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マインドマップ デザイン思考の仕事術 (PHP新書) [ビジネス]

著者の二人は工業デザイナー。デザイナー出身のブザン公認フェローはこの時点で二人しかいなかった。
本来マインドマップはきれいにかくことは求めていない。(丁寧に書くことはもとめている)
デザインの学生たちにマインドマップを書かせてみると、きれいで明るく前向きで、感想もアイデアがわいてきたなど、前向きだった。そこで研究をしてみた。
著者二人で議論しての結論は、マインドマップ自体がデザイン思考ににていること。
きれいにかくことは、デザインの現場では大切であることがわかっているが、マインドマップでも意味がある可能性があることだった。
ただ、マインドマップをきれいにしあげるべく注力することには意味はない。

「きれいなマインドマップには意味がある」という仮説から始めて、デザイン思考の方法論の各ステップを具体的に実践し、追体験する。
同時にデザイナーのひらめきの瞬間も追体験してもらう。

口絵に学生たちのマインドマップ。
目次のマインドマップもついていた。
章の表紙にもマインドマップ。

第1章 デザイン思考とマインドマップ
デザインについての著者の考え方。
色や形の狭義のデザインの上位概念としてデザイン的発想がある。

デザイン的発想=実行に先立つ計画+デザイン+物語の力

実行に先立つ計画=頭の作業=製作者の意識や意図
デザイン=手の作業+装飾+色・形・素材・質感
物語の力=コミュニケーション=キャッチフレーズ=歴史

商品デザインには「色・形」「製作者の意図」「物語」が大切。ミニを例にあげていた。
「小さなボディに大人4人と荷物が収まるエコノミーカー」という意図や、史上初の実用FF方式開発の物語、色と形。

デザイン思考=デザイナーの暗黙知や経験値の総体。
言語化は難しく、方法論と結びついている。
アメリカのデザイン会社IDEOの方法論が基
デザイン思考の方法論 トニー・ケリー
1理解 
2観察
3視覚化
4評価とブラッシュアップ
5実現

デザイン思考の心構え
1経験の拡大 観察だけでなく、ユーザーと同じ立場にたって、自らの経験を拡大させるつもりでフィールドワークをする。ユーザーのところにいって二時間程度ユーザーと同じ経験をして議論点を質問する。
2プロトタイプ思考 作って考える、手で考える。1時間で20個のプロトタイプをつくってみること。
3コラボレーション チームにおいてコミュニケーションを円滑に行うために全員が同じ目的と切迫感をもち、顔をあわせないときも同じリズムのなかで仕事をしているかのような時間感覚を演出する。共同で作業する時間をつくる。

著者は、これに加えて、「この方法を実践すれば、納期までに必ず創造的解決策をだせる」というデザイナーの確信=楽観性、をあげている。

デザイン思考の方法論のステップ全体が仮説思考でなりたっている。
1・2が仮説をみつける準備。
3が仮説
4仮説の検証
5仮説の具現化

製作者の意図と物語も仮説。
マインドマップも仮説思考で説明できる。

マインドマップの開発者トニー・ブザンは著書の中で人間の脳をコンピュータにたとえ、そのOSである脳の7原則をあげている。
1相乗性(脳は情報をかけあわせる)
2成功思考(脳は成功に向けて働く)
3模倣性(脳は完璧に模倣する能力がある)
4完全性(脳は空白があるとうめたくなる
5知識志向(脳は常に新しい知識と情報を求める)
6事実志向(脳は正確な情報を常に求める)
7根気良さ(脳は粘り強い)

人間の脳は、常に達成にむけて働くので、常によい目標をもち、6に配慮しつつ、2を設定し、それを実現するための仮説をたて、7を実践。手本となる人を3して5すれば目標に近づけるとした。

デザインは目標設定と仮説構築を前提として、そのうえでイメージを大切にしながらアイデアの発散収束をおこない、最適解を導き出すことで、そのままマインドマップの定義と重なる。

箇条書きでは思考だけがかかれるが、マインドマップには感情が表現さえるように感じる。そのたま行動を起こしやすくなるのではないか。
学生たちのマインドマップには人が本来もっている楽観性と、デザインの学生が
身につけた仮説思考と表現技術が相乗効果として発揮され、きれいなマインドマップになっているのではないか。

コラムでマインドマップは、文章と図表との間の中間生成物で、柔軟性があり、両方を表現しやすくなるとしていた。


第2章 マインドマップのバージョンアップを目指す
「きれいなマインドマップには意味がある」を商品デザイン開発に置き換えると、「マインドマップという既存商品を、ユーザーにより効果的に使ってもらうため、きれいに仕上げるバージョンアップの提案を考える」となる。

観察と理解を同時におこなう体験談を集めた。
モニターに製品を使用してもらう調査方法より、その製品、あるいはこれから作ろうとしている製品に似たものを使っている人たちに絞って、観察とインタービューをした方が、本音がきけて効果的。
そのため、本人と友人たち、マインドマップのコンテストの入賞者たちから体験談を集めた。

その前にマインドマップのルール
1用紙 A4以上の無地の白い紙
2セントラル・イメージ 紙の中心から描き始める
3色 カラー・ペンを使いカラフルに
4セントラル・イメージ 色中心は3色以上のカラーペンで描く
5ブランチ 中心からブランチを放射状に伸ばす
6単語 ブランチの上に単語を乗せる
7楽しむ 楽しんでかく
テーマを想定して、そのテーマから想起されたイメージを中心に描き、その中心のイメージから外側に向けて放射状にカラフルな曲線の枝を伸ばしながら、その枝の上に思いつくままの言葉や絵をかいていく

体験談から著者たちの読み取り、分析(分析に使ったマインドマップものっていた)
・マインドマップは、「ノート術」と「思考ツール」の使い分けができて、ノート術なら1色の走り書きで十分だが、思考ツールとして使う際は、多色で丁寧にかくと思考がひろがり、アイデアがでやすくなる。
かくときは、ゆったりした環境で時間をかけて丁寧にかくことが重要で、「きれいに仕上げる」ことは意識しないほうが、よい効果が得られる。きれいに仕上がったものを見るときには明るく前向きでパワフルな印象をうけ、保存して見返すこと自体が楽しく、行動を起こすきっかけになったり、成長記録になる。
人間の頭の中には思考と感情が渦巻いている。思考ツールとしてマインドマップをかいていると、両方がバランスよく刺激され「かきながら考える、手が勝手に考える」という状態になると、期待以上の深い思考が生まれ、もやもやしていたアイデアが形になってくる感覚がある。

この観察内容から潜在的なニーズを読み解く。このときデザイン思考の心構えが大切になる。
1経験の拡大 
 ・思考ツールとして使う場合に、きれいなマインドマップが必要
 ・思考ツールとして使う目的は大きく二つ
  アイデアを発想してまとめたい場合
  混乱した状況を解放へと向かわせたい場合
 ・かいているときには「きれいに仕上げる」ことに気を使いたくないが、見返すときは「きれい」なほうがいい
 ・きれいなマインドマップを見ると、人間本来の楽観的な感情が生まれやすい。

この分析から導かれる潜在的ニーズは「意識しなくても、きれいに仕上がる簡単なかき方」

2視覚化
 今回は、ストーリーボードをつくる。具体的に設定した架空の人物を想定(ペルソナ)にマインドマップを使って、うまくいかなかったストーリーと、「意識しなくても、きれいに仕上がる簡単な方法」を知っていて成功するストーリーをつくる。
「意識しなく・・・」が解決策となる。
きれいなマインドマップは感情を刺激して行動に結びつく意味がある。かいているときに意識しなくても完成したマインドマップがきれいに仕上がると自信がもてると、時間をかけて丁寧にかくモチベーションになる。

コラム 色鉛筆を使ったテクニック(これもマインドマップあり)
 最初は薄くかいて、徐々に濃くする。もやもやを具体化するのと同じ感覚。
 ハッチング(ほぼ等間隔にならんだ線をたくさん引くことで面を感じさせるテクニック)


第3章 事例で学ぶデザイナーズマインドマップ

評価を再現するために、筆者が過去にかいたマインドマップをプロトタイプとみなし、それを評価してアーキタイプを抽出するようすを伝え、評価の過程をみせる。あわせてデザイナーのひらめきの瞬間をみせる。

プロトタイプをつくるときは、理解・観察・視覚化でみえてきた潜在ニーズやコンセプト、ストーリーボードに相ふさわしいプロトタイプでなければならない。性能やサイズや重さなどと商品に求められる具体的な制約のなかでプロトタイプをつくるから意味がある。
これをふまえて、筆者のマインドマップからプロトタイプとして取り上げるものをきめる。

○思考ツールとして使う場合
 ・アイデアを発送してまとめたい場合(計画立案=1年の計、書籍執筆)
 ・混乱した状況を解放へと向かわせたい場合(もやもやの解消、コーチング)
○ノート術として使う場合
 講義録をとる場合。

リアルに追体験をするため、どのようにかいたか、そのときの感情もふくめて細かく記述されていた。
1年の計から抜粋、大きな計画をかんげるとき、個別の内容にこだまりすぎると収拾がつかなくなる。全体を組み立ててから細かいところを徐々に考えていく。すべてのメイン・ブランチをかいてから、全体を見渡しながらサブ・ブランチをかいていくと、何度も各ブランチを見返すことになり、一部にこだわらず、全体を俯瞰する視点がもてたり、ブランチ間の関係が見えるようになる。
セントラル・イメージをみて「感情」という言葉がうかんだのあで、迷わずメイン・ブランチにかいた。感情だけでは抽象的なのでさらにブランチを伸ばして、思いついた言葉を書き足した。

マインドマップをかいていると意識に上りにくい言葉がふと現れることがある。それはデザイナーがスケッチを何枚も描き続けるうちに思いがけないアイデアや美しい形を見つけ出していく過程と似ている。著者は「場」をおもいついた。

大切なのは、思いついたことを迷わずかくこと。
そのうちの一つが思いがけない未来につれていってくれることがある。

書籍執筆から
 書籍の執筆は、すべてのアイデアをもれなくわかりやすく整理整頓していく過程。書籍を半分書いたころ、本当に伝えたかったことがみえてくる感覚がある。読み返していると先にすすまなくなるので、全体像をマインドマップで把握してから、各部分を「書き飛ばし」していく、全体像があるので安心してできる。
 全体像をかくことで説得力がないことがわかったりする。
マインドマップをながめていて、描きたいことにiPadなどアップルに係ることがあるときがつき、最後まで空欄になっていた第1章のメイン・ブランチに「アップルになろう!」と書いたとき、本がける!と思った。このような気付きはマインドマップ10枚に1枚くらいだが、かかなければ気づくまでもと時間がかかったと思う。
 全体像のあと、各章のマインドマップをかくが、各章のセントラル・イメージが明確だとすらすらかけた。
 全体像のセントラル・イメージは、巻物、各章はじゃんけんとか握手。

「もやもや」の解消から
 セントラル・イメージは、もやもやを素直に表現。セントラル・イメージを時間をかけて描くことで、テーマについてゆっくり考えて向き合う。描くときは1~2色目は明るい色、3色目以降は気持ちにふさわしい色やイメージをかいていく。利き手と反対の手でかくのも有効。
 メイン・ブランチに事実をかく。事実に対する自分の感情がみえてきたので、思いのメイン・ブランチに書いていく。素直な感情をかくとフィードバック回路がはたらき、気持ちをうけいれられる。
 もやもやしているときは立ち止まることに不安を覚える。しかし向き合うと前向きになれるかも。また、ネガティブな感情が増幅されそうならかかない方がいい。

コーチングから
 大企業在籍の友人の堂々巡りの話をきいて、二人でかいたもの。
 セントラル・イメージは目の前にあった友人の鞄をかいて、ありえない明るい色3色でぬった。セントラル・イメージに迷ったときには、目の前にあるものを描くことで効果がある。
 マインドマップをコーチングに応用する場合に、効果的な3つのメイン・ブランチは、ゴール、現状、課題、問いかけはこの順番で。
 問いかけをしながら、聞くときの役割は、相手の「気づき」を強調(色鉛筆)すること。

講義録から
 マインドマップ基礎講座にオブザーバーとして参加した著者が書いた講義録。
 セントラル・イメージを受講前に描く、「一気に駆け抜け、成功裡に終了してほしい」との願いからチェッカー・フラッグ。受講内容を自分に引き寄せ、役立てるための準備ができる。
 概要をメイン・ブランチ。その周辺の色は会場全体の場の温度を色で表現。ブランチの端に時間。
 いくつもの情報を紙の上に表現できてみやすいので、全体像をとらえやすく、振り返りやすくなる。
 講義録のマインドマップは、何度も練習して慣れることが大事。

伝えたかったこと
・どのような気持ちでセントラル・イメージを描き、ブランチをつなげ、言葉を紡ぎだしてきたかを追体験。
・人の頭に浮かぶイメージや言葉に対する楽観的な無制限な信頼に基づいて、イメージで描くこと、ブランチを丁寧に描いて、言葉を大切に扱うのが重要。
実験=プロトタイプ=ユーザーに使ってもらうは、現実を大切にするという意味で重要。血の通ったぬくもりをコンセプトに与えることができる。
デザイン思考は、ユーザーの素直な反応や意見に対する無制限の信頼の上になりたっている。

コラムで、パソコンのマップ作成ソフトは、読みやすく、比較的きれいにまとまるので、ノート術として外部情報の編集につかうのが効果的。アイ・マインドマップ(トニー・ブザン公認)は、思考ツールとしても使える。プリントアウトして手書きを加えるという融合も考えられる。


第4章 きれいに仕上げる簡単なかき方
 前章で抽出したアーキタイプを要素還元してブラッシュアップ。
 要素還元は、複雑な物事は、それを構成する細かな要素に分解し、それらの要素を一つずつ理解すれば、元の複雑な物事全体の性質も理解できる」というもの。
 例、デザインの要素は、丸・三角・四角が基本。人の眼の網膜の反応から、光の三原則がわかった。

マインドマップはセントラル・イメージから描き始め、ブランチを伸ばし、最後に見返して、強調や関連付けをしつつ全体を手直ししながらかきあげる。

アイデア発散のセントラル・イメージ
 人の感覚に訴えるアーキタイプは、自分と仲間(関係者)、身の回りの物(自然物・人工物)。発想の原点は自分自身。まわりに人がいてものがある。
 人のセントラル・イメージの例、笑顔・仲間・手/両手・足/両足・ハート・ふきだし・びっくりマーク
 自然物のセントラル・イメージの例、花/草木/四葉のクローバー、大樹、地平線/水平線/空、虹。
 人工物のセントラル・イメージの例、乾杯・電球・ルーペ/メガネ・チェッカーフラッグ・道・階段・右肩上がり→・プレゼント・絵巻物・部屋(場所を前提にしたアイデア発想のとき)
 不安解消のセントラル・イメージの例、もやもや、雲と雲間から現れる太陽・自分の顔と周囲のもやもや・クエスチョンマーク。

セントラル・イメージに時間をかけるとアイデアが生まれやすい。作成時間の三分の1をあててもよいのでは?長期記憶もしやすい。

メイン・ブランチは紙全体にきれいに伸ばすために、紙の四隅を結ぶ対角線を合わせた6本の仮装線を意識して伸ばす。上下垂直には伸ばさない方がいい。
セントラル・イメージの大きさは直径5センチ(缶コーヒーの径)が目安。
アイデア発想や不安解消の場合、箇条書きやノート術のマインドマップで下書きして、メイン・ブランチの言葉をきめてから、きれいなマインドマップをかいた方が効果的。ブランチの本数は決まっていた方が仕上がりがきれい。
角度については、2から20までの例がのっていた。
アイデア発想の場合、ブランチを10本程度に収めた方が見た目がよい。
不安解消の場合は、「事実・思い、予測ー最悪、反省」または「ゴール、現状、課題」を参考に3~4本にする。YES、NOの日本のメイン・ブランチを左右に伸ばすと意思決定に使える。
なめらかな曲線がつながっているイメージで丁寧にブランチをかいて塗りつぶす。言葉も読めるように書く。

手直しするとき
・背景に黄色を使うと全体が華やかにある。ブランチや言葉には使わない方がいい。
・影をつけて立体感を出すと力強い印象になる。影が薄いと明るく、濃いと引き締まった印象になる。
・たくさんのブランチが伸びて全体が煩雑になったら、背景色を区切ってグルーピングする。境目をおくすると効果的
・背景を描くと、マインドマップ全体に迫力がでる。視点を変えられる。曲がりくねった道や天空に伸びる階段など。
・ブランチを滑らかに太くするとスッキリする
・空いている場所に、邪魔にならない程度にカラフルな飾りを描き加える。星やハートVサインなど。

コラムとしてブランチの描き方。中心から外になめらかに広がる感覚で、根元が太く、徐々に細くなるように描く。先端より少し内側から描き始めるとなめらかで自然な印象になる。斜めに伸びるブランチから広げるときは扇形、横に伸びるブランチから広げるときは鋭角三角形型に伸ばす。紙面のはじからのばすときは、植物の根が折り返す感覚で。


第5章 ビジネスで使えるマインドマップ
 メインブランチの言葉=BOIが思いつかないといわることが多いので、ビジネスで使えるBOIを経験から導き出して紹介。これを使ったテンプレートをDMB=Designers'MindMap for Businessと呼ぶ。かくときは、「目的→関係者→状況→自分→方針」の順で描くと効果がでるように設計されている。目的で1枚のマインドマップ。
各マインドマップのかきかたとポイントを解説。

商品化に必要なのは、調整力。実現はデザイナーの手を離れ、開発の主導権が技術や製造の担当者に移行するから。コンセプトを現実の商品に反映させるには、デザイナーの忍耐力が求められる。

ここでは、先のストーリーボードを見直して、マインドマップを初めて使う一般の人をターゲットペルソナとして再設定。
最初の1枚をかくきっかけのストーリーボードをつくる。ビジネスで初めて使うマインドマップとしてDMBマインドマップを提案する。キャッチコピーもつくる。使うまでは抵抗があるが、使い始めるとすぐ慣れるし、きれいにかきたくなると経験上しっている=潜在ニーズから。
このとき使うのは先ほどの5枚ものとは違う、一枚もののDMBマインドマップ=商品。
取り扱い説明書として、かくときの注意点を。
・アイデアの発散と収束は全く異なる思考作業。同時に行わない。
・収束のほうが難しい。毎度マップでは発散が終わったら、全体をみわたして、収束の手がかりをみつける作業をする。「囲みで大切なことを強調」「矢印で関係性、きづいたことは矢印の上に書き足す」「改めて気づきや疑問等を追加する」。
発散するときは結果を考えず思いついたことを書くこと。

最初の数枚はDMBマインドマップをなぞってかいたほうがいい。
それからは、アレンジする。本来はなぞるものではない。

最後にペルソナを使った具体的なストーリーボードが提示されていた。営業から商品企画にまわされた5年目の社員が、先輩からもらったDMBマインドマップを先輩の助言を思い出しながらかく過程を示す。思考錯誤したとき素直な感想をかきこんだり、気づきを得たり、感情を!やニコニコマークで表現したり、楽しくなってくる、もっとかきたくなるというもの。このマインドマップでは、最後に方針を3つに絞るので、そこでやるべきことを絞り込める。

コラム ブランチの節目を滑らかにするときれいになる。節目の根元を円弧でつなぎ塗りつぶす。根元のブランチを太くする。伸ばしたブランチをなぞって太くすると力強いブランチになり、連想も広がりやすくなる。言葉のサイズは視覚情報なので、メイン・ブランチは大きく、サブ・ブランチにいくほど小さくする。のせるときは均等に割り付け、ブランチに沿うように書くときれいに見え、連想が広がりやすくなる。


第6章 マインドマップが仕事を楽しくする
 商品デザイン開発の全プロセスを通して常に意識しなければいけないのはコラボレーション。
 産業革命以降、製作者とユーザーの連帯感がなくなり、デザインはわからないと思っている人が多い。本来デザインは直感的に理解できるもの。
 ビジネスの問題も連帯感の薄さにある。人は本来楽観的で、仲間と気持ちを共有し共感したがっている。チームによる創造的解決を生むために、現場に必要のは「連帯感をもとう」という観念論ではなく、作業などの方法論。
 デザイン思考の方法論は、チームの連帯感だけでなく、ユーザーをはじめとした関係者まで巻き込む力がある。
 観察・理解、評価・ブラッシュアップでユーザーを巻き込む。
 コラボレーションでチームの連帯感を生み出す。

スケッチやモックアップはデザイナーが周りを巻き込むために必要不可欠。
きれいなマインドマップはまわりを巻き込む力をもっている。
チームでマインドマップを使ってヴィジョンをつくることで、共有できるとの体験談。
デザイナーの表現技術は、本来的に関係者を巻き込むことに特化している。デザイナーの表現技術によって、人が本来持っている楽観性がきれいなマインドマップに映し出されているから見る人の共感を呼び、巻き込まれてしまう。
きれいなマインドマップは周りを巻き込む不思議な魅力がある。

DMBマインドマップがまわりを巻き込む理由を解説。

デザイン思考を身につけ、マインドマップを活用すれば、チームに連帯感が生まれ、まわりを巻き込めるようになり、仕事が楽しくなる。社内会議で使うとわかる。文章を考えなくていいという特徴が大いに効果を発揮して、参加者全員を巻き込んでいく。脳にストレスがない状態でホワイトボードにかかれたカラフルなマインドマップをみていると楽しくなり、会議の雰囲気がやわらかくなる。酸化するのが楽しくなり、アイデアがいくらでもでる。マインドマップが落書きのようだと効果がおちるので、きれいにかく手法が有効。
巻き込むために、まずみんなの前でかいてみるというのが始まり、仕事を楽しくする第一歩。

実際にマインドマップを仕事に導入したデザイナーの体験談。
完璧にデザイン思考の心構えをみにつけているので、直感したらすぐ行動し、成果をだし、喜びをメンターに連絡するということができているためといっていた。
彼は批判もあったがマインドマップを職場でかきつづけた、そしてまわりを巻き込んだ。デザイナーは感性的にも、立場的にも(変わっているとおもわれるため)導入をしやすい。

実践者が社内会議にマインドマップを導入した効果
・お互いの立ち位置がわかる(相手をうけいれられる)のでよい結論がでる。
・ポジティブなエネルギーを誘う。

ただし、最初はうまくいかないので失敗を覚悟すること。デザイン思考がみについているキーマンを巻き込むと比較的うまくいきやすい。
デザイン思考の方法論を導入しても使いこなせるまで数年かかる、しかし10年はかからない。
マインドマップの導入はには、まず個人で使い込んで定着させること。インストやフェローは取得に100枚の課題が必要。
マインドマップを使い込んでいくと、デザイン思考との共通点、楽観性と仮説思考がみについてくる。デザイン思考よりもマインドマップの導入の方が効率的かもしれない。
導入のキーマンが個人でマインドマップをかきはじめてから、会議でふぁしりてーとできるまで半年から1年。チーム全体がマインドマップでファシリテートできるまで最低1年、長くて2年かかる。デザイン思考の方法論が定着するまでは、そこからまた数年かかる。
早急にとりいれたいときにはインストラクターに相談を。

楽観性と仮説思考をはぐくみ、失敗を恐れない覚悟を醸成するデザイン思考は、人生のさまざまな場面で役立つ。
きれいなマインドマップのかき方とデザイン思考を身につけ、ビジネスや生活の場で活用し、明るく前向きな毎日をすごしてほしい。
まず、「かいてみよう」


マインドマップ デザイン思考の仕事術 (PHP新書)

マインドマップ デザイン思考の仕事術 (PHP新書)

  • 作者: 松岡 克政
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2010/03/16
  • メディア: 新書



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