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[PR]本のベストセラー

不動産投資 家賃収入&売却益 両取りのルール [資産]

2014年5月に出版された本。
著者はファイナンシャルアカデミー「不動産投資の学校」講師。
自身もサラリーマン大家さんとして区分マンションからはじめて、出版時の資産は2億円、12世帯マンション1棟、6世帯アパート1棟、区分所有6室。

著者はデフレ時代10年間の不動産価格は買った時より下がるだけといわれる時代に、購入価格より高い価格での売却に成功している。

この体験から購入と売却についての適切な知識とノウハウがあれば買ったら価格が上がるのが当たり前。家賃と売却益=出口戦略で2倍のもうけを狙うべきと説く。

これからは政府の方針もありインフレがくると思われる。過去不動産価格はインフレの10倍程度の上昇をしてきた。オリンピック要因もあり、購入より売却時に値上がりしている状態を作りやすい。
不動産はインフレ時代に適した資産形成方法。

出口=ある物件を購入価格より高い価格で手放すこと
出口戦略=上記のための作戦や戦略
家賃のインカムゲイン=安定しているが爆発的な利益は見込めない。
売却のキャピタルゲイン=出口戦略があれば得ることができる。利益も大きい。

大まかなやり方
1出口戦略で大切なのは入り口での価格交渉でいかに安く仕入れるか。
2ポイントを抑えたリフォームで家賃を上げて利回りを向上させ、家賃収入のインカムゲインを増やす。
3利回りがあがっていることで強気の売却ができ、出口戦略が書きやすい。

著者のおすすめはRC構造の区分所有で築16~32年くらいまでの物件。
売り手が投資家でなく転勤や住み替えで売却をかけている素人(自分より不動産の知識と経験が少ない人)を狙いリフォームや設備のいれかえが必要だからと価格交渉をする。
壁紙など見栄え重視のリフォームで家賃を高めにして貸し出してインカムゲインを確保。
5年以上保有して売却益の税率が下がったところで、周辺の利回りより高め(+2%ほど)で売り出す機会をまって売却。
物件がワンルームなら投資家向けなのでオーナーチェンジ物件として、ファミリータイプなら住宅ローンが組める実需層を狙って空き室になってから売却する。

超長期保有して売却しない物件の出口戦略は、いつでも損しないで売却でいる状態になった段階と考える。
ローンの残高が土地の価格より小さくなったとき出口を完成とする。プロは「土地値に食い込む」と表現する
あるいは建物も含んだ売却可能価額をローン残高が下回った段階で安全圏に到達したとする考え方。残債利回り。



個人投資家が出口戦略を検討していくことのメリット

1資産としての流動性が向上する。売ろうと思ったとき短期間で現金化できる。売却時の価格の下振れがしずらくなる。次に購入する人も出口戦略が書きやすい。

2資金を比較的安全に、効率よく増やせる。しっかり出口戦略が確立している不動産への投資は、定期預金並みの安全性で株式投資に匹敵する利回りが期待できる。

出口戦略のメリットを得るには、かなりの部分購入の「入り口」時点で決まる。
入り口でダメ物件をつかまないこと。

ダメ物件とは
1表面利回りが周辺地域のキャップレートより低い物件

2立地地域が田舎すぎる物件やリゾート物件(原則として都市部の物件に投資先を限定するのが一番、地方ならある程度人口増がみこめる地域や土地勘のある地域で現地の状況がわかるところにする)

3購入の際に、ローンの利用ができない物件。融資がつかない=売るのが困難=出口戦略がたてずらい。

キャップレート=物件の立地する地域やエリアごとにいわゆる相場が作り出す利回りのこと。東京23区に中心部なら表面利回り5%前後が圧倒的に多いので、キャップレートは5%と考えられる。地方都市では6大都市圏でも表面利回りは10%程度があたりまえ。不人気な土地ほどキャップレートは高いが取引がすくなすぎると妥当な水準が測定不能になってしまうので注意。

キャップレートを把握するには、エリアを決めて最低でも1000件の情報をみて、最低100件の現地調査をする。目安は1年。これでその地域のキャップレートをおおよそ把握できるようになり、広告をみただけでお得かどうか瞬時に判断できる。
そうして10件の買い付け申し込みをして、3件の融資交渉をして、1件の購入に至る。ここまでやれば不動産投資で失敗する可能性はゼロに近くなる。

キャップレートは同じ地域でも時代によって変動する。購入後に不動産ミニバブルがおきて利回り10%で購入した物件が利回り7%でもうれるようになれば、売却益が増えるが、逆のことがおきると売却できなくなる。キャップレートが大きく変動しているときには物件の購入は慎重になるべき。


融資がつきにくい物件
〇築年数が古すぎる物件。一般的に法定耐用年数が15年以下だとローンを組んでも返済額が家賃収入を上回りぶっけんを維持するのが難しくなる。例外として都心のRC物件。住宅ローンが使える物件(床面積40平米を超えるマンションなど)

〇違法建築物件。容積率・建ぺい率違反

〇道路付けの悪い物件、再建築不可能物件。4m以上の幅がある道路に2m以上接していなければ再建築できない。

〇木造テラスハウス、長屋。単独での建て替えができない。法定耐用年数が22年と短い。

〇更地にしづらい物件。木造の方がRCより取り壊しやすい。

これらのダメ物件は、損失を上回る多額の利益がみこめない限りは手をださない。

出口戦略がたてやすい物件のデメリットは、みなが欲しがるので安く買うのが難しいこと。投資で大切なのは大儲けするより大損しないこと。常識的な物件を常識的な価格で買うところからステップアップしていけばよい。


株の出口戦略を不動産に応用する方法の解説。

物件のタイプ別(RC構造、木造、鉄骨)出口戦略の立て方を解説。
RC構造の新築は新築プレミアムがついていて、急速に値下がりするので手をださないほうがよい、狙うなら中期(築16~32年)がよい。

著者の区分所有マンションの購入事例を紹介。東京カンテイの「マンション価格情報サービス」を利用。過去の売りだし価格を調査。値引き交渉で80~100万円の値下げをしてから購入。リフォームして14~16%の高利回り物件にして数年もってから売り出すということをした。住みながらリフォームする「ヤドカリ投資」で家賃節約効果も。

高利回りの物件は人気エリアから少しずらした妥協エリアで探す。
〇都心まで電車で乗り換えなし30分以内にターミナル駅にアクセス
〇JRや私鉄・地下鉄など複数の路線が同時に使える「路線コンボ」
〇複数の駅が最寄にある「駅コンボ」
自分より不動産の知識と経験がない売り手を探す。そういった人たちが利用する不動産会社はCMしているような会社。そこで探すと仲介業者は両手取引になるので、協力してくれることが多い。
検索が面倒、難しいならライバルが探していない可能性があるのでチャンス。


一番大切なのは入り口での値引き交渉でいかに安く買うか。
そのための交渉術。自分の立場を相手の立場よりも強く保つことが大事。
がっつかないためにたくさんの物件をみる。物件にほれこむと目的を見失う。購入できなくても構わないくらいのきもちで臨む。
購入希望者が多い物件は交渉の余地が低い。ある程度競争率の低い物件。売り手が素人な物件を狙うのがよい。
営業マンからそれとなく売り手の情報を引き出す方法や、ほのめかしで下値を探る方法、現金一括購入やローン特約なし(ローンがとおらなかったら契約を白紙にもどすという特約をなしにする)をほめかして大幅な値引きを交渉する方法を解説していた。


購入後に利回りを変えられる最短ルートがリフォーム。
まず内装から。壁紙を柄物にするなどで差別化を。水回りは高額になりやすいので浴槽コーティングなどを利用して見栄えを重視で。部品もホームセンターやネットで自分で調達し、工事だけお願いした方が安い。夕方の内見にそなえて照明もつけておいたほうがいいなど。

リフォーム業者を選ぶポイント

1なるべく物件に近い地元業者を選ぶ

2広告が地味か広告をだしていない

3電話に社長がでる

4自宅ではなくアパートのリフォームだと点開ける

5見積もりは最低でも3社以上からとる



金融機関は投資が嫌い、経営が好き、短期間で不動産を売ると嫌がられることがある。5年間は売却をしないのが一つの目安。5年保有した方が税率も安い。またひんぱんに売買をくりかえすと行政に不動産業として登録するように求められる可能性がある。せいぜい半年に1件か2けんにする。

固定金利のローンは売却するとペナルティがあることがあるので注意。5年で売却する予定があるのなら、固定金利で融資してもらうのは5年までにしておく。

ローン残高がたくさん残っていると売却価格の値引きができないので、利回りが低い物件を買うなら頭金を多くいれる。残債利回りが12%を超えるまで何年かかるか計算しておく。

残債利回りは、ローン残高と同じ値段で売り出した場合、何%の利回り物件と表示できるかという数字。

残債利回りが高いなら、ローンがいくらでも心配ない。物件を売却したら借金と縁がきれるから。地域のキャップレートに+2%程度の残債利回りなら安心。

自分の属性が低い間は金利の高い金融機関を使うのも手。金利が高い金融機関は出口重視の不動産投資と初歩段階では相性がよい。ある程度軌道にのってきたら物件を売却して利益を確定して融資を一括返済すればよい。

日本政策金融公庫は全期間固定でかりても途中解約の違約金がなく売却しやすい。ただし返済期間が通常は10年未満と短い。

メインバンクにしたい銀行のと引きであは売却は慎重に。担当者が人事異動するまで売却しないくらいにしたい。

売却で利益がでるときは保有期間に注意。5年以上保有するの基準は、5年経過したあとの最初の1月1日を起算日とするので気をつける。

利益を計算するときは建物の減価償却を計算するのをわすれずに。

マイホームを売って利益が出た場合3000万円の特別控除がうけられる。
投資用の不動産の売却で損失がでた場合、他の所得と通算できないが、不動産所得同市なら通算できる。マイホームの売却損がでたら一定の条件をみたせば給与所得と通算可能。

法人名義で購入した物件の売却は総合課税で通算が可能。税率が安く、節税手段も豊富。ただし設立費用や維持費用がかかるので専門家によく相談すること


出口戦略の成否は入り口でほぼ決まっている。

高利回りの物件を買うために買い手のできること
・他の人が狙わないエリアや種類の物件を探す
・ブームが過熱しているときは買わない。
・買ったあとはリフォームでさらに利回りを高める。

売り手なら、自分より知識が少なく弱気の相手を狙う。金融機関との良好な関係をつくる
税金を安くおさめること。


著者が海外不動産に投資しない理由
・土地勘が活かせない
・言葉や商習慣の違いで交渉力を発揮できない
・物件購入後の維持・管理業務に即応できない
これらの理由から海外ならREITか投資信託の金融商品の方がよいのではないか。



不動産投資 家賃収入&売却益 両取りのルール

不動産投資 家賃収入&売却益 両取りのルール

  • 作者: 束田 光陽
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2014/05/16
  • メディア: 単行本



タグ:束田 光陽
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