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まんがサイエンス〈2〉ロケットの作り方おしえます [自然科学]

1992年に発行された、マンガで先端科学を解説する本のシリーズ。
元は「5年の科学」で連載されていたらしい。
今回は、ロケットの作り方教えます。とペケル博士に教わるお話3本。
マンガは「あさりよしとお」が描いている。男の子は引き続き「よしお」くんだけど、女の子は「あさり」ちゃんから「あやめ」ちゃんになっている。

今回は、「ロケットの神様」が男の子と女の子のところへ落ちてくる。顔がスプートニクなんだけどね。
その神様を宇宙に返すために、男の子と女の子がロケットをつくって宇宙へいくお話。
神様の指導をうけながら、ロケットの開発の歴史を振り返るようになっている。
最終的に女の子はソ連方式で、男の子はアメリカ方式でロケット作成に成功する。

人工衛星がおちてこないのは、ボールを強く投げる説明で解説。
一定以上の速度がでれば、ボールは地球を一周するはず、これが人工衛星。

人工衛星になるくらいのスピードは秒速7.9km、時速なら28000km、マッハなら23。
ジャンボジェットに比べると27倍のスピードで、マラソンコースなら5.3秒、日本列島なら5分で通り過ぎる速度。
これだけ早いと空気の抵抗と摩擦熱が問題になる。
止まっている空気の中を時速180kmで走っている車は、風速50mの風がふいているのと同じ。
マッハ3では摩擦熱は何百度にもなる。
だkら人工衛星は空気に邪魔されない高さを飛ぶ必要がある。
空気は上にいくほど薄くなる、120kmなら人工衛星が飛べる。車が縦に走れば2時間。

ここでジェットとロケットの違いを説明。
ジェットのエンジンは前から空気を吸い込んで、燃料と混ぜて燃やしてそれを後ろに噴出して飛ぶ。
これは空気の無い宇宙では飛べない。
ロケットエンジンは酸素を持っていて、これを燃料とまぜているのだ。

よしおくんが調べたところでは人工衛星は、普通地上から300kmから500kmを飛んでいる。
120kmだとギリギリでちょっと下がると空気に触れてしまうかららしい。
秒速9kmの人工衛星は楕円軌道になり、秒速11.2kmを超えると地球を離れて飛んで行ってしまう。
静止衛星と呼ばれる人工衛星は3600kmを飛んでいる。
とにかく目標は300km。

ここでコンスタンチン・エドゥアルド・ヴィッチ・ツィオルコフスキーが先生として登場。
宇宙旅行の父と言われている人。
ロケット自体は1000年前から武器として使われていたが、ツィオルコフスキーが計算で証明するまで、人間がロケットで宇宙にいけることはわからなかった。
ここで固形燃料と、液体燃料の解説。
固形燃料は点火したら止められない、重さの割には力が弱い、値段が安い、つくるのも扱いも簡単。いう特徴
液体燃料はコントロールしやすい、力が強い、値段が高い、作るのが難しいという特徴がある。
よしおくんが、ツィオルコフスキーの設計図でロケットを作って発射してみると大爆発。
彼は研究だけでロケットは1個もつくらなかったらしい。

次は「近代ロケットの父」ゴダード先生が登場。
1926年世界で初めて液体燃料ロケットを作った。考えはツィオルコフスキーと似ていたらしいが、こちらは本物をつくった。
世界初の液体ロケットはノズルの噴射が一番上にきていた、押し上げる形だと、ふらついてまっすぐ飛べないとの判断だったらしい。
液体ロケット第1号は高さ12m、距離56m、2.5秒しか飛ばなかった。

2人の共通項は「ジュール・ヴェルヌ」の「地球から月へ」というSF小説で、このなかでは大砲の弾に乗って月にいく。
しかし、実際に砲弾で秒速7.9kmだすと、すごい加速で中でぺちゃんこになってしまう。
ロケットだと徐々にスピードを上げるので大丈夫なのだ。そうはいっても体重の8倍や9倍の加速はかかるらしい。
徐々に上げられるのは燃料がねって軽くなるから。

ゴダードさんのロケットは、ノズルの位置でつまずいていた。下につけると不安定だし、上につけると余計なものが必要で重量が増えてしまう。
よしおくんが、辛抱できず、神様になんとかしてくれと頼むと、ヘルマン・オーベルト先生を紹介される。
ここであやめちゃんとは違う方向にいくわけだ。

オーベルト先生はSF映画の撮影用の作っていたが、うまくできなくて逃げちゃった。
よしおくんががっかりしてゴダード先生のところに戻ると、全長5m、高度2000mくらいまで上がれるロケットが完成していた。
ジャイロで傾きを調べて噴射でまっすぐに直すシステムを付け加えたのだ。
ただ、コントロール装置がなかった。このころコンピュータもなく、国の予算もないなかでゴダードは研究していて、部品をつかいまわしたり、リンドバーグの出資をうけたりしていたらしい。

このころ、オーベルト先生がほおりだした仕事をうけついで、軍のミサイル研究予算を使ってロケットをつくったのが、ウェルナー・フォン・ブラウン先生。彼の夢は自分の作ったロケットで月へいくことだった。
彼が作ったV-2号には、ロケットの基本的なものはすべてそろっていた。
ジャイロスコープ、コントロール用の電子頭脳、強力な液体ロケットエンジン、噴射の向きを変えて機体の方向を立て直す噴流翼。
電子頭脳は真空管で作られていた。

でも、V-2号をそのまま大きくしても宇宙にはいけない。
人が宇宙にいくためには、宇宙服や機材、帰りのパラシュートや宇宙船のボディが必要なのだ。
ソ連の宇宙船ソユーズは3人乗りで6.8t、人がのるカプセルだけでも2.8t。
今のパワーでは高度300kmまであげられないのだ。

噴射の太さを太くする方法だと、機械の重さが増してしまい。
スピードを上げようとすれば、エンジンの圧力が上がって重い作りになってしまう。
これを克服するために、よしおくんはエンジンを束ねる方法を思いつくが、失敗。
使い切ったエンジンを捨てないと軽くならないんだね。
というわけでよしおくんは多段式のロケットを思いつく。
あやめちゃんは別のロケットを思いついたといって立ち去る。
よしおくんは多段式ロケットをつくるが、単に同じものを3つつなげただけだと、一番下のロケットだけで離陸するにはパワー不足だと気が付く。
このころあやめちゃんは、エンジンを束ねたロケットをさらに何本を束ねた巨大ロケットで宇宙にいっていた。
これで発射して燃料がなくなったら周りのロケットを切り離す。ソ連方式である。
よしおくんが拗ねているとツィオルコフスキー先生が現れて「なぜ失敗したか考えればよい」という。
よしおくんは下の段を大きくすることを思いつき、成功。
実はエンジンを束ねたり、多段式にする方法はツィオルコフスキーのアイデア。

こうして二人の宇宙船は人工衛星になり、神様は宇宙に変えれたのだが、地球への帰り方がわからない。
あわてていると神様がやってきて、地球に帰るための逆推進ロケットをつけてあると教えてくれる。
帰るときは、離陸みたいにパワーがいらないのだ。すこしだけ下に向きかえてやるだけでいい。

というわけでアメリカ式のよしおくんは海におちて、日本の方角を探し、あやめちゃんはソ連式で山の中におちて同じく迷子になっているところで、終わり。



第2部は 月へ行くお話

よしおくんとあやめちゃんが「宇宙でゆっくりできなかった」といっていると、神様が宇宙船を出してあげるから、もう一度宇宙へおいでという。
実は消し忘れた先生たちを宇宙に連れてきてほしかったらしい。

今回は、ブラウンを中心に月にいくことにする。


まず、月旅行を、大きな穴からとなりの小さな穴まで行くたとえで説明。
地球の重力をふりきって、月にむかい、今度は底を飛び出して地球に戻るのだ。

地球の重力を振り切るために必要な速度は秒速


11.2km。
そして帰りの船をつんでいかなくてはいけなくて、月に着陸するには空気がないのでパラシュートは使えず、ロケット噴射でブレーキをかけることになる。
月の重力は地球の6分の1だから、脱出にはあまりパワーは要らないが、着陸船15トン、月の周りを回る宇宙船30トンを積んでいくことになる。
このために作られたのが、サターン5型。
ロケットを全部つなぐと85.6m、重量2862トン、重さの90%は燃料。巨大だけど3人のり。
これで、よしおくん、あやめちゃん、ブラウンが月へ向かう。

月ロケットサターン5型は司令船の位置が地上100m、東京タワーより低いけど、十分高い。
発射から120秒、79kmで1段目を切り離す、2030トンの燃料を使い果たしている。
二段目は高度174kmで分離、3段目停止したとき、高度185kmを秒速7.8kmで飛行、地球を回る。
最初に二人が作った人工衛星は1.5トンと4.7トン、これに比べるとサターンはこの時点で100トン。
サターンを使って重さ90トンもある宇宙ステーション「スカイラブ」も一気にうちあげたパワーである。
エンジンのパワーを重さに割り振るか、スピードに割り振るかで、ロケットの用途が変わる。
地球の軌道上で38万kmかならにある月への軌道をコンピュータで計算して、3段目を再度点火して秒速11kmに加速、月に向かう。
3段目を分離しら司令船の向きを変えて着陸船にドッキングして引き出す。止まっているようにみえるけど、実際は秒速11kmで飛びながら行われている。こうしてサターンと別れて3日間かけて月に向かう。
月へは着陸船で降りる、司令船は月をまわりつづける。着陸船は軽量化のために立って操縦することになっている。
でも二人乗りなんでもめていると、司令船の留守番は神様がしてくれることになって、子どもなんで二人とも月に着陸することにおちついた。
着陸船はコンピュータ操縦だが、予定通り平らな面がなかったら地面を見ながら手動でコントロールする。
もし傾いていると司令船に帰れなくなる心配がある。
最初の月着陸船は条件にあう場所におりるまで時間がかかり、燃料の残り30秒だったという。

月に着陸してブラウン先生は大はしゃぎ、月面車にのって、初めての月着陸船の下半分や足跡を見に行く。
地球の出もみる。
ブラウン先生は、無人の探査機で月はなにもないところだとわかっていたが、人類を送ることは夢だったのだといっていた。
3人が司令船にもどって地球に帰る途中で、直径50m以上あるダイダロス号に出会う。
これは別の太陽系を調査するためのロケットで、計画では50年かけて5.9光年離れたバーナード星まで飛ぶ。
速度は光速の12% 秒速3万600km、未来のロケットである。
これに、ブラウン以外の先生たちものっていた。
本当はいったきりになる無人のロケットだけど、神様が改造して先生たちをのせてくれたという。

エンジンは核融合ロケットで、弱くて速い噴射を続けて速度を出すもの、同じタイプにイオンロケットがある。
もちろん重すぎるから、宇宙空間でくみたてる必要もある。
そのためにもっと宇宙と往復する乗り物としてスペースプレーンがあげられていた。これはジェット機とロケットの合体型で離陸してからマッハ25まで加速する。エンジンを捨てないので経済的でもある。
現実に他の太陽系へいくには、宇宙ステーションや月面基地、そして月面で材料や部品をおくりだせるようになる必要がある。

神様によると、いままでのロケットも空想の産物だった、実現できるかは、きみたち次第だって。
先生たちも、今のロケットだって昔は夢だった。月旅行も実現できた。夢は実現できる。だって。

最後は「人間が宇宙へ乗り出すために生まれてきた生きものなんだ」できれいにしめくくられていた。


・キミの目は右利き!? 左利き!?
ここからは「あさり」ちゃんが復活。ペケル博士の解説で1話読み切り形式のお話になる。
あるものに指で狙いをつけて片目でみるとき、狙いが大きくずれていない方が効き目。
手が右利きの場合、目も右利きが多いので、野球のときは左のバッターボックスにはいって右目でボールを見たほうがいいことになる。
あと、人間の網膜は一人一人違っているので、認証に使える。


・プラスチック消えた! 食べた?
ゴミが増えて困っているが、中でもプラスチックは、ものによっては燃やすと高温を発して焼却炉をこわしたり、有毒ガスをだすものがあるので燃やせない。そのうえ何百年、何千年たっても残ってしまう。それなのに1989年に作られたプラスチックは約1200万トンで40年前の700倍の量。
そこで「消えてなくなるプラスチック」が開発された。光を当てると紫外線で3か月ほどでボロボロになり、微生物に分解されて水と二酸化炭素になる。これを「光分解プラスチック」という。
カップラーメンのかやくをいれておいて、熱湯をかけるとなくなるプラスチックもある。デンプンでできている。
ただし、プラスチックの一番良い性質は、変わらずにいつまでも残ること。
なんでも消えてなくなるプラスチックになっているわけじゃないから、ゴミのことは考えようね。


・石油は、どうやってできた?
石油はプラスチックの原料。本のインクや接着剤も石油。
発電も火力発電できない。他の発電所を作るにもトラックやクレーン車が必要だが、これも石油で動く。
この石油(ほんの時点では)30年でなくなるといわれている。
石油は地面の下にたまっているのを井戸をほってくみ上げる。
元は生きものの死骸が地中で変化してできたといわれている。石炭は大昔の木が地中にうまってできたもの。
石油はプランクトンなどの死骸が地下で圧力や熱で変化したものといわれている。
それで両者は化石燃料とよばれている。
石油や石炭は1億年とか2億年かけてできたもの。

石油のもう一つのでき方の説は、地中から吹き出すメタンガスが圧力や熱で変化してできたという「無機生成説」
もし、そうだったら、30年で枯渇するどころか、予想より多くの地域に石油があって、ガスから造れるということになる。
どちらにしても資源は大切に使おうね。


まんがサイエンス〈2〉ロケットの作り方おしえます

まんがサイエンス〈2〉ロケットの作り方おしえます

  • 作者: あさり よしとお
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 2004/02
  • メディア: 単行本



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線形代数がわかる (ファーストブック) [自然科学]

大学の基礎数学でやった「線形代数」を対話形式で優しく解説。

序章
ベクトルのわかりやすい例、ある地点の風向きを矢印で、風速をその長さで表したもの。数値よりわかりやすい。
行列が役に立つのは連立方程式、1次や2次なら中学の方法で解けるが、変数が10個や100個だと行列を使ってコンピュータにやらせることになる。コンピュータが微分方程式を解くときには、問題を連立方程式で解くように書きなおすことが多い。
行列は()で囲んだ中に数値=成分がはいったもの。
行列式は||で囲まれていて、各成分をかけたり足したり引いたりして作った数のこと。

第1章 ベクトルとスカラー

1-1 ベクトルのすみか
ベクトルは次元に住んでいる、平面に置かれたベクトルは2次元に住んでいる。2次元ベクトル。3次元ベクトルは2次元に垂直な上下方向を加えた3次元空間に住んでいる。
ベクトルは「大きさ」と「方向」をもっているが、それを定量的に表すのが成分。2次元ベクトルで第1方向と第2方向の成分が()に囲まれたなかに数値ではいっている式で説明。3次元ベクトルでも同様に説明。この場合()の中に縦に3つの成分が入る。この方法で何次元のベクトルでも書き表せる。

1-2 ベクトルとスカラー
スカラーは簡単にいうとベクトルの定数倍。線形代数では成分を持たない量のことをスカラー量あるいはスカラーと呼んでベクトルとはっきり区別することが多い。
たいていの場合ベクトルは太文字でvとかVで書き、スカラーは普通の文字を使うことが多い、例えばvをk倍したベクトルはkvでvは太文字。
ベクトルの和・・・各成分の和で求められる。図でみると一方のベクトルの終点を新たな始点として一方のベクトルをつなげて新しいベクトルをつくる演算。ベクトルの平行移動。平行移動させると平行四辺形ができる。
ベクトルの和には u+v = v+u という交換法則が成り立つ。
3つのベクトルなら順番に足していく。順番は違っても結果が同じになるので、(u+v)+w = u+(v+w) 加法に関する結合法則と呼ぶ。
またこのときスカラー倍について k(u+v) = ku+kv という分配法則も成り立つのを図形で説明。
ベクトルの差・・・ベクトルの和で足し算するところをー1のスカラー倍すると考えると説明。そして普通に加算。

1-3 基底ベクトル
2次元ベクトルの成分を分解していくと第1方向と第2方向をむいた長さが1の互いに直交するベクトルが得られる。これがあれば2次元平面上の任意のベクトルが作れる。2次元ベクトルvは(1,0)と(0,1)の線形結合で書けると表せる。この(1,0)=e1 (0,1)=e2が2次元平面の正規直交基底と呼ぶ。正規は長さが1ということ。基底はお互いが独立していること。2次元ベクトルは v=ae1+be2で表せる。
3次元の場合は、3つのベクトルが独立。3つのうち一つをとっても他の2つの線形結合になっていない。3次元ベクトルはV=ae1+be2+ce3と表せる。
()に数字が並んだものを「数ベクトル」と呼ぶ。式で表した書き方だと矢印だとはっきりする。
ここの解説は数ベクトルと規定を使った表現は同じものと考えて不都合はないということをいっている。

1-4 内積
ベクトルの内積は、2本のベクトルからスカラーをつくること。
自分自身との内積はベクトルの長さの2乗のなることを三角形と三平方の定理から説明。
そしてベクトルを違う方向からみたときに、見え方が違うが、ベクトルの長さは変わらなくてそれが内積であると解説。
次は2本の異なるベクトルa,bが挟む角θについて考える。そして余弦定理かをつかて、2本のベクトルの内積とそれらが挟む角の関係を求める。
内積から2本のベクトルが挟む角がわかる。
内積とはベクトル同士の関係のうち、どの方向からみても変わらないものを盗りだす操作。
これで空間ベクトル(3次元)を考える。ややこしいので射影をつかっていた。
ベクトルの長さ|v|と内積には v・v=|v|~2の関係がある。 
2本のベクトルvとwが挟む角θに対して v・w = |v||w|cosθが成り立つ。

1-5 外積(ベクトル積)
空間ベクトルA,Bはある平面をつくるが、その平面上に作られる平行四辺形の面積が決まる。ベクトルA,Bの外積はこの平面に垂直でかつ、この平行四辺形の面積の大きさを長さにもつ、あるベクトルをつくる操作。
外積は2本のベクトルからもう1本別のベクトルをつくる操作なのでベクトル積ともよばれる。
空間の正規直交基底のうちe1とe2の外積を例にとって解説。できるベクトルは第3方向を向いた長さ1のベクトルになるが、上下の向きがある。普通は右ネジの向きできめる。e1からe2に向かって右ネジをまわしたとき進む方向をとる。
つまり外積は順番をいれかえると符号が変わる。
次に長方形で解説。
そして平行四辺形で解説。



第2章 行列と連立1次方程式
2-1 行列とその演算
行列のサイズは行数と列数で決まる。
行数と列数が同じ場合を正方行列という。
行列の成分は、行列の中のそれぞれの数。ある行列の第i行、第j列にある数を(i,j)成分と呼ぶ。aの右下にijと小さく書いてあらわしてあるものもある。
行列を足し算したり引き算したりするにはサイズが同じでないといけない。
スカラー倍の場合は各成分をスカラー倍すればいい。
行列の賭けさんの場合、ijの2列で具体例をあげていた。行列ABの(i,j)成分はAの第i行列の成分とBの第j列成分の積同士の和で求める。
こうして求めるとわかるが、行列のABとBAでは交換法則は成り立たない、これを行列の非可換性という。
ちなみに3つの行列ABCの積は結合法則 (AB)C=A(BC)が成り立つ。
同様に分配法則 A(B+C)=AB+ACも成り立つ。

2-2連立一次方程式とガウスの消去法
連立一次方程式
 x+2y=1 と 3x+y=2 を例に行列に表して解く方法を解説。
行列にあらわして、もとの連立方程式を復元するために必要な最低限の情報にしてから、行列の基本変形をおこなっていた。
そして、左側の2×2行列が(10
                 01)になると解がでる。この行列が2×2の単位行列。
未知数をもうひとつふやした例を解説。
対角線より下を消していく操作を全身消去と呼ぶ。
対角線より上半分しかない行列を植え三角行列と呼ぶ。
その後後進消去。
「行基本変形」を使って行列を必要な形に変形する方法をガウスの消去法あるいは掃出し法という。

2-3 逆行列
普通の割り算では「逆数を掛ける」と同じ。
これは、歩かずにその逆数を掛けると乗法の単位元1がでてくるから。
乗法の単位元とは、ある数に掛けた時、その数を変えないような数のこと。
これを行列バージョーンで考える。
単位行列は行列の乗法についての単位元。
逆行列は、あるn×n行列Aに掛けた時、結果n×nの単位行列になるような行列。
2×2行列を例に解説。
この行列の横に単位行列をつけくわえて2×4行列をつくる。
これを行基本変形して左がの2×2行列を単位行列に変形する。これが逆行列。
元の式にあてはめて確認。
3×3行列を掃出し法で求めるのを解説。

2-4 逆行列がない
2×2行列で掃出し法で左がの第2行が全部ゼロになって後進消去できない例をあげる。つまり逆行列はない。
ある行が他の行の定数倍になっているような行列には逆行列がない。
逆行列をもとない正方行列を非正則行列と呼ぶ。
逆行列をもつような普通の行列は正則行列と呼ぶ。
連立方程式を解く操作に逆行列を使う方法を解説。
そして逆行列がないときには解がひとつにきまらないことを解説。
また明らかに矛盾した式(0=-2とか)連立方程式自体が矛盾していて意味をなさないと考える。



第3章 行列式とその応用
3-1 行列式って何
2×2の正方行列が正則かの条件判定を考える。
2×2行列が非正則のときには、どちらかの行の成分を基本変形ですべてゼロにできる。または、第2行が第1行のちょうど何倍かになっている場合。
これをベクトルで考える、横にならんだ数字を縦に並び替えてベクトルにして考えると、そのふたつのベクトルは長さが違っても方向は一致していることになる。
同じ方向をむいたベクトルの外積は常にゼロベクトルになるので、これが使って、ベクトルが同じ方向を向いているか判定できる。
ここから2×2行列が正則かどうか判定する行列式を導き出していた。
簡単にいうとたすき掛けして引き算してゼロにならなければ正則。
行列式は、行をいれけると±の符号がかわる性質をもつことを例をあげて説明。
元の行列の行と列を入れ替えた行列を転置行列という。
転置行列の行列式ともとの行列の行列式が等しいとことを例をあげて説明。
3×3の行列が正則か調べる。
ベクトルを使っていた。そして外積を使う。また独立していることを確認するには内積を使う。
こうして行列式を求めていた。これもたすき掛け。あんどプラスとマイナス方向の符号がある。
3×3の行列の巡回置換の性質について説明。
さらに転置行列がなりたつことを説明。

3-2 行列式の仕組み
3×3行列が2×2行列で展開できる説明。
この展開をつかって逆行列の公式を求める。
行列の積の行列式は、それぞれの行列式の積という性質を具体的に説明。
そして一般的に説明。


第4章 行列の特性を引き出す
4-1 固有値と固有ベクトル
行列とベクトルのかけ算をするとベクトルは方向と長さを変える。
元のベクトルを(1,1)を選び、特定の行列をかけると方向が変わらない場合がある。このとき元ベクトルのことを行列の固有ベクトルという、また長さが5倍になる場合は、5を行列の固有値という。
行列が与えられた時、固有値を求める方法を具体例で説明。

4-2 対角化とは
4-1で使った2×2の行列の固有値と固有ベクトルを使う。
これは2つの固有値をもっているが、それをひとまとめにした式をつくる、
それを変形すると対角線上に2つの固有値が並んでいて、成分はそこだけという行列が現れる。これが対角行列。
ある行列を正則行列とその逆行列ではさんで変形することを行列の相似変形という。
行列を相似変形して対角行列にすることを、行列の対角化という。
対角化の御利益の例としてフィボナッチ数列をあげて、隣り合う項の比を計算すると1.61・・・に収束していくことを行列で計算。

それぞれの章ごとに宿題がついていた。


線形代数がわかる (ファーストブック)

線形代数がわかる (ファーストブック)

  • 作者: 中村 厚
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2010/08/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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まんがサイエンス 1 [自然科学]

1991年に発行された、マンガで先端科学を解説する本のシリーズ。
元は「5年の科学」で連載されていたらしい。だから掲載当時の製品や情報なんで、今はないものもある。
「あさりよしとお」が描いているせいなのか、解説は毎回謎な怪人が登場。男の子と女の子が会話していてわからないことがあると、怪人が登場して解説してくれるパターンで話が進むが、中には自分から怪人を訪ねたり、怪人もわからなかったりとかいうオチも。

1 カプセルになったレタス
解説は頭が人工種子になったミスター人工種子
カプセルの中に小さなレタスの苗が入ったレタスのタネ。レタスの人工種子。
作り方は野菜を刻んで、その欠片に栄養を与えてそだて、それをカプセルに詰める。
すると親とまったく同じ遺伝子をもつレタスが育つ。
レタス1gから百万個の人工種子が作れる。

2 カニのからが人類を救う!?
開設は頭がカニのカニ男。
カニのからに食物センイが含まれているので注目されている。
3分の一をしめるキチンやキトサンは化粧品(通気性にすぐれうるおいを保つ)や下水処理(水にとけたよごれを固めてしずめる)、スピーカー(振動版に使うと低温がいい音になる)などに使われている。
キチンは人間の体となじみやすいので、手術用の糸にもつかわれている、他にコンタクトや人工皮膚などと開発中。
キチンから作るキトサンは細胞の活動を活発にして成長を早めるので、野菜の収穫量を増やす。免疫を高める効果もある。

3 微生物はスーパーマン
解説は頭がシャーレのMr.バイオ。
バイオ洗剤のバイオで悩んでいると、怪人が「酵素」が入っていると教えてくれる。酵素をつくるのがバイオ(微生物)
お菓子にも微生物バチルスNo38-2がつくるミクロのカプセルが香りや味をつつみこんで無くさないために使われている。
他にも、食品や洗剤、香水、洗剤、消しゴムなどいろんなところに微生物の生み出したものが使われている。
工場でつくるより微生物に作らせた方が、お金もかからない。
微生物は人間の体のなかにも2-3兆、土1gに10億いるといわれているが、役にたつ微生物をみつけるのは大変な仕事。

4 光るメダカのなぞ
名前はでてこないけど、DNAのらせんに目玉がついた頭の怪人の解説。
DNAにはどのように体をつくるかの情報がぎっしりはいった設計図。
光るメダカは蛍のDNAを合体させて作った。
この技術がすすむと、生きもののいいところだけ合体させた便利な生き物が生み出せるかもしれないが、面白半分につくるととんでもない生き物が生まれるかも。
光るメダカがつくられたのは、メダカはすぐに増えるので都合がいいのと、合体の結果が目でみてわかるので研究しやすいから。

5 牛乳からドレスができた
解説は牛乳パックに手足がついた牛乳怪人。
牛乳のボタンは昔からつくられていた。使うのは牛乳のタンパク質にふくまれるカゼイン。
これを染料や水とまぜてねって加工する。加工しやすくて丈夫なのでベルトのバックルや印鑑もつくられている。
服はカゼインとアクリトニトリルという物質を合体させた絹に似ているが合成繊維の強さももっているプロミックスとよばれる繊維でつくられている。

6 甘いスイカはどれ!?
解説は、頭がスイカのスイカ男。
甘いスイカを見分ける最新の機械は、センサーで3方向から抑えてハンマーでたたいて見分けている。
中身がつまっていると叩いた振動はきれいに伝わる。このグラフをとっておいて、他のスイカで同じグラフになるとOKというわけ。

7 紙おむつは地球を救う!?
解説は紙おむつを吐いた高吸水性樹脂。
高吸水性樹脂は、つぶの形でおむつにはいっていて、水を捉えて固まる。スポンジと違って外にもどさず、自分の重さの1000倍の水を吸い込むことができる。
これを使って砂漠を緑地に変える実験がメキシコで行われている。
高吸水性樹脂より植物の根のほうが水を吸い込む力がつよいので都合がいいらしい。

8 頭がよくなる薬!?
解説は、頭が脳のドクター・脳(キモ)
人間の脳はニューロンとよばれるものでできていて、140億個のニューロンがつながりあっているのだが、このつなぎ目がシナプス。
記憶するとはこのシナプスが増えること。シナプスは一人500億から1兆という幅で予測されている。
現在注目されているのはバソプレシンというおしっこの量を調整する物質で、マウスの実験からシナプスを固定する働きがあるのではないかといわrている。
NGF、BDNFはニューロンを強くする栄養として注目されている。
ただ、記憶を強化すると忘れられなくなるのでその弊害は心配されている。

9 色がないのに色がある!?
解説はベケル先生(だれ?)
モルフォチョウという南アメリカの蝶は青く光り輝く羽をもっているが、羽には青い色素はふくまれない。でてきたのは茶色い色素だけ。
そもそも色が見えるのは光があたっているから、暗闇では色はみえない。
光の反射が目にはいるので色がみえる。色素は光のなかでも、その色がもっとも反射しているということ。
モルフォチョウの羽根の表面には細かいひだがあって、茶色い色素なのに青い光を反射していたのだった。
夕焼けが赤いのも空気が赤いわけではない。赤い光が目に届くからだ。
これをすすめると色素をつかわなくても構造だけで美しい色がだせるようになるかもしれない。

10 虫歯にならない夢の薬!?
解説は、頭が口のはっはっ怪人。
虫歯ができるのは、口のなかにいる虫歯菌ストレプトコッカス・ミュータンスが食べ物(特に甘いもの)を材料にグルカンというネバネバする物質をつくり、その力で歯の表面に付着。そして他の細菌もあつめてネバネバを広げている。これが歯垢。
ひとつひとつは弱い細菌も歯垢で固まっていると歯を溶かしてしまう。
歯垢は水ではとれない。
ムタステインという物質は、虫歯菌にグルカンをつくらせない。
あと、パラチノースは虫歯菌が食べられない物質である。
これらがはいっているガムなどもある。
でも、ついちゃった歯垢はみがかないととれないけどね。

11 2001年ロボットはヘビになる!?
解説はロボット太郎
障害物をクリアする歩き方としてヘビの歩き方をとりいれたロボット「蛟龍」とクモ型ロボット「タイタンⅡ号」の紹介。
ヘビ型だと階段ものぼれるし、溝もブリッジで超える、障害物をよけて、星場所にもはいりこめる。
胃カメラへの応用も検討されている。
あと腕や指がヘビ型なロボットも検討されている。

12 イカから電卓、タチウオからマニュキュア!?
頭がイカのイカ男の解説。
ハイテクに利用されている魚。
液晶パネルは2枚の基板で挟まれた間に液晶がはさみこまれている。この液晶の原料にイカやイワシの油を遠心分離器にかけたものが使われている。
他にもサメから化粧品、タコやイカからタウリン(強肝薬)、カニからキトサン、サバやイワシからEPA(成人病の薬)、タチオウオからマニュキュアや塗料がつくられている。

13 細くするほどスゴクなる!?
解説は頭が金だわしみたいな糸くず怪人。
鉄に特殊な方法で熱を加えて1mの長さを1万m(10km)まで引き延ばしたのが鉄の糸スーパーファインメタル。
クモの糸にせまる細さだが、1本でミカン1個をぶらさげられて、楊枝の半分の太さに束ねると軽自動車をもちあげられる。
これはもとの同じ太さの鉄鋼の2倍の強さ。
のばすと「曲げ」「ねじれ」「引っ張り」でアモルファスという構造になり強くなる。また自由に形をかえられる。
このスーパーファインメタルを束ねたり、並べたり、布のように折ったりして使う方法が研究されている。
化学繊維で0.1ミクロンの細さのものがあるが、細すぎて用途がなく、いまのところ使われているのは眼鏡ふきくらい。

14 鉄粉が教える見えない暗号のなぞ
解説は電話から飛び出したテレホンカード型のテレカ魔人。
電車の切符に細かい鉄粉をかけるとバーコードに似た模様がうきあがる。
磁気で情報が記録されているのだ。
だから、磁石に近づけると信号が壊れることがあるよ。
また、簡単に中の情報が読めないように暗号化されている。

15 コンピュータウィルスの恐怖!
解説は、コンピュータの中から現れたミスター・コンピュータ
プログラムはそもそも人間が作ったコンピュータへの命令だが、ウィルスはコンピュータに悪い仕事をさせる。
ディスクなどに潜んでコンピュータに入り込み、普通のプログラムの邪魔をしたり消したり、自分のコピーをディスクに感染させたりする。
コンピュータ内部に潜んで、ある日あばれだすものもいる。
コンピュータにはよい命令と、悪い命令がみわけられないのでウィルスも実行してしまうのだ。
もともとはいたずらでつくったプログラムたちだが、今ではウィルスと呼ばれやっかいなものになった。
ウィルスを退治するワクチンプログラムもつくられているが、きく種類やみわける種類が限られている。
今のところパソコンにしか伝染しないのでファミコンなどは大丈夫。
今は銀行などもコンピュータを使っているし、回線でつながっているので、ウィルスがはいったら大変。
ウィルスは退治より、作る人間をださないことが大事。

16 君の手で頭がよくなる!?
解説はミスター・脳(2度目だが微妙に顔はちがう)
人間の脳は仕事を分担している部分と統合している部分がある。
脳と身体は神経細胞でつながっている。手をつかうことで脳のいろんな部分が動くので手を動かすのは脳にいい。
脳のなかでも手を動かす部分はとても広いので、そういう意味でも手を使うのがいい。
人間の脳は手を使うようになってから劇的に大きくなったのもその証拠といえる。
脳の大きさは3歳までに70%くらいきまってほとんど大きくならない。
その後は脳をつくっている細胞同士のつながりで頭のよさがきまる。
10歳くらいまでは脳が若くて柔軟なので、多言語を覚えたりできるといわれている。
歳とった脳はどこで何をやるかきまっているが、若い脳は柔軟にルートがつくれるというわけ。

17 都会のネズミはコンピュータがお好き?
解説は超音波博士、クマネズミもでるぞ。
クマネズミの祖先はジャングルにいたので、木登りやジャンプがうまい。
現代の高い建物に適応している。
コンピュータの部屋は清潔で食べ物はないのに、ネズミが集まるので調べてみると、コンピュータはネズミによく聞こえる超音波をだしていることがわかった。
超音波は人間に聞こえない高い音のこと。
ふつうネズミの会話は超音波で行われている。
このしくみを使ってネズミを捕るネズミ取りマシーンもある。コンピュータのコードなどかじられると大変だから。

18 宇宙にいくとトイレがちかくなる!?
解説は、頭がロケットのミスター・ロケット。
宇宙では歯や歯茎が弱くなり、骨も弱くなる。マッサージやトレーニングは欠かせない。
無重力だと血液が頭にあつまってしまい、脳が腎臓におしっこをつくらせるので、トイレが近くなる。
宇宙ではおしっこやうんちは貴重な資源なので、今は飲み水にしたり、排泄したもので食べ物をつくる実験がおこなわれている。

19 火星668日 宇宙の旅
解説は引き続きミスター・ロケット。途中から火星ツアーの案内人火星太郎(タコ型)。
スペースシャトルで地球軌道の「マーズ・ワン」へ、そこで金星経由火星行きの宇宙船に乗り換える。
火星と地球が遠いうちに地球を出発し、金星の重力でスピードアップして火星に向かう。
そして火星と地球が近づくときを狙って地球に返る。
こうしないと2年2か月火星にいることになるという。
もっとも金星を利用しても約2年かかる。
宇宙船では飲み水はおしっこを利用。毎日トレーニングジムで体を鍛える。
火星は感動的だけど、帰りもがんばってトレーニングである。

20 超新星が語る17万年前のドラマ
解説は超新星おじさん。
音の速さは1秒間に約340m(15度での場合)
光の速さは秒速30万km。これでも月まで1.3秒、太陽まで約8分19秒。
光が1年に進む距離は1光年。
1987Aは1987年2月に輝き始めた超新星。17万光年もはなれているが肉眼で見える。
超新星が以前に観測されたのは300年前。
超新星は太陽のような恒星が最後をむかえるとき、膨張のはてに縮はじめ最後に爆発した姿。急激に強い光がでる。
爆発のあとにはガスがのこる。
この超新星爆発のとき、ちぢんでいく恒星の中でつくられた炭素や酸素、もっと重い金属が爆発で宇宙にまきちらされ、やがて恒星や惑星の材料になる。われわれもその物質でできている。

21 きみの体は星くずからできていた
解説は、頭が陽子と電子の幻視博士。
人間の体を物質で分けると、食塩水やタンパク質、脂肪、炭水化物などにわけられる。
これをさらにバラバラにしていくと、原子でできている。
あらゆる物質は幻視のつながりでできている。二酸化炭素は酸素原子二個と炭素原子一個でできている。
人間をつくっている原子は主に約30種類。その組み合わせで水やタンパク質、脂肪などができている。
原子は大雑把に原子核と電子にわけられる。
原子核のなかには陽子があって、この陽子の数で原子の種類は区別されている。
陽子が多くなると原子は重くおおきくなる。
宇宙の最初には軽い水素しかなかったが集まって恒星の中で合体し、さらに重い原子がつくられ、それらが超新星爆発とともに宇宙にまきちらされるのだ。
陽子はクオークというものでできているらしいが、まだよくわかっていない。

22 太陽系に10番目の惑星はあるか?
解説は太陽と惑星が頭のDr.太陽系
1週間の曜日になっている惑星は昔からわかっていたけど、他は遠すぎてわからなかった。
天王星は1781年にハーシェルが望遠鏡を使って発見したが、その9年前にティティウスというひとが起動計算で予測していた。
天王星の発見でティティウスの式は有名になったが、火星と木星の間の惑星は発見されなかった。
あとになって、そこには小惑星の群れがあることがわかった。
海王星と冥王星は引力の式からわかった。
しかし、その後も海王星と天王星の起動を動かしている遠い天体が予測されているという。

23 富士山はいつ噴火する?
解説は頭が富士山な富士さん。
富士山は噴火でできた山。それは火山灰と溶岩が積み重なっていることから明らか。
記録では三宅島、伊豆大島の噴火後に富士山が噴火したことが2度ある。
地球はつぎはぎのように何枚もの皮が表面をおおっている。これをプレートと呼ぶ。
富士山の付近はプレートがつぎはぎだらけで、日本海溝はつなぎ目の一つ。
太平洋側から押してくるプレートの圧力で富士山・伊豆大島・三宅島ののっているプレートが押される。
このため噴火が次々に怒るというのが「木村政昭説」理論。しかし、富士山はここ300年ほどは爆発していない。
しかし噴火のための準備は整っているといえるだろう。

24 3億年前の大気を取り出せ!
解説は頭がアンモナイトのミスターアンモナイト。
秋吉台の石は塩酸をかけると二酸化炭素をだす。石の中にアンモナイトなど貝の化石もみられる。
秋吉台は3億年前海だったのが盛り上がって陸地になった。鍾乳洞はサンゴ虫がつくった石灰石でサンゴ礁と同じもの。
石灰石は二酸化炭素とカルシウムでできている。このころは二酸化炭素がたくさんあったのだ。
40億年前の地球は水蒸気と二酸化炭素ばかり。
水蒸気は雨となって海をつくったが、このころ大気の97%は二酸化炭素だった。
海中の生物は二酸化炭素を集め、そのせいで3億年前の地球では二酸化炭素の量は地球誕生のころの10万分の1にまで減った。秋吉台の二酸化炭素は3億年前の大気ともいえる。
その後植物が生まれ、酸素をだすようになり、何億年もかけてだんだん大気にたまり現在のような空気になった。
大気中の酸素のおかげで生物は陸上へ進出できた。

25 宇宙船地球号SOS!
解説は頭が地球のミスター地球。
そもそも地球は空気の服で宇宙の暑さ寒さから身をまもってきた。
しかしこの空気の中に二酸化炭素が増えてきた。これは人間が石油や石炭を燃やしたから。
二酸化炭素が増えると地球が太陽から取り込んだ熱は外にでていかなくなり地球の温度があがってしまう。
温室効果がすすむと、陸地の多くが砂漠になり、巨大な台風が発生するといわれている。
確実にやってくるのは海面上昇で、海面が1mあがると全世界で5千万人が住む土地を失うといわれている。
温室効果が進むと金星のような、二酸化炭素におおわれた気温470度の惑星になってしまうのではないかといわれている。

26 恐竜人間は、いたか?
解説は恐竜博士。お話にでてくるカナダの研究者がモデルらしい。
カナダの学者が、恐竜トロオドンが進化したらなっていたかもしれない恐竜人間という生き物を考えた。
生きものの体が変わっていくことを進化という。
トロオドンは犬と同じくらいの脳をもっている。ちなみにティラノサウルスは隊長役12mで30cmの脳だが、
トロオドンは全長2mなのでかなり比率として大きい。
眼は正面についているので立体的にモノが見れる。
2本足で走り、前足でモノをもつことができた(指が一本逆向きについている)
この特徴は人類の祖先にも共通している。
というわけで、人類の進化になぞらえてトロオドンを進化させてみたのが架空の恐竜人間というわけ。
しかし、トロオドンが現れて間もなく6500万年前に恐竜は絶滅。トロオドンも絶滅してしまった。
恐竜人間がいたらどんな世界になっていたのか?

27 宇宙人は、いるか?
これまでの怪人が集まって、宇宙人がいるか会議。
スイカ男がこれだけ目撃証言があるのだから宇宙人はいると主張。
イカ男が見間違いだと反論。
ミスター地球が、宇宙に地球があることが、宇宙人が存在する証拠だという。
太陽が宇宙の中で特別な星でないのなら、地球のように生命が誕生した星があるはずだと展開。
DNA怪人がドレイク方程式を紹介。この段階では宇宙に5個くらい地球のような星がある計算になるといっていた。
最後のイカ男が、でも証明できないけどな。といって袋叩きになって終わり。

最後に取材協力と初出一覧がのっていた。


まんがサイエンス 1

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  • 出版社/メーカー: 学研教育出版
  • 発売日: 1997/04/01
  • メディア: Kindle版



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