接的には観察できない事実を間接的に示す理論
学歴の高い人は能力が高いというシグナリング理論。しかしここでは前提が市場が完全であり、高学歴になれるチャンスは平等だとされている。しかし実際は高学歴になるにはお金や時間がかかり親の財力が大きく関係しているので、一概に個人の能力とはいえない。

あまりに学歴にたよる方法は個人のやる気をそいでしまうし、やめるべきだ。また学生が利用できるローンを用意すべきだ。その場合学生は自分に投資してその見返りをうけるのだから、自己負担は合理的だ。一方国立と私立で見た場合、特に医学部などでは、国立で学んだほうが断然低い投資でおおきなリターンが得られるようになっている。この不公平も見直すべきだ。国立に進学しているのが富裕層の子どもであればなおさらだ。

母親の就業は子どもの教育に影響するか?はっきりしたデータはないが、子どもが小さいうちは母親がそばにいる効果がたかく、ある程度おおきくなると、母親の就業による収入の増大で教育費の投入がおおきくなるほうが効果がたかいというような結論らしい。また母親の学歴が高いと一般的に子どもの成績がよい。女子の教育はおおきな外部経済効果を生むのである。

学校選択性。バウチャー制度(政府が教育用のお金を親に渡す制度)は教育水準をあげるという明確な研究結果はない。

英語ネットワーク
いまやデファクトスタンダードで国際語になった英語。しかし日本人には苦手分野、教育が英語に投資しているのにそのリターンはとても小さいといえるだろう。英語圏の人たちは英語が国際語になったことでおおきな便益を得ている。
英語は決して習得しやすい言語ではない。特に文法があまりなく、際限なく例文を覚えるほかはないという欠点もある。前置詞がやっかい。またアルファベットの羅列は意味がつかみにくいという欠点がある。表意文字である漢字の方が効率はいい。
日本人はカタカナ英語を覚えてしまっているし、まずこれを排除しなければならない。
英語の習得しにくさを考えると、全ての日本人が英語を習得するのは非現実的。特定の必要な個人に集中して投資したほうがよい。

「いじめ」を経済学で解決する
今の価値観は「自主・自立」が重視されており、いじめ解決には無力。
日本のいじめは集団でおこなわれ、外国のいじめは個人対個人が多い。
集団ということは「いじめネットワーク」があるということ、これに参加すると便益がおおきいので、みな参加している状態と考えられる。だからこの便益を小さくすれば良い
具体的には、ネットワーク参加者は悪であると繰り返し公にするなど、断固たる態度をとると便益はさがっていくので破壊に至りやすい。休み時間の監視も有効

教師と学級規模
個々の教師の能力と参加する生徒の能力が絡み合っており、一概に結論はだせない。少人数制はわかりやすい特色だし、教育効果がありそうにおもえるので、流行っているが、効果は確実とはいえない。
同じく学生による教師の評価も、未発達な個人に教師を評価させても意味はない(完全な市場でないところで自由競争させるようなもの)

学歴のシグナリングが行き過ぎると、学歴さえつければということで受験科目偏重な教育がまかりとおったりする。これは教育の外部効果を低下させる。

収益率をアップさせる学習
道具・・・基本的概念。小学校から大学受験まで、楽しんで習得させる工夫が必要。難問・奇問は不要
数学力が所得と関係しているのは重視すべき

体系・・・思考パターンをみにつけること、ここをおさえると的外れな質問などしなくなる

独創・・・教えられていないことを見つけ出す力、体系のなかに近道を発見したり、その外側に新たな枠をつくったりする。


学歴社会の法則   教育を経済学から見直す (光文社新書)

学歴社会の法則 教育を経済学から見直す (光文社新書)

  • 作者: 荒井 一博
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/12/13
  • メディア: 新書



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