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影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫) [小説]

多くの魔法使いを生んだ島ゴントの山間の村にゲドは生まれた。小さい時の名前はダニー。母親は1歳になる前に死んで、鍛冶屋の父親に育てられた。死んだ母親の姉が呪い女で、呪文を唱えていたのを見たダニーは、勝手にまねをして痛い目にあう。しかし、これで少年の才能がわかり、叔母が一通りのことを教えてくれた。ダニーは優秀で、叔母の他にも呪いをするひとたちを訪ねて多くのことを教わった。

ある日、村はカルガド帝国の戦士に襲われた。ダニーは霧を発生させ、さらにもの隠しの呪文をつかって村の人たちの攻撃を助けた。おかげで村の犠牲は最小限で兵士たちを追い払うことができた。しかし、ダニーは大きな力を使ったために魂がぬけたように反応がなくなってしまう。

ダニーのやったことは遠くの町まで広まり、ゴントに住む有名な魔法使いオジオンがやってくる。彼は地震を沈めるほどの魔法使い(呪い師よりも格上)だった。彼のおかげでダニーは正気に戻り、彼の弟子となって故郷を離れる。
ゲドという名前はオジオンが与えたもので、この世界の人はみな通り名と真の名をもつのだが、真の名はある程度大きくなってから与えられるものである。真の名を知ると相手を支配できるので、それはめったに明かされない。ゲドも普段は通り名を使う。大人になってからはハイタカと名乗った。

オジオンのところでの修業はゲドにとって退屈だった。本物の魔法使いはめったに力を使わない。オジオンは辛抱を教え、聞こうというならだまっていなければという。
ゲドは何も教われないを不満に思いながらも、神聖文字の習得に励んだ。

ある日薬草摘みにでかけたゲドは、美しい少女にであう。彼女は魔女の母親をもつ領主の娘で、ゲドをそそのかして魔法を使わせようとする。彼女の口車にのったゲドは、勝手に師匠の魔法書をひらいて、影の塊を呼び出してしまう。オジオンが帰ってきて影を追い払ってくれるが、その後ゲドに、残って修行するか、ローク島の正式に魔法使いになる学院にいくか選ぶように言う。ゲドはローク島を選び、オジオンと別れる。
ゲドはいつの間にかオジオンが好きになっていたことに、あとで気が付く。

魔法使いは尊敬されているので、オジオンの頼みでゲドはローク島まで船でいけることになった。ゲドはまだ風を使うことはできないので、船の仕事を手伝って過ごす。船は嵐に会いながらもなんとかローク島に到着する。

魔法の学院でゲドは、ヒスイという若者に案内されるが、彼とは能力の競争相手になり、うまくいかない。一方でカラスノエンドウとう若者とはウマが合い仲良くなった。
二人とも2年先輩だ。

ゲドは魔法の習得に集中し、人より才能があると認められるようになった。
学院の9人の長たちが、それぞれの科目を教えてくれるのだが、その考え方は様々で、ゲドの才能を愛して積極的に教えてくれるものもいれば、自然の均衡をくずすといって、人間的に成長したとみなさないと教えない長もある。

勉強の合間にオタクとう小動物になつかれてヘグと名付けてペットにした。
冬至にオー島の領主が美しい妻をつれて招かれる。領主地震が昔学院の生徒だったのだ。ヒスイはこの女性に声をかけ目くらましの魔法を披露する。
ゲドは気に入らない。

ゲドとヒスイの対立はある日技比べまで発展してしまう。ゲドは力をみせつけようと古代の人物「エルファーラン姫」を呼び出そうとする。術は成功したかにみえたが、そのときオジオンのところで呼び出した影があらわれてゲドにとびかかった。カラスノエンドウとヘグが助けようとするが動けなくなってしまう。
そのとき学院長と長たちがあらわれてゲドを救うが、ゲドは瀕死の状態になり、その夏から次の春までを寝込んですごした。ゲドを救ったのと引き換えに学院長は亡くなり、影はどこかに逃げ出す。

新しい学院長は、ローク島で力をつけて影と対抗できるようにするようにいう。影はゲドの無知と傲慢、憎しみから生まれたものだと。
カラスノエンドウは正式な魔法使いになり、島を離れることになる。彼は旅立つ前に友情の証として真の名「エスタリオル」を教えてくれる。ゲドも真の名を名乗る。

ゲドは修行を続け、正式な魔法使いになる。派遣されたのはロー・トーニング島。本来学院をでた魔法使いが派遣されるような大きな島ではないが、この島の西ベンダー島にに竜が住み着いて、卵を産んだたため、島民から魔法使いを置いてほしいと要請があったのだ。
ゲドはここで竜を警戒しながら、島民からの困りごとの相談にも対応する日々を送る。漁師のペチバリと友人になり船の操り方を教えてもらったりもした。
ある日ペチバリの子どもが病気になる。最初は祈祷女がよばれたがよくならず、ペチバリはゲドを頼る。ゲドは救えないことがわかっていたが、あえて危険を冒して子どもの魂を追いかけ、黄泉の国にいってしまう、戻ろうとしたところで影に遭遇し、死にかけるが、祈祷女がゲドが魔法使いなので、死んだものと扱わず、家に戻してくれたところをヘグが舐めてくれたのでこの世に帰ってくることができた。

ゲドは影につきまとわれていることを自覚する。
そして、島民に影響が出る前に島をでることを決意。そのために竜退治にいくと言い出す。島民たちは止めたがゲドはでかけて、子どもの竜5匹を魔法の力で殺し、竜に対してはローク島で読んだ古代の文書から推測した竜の名前を呼んで対抗する。竜は宝石をやるといったり、影の名前を教えてやろうと誘惑するが、ゲドはそれを断り、竜と交渉して島民たちの安全を確保する。島に戻るとゲドの魔法使いとしての名声は高まった。

ゲドはローク島に向かうが、島を守る魔法のためにたどり着くことができない。影に追われるゲドはすでに警戒対称だった。ゲドはあきらめて運の導くままに、影から逃げることにする。たどり着いた港町でゲドは正体不明な男から、「影と戦う剣が必要ならテレノン宮殿へいけ」といわれる。テレノン宮殿はオスキルにあるという。

ゲドは船賃代わりにオールを漕いでオスキルを目指す。以前ローク島へ渡ったときと違って、今度の船は仲間意識がなく、ただ金で雇われていやいや働くものが多く、以前のような楽しい船旅にならなかった。スカイアーという男は特にゲドとおりあいがわるかった。

船が到着してからテレノン宮殿への案内をさがしていると、スカイアーが「おれもそっちにいく」といったので、ゲドは気が進まないが案内を乞うことにする。しかしスカイアーは影に乗っ取られていて、途中でゲドに襲い掛かる。ゲドは魔法使いの杖で応戦するが、杖がやけて取り落としてしまい、逃げ出す。そしてあかりをたよりに逃げ込んだところがテレノン宮殿だった。

宮殿の妃は学院でヒスイが術をみせたオー島の領主だった。セレットというとても美しい人である。彼女はゲドをもてなし、宮殿の宝であるテレノンという宝石をみせ、自分も主人も宝石を操る力はないが、ゲドには宝石を操る力がある。この宝石に聞けば、必ず答えをえられるから、影の名前をきいてみろとけしかける。

ゲドはすんでのところで自分を保ち、誘惑にうちかった。すると王がおらわれ、妃にたいして「自分と、その魔法使いを操って、石の力を使おうとたくらんだ」といって、妃に罰を与えようとする。ゲドは妃をかばって、二人は変身して館を逃げ出す。途中妃が召使たちを無慈悲に殺すのをみたゲドは、彼女が昔、自分をけしかけて影を呼び出す魔法を使わせた少女であり、すべては彼を支配するためのたくらみだったと気が付く。

館をでるとペットのオタクが死んでいるのを見た。ゲドはそこから伸びていた草を使って魔法使いの杖をつくりだす。ゲドはこの杖で攻撃を防ぎながらハヤブサに変身して逃げ出した。カモメに変身して逃げようとした妃は追手に殺される。

ゲドはオジオンのところにハヤブサのまま飛んでいく。しかし、あまりに長い間変身したので自分に戻ることができなくなっていた。オジオンは彼を3日かけてもとに戻す。
これまでのことを話したゲドに、オスキルは「向きなおる」ことをアドバイスする。影から逃げるのではなく、ゲドが影を追うことで、行く道をきめられると。
ゲドは過去に2回戦ってかなわなかった、もし負けたら支配され、自分の力が悪用されると恐れる。しかし、逃げ続けてもやがて体力を使い果たし、もっと不利な状況で戦うことになると気が付き、オジオンの助言をうけいれる。

季節が冬至に近く、ゴントをでる船がなかったので、ゲドは自分で船を調達して、ならった方法で補修し、さらに魔法もつかって船出する。海上で対戦すれば、悪霊はでないので、天候だけに気を配ればよく、いざとなれば一緒に海に沈むことができると思ったのである。
海上で影を呼び、対決すると影は逃げ出した。ゲドは追いかける。

しかし、影を見失い。嵐にあって島に打ち上げられる。
島にいたのは掘っ立て小屋に住む、老人と老女だった。老人はカルガド語しか話せず詳細はわからなかったが、持ち物から二人はカルガド帝国の高貴な家のうまれだったのが、島に放置されたらしかった。老女はゲドが、食べ物をわけてあげると、感謝のしるしとして腕輪の半分をくれた。これはのちの冒険のときに使われることになる。
ゲドは島の材料で船をつくって(材料がたりず、ほとんど魔法をつかった)島を脱出する。二人を連れ出そうとしたが、二人は拒否した。

ゲドはなんの確信もなく直感で進んでいくと、突然影が船の上に現れる。ゲドはたじろぐことなく影におそいかかり肉と命でたちむかった。魔法はつかわなかった。影は消えてしまった。ゲドは入り江の住民たちに助けられた。彼らの魔法使いの杖を恐れ、打ち解けなかったがもてなしてくれた。久しぶりに人の声をきき、火で体をあたためたゲドはほっとする。

この島で今度はちゃんとした材料を使った船をもらい(お礼は魔法でそこひを治してやった)島人の病気を治し、ヤギや羊が太るように魔法をかけ、道具がよく働くように、家が火事にならないように神聖文字をかいてあげた。島民は彼になついて、歌をききたがったがゲドは、影を追ってたびだった。

影はゲドに似た姿を残していた、ゲドはその情報をもとに影をおいかける。イフィッシュ島では、魔法使いがすでにいるからと冷たい扱いをうけるが、その魔法使いこそカラスノエンドウで、ここは彼の故郷だったのだ。二人は再会し、カラスノエンドウはゲドを手伝って旅にでる。ゲドは彼の暮らし、一緒に住む妹のことを思って止めたが、カラスノエンドウは「魔法使いが偶然会うなんてありえない。最初に立ち会った自分が最後をみとどけるのだ」といってついてくる。
このときヒスイは魔法使いにならず、オー島のオー・トクネの領主のおかかえ呪い師になったことを聞く。
またカラスノエンドウの妹ノコギリソウと魔法の力のことについて説明するがよくわかってもらえない下りがある。均衡を保つこと、魔法の力の限界についてだった。

ゲドはカラスノエンドウと話して、影の正体を考える。そいつは昔ゲドの真の名を知っていて使い、ゲドに勝ったことがあるのに、ゲドが立ち向かってからも、名前も使わず逃げ出したのだ。

二人は悪天候の中を百マイル旅してソーダース島についた。水と油を塗った帆布を調達した。ゲドは魔法を使いたがらなかった。カラスノエンドウもそれに従った。呪文が均衡を崩すことを恐れたのである。二人は南に、ついに地図にのっている果ての島からさらに先に進む。カラスノエンドウは天気の魔法がきかなくなってきているのを恐れたが、ゲドは必ずこの先に影がいると断言し、逃がしてはならないという。地図にものっていない。現地の人たちが、この先になにもないという海の上で二人は影を見つける。そしえ突然陸地がらわれた。そこでゲドは影と対決する。影は最初ヒスイの姿をとりペチバリの姿をとる。しかしゲドはひるまず自分の杖を白くかがやかせて近づいた。そして相手の名前を「ゲド」と呼ぶ、同時に影も「ゲド」と呼び、二人は一つになり、光と影が溶けあった。
光が消えたのをみたカラスノエンドウが友人の死を救おうとかけつけようとすると、砂地だったのが海にもどってしまう。カラスノエンドウは海に落ちたが必死で船にもどり、海に浮かんでいたゲドを救う。ゲドは杖をにぎりしめてたちあがり、「終わった。傷はいえた、俺はひとつになった」と泣き出した。

カラスノエンドウはゲドが勝ちも負けもせず、自分の死の影に自分の名前をつけて、とりこんだ。自分自身の本当の姿を知るものは自分以外のどんな力にも利用されたり支配されたりすることはない、そういう人間にゲドがなったことを知る。

帰りは魔法を使って海水を真水に変えたり、魚を釣ったりしながら16日かけて戻り、カラスノエンドウの故郷、ノコギリソウのところへ戻った。


影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)

影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)

  • 作者: アーシュラ・K. ル=グウィン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: 単行本



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