SSブログ
[PR]本のベストセラー

ジュニアスポーツのための筋力トレーニング―小学生から高校生まで今すぐ始める体力向上エクササイズ [子育て]

アメリカで刊行された子ども筋力トレーニングの指導書を翻訳したもの。
2003年に刊行

序章 Part1 石井直方
翻訳とは別に、日本の子どもの現状と、日米の差異について。

人は生まれてから成人になるまで身長が3.5倍、体重が20倍になる。
筋・骨格、神経系が特に速い速度で発達する必要がある。
こうした発達は活発な日常生活や運動による重力との相互作用によっておこる。
しかし、日本の子ども達の身体活動は十分ではなく、体力、特に筋力は低下している。
反面、本格的なスポーツ活動を行う子どもは増えており、スポーツ障害が増えている。
こうした問題は大人の社会の「省力化」によるもので、子どもだけをそこから遠ざけるのは難しい。
スポーツ障害も、一度進化したスポーツ指導を元には戻せない。
そこで、科学的トレーニング・プログラムを導入することが必要だ。
トレーニング科学の権威であるW.J.Kraemer S.J.Fleck両博士が、日本版の10年前に刊行したもので
子どもの身体的、生理学的、心理学的特性を十分に考慮した無理のないトレーニングが紹介されている。
プログラムの基本は同じでも、国によって環境は違うので、現状を踏まえた見直しが必要。

筋力トレーニングは従来はボディビルダーのようなたくましい筋肉をつくったり、
スポーツ競技力に直結するような筋力やパワーを養ったりするものと考えられてきた。
そのため、気力を振り絞り、危険を伴うほど行うものと思われてきた。
ボディビルディングや重量挙げなどならともかく、一般的には誤った認識。

筋力トレーニングの目的・・・筋肉と身体の状態をよりよくすること
(全米ストレングス&コンディショニング協会)

スポーツ動作は複雑で高度な運動技能を必要とするので、技術力を向上させるために
質の高い練習を繰り返し行う。そうすると特定の筋や骨・関節などの支持組織に強いストレスが発生し
特定の筋の疲労が持続したり、アンバランスな筋の発達が促されたりする。
これが障害の原因になる。
こうして質の高い技術練習ができなくなる。
悪循環を断ち切るために
バランスのとれた筋力・筋持久力の向上→良質の技術練習→技術発揮に必要な筋機能のさらなる向上
をもたらす筋力トレーニングを行うべき。

一般の健康づくりでも
悪循環、筋力低下→日常的な活動の低下→さらなる筋力低下を断ち切る意味がある。

身体的・精神的ストレスを最小限に抑えながら、短時間でもっとも大きな効果を得るように
科学的に工夫されたものが理想的なトレーニングプログラム

子どもの発達には個人差があり、思春期を迎えるころには3歳程度の差があるのが普通。
発達段階のどの時期にあるかは、清朝の増加率を調べるとわかる。
増加率のピークは平均して男子13歳、女子11歳。この時期に運動の刺激が強すぎると骨や関節に障害が発生しやすい。
思春期前には神経系の発達が著しく、筋・骨格系の発達はゆるやか
思春期を迎えるころから生殖腺や内分泌系が発達、筋・骨格系も性に応じて発達。
筋は速筋繊維の機能が高まることで、エネルギー代謝における、速筋・遅筋の役割分担が明確化する。
発達特性を考慮して、
スポーツ活動は、スポーツとの出会い→複数スポーツの経験→専門種目への傾斜→専門種目への集中→トップアスリートへの挑戦→トップ・コンディションの維持、の段階がそれぞれ重なりながら行われるべき、専門種目への集中は発達のピークを過ぎてから。
技術は、模倣→基本の習得→応用能力開発→洗練化と独創性、個性の発揮が同じく重なりながらおこなわれるべきで、応用は発達のピークをすぎてから。

平成13年度の文部科学省の報告では、子どもの体力は低下の一途をたどっている。
また子どものスポーツ活動に伴う外傷・障害も増加している。
幼児期から思春期前にかけての時期に神経系の発達を促す運動が不足して身のこなしが体得されていないのも原因。
それよりおおきいのは「動きづくり」=神経系と筋の相互作用がないことと思われる。
ジャンプ動作のにおける障害をふせぐには、ジャンプ自体よりもスクワット・ジャンプの方よい。
適切な筋力をつけるのは障害の予防になる。

筋力トレーニングは「良質な動きをつくり、外傷・障害を予防するために筋の状態を改善する」という目的で
適切なプログラムに基づいて行うと、子どもを含む老若男女にとって極めて有用。
子どもの体力低下にも歯止めがかかるかもしれない。
ポイントは適切なトレーニングが与えられるかで、その点では我が国は施設も指導者も皆無。
この本であげている、特別な器具をつかわないプログラムを学校教育でとりいれるのが効果的と考える。


序章 Part2 甲賀千詠子(ウイダー・トレーニング・ラボ)

レジスタンス・トレーニング・・・・外的な抵抗を利用して筋肉の機能を高めようとするトレーニング方法。通常はフリー・ウェイトやトレーニングマシンを用いるが、腕立てなどの自重を負荷にする運動も含まれる。

安全性や効果の理解、子どもの体力レベルが筋力トレーニングの段階にないとう声にこたえた導入プログラムを
ウイダー・トレーニング・ラボが作ったもの。

ガイドラインとして
適切な指導のもと行えば危険と外傷のリスクが低いこと
思春期前の子どもでも、成長発達以上の筋力の像かが認められる。
ただし、効果は筋の肥大化よりも神経系統のメカニズムに関連している。
運動単位の活性化や発火頻度の増加といった神経の適応が筋力の獲得に結び付いている。
これによる運動スキルの改善や動作にかかわる筋群の協調が高められるが、目的に応じたトレーニングを処方する必要がある。
筋力の向上によって、指示構造(靭帯、腱、骨)の強化や関節周辺の筋力バランス改善が行われ、スポーツ活動中の外傷や障害の可能性を低くできる。
毎日の運動は健康習慣の確立につながる、自由時間の半分はスポーツや身体活動にあてるが理想的。
規則正しいトレーニング、適切な栄養、十分な睡眠の大切さを教育すること。
健康的なライフスタイルによって、体脂肪の減少、骨密度を高めるなどのメリットがある。

導入プログラム パターン1 週3回
・スクワット12-15
・デッドリフト 12-15
・プッシュアップ 12-15
・懸垂 8-12
・アーム・カール 8-12
・トライセップス・』エクステンション 8-12
・背筋のトレーニング 8-12
・腹筋のトレーニング 12-15
これを1セットとして1-3セット、セット間の休憩は1分30秒から2分

導入プログラム パターン2 サーキットトレーニングとして行う
パターン1と同じで回数は12-15 セット数2-3、セット間休憩15-30秒

各動作には3Stepがある。
15回×3セットできるようになったらStepをあげる目安になる。

注意
・プログラムの前にウォーム・アップをして体温を上げる、ストレッチングで関節可動域を広げたり、筋や腱の弾性を高める。
・成長期の子どもにみられる障害(オスグッド・シュラッテル病、肘、ローテーター・カフ、かかと骨骨端線障害)などに注意して、無理はさせない。痛みがあれば医師の診断をうけさせる。既往症の子どもは再発防止を
・関節可動域はフルレンジ(全可動域)で行う。可動域が狭いとそれ以外の範囲の筋肉が発達しない。

ストレッチングの実施
ウォームアップとクールダウンで行う
大筋群のストレッチングを紹介するので、小さな筋肉のストレッチングを加える必要がある。
障害のでやすい部位を意識して行う。
気持ちよく伸ばせるところまで、反動をつけないで、ゆっくり行う。呼吸はとめない
筋肉は急にのばsれると伸び過ぎを防ぐために逆に緊張してしまう。
ストレッチングのメリット
・筋肉の緊張が抑えられ、からだをリラックスできるようになる。
・関節可動域を広げる
・ウォームアップとして体をあたためて行うと、筋損傷を防ぐ
・クールダウンとして行うと筋疲労を軽減する
・将来にわたって柔軟性を維持・向上させる
・体の各部位に意識をむけさせることができる

外遊びは意識的に子どもたちの生活のなかでとりいれていかないといけない
養われる体力要素
・敏捷性=ある方向に素早くからだを動かす能力
・パワー=力×速度で表される、瞬間的に発揮される大きなエネルギー
・バランス能力=姿勢を巧みに保持する能力
・柔軟性=関節が本来動かせる範囲を保つ能力
・コーディネーション=手足の動きなどを巧みに組み合わせて効率よくからだを使う能力
遊びの具体例と、その効果
・棒上り→全身の筋力、全身のコーディネーション
・馬跳びくぐり→下半身のパワー、上半身のパワー、股関節の動的な柔軟性、全身のコーディネーション
他に垂直跳び、うんてい、けんけん、縄跳び
遊びは体力要素の他に神経系の機能をたかめるので、
将来トレーニングによって強化される筋力やパワーを効率よく動きのなかで発揮するのに役にたつ。
プロのスポーツ選手のトレーニングでも鬼ごっこがとりいれられている。
遊びをウォーム・アップの一部にとりいれるのはよいこと。

写真入りでストレッチングの実際を解説
・ハムストリングのストレッチ・・・座って足をひらき、片方の足の膝に片方の足の裏をつけた体制で脚の方向に上体をたおす。寝たまま膝をかかえ胸の方向にひきよせる
・股関節周辺のストレッチング・・足を開いてすわり状態を倒す、あぐらで両足裏をつけて上体を倒す。
・腰部ストレッチング・・・寝転んで片膝をたてて、反対の足の方向に倒し、上半身は反対方向へ捻る
・アキレス腱・・・片膝をたてて床にすわり、膝をかかえる。かかとがうかないように
・大腿四頭筋全面、横向きに寝転んで上の足を曲げ、足の甲を手で持つ
・ふくらはぎ・・・壁に両手をついて、片足をひいいて踵をゆかにつける
・肩のすとれっち・・・・左ひじが無目の前にくるように腕をまげ、右手で左腕を抱え込むようにして右肩のほうにゆっくりひきよせる。反対も。
・体側のストレッチ・・・両手を頭上で組んで、体を横に倒す
・上腕三頭筋・・・腕が頭の後ろに来るように左腕をまげて、右手で左ひじをつかんで下におす、反対も。

導入プログラムの各ステップ解説と注意ポイント
スクワット
 setp1 何かにつかまって行う
 setp2 何もつかまらずに行う
 setp3 後ろ足を台にのせて、片足で行う
 注意点・・・膝がつまさきより前にでたり内側に入らないようにする、足を地面につける、、目線はしっかり前
デッドリフト
 setp1 砂または水(少量)をいれたバケツをもって立ち上がる
 setp2 量を増やす
 setp3 さらに量を増やす
 注意点・・・膝がつまさきより前にでたり内側に入ったりしない。背中を丸めないで体幹を使う。
プッシュアップ
 setp1 鉄棒をつかって立位で行う
 setp2 膝をついて
 setp3 膝をつかずに
 注意・・・お腹・お尻をつきださずに頭から足まで一直線、立つ位置は鉄棒から離すほど負荷があがる。
懸垂
 setp1 ななめ懸垂
 setp2 補助者が足をもってななめ懸垂
 setp3 懸垂
 注意点・・・スタートポジションい戻すとき、ゆっくり行う。体を一直線に保つ、動作範囲をフルにとる
アーム・カール
 setp1 チューブを足で踏んで両端を両手でもってもちあげる(肘は動かさない)
 setp2 足でチューブを踏んで背面からあげて、頭の後ろに回した手で持つ、そのままひきあげる
 注意点・・・反動を使わない。チューブを短く持つ、二重にすることで負荷があがる
背筋のトレーニング
 setp1 うつ伏せで上体起こし(両手は頭の横に添える)
 setp2 四つん這いで片脚屈伸
 setp3 四つん這いで片手片脚伸展
 注意点・・・反動をつかわずに、戻すときもゆっくりと
腹筋のトレーニング
 setp1 膝に手をそえて上体を起こす
 setp2 クランチ(足を台にあげて、両手を胸のまえで組む)
 setp3 シットアップ(膝をまげて両手を頭の後ろに組んで上体起こし)
 注意点・・・反動をつかわない。手の力でもちあげない。


第1章 子どものための筋力トレーニング
大人の管理のもとできちんと計画されたレジスタンス・トレーニングを行うことの長所
・筋力向上
・筋持久力向上
・スポーツおよびレクリエーション活動時の障害予防
・スポーツおよびレクリエーション活動時のパフォーマンス向上
子どもは神経系を発達させていくことで筋力を発達させていく。
思春期前の子どもはレジスタンス・トレーニングが筋肉の肥大化にはつながらない。
しかし、負荷を用いることで筋肉の機能を高めることができて、運動能力の向上に結び付く。
レジスタンス・トレーニングは子どもには害があるという考えも誤解である。
負荷について検討し、適切に行う分には筋力を向上させ怪我の防止になる。

子どもがレジスタンス・トレーニングを始める前に指導者やコーチが気を付ける点
・レジスタンス・トレーニングをするにあたり、その子供が精神的にも肉体的にも準備が整っている状態であるか
・その子供にあったレジスタンス・プログラムは何か
・プログラムのかのそれぞれの項目で、リフティングの正しいやり方を指導者も子どもと理解しているか
・プログラムのそれぞれの項目で、リフティングする負荷の安全な持ち方、置き方を指導者も子供も理解しているか
・プログラムで使うそれぞれの用具の安全面について子どもは理解しているか
・プログラムで使う用具は子どもに適当なものであるか
・その子供はバランスのとれたスポーツ活動に参加しているか

レジスタンス・トレーニングが危険なのは練習量が子どもに不適切であることが原因。
ガイドラインだけでなく、個人への配慮が必要
あまり短期化に多くのことをせず、ゆっくり慣らす。
子どもが特定のプログラムに固執したり、楽しくなさそうに練習していても驚くにはあたらない。
レジスタンス・プログラムに参加している理由をコーチや親子どもが理解していることが大切。
そのためには目にみえる目標はなにか、どのような必要性があるか、トレーニングをするとどうなるかなどに大まかな理解が必要。

レジスタンス・トレーニングの年齢別基本的ガイドライン
7歳以下 基本的な練習を軽いウエイトあるいはウエイトなしで行う。トレーニングのおおまかな内容を把握させる。
      練習のやり方を教え、体全体を使った柔軟体操、パートナーエクササイズ、軽い負荷を使ったレジスタンス・エクササイズ。
      すべての内容は、負担の少ないもの。
8-10歳 だんだんとトレーニングの種類を増やす。
      拳上動作(重力にさからって負荷をもちあげる運動)を用いたトレーニングのやり方を教える。負荷を徐々にあげてみる。
      簡単でわかりやすいものを徐々に増やす。運動からうけるストレスに常に注意する。
11-13歳 すべての基本的なトレーニングのやり方を教える。
       ウエイト(自重を含む)を使った練習では負荷を少しずつあげていく
       引き続き正しいテクニックで行うことを優先しながら、少し高度なトレーニングを紹介、軽いウエイトあるいはウエイトなしをやらせてみる
14-15歳 負荷を使ったより高度な青年向けトレーニングに移行させていく。
       スポーツ競技特性にあわせたトレーニングもとりいれてみる。
       引き続き正しいテクニックで行うことを優先しながら、少し高度なトレーニングを紹介し、軽いウエイトあるいはウエイトなしをやらせてみる。トレーニングの量を増やす。
16歳以上 レジスタンス・トレーニングについての概念をきちんと理解し、
       基本的なトレーニングを一通り体験したら、大人のプログラムを教えていく。
はじめるときには、年齢のひとつ前の段階からはじめる。理解力を考慮して次の段階に進める。

大人のためにつくられたプログラムをそのまま子どもにやらせてはいけない。
レジスタンス・トレーニングに対する間違った先入観(強い人は絶対に負けないなど)を持たせないようにコミュニケーションをとる。

トレーニングをしっかりと継続的に行うことは、厳しくつらいことだが、得るものも大きい。
大人の理論を子どもにあてはめてはいけない。
子ども同士を比較してもいけない。子どもにあった進度で満足がいけばいい。
プログラムはどんどん新しく高度なものへ変わっていく必要があるが、子どもが精神的肉体的に疲れをのこさないように注意する。


第2章 成長と発達
子どもの成長と発達の仕組みを理解することで、子どもに求めるものが現実的に把握できるようになり、
トレーニングの目標や内容の説明方法おのずとわかってくる。
トレーニング・プログラムは子どもの身体的・精神的発達の度合いを考えてその子供がこなせる範囲のものでなければならない。
子どもの成長と発達にはいろいろな側面があり、複雑にからみあっているが、一般的には適切な運動と栄養をとりいれた
健康的な生活習慣を守ることで、子どもはより好ましく成長し、遺伝的な要素も最大限に発揮していくことができる。

体の大きさは遺伝的要素が大きい。
子どもの身体的特徴から、ある決まったスポーツにむいているとは限らない。
発達曲線はあるものの、個人差があってからなずしも当てはまらない。
成長のピークをすぎてから予想値に近づく。

レジスタンス・トレーニングによって骨を痛めるのは、間違ったトレーニングをしたときだけ、
むしろ骨密度などによい影響がある。

これまでのところ運動選手や思春期前に運動を始めた女子は一般の女子に比べて初潮の時期が遅いことがわかっている。
その影響などについてはよくわかっていない。

トレーニングに対する適度な興味、集中力、態度が必要。
7・8歳の子どもの方が12・3歳の子どもよりも教えやすく動機づけしやすい。
精神的な発達の程度によって、子どもの運動をより安全かつ効果的にするための指示はことなる。
やる気をひきだし、うまくやりたいという気持ちを起こさせることが、プログラムを成功させる秘訣。

エクササイズのレベルを先にすすめることばかりに固執してはいけない。
子どもが困っていることや、わからないことがないか常に気を配る。
やりすぎないようにする、
やりたがらないときは無理にやらせない。
やる気がでるような環境作りが指導者の役割。

一般に女子のほうが男子よりずっと早く成熟する。
子どもは人と比べたがるが、トレーニングは個別で意味がないことを理解させよう。
自分にうちかつことが大切であると教え、異なった目標をつくってあげる。
自分の進歩に関心をもつことは、その後の活動的な生活習慣のために大切。

子どもをスポーツ分野で成功させることだけを目指してはいけない。
レジスタンス・トレーニングはスポーツ分野で成功するためだけのものでなく、
スポーツ自体を楽しみ、体を鍛えるものであること、スポーツの準備として位置づけられるべきものであることを伝える。
子どものスポーツ経験がよりよいものになるようにしてあげることが大切。
そして子どものもっている可能性を最大限伸ばすために必要なものを与えてあげなければならない。

将来プロ選手にさせることだけを考えるのではなく、
子どもにとってスポーツとは何かということを適切に指導してやり、
経験したことを役立たせてあげること。
体力がおもうように続かないときには、もっと違ったエクササイズを考えることで、
子どもが生涯にわたり、健康で幸せでいられるような生活習慣づくりを助けてあげよう。



第3章 プログラムの作成と管理
プログラムを行う環境は、子どもにとって適切で、理念がきちんと展開、実行されることが必要。
子どもの心理的、生理的欲求や能力をしっかり把握していることも前提。

やる気付けは一人一人違っているもの。
最初の段階では子どもが純粋に身体を動かすことに興味を持つようにさせる。
無理やりでは子どもはおっくうになる。
よくあるのがフリースローを入れられなかったことなどの失敗に対する罰を課すなど。
子どもの能力の限界を超えることや、身体的に辛くなるようなことは避けるべき。
最初から回数を求めるとひどい筋肉痛をひきおこす。
精神的・肉体的準備をしっかりしてから、安全にスポーツに参加できるように指導する。
こどもたちがトレーニングを始めるまえに、からだづくり、トレーニング、スポーツとは何かについて、
ある程度学習させておくことが大切。
トレーニングへの参加は自由であり、大人を喜ばせる為やるべきではない。

適切な目標は大切。
子どもに適した目標とゴールを決める手助けが必要。
何が現実的で可能なのかという基本的な理解が必要。
間違った指針は子どもの自尊心を傷つけ、トレーニングの本質を取り違えてしまい、指導者は信頼を失ってしまう。
子どもは他人よりも自分に打ち勝って目標を達成することが大事。
トレーニングのやり方や目標は子どもの年齢、興味、身体的発達によって変わる。
スポーツ競技にあわせて、より厳しさが求められるものになっていく。

掲示や表示物できちんとした情報を伝える必要がある。
計画表の例や、盛り込む内容などの例があがっていた。
・レジスタンス・トレーニングの適切な目的を明示など

まずトレーニングをのプログラムをしっかりつくり、
後から管理上必要な部分を変えていく、
施設の方をトレーニングにあわせていく。

器具をそろえるのは難しいので、だいかえになるものを探す。
斜面や階段を利用したり、自分やパートナーの体重を利用する。

スポーツクラブの会員になる際に考慮すべき点がのっていた。
インストラクターに資格があるかとか、安全面の配慮、器具がととのっているか、子ども専用、子ども用のプログラムがあるかなど。

器具は毎月、できるだけ頻繁に調節すること。
子どものトレーニングカードに調節する値をいれておくのもいい。
調節に時間がかかるあまり、トレーニングの効果が半減しないようにしておくことも大切。

器具類の手入れ法
週に1回は接合部分のひび割れ、ねじのゆるみなどを点検。
湿気が多いとマシンの錆の原因になるので換気に注意。
シリコン入り潤滑油で摩耗部分を手入れする。
週に一度はチェーン部の汚れをとり潤滑油をさす。
部位別に手入れ方法が解説してあった。
ケーブルとぷーりー、ウエイト・プレート、オリンピック・バー、シート部分

可能であれば施設のすべての床を褐色のゴム加工フローリング材にするとよい。

用具の修理に必要な備品
アレンレンチ、ドライバー、配置ファイルなど

一度に何人くらいの子どもを教えられるかは子どもの成熟度による。
混みあう時間はきまっているので、個人やチームで時間をきめたり、
どの時間にどの器具が使えるか、子どもに教えるもの大切。
トレーニング時間の人の動きがうまくいくようにするほうほうもある。
その具体的な方法として時間を計ってトレーニングさせる、あらかじめ決められたトレーニング順序に従う(好きなものに偏らない)
などがあがっていた。

安全なレジスタンス・トレーニングを行うために、施設の全床面積が十分あることが必要。
器具の間はすくなくとも1.5mあるのが望ましい。フリーウエイトを使うなら器具を置く場所が必要。
新しい器具をいれるときはスペースを考慮する。

プログラムをつくったら休憩・負荷を変える時間・器具を調節する時間を含めて必要な時間を計算する。
休憩時間を減らすことで血中の乳酸値が上がる。
子どもがもっとトレーニングできるのか、乳酸値をあげる運動がやれるのか注意してみている必要がある。
休憩時間を減らしてよいのは、高い負荷で一部の筋肉を鍛えるトレーニングをさせるときだけ。
休憩時間は2分以下にならないようにうする。
時間の制約でプログラムを変更して子供のやる気をそがないようにする。

トレーニングプログラムが最初の目標にあっているか評価する。
少なくとも8週間かけないと検討はできない。
簡単で早いのはトレーニングの記録を調べること。
こどもがRM負荷運動をとおして何ができるようになったかの記録を見て調べる。
筋力・パワーは3-4週は20%、8-14週になると30-40%程度の伸び率がひられると成功しているといえる。
以前にトレーニングしている子どもはこれほどの伸びはみられない。
通常RMを調べるときにはレッグ・プレス、スクワット、ベンチ・プレス、インクライン・ベンチなどのエクササイズふたつかみっつを組み合わせる。

トレーニングの記録をとる。
記録用紙の例がのっていた。

RMの決め方
子どもの場合6-7RMという反復回数が筋力を計るのにちょうどいい。
休憩時間や行ったセットによって結果がかわるのでしっかり管理して行う。
6RMの決め方、
レッグ・プレスの例がのっていた。
正しいRMテストは子どもがひとつのエクササイズをするごとに10-15分かかる。
ふたりで交代させて一人は休憩させたりして効率よく行う。
前のトレーニング終了から24時間たっていないといけない。
正確なエクササイズを周知徹底して行う。

筋持久力テスト
RMてすととは別々に24時間から48時間おいて行う。
6RMの60%から80%の負荷で行う。

運動能力テスト
詳しい情報は「Measurement for Evaluation in Physical Education」を参考に。

評価の方法
子どもの競争心を満足させてあげるために、リフティング・コンテストなどをひらくのもよい。
スクワット、ベンチ・プレス、パワー・クリーン、スナッチはいくつかの運動を組み合わせて高度な技術を要するリフティング。
単に重いものをもちあげただけでなく、正しい姿勢などテクニック面に焦点をあてる。
章の終わりに評価シート例をつけた。

指導のポイント
いったんレジスタンス・トレーニングをはじめたら、プログラムの組み立て、進歩の度合いに応じた見直しは
ずっとやり続けなければならない。


第4章 体力や年齢に合わせたプログラムづくり
レジスタンス・トレーニングを始める前に
医師による健康診断を受ける。
例としてオスグッド・シュラッテル病であったら、膝を曲げるトレーニングを避けて、
関節まわりの主要筋力を鍛えるトレーニング・プログラムから開始する。
プログラムでは最初にウォーム・アップ、最後にストレッチングを毎回行う。
基本的なリフティング技術を学んだらひとりひとりに合わせてスポーツに関連したエクササイズを盛り込む
成功のコツはプログラムの基本にさらに何をプラスしていくかにある。

ポイント
・運動機能を構成するすべてのもの(筋力・筋持久力、柔軟性、心肺持久力、体組成)の調和を考慮する。
・上半身、下半身の筋力向上のためにバランスのとれたエクササイズを選択する。
・各関節を取り巻く筋肉をバランスよく強化するようにエクササイズを選択する。
・からだの各部位を全身の一部ととらえてエクササイズを行う。
男女の違いはあまり考慮しないが、女子用なら上半身や上肢帯を重点的にきたえるのがよい、
男女の成熟と成長の違いは考慮すべき。

レジスタンス・トレーニングの目的を明確に
・筋力・パワーの強化
・筋持久力の強化
・運動動作にかかわる神経系の発達
・年齢にあった体重の増加を図る
・年齢にあった筋肉の増加を図る
・体脂肪を減らす
よく練られたレジスタンス・トレーニングなら、ここにあげた目標をすべて達成することが可能。
ただし、子どもの年齢や体の変化で制約がでることがある、

鍛えたい筋肉はどれか
一般的なトレーニングならからだの主要な筋肉と関節の運動に不可欠な筋肉に対しておこなうものでなければならない。
短距離走など目的があるなら大腿の前後ろなど特定の筋群を鍛える必要がある。

スポーツに必要な筋肉の収縮
筋肉の主な動きには、等尺性収縮、等張性収縮(短縮性就職、伸張性収縮)がある。
これらを組み合わせたトレーニングの方が効果があるとされている。

スポーツに必要なエネルギー機構
運動は、有酸素運動(マラソンのような長いもの)から無酸素運動の間に分布している。
無酸素的な運動は筋肉の収縮の度合いは高く、活動時間は短く(数秒)
有酸素的な運動は筋肉の収縮の度合いは多少穏やかで、運動時間は長い(4分から数時間)
両者の間に乳酸系の運動があり、筋肉の収縮の度合いは最大に近く、時間は短いから中程度(15秒から6分)
となる

スポーツで起こりやすいケガ
一般的にケガがおこりやすいのは、ヒザ、肘、肩、首、足首
子どもは骨格や筋肉が未熟であるので、特有の怪我(成長なん骨損傷)などがある。
上半身の筋肉はほとんどの子どもが弱い。
弱い部分を強化するプログラムを組む。
怪我をしないように機能的能力を考慮する。

成長なん骨の損傷
成長なん骨は結合繊維の一種、
3つの部分があり、
長骨の成長板あるいは骨端なん骨といわれるぶぶん、
骨に剣が付着している骨端付着部といわれる部分
関節の上にある軟骨で関節軟骨といわれる部分
思春期の骨が硬くなる前に骨端軟骨が損傷すると、その後骨の成長に影響する。
これらの損傷は、単純な怪我、重症、ちいさな怪我を繰り返すなどの硬いで起こる。
レジスタンス・トレーニングでおきるほとんどの成長なん骨の損傷は、頭上へ最大に近い負荷を拳上する場合におきている。
子どもが小さいうちに激しい運動をしていると成長なん骨損傷がおきることがある、
レジスタンス・トレーニングでバランスよく筋肉を鍛えることが予防になる。

思春期前の子どもは下背部の筋肉や脊椎がまだ十分に発達していないために、
大人に比べで下背部の痛みや怪我がおこりやすい。
子どもの身体が一気に成長するとき、多くの子どもが脊柱前湾症になる。
大人も子供も下背部に問題があると重大な障害を引き起こす可能性がある。
レジスタンス・トレーニングで背中に問題がおこるとすると、下背部の筋肉や靭帯をひっぱったりねじったりしたのが原因で、
多くの場合最大負荷をもちあげようとして不適切なやり方になったときである。
デットリフトやスクワットを行うときには背中をまっすぐにして、脚の力もつかってもちあげるようにすること。
子どもにあっていないマシンを使うことでも起こる。
問題がおきないように下背部と腹筋の筋肉強化や柔軟にするエクササイズを行おう。
負荷は中程度から始めること。

腹部の筋肉はあらゆるスポーツをするうえで重要な役割があり、腹部が弱いとスポーツの上達も限られてしまう。
レジスタンス・プログラムでは腹部を鍛えるエクササイズにも力をいれる必要がある。

上半身の筋肉は子どもはとくに弱い。
上半身が弱いとスポーツ特有の動きに制限がでてくるだけでなくレクリエーション的なものでも難しいことがある。
レジスタンス・プログラムでは上半身のエクササイズに力をいれるべき。

プログラムの組み立て方としては変化をもたせ、興味を持続させるのがよい。
ペリオダイゼーション型プログラムを子ども用に直して行う方法が開設されていた。
負荷や反復回数セット数、休憩時間の組み方を具体的に解説。
週3日、きつさ(重さ)を変えたトレーニングを行うほうほうなどが解説されていた。
筋群を強化するにはひとつのエクササイズでなく複数のエクササイズを組み合わせたほうが、筋力パワーとも効率よく強化される。
2-3週おきに新しいエクササイズをとりいれたり、セッションをひとつおきに変えてみたりするとよい。

子どもの立場にそって、スポーツへの興味にそって、実行可能な計画をたて、スポーツに必要なからだづくりの準備期間を設ける。
筋力や筋持久力だけでなく、心肺持久力機能もたかめる。過密で無理にならないようにする。
レジスタンス・プログラムには回復の要素が必要。
痛みは数日で消えるのが普通だが、そうでなければトレーニングを変えたり、量を減らす。

回復とは身体的だけでなく、精神的な意味(こどもがトレーニングをどう思っているか)もある。
子どもの感情を軽くみず、時間をかけて簡単なことでもきちんと説明しよう。
何の為にエクササイズするのか、痛みはないか、感じていることを話せるような環境をつくる。指導者が一緒にエクササイズできるのが楽しみであることを伝える。

ストレスを感じさせない指導方法
1 負荷の無い、あるいは負荷の小さいエクササイズのやりかたを教える。このおりえーテーション期間はゆったりもうけ、エクササイズをせかさないこと。
2 最初のエクササイズは、比較的軽い付加(12-15RM)を使って1セットだけにする。
3 3-4週間は練習期間とする。簡単な各部位のエクササイズから初めて、次に子どもに合わせて徐々に複数のエクササイズを組み合わせたものいする
4 少しずつ負荷をあげ、セット数を増やしていき、4-5週間後にプログラムのスタートができるようにする。
5 子どもが身体的にも精神的にも回復しているかを観察し、回復しようとする力をうばわないようにする。
進歩は一人一人違う。同じような進歩はみられない。他のことでがんばればよいと教えよう。

子どもは現実的な目標や期待をもつことが大切。
トレーニングの目的は、からだづくり、健康・運動の分野で子どもが持つ可能性をのばしてあげること。
子どもは親や先生コーチから受ける影響が大きいので、常に子供の気持ちを汲んだ慎重な態度で接する必要がある。
スポーツで得られる喜びは勝つことだけではない。努力の結果得られる達成感もすばらしい。
子どもにどの程度の筋力の発達を期待できるかは年齢からでなく、からだの成長の具合で違う。
成長による筋肉の変化からでなく、実際のトレーニングの成果として筋力をつけるには長い時間が必要。

子どもの身体づくりのプログラムは総合的な根ディ初認うgのなかで進めていく必要がある。
レジスタンス・トレーニングだけがトレーニングではない。
トータル・コンディショニング・プログラムに含まれるのは
・筋力、筋持久力の発達を促すレジスタンス・トレーニング
・運動のために心肺機能を鍛える有酸素トレーニング
・柔軟性運動
・敏捷性、協調性、バランス・スポーツに必要なスピードを養うための補助トレーニング
・健康な体のための栄養プログラム
これらを考慮した予定表例がのっていた。

子どもには様々な要素をとりいれたトレーニングが必要。
その過程でいろんな種類の運動に触れる機会をもつこともできる。
1種類のトレーニングでは、子どものからだをトータルに成長させることはできない。



第5章 トレーニング技術の指導
大事なポイント2つ
・子どもたちの進歩や状況を辛抱強く見守ること
・指導内容に対する正確な知識をもつこと。リフティングやすぽっティングの方法が間違っているために子供に怪我をさせることは絶対にあってはならない。

正しい方法をしるためにエクササイズの指示どおり動かし、一連の動作を省略することなくすべて行い
ターゲットとなる筋肉を意識するようにする。鏡を使うかコーチにチェックしてもらう。
本来そのエクササイズで使う筋肉以外を使うとターゲットの刺激が減って効果が半減する。
子どものケガが多いのはプログラムを始めたばかりで負荷に慣れていない時か、負荷を大きくしすぎたとき。

正しいスポッテイング(補助)のチェクリスト
・正しいエクササイズの知識があること
・正しいスポッティングの知識があること
・子どもと負荷を十分スポッティングできる力があること
・子どもが行う予定の反復回数を把握していること
・子どもを常に注意深くみていること
・誤った方法で行っている場合はやめさせること
・けがをしたときの対処方法をしること
補助スタッフが少なければ子どもの数を減らす。

新しいエクササイズを教えるとき
・エクササイズとスポッティングを実際にやってみせてポイントを話す

・子どもが軽い負荷を使ってそのエクササイズをやってみる。ウエイト・プレートのついていないダンベルなど

難しい点やできていない点を指摘しながら軽い負荷で続ける。

フリーウエイトでエクササイズとスポッティングを教えるのはマシンより手間がかかる。
多関節エクササイズを教え、複数の関節で負荷に対するバランスをとることを教えることも大切。
多くのエクササイズを教えると習得が難しくなるので、7から8くらいから始め、そのひとつから3つが多関節エクササイズにする。
多関節エクササイズ・・・スクワットのように複数の関節が関与して数多くの筋群が稼働する運動のこと。
負荷の増加はゆっくりおこなう。
りふたーはリフティングの負荷を下す直前、または下している間に息を吸い、持ち上げていくときに息を吐く。
反復をしている間はこきゅを止めてはいけない。
行ったエクササイズやスポッティングについて子どもの意見を聞く、そしてアドバイスする。
テクニックが正しかったかどうかに反応を示してあげないと、負荷の上昇に伴い、子どものリフティングのテクニックはすぐに低下してしまう。

バイラテラル・エクササイズと呼ばれる両手両足を使った両側エクササイズしか行わないと、強い側が弱い側をかばって、左右の強さに差がでてしまう。左右の差が10%以下が好ましい。
ユニテラル・エクササイズ=片側エクササイズを取り入れて左右の差を縮めるのがよい。
ユニテラルできる種目はニー・エクステンション、レッグ・カールなどがある。

関節周囲の主働筋・拮抗筋の筋バランスも大切で、大腿四頭筋を鍛えるなら同時にハムストリングスを鍛えることが必要になる。

適切な監視の下で行われるレジスタンス・トレーニングにでは怪我がおこることはほとんどなく、あるとすれば筋肉痛くらいのもの。
怪我のおこるときの原因としては
・扱うウエイトが重すぎる
・誤ったリフティング手法を用いている。
・マシンを使う際、手と足の位置が間違っていてペダルやハンドルから滑り落ちてしまう
・マシンのチェーンやぷーりーの部分、ウエイト・プレートの間に手を挟んでしまう。
・反復運動終了時にマシンのウエイト・スタックを落としたり、フリー・ウエイトを落としたりする
・スポッターがきちんと見ていない
・施設の中で決められたルールを守れない
・エクササイズの最中にベンチや器具の一部がくずれてくる
・カラーを使わずにフリー・ウエイト種目をおこなう。
対策として一番近い病院や救急車の番号を用意したり、両親の連絡先などを抑えておくこと。

マシンには動きの方向やレベルが一定に制約されているので、負荷の方法やバランスに気をとられる必要がないという利点がある。
フリー・ウエイトでは負荷のバランスをとる能力を発達させることができる。
よいプログラムは両方の利点をとりいれる。
大人に関する調査ではスクアットのようなフリー・ウエイトのエクササイズの方が、レッグ・プレスマシンのエクササイズよりも垂直跳びの記録が伸びたとある。理由は、スクワットの動作が垂直跳びの動作に近いからと考えられるが、両方とも垂直跳びの記録をあげることは間違いない。

トレーニングマシンの種類
・バリアブル・レジスタンス・マシン・・動作中、筋が発揮する力の変化に応じて負荷を変えられるマシン。しかしどもの強度曲線にあわせるのは不可能。
・アイソキネティック・マシン・・・どの関節角度でも運動速度を一手にたもち、その速度における最大の筋出力でトレーニングができるとされるマシンのこと。

マシン・トレーニングをするなら、器具が子どもにあっているかがもっとも重要。すわるところにパッドをしいたり、足元にブロックを置くなどして調節しよう。
安全がなにより重要である。負荷をあげるときも、大人の一段階は子どもには大きすぎることがあるので注意。

レジスタンス・トレーニングの器具を選ぶポイント
・器具が子どもにあっていない場合、安全に使えるような状態で調整可能か
・器具を購入する場合、各器具がターゲットとする部位ごとで値段はどうか
・器具を購入する場合、主要筋肉のエクササイズ用の器具類すべてで値段はどうか
・器具を購入する場合、保証期間はどうなっているか、保証でどこまでカバーできるか
・器具の品質に問題はないか、丈夫に組み立てられているか
・負荷の調節方法は簡単か、増量は子どもにあわせてできるか

レジスタンス・トレーニングの付属品について用途などを解説
・ウエイト・トレーニング・ベルト
・ウエイト・トレーニング・グローブ
・ウエイト・トレーニング・シューズ・・・土踏まずのアーチを強化し、しっかりと足にフィットして靴底は滑らないように作られている。

指導のポイントが再度あげあられていた。
器具を正しくつかい、急激に負荷をあげない。正しいエクササイズやスポッティングの知識をもち、実際にやってみせて話すなど。



第6章 レジスタンス・トレーニング
それぞれのエクササイズについて、鍛えたい筋肉と、開始姿勢、スポッティングや安全面の注意、動作を分で解説したものとイラストがついている。
パートナー・エクササイズ・・・・アーム・カール、バック・スクワット、ラテラル・アーム・レイズなど
チューブ・エクササイズ・・・アーム・カール、シーテッド・ロウなど
あとは部位別になっていた、その筋肉を使う運動と、エクササイズの注意がのっている。
肩周辺・・・ラテラル・ショルダー・レイズなど
ローテーター・カフ(回旋筋腱板)・・・ショルダー・インターナル・ローテーションなど
上腕三頭筋・・・スタンディング・バーベル・トライセップス・エクステンションなど
肘の屈筋・・・自抵抗によるアーム・カールなど
胸部・・・ダンベル・フライ
前腕・・・グリッピング・エクササイズなど
下背部・・・ライティング・バック・エクステンションなど
腰痛を防ぐエクササイズ・・・ニー・ツー・ショルダーなど
腹部・・・シットアップなど
多関節を使った上半身のプッシュ系エクササイズ・・・バーベル・べはインド・ザ・ネック・プレスなど
多関節を使った上半身のプル系エクササイズ・・・バーベル・ベントオーバー・ロウなど
単関節の下半身エクササイズ・・・・レッグ・カールなど
多関節を使った下半身のエクササイズ・・・自重によるスクワットなど
トータル・ボディ・エクササイズ・・・バック・スクワットなど
バリスティック・オーバーヘッド・リフト・・・反動を使ってバーベルを持ち上げる非常に高度なエクササイズ
バリスティック・トータル・ボディ・エクササイズ・・・ダンベルを床からもちあげて頭上にあげるエクササイズ、何段階かで解説している。



第7章 体力づくりとスポーツのための筋力トレーニング・プログラム
こどもが小さいうちから特定のスポーツをやらせるのは考えもの。
子どものためのレジスタンス・トレーニングは体のあらゆる主要な筋肉に働きかけるエクササイズになっているのが望ましい。
親やコーチは子どもにとって無理があり難しいプログラムを押し付けてしまうことが多い、こなせたとしても精神手kに無理があることが多いので、コミュニケーションをとりながら、プログラムの目的を一緒に考えることが必要。
子どもに自分に打ち勝つことの大切さを理解させ、自尊心を高め、目的を達成して体力的成長も実りあるものにできる。
プログラムに子どもが期待する効果は大人とは違う、なんらかの形で褒美を与えたりほめたりして満足感をあたえるのが重要。
紹介するプログラムは基本的ガイドラインなので、子どもにあわせて不要なものを除き、必要なものを負荷すること。
ひとりひとりにあわせることで、子ども達はプログラムに熱心に取り組むので効果的になる。
変更可能な要素は、子どもの適応能力やトレーニングの成果を反映させることができる。現状を知りプログラムの内容を変える。
子どもがどう感じているか常に把握し、日々の計画や週単位の計画にとりいれること。

シーズン別トレーニング
オフシーズン・・・総合的な筋力と筋持久力の強化、トータル・コンディショニングとバランス・プログラムが特徴、回復に必要な休憩をとりつつ、エクササイズの許容量を高める
プレシーズン・・・競技特性に合わせて筋力やパ話、筋持久力を高めるためのプログラム、6-12週間
インシーズン・・・オフ・プレで高めた体力レベルを維持。怪我をおこしやし関節とその周辺の部位に注意した内容になる。

活動的な子供向けのプログラムとして、プログラム例がのっていた、
基礎エクササイズ、応用エクササイズ、注意事項がのっており、
サーキット法、あるいはセット法で行う。
最初の2-3セッションでは1セット、次の2-3セッションで2セット、プログラムの全体像を描きながら3セットずつ行う。
セット間にはあらかじめきめられた休憩をとる。
自重とパートナーを使ったバージョンと、器具を使ったバージョンがのっていた。

あとはスポーツ別に、強化する能力と、オフシーズン、プレシーズン、インシーズンのプログラムがのっていた。
プログラムは、基礎、けが予防、応用、注意事項にわかれている。
野球、バスケ、長距離走、アメフト、体操、アイス・ホッケー、ラケットスポーツ、サッカー、水泳、陸上(跳躍)、陸上(投擲)、陸上(スプリント)、バレーボール、レスリング


ジュニアスポーツのための筋力トレーニング―小学生から高校生まで今すぐ始める体力向上エクササイズ

ジュニアスポーツのための筋力トレーニング―小学生から高校生まで今すぐ始める体力向上エクササイズ

  • 作者: ウイリアム・J. クレーマー
  • 出版社/メーカー: 森永製菓健康事業部
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 大型本



ジュニアスポーツのための筋力トレーニング(本)【ウイダー】ジュニアスポーツのための筋力トレーニング(本)




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:育児

子どもを伸ばす音読革命―ぐんぐん国語力がついてくる驚異の「日本語一音一音法」 [子育て]

著者は、家庭教師で、自身のことを受験屋とよんでいた。
それも、できない子を、できるようにして合格させる家庭教師なのだという。
その試行錯誤の過程で発見し、著者なりに研究した音読法の本。

今の国語教育には、言葉を使うことにおける根源的な力、話をきいたり、人につたえたりする、
直感的で、感受性の高い国語力(すべての学習の根幹)をつけることが欠落している。
それなしに、意味ばかりを追わせても、言葉をあやつる能力は向上しない。
それを身につけるには、一音ずつの音読で古典のテキストを読むのがよい(特に小学校低学年までに)
抑揚はつけず、一音ずつ区切って、大きな音で読むのが、著者の音読法。CDがついている。

きっかけは、中3のクラスでビリから2番目の成績の子どもの家庭教師につき
(大抵は東大卒の家庭教師が匙をなげた後が多いそうだ)
とりあえず教科書をよませたが、まったくよめず。
しかたなく、自分の後をよませて、教えると、なんとかなるが、次回にはほとんどもとに戻っているし、
しかも、初めて読む文章はまったく読めない状態。
そんな彼が、古文の時間にしかられて、次回までに練習しろといわれたというので、
徒然草を音読させてみると、切れ目がさっぱりわからないようだったので、一音ずつ音読させてみたら、
意味がわかったような気がするといって、うまくいった。
授業でも褒められた。
そして、徒然草を読んでからは、徐々に他の教科の教科書もよみこなせるようになり、
明治大学に合格できたという。

その後、できない子は国語力が圧倒的に不足していることに気が付き、
音読を突破口に、多くの子どもの学力をのばしてきた。
そして法則にきがつく。
竹取物語を音読させると枕草子が読めるようになる
能の子役も一音読みだった。
つまり、我々の言語は、それまで使われていた言葉の延長線上にある。
特に、その根幹部分、「助詞」「助動詞」の用法において特に顕著に作用する。
我々の読む現代の作家の文も、親の話し言葉の影響をうけていたはず、
つまりそれ以前に成立した文章を作家が咀嚼してつくる。
だから、前の時代に広く用いられた古典テキストの影響が強い。
徒然草は江戸時代に寺子屋で広く音読された。
兼好法師は源氏物語や枕草子を音読していたはず、
そうしてたどりつくと古今集が、そしてその前は万葉集が音読されていたはず。
今の歌会始をみてもわかるように、一音よみで皆に聞こえるように歌を披露していたはず。
というわけで、徒然草の音読で、日本語の理解ができるようになる。

さらには「カタカムナ」というものがあって、
これは上古代語で、起源は紀元前5000年以前にさかのぼるとか、
友人にたのまれて、これを一音法で音読すると、美しく感じるし、意味がわかったような気がする。
それを生徒にためすと、カタカムナを一音法で音読させると、万葉集もよくわかるようになる。
自分の子どもが2歳のときにためしたが、日本語のニュアンスの感受に優れた読書好きな子供になったという。

このように一音音読は素晴らしい効果があるのに、国語で音読はほとんどしない。
国語の先生にも音読の能力は求められていない。

一音音読法を使って国語力を高めると、単にテストで良い点をとるだけでない、
聞いてよくわかる、自分の考えを人に伝える能力が向上する。
言葉を使うことの根源的な力がつくのだ。当然学習能力全般が向上する。

国語ができる=アマタがよい=支配者がわに回ること。

学力低下の真の原因は国語力の低下

日頃使い慣れてきた言葉を直されるのはいやでも、
古典に接すると美しい言葉の存在を確認し、自分たちの言葉を見直せる。

国語ができるとは
・他人の話をきいて理解し、自分の言葉で見解を適切に述べる
・他人の書いたものを読んで理解し、自分の言葉で的確に記述する
しかし、今の国語教育では、できるようにならない、
できるのは親が国語ができる人たち=エリートなのである。

10代の若者が切れるのは、国語力が不足して自己表現ができないから、
他人に認められたいおもいが暴走しているのだ。

教育が荒廃しているから若者が育たないのではなく、文化が低迷しているから教育が荒廃しているのだ。
しかも、大人がそのことに気が付いていない。

日本は世界に類のない豊かな自然環境ももっている。
これほど繊細な文化を生むのによい環境はない。
次世代に残すべきは、豊かな自然環境と、美しい日本語である。

日本語は音読すると本当に美しい言語。
他に似ている言語がない。
日本語はあらゆる言語を取り入れ、あらゆる言語を翻訳するkとができる、
許容力の大きな言語である。

日本語は了解するのは難しいが、感慨をもつのは簡単。
感性にうったえかけるのにすぐれた言語なのだ。

日本語は「意味」よりも「気持ち=直感」が大切な言語なのである。
きくより感じることに日本語の本質がある。

アタマが悪いのは単なる習慣。
赤ちゃんは皆学びの天才。
習慣は大きく二つ
・ある事柄が容易にクリアできなくてそこでコンプレックスがうえつけられること
・その学習をさけるようになり、身につかなくなった状態が改善されず、定着してしまう。
もし、その事柄が次の何かの基本的要素になるなら、学習の版でⅡなってしまう。
デキナイという思い込みが能力を抑制してしまう。
できないと子どもを叱るのは愚の骨頂。
いつかできると思わせること、なるべく手をかけず、自分でできたと思わせることが有効。
自由に歌わせれば音痴になる人はいないが、教育をすると音痴になるひとがでるそうだ。
子どもは話し出すまえから親の言葉をきいている、子どもがなにか言い始めたら、手回しよく理解しないで、
ゆっくりしまいまで聞いてあげること。
それで、子どもの国語力が向上する。

世阿弥の「花伝書」によると
子どもに教えるには強制してはならない。
自然とし始めるのをまって思いのままにさせるようにしなければならない。
間違っても高級な大人の芸の真似事をさせてはならない。、
そんなことをすれば一番大切なものが死んでしまう。
と、かいている。
つまり手本をきかせて、子どもが覚えて自然にやり始めるのを待つことが大切で強制は禁物。

幼児期は自然にできるようになることを願い、本人を褒めて励まし続けるのが良い。
できるだけ「遊び」の硬いで習得させるのがよい。

読み聞かせをするときには、一音一音切って、助詞・助動詞が確実に伝わる発声をし、
ゆっくり読むのがよい。感情移入はしないほうがいい。

子どもが読み始めても、文字を続けて速くよめるようにすることを要求せず、
読んだら褒めて、いい気持ちにさせて繰り返させよう。
子どもはやがて前後を上手に結びつけながら読むようになる。

絵本を読むときも、まず絵をみせて、想像させて、子どもが説明をほしがるのを見計らって
淡々と文字を読んでやるのがいい。求められれば繰り返す、これで定着力がつく。
大人が不必要な力を課さなければ子どものアタマは発達するはず。
親が上手に言い聞かせるように読んでやって「わかった?」と問うなら本を味わう喜びは薄れて、
イメージをする力、定着する力がつかない。
一生懸命理解させようとすると、子どもの能力をうばいとる。
一緒に楽しんで繰り返して。

朗読については難しすぎるとかいていた。

この本で、多くの国語コンプレックスの子どもが救われること。
通常のテストで測れない天才が出現すること。
キレる子供たちが自己表現できるようになることを希望する。


CDの中身
説明以外は、すべて一音よみ
「よこはま・たそがれ」・・よこはまたそがれホテルのこべや
「竹取物語」・・・いまはむかしたけとりのおきなというふものありけり
「船弁慶」・・・そのときよしつねすこしもさわがず

母音の発声
あ・・・・あっと驚くのあ。口を一度最大まであけて、骨格的に把握してから、少し小さめに大きくあけて発声
い・・・あの状態から左右に大きく口を引きさいた状態。ないがしろにされている母音なので気を付けて発音
う・・・口を前に尖らしてしっかり止めたう。
え・・・いの状態から口をやや縦に開いて主に口腔内の上部と舌を使って出す。鼻にも抜ける
お・・・両手を頬にあてて「ほほ」といった形がお。

あいうえおの発音。

同様にわいうえおの発音(いうえは違う字)

同様にハ行

この3行が基本、口を絶えず動かして大声で行う。

カタカムナの音読
ヒフミヨイ マワリテメグル ムナヤコト アウノスベシレ カタチサキ
ソラニモロケセ ユエ(ワ行)ヌオヲ ハエツイ(ワ行)ネホン カタカムナ

万葉集から雄略天皇の歌

古今集仮名序

枕草子・・だんだん早く音読、普通によんでも一音区切りを意識しているそうだ。

徒然草

にごりえ

かにむかし

すべて著者の声で録音されている。講義ぶぶも。
もっと声のキレイな人、若い人にやってもらいたいといっていた。



子どもを伸ばす音読革命―ぐんぐん国語力がついてくる驚異の「日本語一音一音法」

子どもを伸ばす音読革命―ぐんぐん国語力がついてくる驚異の「日本語一音一音法」

  • 作者: 松永 暢史
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2001/10/01
  • メディア: 単行本




タグ:松永 暢史
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び

東大脳は12歳までに育てる! [子育て]

著者は普通の主婦から自宅での幼児教室を経て、コーチングとインプロを使った企業研修の会社をおこし、
一人息子が塾なし、滑り止めなしで東京大学理科Ⅱ類現役合格したのを機に、
子育てのノウハウとコーチングをミックスしたプログラムを確立。

この本はその子育てについて書いた本。自身を教育ママだったとふりかえっている。
しかし、子育て中はとくに周りと変わった子育てをしている自覚はなかった。
その後コーチングや認知心理学、脳科学を勉強して、自分の子育てのどこがよかったか分析すると
思い当ることがあったという。

ポイントは3つ
・小さいころのかかわりと幼児教室
・小学校期にやってきた言葉かけとコーチングの根拠になる知識
・中学以降の「何もしない」関わり方と母親自身のあり方
そして、子育てに正解はないので、できることをあなたらしくやればいい、
子どものために犠牲になる必要なんて全然ない、おおらかにお母さんであることを楽しいでいい、
それが子どもの自立につながる。

東大脳・・・著者が命名した自分で勉強し、夢をかなえられる脳のこと。


12歳までは十分関わり、自分のことは自分でやれる子どもに育てて中学以降は自分の道を自分で決められるようにする。
3ステップ
・6歳までに日常生活で五感を刺激して、よく働く脳を育てる。
・12歳までに、親からの言葉かけやかかわりで子どもが自信をもてるように働きかける。
・13歳以降は子どもを信頼し、安心して手放す。

塾に行かなければ合格しないなどの脅迫めいた考えに縛られるのは間違い。
著者の息子は私立の中高一貫校にいったので、小5から2年間塾にいって、月謝2・5-3万円
高校3年生では特待生で授業料はタダ。
塾にはいかないで通信教育が年間20万円だったという。
お金をかけなくても東大脳はできる。情報に流されないでほしい。


Part1母親がかならずもちたい7つの視点
・心配は必ずしも子供のプラスにならない。よくないイメージをうえつけてしまうことも。
 ポジティブなイメージがもてる言葉をかける
 「必要なものは全部そろっているわね」「もうちょっとがんばればきっと大丈夫よ」
・子どもと親の幸せは違うことを知る。
 子どもにとって幸せな人生は、子ども自身の価値観に基づいて、自分の能力を最大限に発揮しながら生きること。
・普通ではないことを喜ぶ。
 まわりにいる子たちと違ったり、親の価値観からは考えられないような行動をしていたとしても、それを「すごい」と喜ぶ。
 それが才能を伸ばすことにつながる
・親らしい親になろうと肩肘はらない
 しっかり子育てしなければという強い義務感は、子どもと自分に完璧を求めてしまう。子どもが委縮してしまうことも。
 それより、素直で子どもに感謝する親がいい、子どもが自分でがんばり成長するので。
・「聴く」を徹底する
 親に話をしなくなる理由「言ったことを否定する」「友達と比べる」「最後には勉強しろという」
 「途中で口をはさまない」「親の意見をいわない」「ひたすら相槌とうなづき」で聴く、
 ありのままを受け止めると、受け入れてもらえた安心感と前進する勇気がうまれる。
 中学くらいになると、話したそうにしていることがあるもの。そのときはひたすら聞きましょう。
・子どもの夢をあたたかく見守る
 夢は変わっていい、変わるといけないから夢をもたないはダメ。
 子どもの頃やりたいことをやらせてもらった経験は大人になっても前向きに挑戦する力になる。
 著者の子どもは中学のはじめは弁護士や検事になりたいといっていたが、その後クローンの研究をしたいといい、
 最後は獣医を選んだそうだ。
・母親が自分の人生を輝かせる
 子どもは親を尊敬したい。自信のない母親からはかっこいい大人像は想像しにくい。


Part2 子どもにかならずさせたい5つのこと
・好きなことに熱中させる
 評価や価値観を抜きにしてプラス思考でみてあげて。得意なことを伸ばせば、不得意なことも伸びてくるもの。
 わが子がもっとも力を発揮できることは何なのか、そこに焦点をあてることがゴールへの近道
・自分自身で決めさせる
 ちいさいころから自分で考えられるようにして、小学校以降は自分できめさせるようにする。
 目標があるかないかで人のやる気は変わる。
 小学生になったら、将来何になりたいのか、どんな大人になりたいのか、やってみたいことは何なのか、
 なぜそうなりたいのか、なぜそれをやりたいのかとセットで聞いてみよう。答えがなくても考えるだけでいい。
 そして、どんな答えも否定しないこと。なにかいうとしたら提案で。
・選択肢を与える
 自分で決めるといっても、まだ人生を数年しか生きていない子どもにはしらないことは多い。
 その中ですべてを決めることは可能性を閉ざしてしまうことも。
 その場合は選択肢を示し、選ばせる。
 自分で選択することは責任感につながる。小学生のうちから選択肢をしめして自分で決めさせ、
 責任は自分にあることを理解させることが大切。
 著者の息子は小4で始めた野球を「やめたい」といいだして、他のことをがんばりなさいといったら、
 勉強をがんばり、受験をえらんだという。
 親も、自分の選択の責任をとろう、塾の先生のいうとおりにしたからと、先生を責める姿を子どもにみせたりしていませんか?
・できるかぎり自分で取り組ませる
 ひとりでやらせるのは、学校も、宿題も習い事も全部自分の為にやっていることを自覚させるため。
 学校や勉強の目的を親がいってもお説教。「学校へいかなかったらどうなると思う?」と自分で考えさせましょう。
 答えには口をはさまず、そのまま繰り返して、間をおいて「本当にそう思う?」と聞きましょう。
 著者は塾の主催する勉強のすすめかたなどの説明会は一切いかなかったそうである。
・自分できけるようにする
 自立にむけて「わからないことをわからないとその場でいえること、教えてくださいといえること」が大事。
 親が過剰におしえず、親を頼らないようにしましょう。子どもの自立に必要です。
子どもを手放すために、子どもが小学校にあがって、自分のことは自分でできるようになったら、
お母さんは自分の将来を考えましょう。
中学の入学式で校長先生に「お疲れ様でした、お子さんを手放してご自分の世界をお楽しみください」といわれたそうだ。


Part3 6歳までにやっておくべきこと
・日常生活でたくさん五感を刺激して、情報をインプットすること。
・1歳までにニューロンを育てるのに刺激=目で見る、耳で聴く、手で触る、匂いをかぐ、味わうをたくさんやっておく。
・赤ちゃんができたらお母さんが幸せな気分で過ごす
著者は、日常生活でもなるべく話しかけてモノの名前を覚えさせるようにしたり、おやつのボーロを数えさせていたという。
・童謡をたくさんきかせる
・芸を覚えさせる。言葉に反応して動ける脳をつくる。ひとに披露するとみんなが楽しく脳も発達する遊び。
・考える力は遊びや運動で鍛える
 インプットした情報から新たなアウトプットを作り出す力が考える力。
 モノの名前や数をインプットするだけでなく、お料理や絵本の読み聞かせでアウトプットしましょう。
 材料から想像や創造ができる考える脳はリアルな体験からできあがる。
 体験の中で五感をフルに使い、感受性を豊かにすることが、生きる力になる。
 遊びや運動、あらゆる方面からの刺激を意識的に与えましょう。
おじいちゃんい遊んでもらうのが一番!気長に楽しく遊んでくれるから。
・お勉強の基礎は読み書きそろばん
 「読める」「わかる」「イメージできる」「書ける」「数と数字が結びついている」「数の感覚がみについている(計算できる)」がすべての基本。
 これができないと東大脳どころか、学ぶ、考えることができない。
・読み聞かせは脳の発達に最適
 0歳でも早すぎない。言葉の数が増える。文の作りが音としてわかる。想像力を育てる、感受性をゆたかにするとう効果がある。
 言葉のインプットだけなく。期待する→イメージする→感情を表現するという力をつけさせることができる。
 棒読みでなく感情をこめてよみましょう。
 何度も同じ本を読んでOK。そのうち子どもがリクエストしてきます。
 著者の場合は1-3歳まで毎日3冊、多いと10冊、時間帯は寝る前だったけど、いつでもいい。
 感情をこめて、イメージしやすい表現で、楽しみながら読むのが大切、
・読み聞かせの次にすること
 言葉をたくさんインプットする→文字をひとつずつ教える→単語単位で言葉をみせる→たくさん読み聞かせをして助詞や助動詞を含め、文章の流れかを音から感覚的にみにつけさせること。
 これを同時進行でたくさんやっていく。
・数の感覚を養おう
 数えられること、瞬時に数がわかるkと、数字と数が結びついていること、5の塊、10の塊を基準にして数量を認識できること。
 計算式が実物の数量としてイメージできていないと計算できたことにならない。
 小さいうちから意識的にいろんな角度で数多く働きかける。段階をふんでトレーニングさせることが、計算に強い子、算数のできる子をつくる。
 著者のおすすめは、トランプとすごろく。ドッツのカードや数字のカード、プリントなどよりおすすめだそうです。
・幼児教室・教材の選び方10カ条
 子どもが喜ぶ、明るい、先生の教えに共感できる、子どもが好きになれる先生、子ども達が生き生きしている教室、先生が親の相談を受け入れてくれる余裕がある、親の性格とあっている、続けられる仕組みのある教材、フォローがまめにある教育システム、近くに同じものをつかっている、あるいは相談、励まし合う仲間がいる教室
 教材はそれぞれ素晴らしいが、問題はやれるか。
 何よりも本人が喜んでいけるところかどうかが大切。、
・幼児教室に通う際の10の心得
 何のためにかようのか、ゴールはどこかはっきりさせる。お友達と比べない、親が競争しない、昨日よりできたことをほめる、能力別進度なら先にすすむことにはこだわらない。上から引っ張るのではなく寄り添う、応援する。嫌がったら言い分をよくきいて心のフォローを。先生があわないと思ったら潔くやめるか、変える、まわりの声に流されない。教室や先生まかせにしない。
 子育ての目的は「こどもがしあわせな人生を生きられるようにサポートすること」「子どもが自立できるように見守ること」
 著者自身が幼児教室に通わせていた時の失敗談。おやつを決まった時間に与えるを教室でも貫こうとしてケンカになった。

Part4 12歳までにやっておくべきこと・・・小学校期の言葉かけ
・12歳までに子供に自信をつけさせる
 親自身が毎日を楽しんで生きる、子どもを認める言葉をたくさんかけてあげる
 子ども自身が自分を認められるようになる
 いろいろなことにどんどんチャレンジできる。
・人は潜在意識に動かされる
 顕在意識:潜在意識=1:9くらいといわれている。
 潜在意識は過去の体験から出来ている。→思い込み→なのに現実を思い込みにあわせてしまう力がある。
・キーワードは時分に対するいい思い込み
 セルフイメージ=自分で自分のことをどんな人だと思っているかということ。
 周りのひとからの言葉でセルフイメージができる。
 いつもの自分(セルフイメージ)が快適ゾーン。いつも60点だとそこが快適ゾーンになってしまう。
 なりたい自分をリアルにイメージして、なりきった状態になると意識、脳がそれにあわせて行動を起こす。
・親が子供の可能性を決めている
 いつもの口癖が子どもの当たり前になる。
 思い込みは自分で気が付いていないので事実でないこともたくさんある。客観的にみてみて
 子どもにさせたい生活主観、いさせたい環境を親が作ろう。
・子どもの人生は親の声掛けで決まる。
 子どものセルフイメージは親やまわりの人が子どもにかけている言葉でできあがっている。
 こどもに「こうなってほしい」と思ったら、「そうである」と信じて言葉をかけること。
・子どもを伸ばす「ほめる言葉」「信じる言葉」
 小学校期にもっとも大切な親の役目はセルフイメージを高めること。
 できる、うまいを前提にプラスな言葉をかけましょう。
 うまくいかなくても次にうまくいくのを信じてあげましょう。
・子どもを安心させる言葉
 ほめるところがないと思う人は期待値が高い。できたとこまでをほめましょう。
 人間は「人から認められたい」と常に欲求をもっている。
 認めるのはほめるだけでなく、存在を認めることもある。
 あいさつ、あるいは目をみてはなしたり、だきしめたり、存在を認めることになる。
 成果があらわれないときには、努力をみとめることも大切。
 見守られている安心感から子供は自分の力を信じてのびのび成長できる。
・子どもの心を動かす伝え~
 YOUメッセージは強烈。よく選んで話そう。決めつけになることもある。
 Iメッセージは、決めつけをやわらげ、自分の意見として話すことができる。
 人の役にたつ喜びは、人生が豊かになるので、ぜひ子どもに教えるべき。
 WEメッセージ、子どもの行動が大勢の人たちに影響を与えていることを伝える表現。
 子どもがよくできたとき、望ましい行動をしたとき、夢や目標を語った時には、ぜひIメッセージで感情を表現して。
・子どもの心を代弁してあげよう
 子どもが話してきたのは、それが印象に残った、心が動いた、感情がともなっているはず。
 感情に興味をもち、それを代わりに言葉にだしてあげよう。
 「学校で○○くんにいじわるされた」→「そうか、それは嫌な思いをしたね」
 ここで、「○○くんはいけない子だね」などと親の評価を伝えると、子どもの心は緊張する。
 いったん気持ちをくみ取って代弁した後で、「で、どうしたの?」「どうしたらいいと思う?」「ママに手伝えることある?」と
 聞いてみよう、安心した子供は落ち着いて自分で答えをだせるようになる。
 親から愛されているという安心感と自信が、子どもが前向きに生きていくための力になる。
・叱らずに反省させる言葉
 よくないことをしたとき、親が感情任せに怒ったり、一方的に批判すると、子どもは余計に反発する。
 「なんて悪い子なの」とうYOUメッセージは子どもの心を傷つけるだけでなく、セルフイメージを低くしてしまう。
 子どもが悪いことをしたのを知った時には、非難ではなく、親としての気持ちを伝える。
 第一次感情→悲しみ、がっかり、寂しさ、くやしさ、恐れ、不安などの感情
 第二次感情→腹が立つ、頭にくる、ムカッとする
 本当は悲しいから腹が立つのです。第二次感情をそのまま相手にぶつけると、相手も怒りで返す。
 第一次感情で伝えるのが大事。腹がたっても、自分はなぜ腹がたったのか?むきあうことが大切。
 自分の心が一番扱いにくい、日々精進して。
・わが子の可能性を信じる親ならば、子どもがよい成果をだしたら「やっぱりね!」と言い、
 思い通りにならなかったら「たまにはね」と言おう。
 できる自分が当たり前の快適ゾーンになる。
・絶体言ってはいけないこと。子供の夢や思いを否定すること。
・小学校で楽しく勉強するコツ
 勉強するのが嫌いなのはわからないから。
 人にはもともと、もっと知りたいといういう知的好奇心、もっとうまくなりたいという向上心が誰にでも備わっている。
 人の究極の喜びは、「自分が成長できた!」と感じられること。
 人の行動は、うれしい、楽しいといった「快」の感情を得る為に自然に起こる。
 「できた!」を味わい続ければ、勉強もすすんでやるはず。
 小学校で楽しく勉強するためには、勉強が「わかった!できた!やった!うれしい!」の連続にすること。
 そうすると自信もうまれる。
 まずはたくさんの言葉を覚えて日本語を理解すること。そこからイメージできるようにすること。
 そして数の感覚を身に着けること。国語と算数の基礎が一番大切。
・勉強するクセは低学年のうちにつけておく
 勉強が得意な子でもやりたくないときもある。一番大切なのは「クセづけ」。
 小学校低学年までに、歯磨きと同じようにクセをつけてしまいましょう。
 一日15分でいいから、毎日やることと、やる量をきめること。時間をきめることです。
 勉強をやりたくない気分のときは、少しでもやって後回しにしてもいい。でも次は量を増やす。
 親の気分でやらないことを許したりしないこと。
 また、今日の分が終わったのに追加しないこと。
 やらないと気持ち悪いという回路をつくるのが東大脳。


エピローグ 中学・高校期に必要な親の6つの心得
・母親は「うざい」存在だと心得る。
 反抗期に「うざい」と言われたら、とっとと引き下がる。
 思春期の子どもにとって、親は子ども同士で解決できない問題が起こった時の最後の砦。
 家は子どもが誰にも気を使わず、一番じぶんらしくいれて、ホッとできる場所であればいい。
・子どもに依存しない
 子どもは私のしあわせの一部と考え、それ以外で自分自身のしあわせは何なのか、将来をみつめてみよう。
 子どもに尽くしても、子どもが親無しでしあわせをつかめなくなるかも。
・手出し、口出しは一切しない
 この時期、日々の生活のなかで一人でできないことはほとんどない。
 思春期は親が「うざい」から口をだすとさらにうざくなるから
 子どもを信じる言葉と、いざというときは助けるよというメッセージだけを伝えて、親は親の目標に向かって進もう。
・無理に子どものペースにあわせない
 受験にあわせて制約をくわえたりしない。逆にプレッシャーになったりする。
 方向は違っても親は親の課題にむかって一生懸命である姿をみせればいい。
・子どもは自分を超える存在であることを信じる
 親が子供の未来に対して抱いている願望やイメージは、あくまで親自身の人生の枠の中で考えたもの。
 親が子供のことを思って与えているつもりの無難な結論やアドバイスが、子どもの可能性を閉じてしまうことがある→ドリームキラー
 子どもの意志とは関係なく、親の価値観で子どもの未来を決めてしまうことは、子どもの無限大の可能性を引き出すことにはならない。
 著者が中学高校時代に子供に一番かけた言葉は「すばらしい」
 子どもの可能性を最大限発揮されるには、「わが子は自分よりもできる存在だ」と信じること。
・大学にこだわらない
 東大に入るのは、夢を実現させるためで東大で学ぶのが目的ではない。

子どもを信じて手を放し、自分の夢をもちましょう。
著者は、子育てがキャリアになる日本を目指すこと、だそうだ。


東大脳は12歳までに育てる!

東大脳は12歳までに育てる!

  • 作者: 谷あゆみ
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2010/05/21
  • メディア: 単行本



nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:育児
[PR]Kindle ストア ベストセラー

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。