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初めてでもカンタン、すぐおいしい! ベランダ野菜 育て方 料理レシピ (エコ楽シリーズ) [農業]

サカタのタネ広報部の協力でベランダ野菜を育て、レシピも紹介。基本3ステップの料理なので簡単。
ベランダ野菜とは、20~30cm程度のコンテナなどでできる野菜。畑に通わなくてよいので自宅で気軽にとりくめる。
毎日水やりを歯磨きのように習慣にして、時期に応じてちょっと手をかけてあげればプチ自給自足生活が楽しめる。
ミニ野菜またはベビー野菜といわれるものを選べば、ホウレンソウやダイコン、タマネギ、トマト、ニンジン、チンゲンサイなどが収穫できる。
栽培期間が短く、収穫までの手間が少なく、病気や害虫の被害にもあいにくい。小さいので切る手間も省ける。自分で育てれば「食の安全」も手に入ります。

★基礎知識
アイテム サカタのタネ「ガーデンセンター横浜」で買い求めたそうです
 コンテナ
 鉢(ポット)
 ジフィーポット、ジフィーストリップ ピートモスと呼ばれる天然の泥炭を主原料として作られた鉢。通気性、保水性に優れ、そのまま植え付けることができるので、移植を嫌う野菜の育苗に向いている。


 タネまき器 小さなタネをまくときに便利なツール


 スコップ 移植ゴテとも呼ばれる
 グローブ 軍手は目が粗いので、ガーデニング専用がおすすめ


 選定ばさみ 間引き、摘芯などに必要。女性の手にあわせたものも発売されている。
 ピンセット 小さな芽の間引き、害虫駆除、雑草駆除に使う。全長20cm以上の少し長い、先端がヘラ状になったものが使いやすい。
 ハンドスプレー ジョウロより水滴が小さく、小さなタネが流れてしまうのを防げる。
 支柱 丈が高い野菜やつる状の野菜に、長さ40~150cmくらいがベランダ野菜むけ
 不織布 防虫、冬季の保湿に
 ラベル 数種類の野菜を同時に栽培するとき便利
 遮光ネット 日照の調節、保温、保湿、風避け、防霜、害虫予防などに。寒冷紗と同様の商品。
 防虫ネット
 寒冷紗よりちょっと目が粗い防虫専用商品。
はじめての人には「キッチンベジタネまきセット」という土やタネ、肥料がセットになったものがおすすめ

育てる場所
 北はさけ、日当たりのよい場所で、西日の強いところはヨシズなどで遮光を。
 ベランダの隅にまとめて置くと蒸れて育ちが悪くなる。2段式や3段式のスタンドを使えば風通しよくなる
 発芽するまでは土を乾燥させず、こまめな水やりを。発芽してからはやりすぎないように。畑と違って気温の影響をうけやすく、地下からの水の供給がないので、午前中にたっぷり水やりを。溢れるほど水やりをすると空気が水と一緒に引き込まれ、底から土中の古い空気や有害物質が排出される。

土の種類
 培養土 複数の土がブレンドされている。PHも調整されている。
 赤玉土 赤土を乾燥させたもの。保水性と通気性が非常によい
 腐葉土 基本の用土にまぜることで、保水性や保肥性を高めてくれる
 バーミキュライト、パーライト 天然鉱物を加工した用土、腐葉土などの植物用土を補い、水捌けや通気性がよくなる。
 ピートバン 水ゴケ由来の泥炭を圧縮して板状にしたもの。水を含むと膨らんで土状になるのでタネをまくと発芽、育苗が楽。


ビギナーは野菜用にブレンドされた培養土が便利。

肥料 ベランダ野菜は土の量が制限されるので肥料に気を使わないと十分に育たない場合がある。
 肥料の主な成分は、窒素=葉や茎の成長促進、リン酸=花や果実の成長促進、カリウム=根や球根の成長促進
 固形はゆっくり、液体は速効性
 元肥は種まきや定植前の土に混ぜ混むこと、追肥は野菜の成長具合にあわせて施す。
 化成肥料 化学肥料のうち、いくつかの成分を化学合成した無機肥料、効き目が早い
 有機質肥料 植物や動物などを原料にした肥料。施すと微生物に分解され効果がジワジワとあらわれる。
 有機配合肥料 有機質と無機質の両方を原料とする。双方の特徴をあわせもつ
 苦土石灰 マグネシウム=苦土および石灰を含む肥料。酸性の土を中和するため元肥として使う。ph調整済みなら不要。
無農薬・有機栽培なら、植物や動物の糞や骨から作られた有機質肥料を使うとよい。

タネ袋の見方
タネのまきかた
 バラまき タネが細かい場合やベビーリーフに使う。かまぼこの板などを使って、土の表面を平らにする。半分に折った葉書などにタネをとってごま塩をまく要領でタネを均一にまく。覆土が必要な表記があるものは、ふるいにかけた土などを指示通りの厚さにかける。
 点まき 多くの野菜はこのまきかたで。平らにした土の表面に必要な数の「まき穴」を指やペットボトルのキャップであける。穴に数粒ずつまく。まわりの土を寄せて覆土。しっかり水やり。
 すじまき 一定の株間、すじ間で栽培する野菜に。表面を平らにしたら板や割り箸などで1cmほどの深さですじをつける。溝にそってタネを均一になるようにまく。覆土が必要なときは溝の両側から土をよせてタネにかける。光が必要ならタネが見え隠れするくらい腐葉土などをかける。

タネから栽培する方法
 直まき 育てるところに最初からまく。根菜類が多い。
 ポットや苗床にまき、育苗してから植え替える。トマトやキュウリなど比較的大きく育つもの。

栽培の手順 基本的なもの
タネ入手→芽だし→タネまき→発芽→間引き→仮植(移植)→定植(植え付け)→開花→結果→収穫

タネをうまく発芽させるには
・発芽までは乾燥厳禁、発芽したら乾かすように。夏は半日陰で乾燥を防ぎ、発芽したらひなたに移して乾燥ぎみに。
・発芽までは発芽適温よりやや高めに。
・呼吸のためには酸素が必要なので、あまり深くしないこと。
・発芽に光を必要とする種子は覆土をしないこと。

発芽したら間引いて丈夫な苗を作る。一度に間引かないで本葉が2~3枚になるころまでに数回にわけて行う。
ポリポットなどで育てた苗はある程度の大きさになったらコンテナなどにうえつける。ポット苗は十分に水やりをして土を湿らせポリポットをはずして植え付ける。ポイントは浅植や深植えにならないようにすること。元肥を施した培養土がコンテナのふちよりも少し下になるように根鉢の高さを調節して植える。
根菜類の場合は、土寄せや増し土をして株元が土のうえにでてしまわないようにする。
キュウリやソラマメは摘芯して側枝や子つるを伸ばして収穫量を増やす。わき芽をつむのは、残した茎に養分を集中させるために行う。同じ目的で摘蕾や摘果がある。
夏のベランダは35度にもなるので、防暑対策が必要。床をすのこにする。スタンドに鉢をのせる。ヨシズで日光を遮るなど。
冬の防寒対策は、鉢全体をビニールで覆ったり、夜は室内にいれるなどの気を使う。
高層階は暴風対策を。防風ネットや支柱をたてて苗を守る。
収穫の目安。トマト、なす、キュウリ果菜類は実の大きさや色合いをチェック。マメ類はさやの張り具合。ニンジンやダイコンは根本の土をちょっとよけて株元の様子を確かめる。ベビーリーフなどの葉物は食べ頃サイズならOK。

★ベランダ野菜を育てよう 初級 野菜の特徴と種まきや収穫の時期。原産地や育成発芽の適温などのデータ。育て方。
ベビーリーフ 
成長しきっていない若い葉菜の総称。種まきから収穫まで25日。手摘みで収穫して洗ってたべられる。切らないので栄養の流出が少ない。本ではジフィーポットで発芽させてペットボトルを縦に半分にした容器で育てていた。
レシピ ベビーリーフパイ カルパッチョの添え物

ミニチンゲンサイ
 タネまきは季節を選ばないが、冬至前後の1ヶ月間はむかない。春秋なら40~60日、夏なら25~30日で丈が10~15cmに成長したら収穫。まるごと使えるので栄養を逃さない。害虫がひどくなる前に収穫できる。プランターで土にくぼみをつけてタネをまき、間引きして追肥して収穫。
レシピ チンゲンサイの肉味噌かけ、チンゲンサイのスープ

・コマツナ 
 十分な日当たりがあれば通年栽培が可能。虫がつきやすいので夏はタネをまいた直後から防虫ネットをはる。収穫は夏まきなら25~30cm。冬まきは90~130日。不繊布で保温すると40日くらい収穫が早くなる。間引きした葉もベビーリーフとして食べられる。コンテナにシーダーテープを使ってまいて、間引き、葉丈が15~25cmで収穫。
レシピ 小松菜とお揚げの煮浸し、コマツナのバター炒め

・ホウレンソウ
 簡単に育てるなら冬季の栽培がおすすめ。トウ立ちを防ぐには晩抽性の品種を選ぶこと。小型プランターに穴をあけて5~6粒ずつまく、双葉がでそろったら間引き、冬はビニールや不繊布で保温、秋なら35~60日、冬まきなら90日で、丈が20cm以上になったら収穫。
レシピ ホウレンソウとチーズのマフィン、ホウレンソウのサラダ

以下同じように解説されていた
・ミズナ ミズナとカリカリじゃこのサラダ、水菜パスタ
葉ネギ 納豆と葉ネギの卵焼き、あらゆる料理の添え物として
ミニニンジン レモンハニーグラッセ、ミニニンジンのピクルス
・コカブ コカブのゆず漬け、コカブのやわらかスープ
ミニダイコン 腐葉土の袋で育てていた。大根ステーキ、ミニダイコンスティック
ラディッシュ ラディッシュのピクルス、ラディッシュのサラダ
インゲン インゲンのチリマヨ和え、インゲンのきんぴら

コンパニオンプランツとは、一緒に育てるとお互いの成長を促したり、病気にかかりにくくしたり、害虫を遠ざけるなどプラスの効果をもたらすもの。
オレガノは、キュウリ、カボチャ、メロンと一緒にうえると風味がよくなるなど。

★ベランダ野菜を育てよう 中級
芽キャベツ
 高温多湿の場所ではうまく結球しない。
 タネまき→発芽→間引き→定植→定植&増し土→葉かき→下芽かき→収穫
レシピ 芽キャベツのアンチョビバター炒め、芽キャベツのフリット

茎ブロッコリー
 冬以外は害虫が多いので、夏まきにして冬収穫が無難。
 タネまき→発芽→定植→摘芯→収穫
レシピ スティック春巻き、塩ゆでサラダ

ミニカリフラワー
 小さい方が組織がギュッと凝縮されておいしい、食感もよい。
 タネまき→発芽→防除、遮光→定植→軟白栽培→収穫
レシピ ミニカリフラワーの蒸しサラダ、ミニカリフラワーのグラタン

以下同じように解説があった
・ミニタマネギ ミニタマネギのロースト、ミニタマネギのピクルス
・キュウリ いろいろ野菜の漬け物、キュウリの胡麻酢がけ
・スナックエンドウ スナックエンドウのココット、スナックエンドウ炒め

病気や害虫にまけないためには、丈夫な株を育てる。日当たりや水捌けを十分に、風通しをよく。虫が発生したら手でとるか割り箸でつまんで捨てる。葉の裏まで水をかけるように洗うなどする。病気になってしまったら薬剤散布するのも仕方がないが、有機栽培で使用が認められた薬剤もあるので検討してみて。

★ベランダ野菜を育てよう 上級
・ソラマメ
 早くにまいて苗がおおきくなりすぎると寒さに耐えられないので注意。収穫してすぐがおいしい。発芽失敗率が高いので苗を使ってもよいかも。
 タネまき→発芽→摘芯→整枝→増し土→追肥→収穫
レシピ クスクスピラフ、ゆでてそのまま

以下おなじように解説があった
・ゴーヤ ゴーヤチヂミ、ゴーヤチャンプルー
・ミニトマト ドライトマト、そのままサラダ

ベランダ野菜Q&A
タネをまくじきは特に重要。発芽温度、育成温度をおさえて季節を考えてまく。
栽培難度が低いのは葉物、次は根菜、最後に果菜
同じ場所で同じ野菜を続けて作らない方がいい。虫が発生しやすい、養分が足りないなどの連作障害がおきる
土は1年間何度でも使える。リサイクルは5日ほど大量の水をかけて不要なものを洗い流し、適度に乾いたら腐葉土を3割まで、苦土石灰を適量とバイオエースなどの土によい作用をする菌のはいった資材をまぜる。植え付け前に肥料を。

用語集


初めてでもカンタン、すぐおいしい! ベランダ野菜 育て方&料理レシピ (エコ楽シリーズ)

初めてでもカンタン、すぐおいしい! ベランダ野菜 育て方&料理レシピ (エコ楽シリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2009/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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雑草たちの陣取り合戦―身近な自然のしくみをときあかす (自然とともに) [農業]

日本で見ることができる雑草はおよそ400-500種。
これらは人間が植えたのではないが、水田や花壇などのように絶えず人間の手が加えられる半自然的な環境を好む。
そして、そこで生活空間を維持するために、競争したり、季節をすみ分けたりしている。
雑草がどのように自身の陣地を築き上げていくのか、観察・解説した本。

第1章 雑草とは
雑草とはなにか研究者の間でも定義ははっきりしていない。
妥当なのは「人間の息のかかった場所に自然に生えてくる、見栄えのしない草」
有害雑草というと、農民の育てた作物の収量を減らしたり、質を落とす植物
耕地雑草というと、田や畑に種をまかれた作物以外の植物
広い意味での雑草は、家庭・河川・校庭・グラウンド・花壇や街路樹の植えますまで、人間が何らかの形でかかわっているすべての場所に生えてくる植物のうち、人間に望まれないもの。

縄文時代の遺跡からも雑草のタネが見つかっている。
人間が栽培する作物と非常に似通っている擬態雑草という種類もある。

雑草に備わった特性「雑草性」6項目
1 熟しても、種子がすぐには発芽しない。休眠する性質があり、しかも眠りから覚めるのに多くの条件をクリアする必要がある。
  発芽タイミングは成長を左右する重要な要因。
  同じ親からとれた種子でも発芽タイミングがずらしてあったりする。一斉に根こそぎにされないための工夫。
2 芽を出したらいち早く成長し、自分の陣地を確保する能力に長けている。
  周辺の環境が悪くても一粒でも実を結んで子孫を残そうとする。
  雑草は非常に多くのタネをつねる。大株のヒメムカシヨモギは82万粒のタネをつける。
3 成長の途中で葉や茎を切られたり踏みつけられても、そこから新しい芽をだす力が旺盛。
  ノシバ・ヒメシバ・ツユクサなどは各節から不定根を出す性質がある。
  地下茎を切られてもバラバラになった一つ一つから再生するヤブガラシ・ヒルガオ・チガヤなどもある。
  人間が耕す場所よりさらに深くに地下茎をはりめぐらし、休眠した芽をつけるスギナ・ヒルガオがある。
4 花を咲かせた雑草は自家和合性といって、他の植物個体の花粉が無くても、自分だけで種子をつくることができる。
  他の個体と交配する場合も、特定の昆虫にたよらない。
5 親から遠く離れた場所まで種子を移動させるしくみをもったものが多い。
  タンポポやセイタカアワダチソウは風や水で運び、オナモミやオオバコは人や動物の身体に付着する。
  ヒメシバのように仕組みのないものもある。
6 他の植物の生育を抑えたり、促進させたりすることができる物質をもっているものがある。
  「他感物質」「アレロパシー物質」と呼ばれ研究されている。
  セイタカアワダチソウはこれで他の植物の生育をおさえて大繁殖したが、自家中毒をおこして衰退したといわれている。
  この作用だけで他の植物を枯死させたりはできない。

笠原安夫先生による分類
山野草・・・人間によるかく乱をまぬがれた山や原野で生育。
他の草本植物は人間による影響をうけるところで繁殖。作物は人の手がないと繁殖しない。
帰化植物・・・上の分類基準とは別で、外国から日本に入って住み着いた植物。
集合図の表がのっていた。


第二章 雑草たちの生き様
ツル植物のクズは、条件が許す限りどこまでも体が大きくなる植物の代表。
最初は牧草や緑化植物としてもてはやされたが、あまりに繁殖力が旺盛なので、望まれないところまで繁殖して、
最近は有害雑草といわれている。
クズは1年間に1個体から伸びる茎の総延長が1500メートルになるといわれている。
よじ登るための茎と横に伸びるための茎があり、茎をささえてくれるものがあれば立体的に空間を覆い尽くす。
ヤブガラシやフクソカズラ、アレチウリも同じ。
雑草化が心配される植物でもある。
ダーウィンのツル植物の分類
1支柱の周りにらせん状に巻きつくクズやヘクソカズラ
2モノをふれたときそれをつかむ巻きひげをもつ、ノブドウ、葉柄がねじれて他のものにからみつくセンニンソウ
3鉤の助けをかりて「よりかかる」カナムグラ
4小さい根や根の吸盤などで這い上がるキズタ。
ツルの次に体を大きくさせる能力をもっているのは著者が「陣地拡大型雑草」と呼んでいるもののうち、
多年草のセイタカアワダチソウ、ヨシ、タダリなど。草丈は2メートル。クズほどではないが横にも広がる。
小さな個体でも花を咲かせ種子をつくる雑草。
コンクリートの隙間から映えるヒメムカシヨモギやオオアレチノギク、駐車場のじょりからでているシロザなど。
雑草の中には周囲の環境にあわせて、体の大きさを伸縮自在に変えるものがある。

雑草が生き延びるには人間の干渉に耐えることと、
光・水・養分などの資源を手にいれること。
資源の中でも最も重要なのは光。
出だしで茎を上方に伸ばし、高い位置から地面を覆うことができる雑草が有利。
ただし、葉をひろげすぎると自分の下葉にも光が届かなくなって効率が悪い。
稲はこのため下まで光が届くように短い葉がピンとたつような品種がつくられたが、
雑草にも光があたるため除草剤が必要になった。
侵入雑草としては、ある程度暗くても耐えられないといけない。
そして相手よりも草丈を伸ばす必要がある。
著者の実験では針葉樹の下で育てたツユクサは節間がながく、葉が薄くなったという。
筍のように周りの葉を押しのけて伸びるもの。
オナモミのように相手の葉の間に自分の葉を挿入するもの。
ヒメシバやツユクサのようにある程度暗さに耐えられるものなどがある。

水分をめぐる地下での争いでは、根の広がりや発達の程度、活力などが勝敗をわける。
形や広がりの違いから、直根型、繊維根型、地下茎根型にわけられる。
またどの深さに根を張っているかも重要。
水によくとける窒素は植物体に吸収されやすく、もっとも競争がおこりやすい。

種子を作って子孫を増やす有性繁殖だけでなく
地下茎や根が切断されたり、ムカゴを作って(クローンと同じ)仲間を増やすものも多い。
ラメット・・・遺伝的に同じ個体。
種子の役目
1 遠くに移動できる。
2 芽生えるとき種子の養分で発芽できる
3 生体では生存できない環境をやり過ごすことができる。
種子の形態を散布の仕方で5つにわけた図がのっていた。
一次休眠・・・できて間もない新しい種子が好適な環境条件におかれても発芽してこない場合。種子の胚が未熟な場合と胚を取り巻く種皮、果皮、胚乳などに原因があるものにわけられる。
二次休眠・・・一度休眠からさめたが、酸素不足や炭酸ガス濃度他界など、不適切な条件がつづいているので、再び休眠状態にはいっているもの。不適切な条件がなくなってもすぐには発芽しない。
雑草の種子は二次休眠を示すものが多く、雑草が繁茂した後の土地には埋土種子集団がある。
著者が北海道の畑で調べたとき、種子数は1㎡あたり1000~1万6000個と場所によってかなりちがったという。
作物の埋土種子は牧草類をのぞくと1年以内に死滅するが、雑草は長く生き残るものが多い。

第3章 侵入雑草の陣取り戦術
種子を散布するほかは移動スダンがない雑草にとって、自分のすみか=陣地を築き上げ、拡大することは切実。
裸の土地=裸地に生えたなら気候条件や土地の持つ資源が許すが切り、その雑草に特徴的な形をしめしながら成長する。
観察になる対象雑草がどのくらい大きくなるかで、大型雑草=作物と草丈が同じかさらに大きくなる。
小型雑草はそこまでおおきくならないに分類する。
雑草の姿かたち6種類
直立型(センダングサなど)、分枝型(オランダミミナグサ)、そう生型(オヒシバ)、ツル型(クズなど)、ほふく型(ヤブヘビイチゴ)、ロゼット型(オオバコ)
季節で形を変えるヒメジョオンのようなものもある=冬はロゼット、春は直立。
著者はこの方法ではなく、外から侵入してきた雑草が陣地を築き上げるしかたから生育型を見直し
陣地強化型と、陣地拡大型という分類を考えた。

陣地強化を得意とするブタクサやエゾノギシギシ、ススキは、定着した場所で立体的に葉を広げ、その場所を完全に占拠する。光不足で下の葉が枯れあがらない範囲で何層にもわたって葉を広げる。
だから他の植物が陣地に入り込むのは難しい。しかし種子を作る前に光の競争にまけてしまうと、その個体は永久に子孫が作れなくなる。
陣地拡大を得意とするのは、オオジシバリ、シバ、ムラサキサギゴケなど。立体的にではなく平面的に広げていく。
地下茎やほふく茎を使って周囲のさまざまな環境条件にさらされた土地へ進出していく。
いきあたった好ましい条件の土地で光合成をおこない生存していく。
陣地拡大型の雑草の葉の広げ方は他の植物との競争には弱いが、出発点で競争にまけても、他の地点で生存し続けることが可能。
まわりの環境条件によって、大きさだけでなく姿かたちまで容易に変えてしまうグループを「使い分け型」とした。メヒシバ、ツユクサなど。
多年生雑草のセイタカアワダチソウやチガヤは、草丈2メートルの陣地強化型でありながら、
地下茎によって周囲に広がる陣地拡大型でもある、やっかいな雑草。
3つの型に大小があわさって6つのグループに分類していた。

広い空間の大部分をしめる雑草を優占種という。
作物を作っていない畑や都市再開発の途中で生じた工場跡地など、まったく植物の生えていない空間には、
まず風散布型の種子をもつヒメジョオンやオオアレチノギク、ブタクサなど大型陣地強化型の一年生雑草が優占する。
つぎに優占していくるのは地下部に養分をたくわえることができる多年生雑草。
この多年生雑草がススキ=株を作るそう生型で陣地強化型の場合は、かなり多くの他の植物たちと生活するが、
セイタカアワダチソウ=大型陣地強化ー拡大型である場合は、それほど種類は見つからない。
その理由について著者は
1 多数の種子を風で飛ばすススキは大株と大株の間に隙間ができる。ススキほど光を必要としない植物なら十分生育できる。
  セイタカアワダチソウは地下茎で周囲に広がる一方で非常に効率的に光をキャッチできるように葉を広げる。このため他の雑草は生育できず、つる雑草のみが生き残っている場合が多い。
2 大型雑草の落葉や落枝がつもり(大型なのでかなりの量がある)他の植物の定着が押さえられる。セイタカアワダチソウの場合はアレロパシー物質も含まれる。
3 ススキは昔から人間が利用したりして刈り取ってきた。今でも刈り取りをしているところがある。刈り取りをするとセイタカアワダチソウの群落でも他の植物が増える。つまり人間が裸地空間=ギャップをつくることで優占雑草と他の仲間を共存させることができる。
  
人間や動物の場合と植物ではかなり陣取り合戦が違う。
植物の特徴は固着性の生きものであるということ。
陣地拡大型以外は、種子を散布する方法=落下傘部隊でしか敵陣に侵入できない。
ただし、支援部隊はこないので、まずギャップが敵陣内に存在しないと自分の陣地が築けない。
人間が無意識につくりだしている空間が雑草の繁栄をもたらしている。
人間の息のかからなかったところではほとんど雑草をみかけない。
雑草が新たに陣地をきずきあげられるのは、自分の周囲、何も植物の生えていない裸地、敵陣内のギャップ
ギャップの形成は人間のかかわりと陣地を作り上げてきた優占種のすがた形や生きざまに左右される。
畑や水田では作物のために個体の間にギャップがあるので雑草が発生する。
そして雑草を抜いたり除草剤をまくと、あとからくる雑草のためにギャップをつくっているという意味にもなる。

著者が調査した草地のギャップにおける侵入雑草との関係では、
草地で地上部を刈り取ると必ずギャップができるが、普通は草地の植物の葉の成長が早いので、雑草が侵入できない。
侵入雑草の陣地になるギャップは、刈り取り機や収草機の取り扱いミスや家畜の放牧頭数が多すぎる場合や、不適切な管理で牧草が病気にかかったり、害虫が発生した場合、ミミズ・モグラ・げっ歯類の穴によるもの。
マメ科の城クローバーが優占する草地は雑草が多いが、これは草丈が短いので、エゾノギシギシなどの大型雑草が侵入すると、それらの陣地になりやすいためである。
イネ科のリードカナリーグラスでは地下茎があるので、刈り取られても再生できる。そのため管理がずさんでも影響をうけにくく、大きなギャップができにくい。
日本の草地で一番問題になっているヨーロッパ産のエゾノギシギシである。
著者がわざと草地にギャップをつくって、エゾノギシギシを植えた実験でも
リードカナリーグラスの草地では侵入できなかったという。


第4章 作物と雑草たちの関係
日本では雑草は抜くもので、防除方法を研究するものではなかった。
明治時代の中ごろまでは、四つん這いになって、素手で稲の株間を埋め尽くす雑草を抜いていた。
明治25年位やっと中耕除草機が発明され、立ったまま除草が可能になった。
第二次世界痰戦後、除草剤がはいってきて、1960年代には土壌処理剤が使われるようになる。
このため問題雑草はほぼ10年周期で変わっている。
耕作地の雑草は作物に害を及ぼす潜在的な能力をもっているが、その能力が発揮されるかは別。
有害な雑草はそれほど多くないし、存在していても作物に害がないように抑えてやればよい。
そして経済的に見合ったやりかたで雑草を制御するのが雑草管理。

雑草が作物に害を及ぼす場合は、侵入雑草が作物の光や水や養分を奪うこと。
セイタカアワダチソウなどの場合は他感物質で作物の生育を抑えていると考えられている。
しかし他感物質については、作物ごとに影響も違うし、他感物質が空気中や土壌にたまかも環境で違う。
他感物質だけで、作物が枯れることはない(芽生えは別)と考えられている。
現在はこの他感物質を他の雑草の生育を抑えるのに役立てる研究が盛ん。

農民は作物を収穫して利益を得る。
雑草が生えても収穫量が影響されないなら除草する必要はない。
除草剤は著者も抵抗があるが、昔より分解しやすく毒性が弱くなっているので、正しく使えばよいと考えている。
雑草が生えていても問題にならない量=許容限界量の研究をつづけ、雑草の害を予測する技術を確立したり、
有機農法家の使っているカブトエビやアイガモなどの生物的雑草管理法なども体系的に研究していく必要がある。
農家が雑草は除去するものと思っている考えもあらためるべき。


ジョゼフ・コカヌア「土と雑草」によると
雑草に土地を肥やす役割があるといっている(シロザやブタクサといった根を土中深く張ることができるもの)
どうしても必要なとき以外除草しないのが雑草管理の鉄則。管理された雑草が作物を妨害することはない。
新山恒夫と沼田真の陸稲の研究では、完全に雑草をとった区より、許容限界まで雑草を捕らない区のほうが収穫量が多かった。
ギャップ面積がせばまり、作物と雑草が競い合うようになるまえが限界点。
許容限界の研究は続いているが、今のところ条件(下記)が多すぎて、農の達人のカンと経験に頼る以外にない。
・侵入してくる雑草の生育型
・作物の種類
・単位面積あたりに生えている作物の数
・作物を植え付けた時期
・肥料の量
・毎年変わる気候条件


第5章 ただの草か、ただならぬ草か
著者が実験を行って分かった、雑草をはやすことで侵入する雑草を抑える方法の紹介。
草地のなかに雑草が混ざっていた方が、他の雑草の侵入を抑えることができる例。
除草剤をまいたギャップより、一定の高さで刈り取られた田のあぜなどの雑草の方が他の雑草の侵入を抑えられる。
中国の半乾燥地で行った調査では、家畜の放牧によって雑草が食べつくされているが、とげのある植物や有害植物といわれるものは残っていることがわかった。そこに他の雑草の種子をまくことで、家畜から植物を守れるといっていた。
与那国島で浸食における耐塩性雑草の役割を調査したときには、耐塩性といえども海岸部では生育が悪く土壌の浸食をくいとめる役には立たないこと(防風林がよい)草地に使われいるコウライシバと共存できて、土壌の浸食を抑える雑草があることなどをつきとめたという。


第6章 陣取り合戦を観察するために
合戦の様子を自分で観察する方法。
雑草の名前を覚える。
採集と標本の方法
どの植物化同定する方法
観察を始める前に目的の群落とその周辺の環境を広く見渡す。
いくつかの地区にわけ、10以上の調査点をつくる。
地点の大きさは雑草の種類から決める。普通は1メートルの正方枠
枠内の雑草のしめる割合を調べる(種別)、草丈は最大のものを計る。
植物が失われたあとにおこる二次遷移を観察する方法。
ギャップは写真をとってコンピュータ画像で解析するが、スケッチで数や形を調べることもできる
埋土種子を調べる土壌採取の方法、土をもっていって発芽実験をする。
データのとりまとめ方法


雑草たちの陣取り合戦―身近な自然のしくみをときあかす (自然とともに)

雑草たちの陣取り合戦―身近な自然のしくみをときあかす (自然とともに)

  • 作者: 根本 正之
  • 出版社/メーカー: 小峰書店
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 単行本



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緑の革命とその暴力 [農業]

1993年に「ライト・ライブリーフッド賞」を受賞した著者は、インド出身の理論家で、
1982年科学・技術・天然資源政策研究財団を主催。
環境保護や女性の人権、開発・農業・遺伝子・ガット自由貿易などについて積極的に発言している。

パンジャブの悲劇として知られる数年にわたる暴力で、1986年には598人、1987年には1544人、1988年には3000人が殺された。
その原因は宗教や民族の争いであるといわれているが、真相はちがう。
「緑の革命」と銘打って行われた食糧生産の実験の結末が原因の一つである。
1970年にノーベル平和賞を受賞したノーマン・ボーローグは、「奇跡の種子」をつくりだし、発展途上国の経済成長のスピードを全般的に速めたとされている。
しかし、「奇跡種子」は決して豊かさをもたらさない。
これは準矮性の高収量品種(HYV)であるが、収量をあげるためには、多くのインプット、水・肥料・農薬を必要とする。
そして、できた収穫物から種子をとることはできない。
つまり、種子会社、肥料・農薬会社が儲かる仕組みになっているのだ。
ロックフェラー財団、世界銀行・そしてインドの新農業戦略をおしすすめる勢力によって、
パンジャブに地方にこの種子がもちこまれ、大規模に栽培がおこなわれた。
たしかに、小麦や稲などの換金しやすい穀物の収量はあがって、現金収入が増えたようにみえた。
だが、それまで輪作や昆作などによって栽培されていた豆類、キビ、油脂作物などは栽培されなくなった。
これらの伝統的農業は、外からのインプットがなくても、内部インプットだけで、豆類で窒素の固定をおこない、家畜の糞を堆肥化するなど循環的持続的に行われる合理的農業であったのが、新品種の画一的農業に変わったため破壊されてしまった。
結局、収量は増えて現金収入は増えても、種子・肥料・農薬・灌漑設備に莫大なお金がかかるため、農民の収入は増えず。それどころか借金が残ることさえあった。
最初は実験によってつくられた穀物は買い上げの補償があったが、それもなくなり、
実験から20年で農民の中には不満がつみあがった。
さらに悪いことに潅漑のためにくみあげた水で塩害がおこるなど、土地自体が疲弊してしまった。
そこに商業主義による道徳的社会的危機、水問題による政治紛争がからみパンジャブ危機が発生したのだ。

高収量品種と呼ばれる品種を使えば収量が増えるというのは間違いで、
これは高反応品種であり、特定のインプット(肥料)に反応が高いだけである。
収量だけなら、伝統的品種でも負けないものがいくつもある。
農民が何千年もかけてつくりあげてきた、持続可能な農業は、素晴らしいものである。
評価方法が、換金性だけだと、遅れた農業とみなされがちなのである。

潅漑は過去には洪水を防ぐためだったが、いまでは農業のためである。
水を過剰に使うことが不可能な地域でも潅漑がおこなわれ、塩類集積などの問題が引き起こされる。
大規模ダムは集中管理になるので、管理権をめぐって争いがおこり、
さらに汚泥の堆積や、需要の変化においつかず、ダムが水量管理の用をなしていないなどの問題がある。

引用。
開発は土壌から生まれる豊かさを破壊して国家の資力をそのかわりにもってくることによって、
新たな欠乏と乏しい資源をめぐる新たな対立が作られる。
豊かさではなく欠乏が状況を特徴づけており、そこでは神聖なものはなにもなく、すべてに値段がつけられている。
意味やアイディンティティが土壌から国へとシフトし、多元的な歴史から単一の歴史に移行するにつれて、
それまで残っていた民族的、宗教的、地域的な相違は「狭い民族主義」の拘束服に押し込められる。
精神的なよりどころである土壌や大地からその根を引き抜かれた地域社会は国民国家が示す権力モデルに自ら根をおろす。
多様性は二元性にかわり、排除の体験となり「内」と「外」にわかれる。
多様性の不寛容は新たな社会的疾病となり、共同体は決裂や暴力、衰退や破壊に弱くなる。
多様性の不寛容と文化的相違の持続は、同質的な開発プロジェクトを実行している同質的な国家がつくりだす状況のなかで共同体を多大に反目させる。相違が豊かな多様性となるかわりに偏向や分離主義の土台となっている。


緑の革命の経験にあきたらず、今度は遺伝子組み換えを使ったバイオ革命が行われようとしている。
今度は穀物でなく、加工食品のための作物をつくり、お金を稼ぎ、
主食の作物の生産は無視である。
多国籍企業ペプシコとインドの財閥の子会社で共同事業として行われる。
バイオテクノロジーは農薬の使用を増やす。(農薬を作物にあわせるより、作物を農薬にあわせるほうが安上がり)
インドでは数千の人間は農薬中毒で死んでいる。
農薬購入の借金で自殺する人、
農薬がきかなくなってさらに強い農薬が必要になるなどの悪循環。
さらには作物に組み込まれた農薬耐性が、他の雑草などにうつることもありえる。
作物種の導入とともに病気も導入されることは普通のことだが、検疫が甘くなると危険はさらに高まる。
しかし検疫は省略傾向にある。
インドの生態系が危機にさらされている。
種子と農薬を握る企業の農業支配は強まっている。
換金作物の輸出は食糧不足と借金の悪循環にはまる道であることが他の国でも証明されている。
雇用の創出で失業者が減ると計算されているが、自営業者の失業はおりこまれていない。
農業の工業化は農村の失業を拡大することは証明されている。


技術は社会よりも上とみなされているが、技術的変化は支配的な人々の優先順位によって形作られているという視点もある。
技術の発展のためなら社会的な犠牲が必然という考えは間違いだ。
低開発は一般的には近代西欧科学と技術システムの欠如がもたらす状況としてかかれているが、貧困と低開発はたいていは、数百万人の生計を支えている資源集約的で、資源破壊的な技術的プロセスの外部化された見えざるコストによってつくられている状況である。
特殊利益団体が始めた技術革新はその利益団体には開発をもたらすが、他の集団には低開発を押し付けるものであるということが歴史からわかる。

植民地化時代に繊維産業でも緑の革命と似たことがおこり、ガンジーは糸車をシンボルに抵抗した。
ガンジーの糸車は科学と技術の発展という概念における絶対主義と偽りの普遍性から生じた進歩と時代遅れの概念に対する挑戦。
民衆のもつ生産の管理権を進歩という名目で排除している。
工場と糸車の争いは新しい技術が出現してから続いている。

種子を商品化するなら
自己再生しない、またインプット(農薬)を必要とする、それもなるべくたくさん。
農民の収奪と遺伝的破壊の問題は、生態的な再生プロセスから生産の技術的プロセスへの移行である。

労働力を排除する農業のみが生産的であるという神話は問い直されている。
収量があがっても自然と生計を破壊するので、かえって悪くなる。
エネルギーと農薬を多用する農業から離れ、内部のインプットで持続可能な農業=代替農業を模索する動きはあり、
成功例もあるが、あまり注目されない。
また比較手段も公平ではない。(手間が少ないとか、売上が多いとか)

緑の革命とバイオテクノロジーの開発がもたらしている大きなパラドックスは現代の作物改良は、
その原料として使っている生物の耐用性を破壊することに基づいているということである。
技術の土台を破壊しているのだ。
多様性は生産の論理にしなければ多様性を保存することはできない。
実験室で白衣を着て実行するときには知的財産はみとめられるのに、農地で農民が行う種子生産位にはみとめられないのだ。
種子会社が開発した種子ももともとは自然のなかで何万年もかけて人間が生産してきたものである。
種子会社は開発の元にした種子の採取先に特許権を払っているわけではない。


すべの生命は貴重である。
私的財産の保護は、その下であり、制限されるべきである。
環境が先であり、私的所有権はその下である。


緑の革命とその暴力

緑の革命とその暴力

  • 作者: ヴァンダナ シヴァ
  • 出版社/メーカー: 日本経済評論社
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 単行本



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