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気功の基礎入門―これだけは知っておきたい [健康]

1997年出版の気功の本。
日本気功協会監修で、気功を学ぶ初心者が知っておいたほうがいい、体験したほうがいいと思うものを中医基礎理論に基づいて抽出、構成したもの。
日本気功協会付属の日本気功学園で参考書として使われている。

★気功の基礎入門
第1章 基礎編
気功は保険・養生・疾病の予防や治療・延命に一定の効果があり中国で5000年にわたって伝えられてきたもの。
「気」を調整して疾病の予防や治療、健康増進に役立てようというもの。

気功の基本内容は、三調技術の訓練。
三調=調身(正しい姿勢で行う)、調息(呼吸を整える)、調心(精神を集中する)
何年もかけてひとつひとつ習得していくことが大事。

気功とは内気を鍛えること。中医学の陰陽、「木火土金水」の五行を五臓にあてはめたり、この分類で全身の各機関もきめられている。一覧があった。
内気の培養には、錬気(体内のエネルギーや物質を高度なものに転換)、養気(内気がもれるのを防ぐ)、行気(意念でない気を体内で規則正しく運動させる)、布気(外気放出)がある。
気を意念でコントロールできるようにするのが目標。

気功では呼吸が重要な要素の一つ。
深(深くゆったりと)、細(細く長く)、均(均一に)の呼吸法が多くの場合使われる。
こうすることで酸素交換量が高まり慢性疾患の回復や呼吸器系の疾患に効果がある。
逆腹式呼吸法では胃腸のぜん動運動を促進し、内分泌腺を調節できる。免疫が高まる。
人体のコントロール能力が高まると、厳しい環境や異常な条件に順応する能力が高くなる。
積極的に長く気功鍛錬を続けている連行者には超常的応力があらわれることがある。

練功者が気功状態に入ることを入静、入静に必要なのは放松。気功状態は自己感覚だけでなく、生理的、生化学的、物理的データで測定できる客観的なものである。
入静・・・心に雑念がない状態
放梢・・・リラックスした状態

気は、今でも完全に把握されていない。気が起こす現象からかは、気は人間の体内に損座視する精微物質による一種のエネルギーのようなものと思われている。これは体内で出産、運動、変化でき、一定の方式で体外の自然界や性舞台と交流することができる。
科学で観察できるのは気の二次的な反応と考える。赤外線を外気と考えるのは短絡的である。

物理学の気・・・一種の物質上体の概念
古代の哲学の気・・・世界万物を構成する最も原始的なもの。西洋における原子・分子論に通じるものがある。
中医学の気・・・歴史とともに変化して、現在では気は人体を構成し、生命活動を維持する最も基本的な物質とされている。
気の基本運動、昇降出入。
気の機能、推動作用(成長・発育)、温煦作用(体温維持)、防御作用(邪気を防ぐ)、固摂作用(気をガードする)、気化作用(食物を気に転換する)
気功における気・・・長い歴史のなかで発展、形成されてきた。最初は中医学を基礎としえいたが、各家(道家、仏家、儒家、医家、武術)の概念をとりいれている。

歴史
5000年以上前の文物から気功練功の様子がある。
中医学の最古の医学書「黄帝内経・素問」に疾病を治療するために導引按きょうという気功を用いたと記述がある。
気功という言葉は、隋、唐の時代の気功文献「太清調気論」に登場。
1950年代になってから広くつかわれるようになった。
誕生期=夏、商、西周
芽生え期=春秋時代から秦
発展期=漢から唐
成熟期=宋・元
融合期~沈滞期=明、清、中華民国
第1次ブーム=中華人民共和国1956年ごろ
文化大革命で一時停滞
第二次ブーム=中華人民共和国1979年ごろ

気功に影響を与えた分野
中医学、儒家(静功)、道家(内丹功)、仏家(肉体苦難で精神を昇華)、武術、文学芸術(インスピレーション)

気功功法の流派、
調息を主とする・・・吐納派(導引派の次に古い)、呼吸方法でさらに4つに分類
調心を主とする・・・意定派(意念を集中することを主とする)、存想派(景色などに意識を集中)、周天派(内気を体内の経絡にめぐらせ、気を通じさせる)
調身を主とする・・・導引派(一番古い)

経絡とは体内を建てに流れる経脈と左右に流れる絡脈をあわせえよんだもの。全身をくまなく流れており気血の重要な通り道。健康とは気血が経絡を通じてめぐっていること。とくに重要なのが、縦に流れている12経脈。(図あり)
経穴(ツボ)は経路上の場所で、刺激することで経絡のめぐりをよくできる。重要なツボが図であった。


第2章 調身編
調身とは、練功者が気功をするのに適した生理状態になり、それを維持するために正しい姿勢で正しい動作を行うこと。
姿勢には、臥式、座式、立式、行(動・歩行)式の4種類がある。
調身で、気血の流通状態と流れる方向をかえることができる。
足を外向きにすると全身の気血は降下、内またなら上昇など。
調身で経絡に影響をあたえることができる。
呼吸法とあわせて姿勢を変化させるのも気功鍛錬の基本的技術、昇(上に伸ばす)、開(胸などを開く)、後(後ろにそらす)ときには吸う。降(しゃがむなど)、合(手などをあわせる)、前(前屈など)は吐く。
調身は正しく行わないと効果がない。作用と目的を理解しよう。
姿勢だけでなく、気血の流通、経絡の調整、三調の融合に注意しながら行う。

臥式の基本方法を図で解説。
仰臥式・・・平臥式、半臥式
即臥式・・・弓形式、三接式

座式の基本方法を図で解説。
平座・・・寄りかかり式、端座
盤座(結跏趺坐)・・・自然盤、単盤(半跏趺、菩薩座)、双盤(全跏趺、如来座)、金剛盤
跪坐

立式(站とう)
立った時の姿勢の高さで高位、中位、低位にわけられれる
左右対称かどうかで対称性、不対称性にわけられる
動か静かでもわけられる。
体力がない人やはじめての人は2~5分で十分、長い人で15~30分、あまり長いと筋肉が緊張して経絡阻害が起こる。
図式で解説。

動功の基本方法
現在の中国の功法の半分は動功。保健・体質増強と結びつく運動。動作や変化の美しさなど多くの長所がある。ただ動作をしているだけだと体操や武術になってしまうので、調息・調心と結びつけて。

動功を、自動動功、自発動功に分け、さらにわけていた。
自動動功・・・練功者の意識がはっきりした状態で一定の手順ときまった動作に従って気功を行う。段式動功(各動作に独立性があり、数回繰り返す)と、套式動功(独立性はなく、組み合わせて1回だけ行う)がある。
霊剣子導引法の図入りの解説がのっていた。12か月にわけて治療や予防を行うもの。
五臓導引法なども。さ

自発動功・・・潜在意識の状態で行うもので、手順や決まった動作はない。体をリラックスして入静していると体の軽い揺れ動きがはじまり、次第につよりくなり、そのご収まり、収功する。だいたい5~15分。



第3章 調息編
調息とは、練功者が、意念で呼吸のリズムや呼気と吸気の割合を調整しながら自律神経系の興奮状態をかえ、臓腑機能を調整するもの。ただ単に気功鍛錬の動作と呼吸をくみあわせるたけでは調息とはいえない。
普段は不随意呼吸(自律神経に支配され無意識)だが、気功をするときには意識して随意呼吸にできる。呼吸にはこの二重性があるので、内臓器官の活動状況を調整するのに利用できる。

調息の基本
長吸短呼・・・交感神経の興奮を竹める、心拍数がはやくなる。周天功、返環功、回春功、などで利用。
長呼短吸・・・交感神経系の興奮を低下させる。心拍数が遅くなる。放松功、伏虎功など

気功の調息の理想は、深、長、細、均、緩、軽がよいとされる。
深・・1回の呼吸の量
長・・1回の呼吸時間、鍛錬を3~6かおこなうとで、1分間に8~12回(最初16~20)、周期が5~6秒(最初3~4秒)くらいになる。ただし息は殺さない。
細・・呼吸の流量が小さい。鼻で吸って口から吐く。
均・・吸気と呼気の流量が一定で、長々と続いて絶えない呼吸が良い。
緩・・・ゆっくりする、腹筋を使って速さをコントロール
軽・・音をたてない。摩擦音がでない。

部位による呼吸の区物
鼻吸鼻呼・・・風呼吸法に応用
口吸口呼・・・力を出す武術
鼻吸口呼・・・内気を鍛える気功のほとんど
口吸鼻呼は害があって効果がない。

周天派功法の呼吸では、必ず舌先を上あごにつける。気の通るポイントだから。

呼吸の分類
胸式呼吸・・・日常の呼吸。
腹式呼吸・・・助間筋と横隔膜と腹膜を使う、運動、武術、歌、気功などをおこなているとき。このなかに順腹式呼吸と逆腹式呼吸がある。

逆腹式呼吸は、吸気のときに意識して横隔膜を下げておなかを引っ込め、呼気のときに腹腔全体の容量をさげる。これで腹腔中の気血の流れをよくして腹腔にある各臓腑に血液をスムーズに供給し、気滞お血の発生率をさげ、各臓腑の発症率をさげる。ぜん動運動を促進し、消化を助ける。腹腔内の内分泌機能をととのえ、抗ストレスと老化防止になる。
逆腹式呼吸のとき、三蔭(前蔭、会陰、肛門)をひきあげて、さらに腹腔容量を小さくすることで効果が大きくなる。
肛門を引き上げる呼吸法は、延命と老化防止作用があるほかに、胃下垂、腎下垂、子宮脱、痔、脱肛などの内臓下垂に効果あり。また、小周天の通過ポイントを疎通させる、男性はインポテンツ、女性は不妊症に効果あり。
逆腹式呼吸は力をいれる場所でも作用と効果に違いがある。図で説明されていた。

発音呼吸法
気功調息のなかで、呼吸の効果を強めるために、発音を取り入れた呼吸法がある。
鼻腔発音法・・・吸気発音法、呼気発音法、吸~呼発音法
口腔発音法・・・共振発音法、力を出す発音法、意守発音法

鼻腔発音の基本は、空気がスムーズに鼻腔や上呼吸道を通ること。
鼻腔呼気発音法ははやいスピードで上呼吸道から息を吐き出す。粘液やほこりなども一緒に吐き出して上呼吸道をきれいにする作用があり、慢性鼻炎などに効く。はやく呼吸することで吸い込む空気の量を増加させ、肺のなかの気体の圧力を強くする方法。これで酸素の量が多くなり、肺の参加交換能力を高めて新陳代謝を強める。
山根納気法図解。

口腔発音は、次の種類ごとに作用や原理が違う
共振発音法・・・音と周波数と臓腑の三社を共振させることで臓腑機能を調整する呼吸法。
力を出す発音・・・動作をおこなうときに、力をだすための呼吸法。格闘技などで有効。
意守発音法・・・黙念意守技術を用いて調心効果を高める呼吸法。宗教気功でよく用いられる。
呼気六時けつの図解


第4章 彫心編
調心とは、放松、入静などを通して、雑念を追い払い、意識的に自分の体や内気をコントロールする能力を高めることを目的としている。体の陰陽バランスを保ち、気血をととのえ、人間の健康、長寿の目的を達成できる。
心とは心臓ではなく、神経系・脳・意念活動を指す。
意念で気功鍛錬に有利なものを強化し、不利なものを抑制する。

調心をみにつけるときの心構え
・習いたいという積極的な気持ちと自信。
・正しい方法を身につける。
・科学的な考えを持つ。

調心の3段階
・初級の放松と入静。大脳皮質全体の興奮度を低下させて、気功と関係のないことがらをできるだけ排除・減少させる。脳細胞のエネルギーの消耗を減少させる。静かな環境を選び、意識を自分の体に集中する。心が動揺していたら鎮まるまで待つ。自然で快適な姿勢。精神をリラックスさせる。疾病を改善してえおく、穏やかで自然な呼吸と組み合わせる。

入静の過程は、
第1段階・・脳のアルファ波が後頭葉に現れる。
第2段階・・徐々に入静し雑念が減少していくと、大脳全体にアルファ波がみられる。具体的な意念コントロールの技術と訓練をする。
第3段階・・深い入静状態にはいると、前頭葉にアルファ波があらわる。上級レベルでここまでできる人はめったにいない。
という過程を経る。

第3段階に達するには、入定と無為を正しく理解する必要がある。
入定・・・大脳が高度に秩序化された無念の状態。入定、住定、出定の3段階がある。
無為・・・入定した後の一種の不安定な状態。超常的能力で周囲の世界と接する。

意守とは、意念をある目標に集中させること。道家功法では禅定、医療功法では守神などともいう。
目標による意守の種類
内意守・・・体内にある点や部位に意念を集中させる。集中しすぎて偏差がおこりやすいので軽い意念をこころがける。意守する部位で生理作用が違う。命門だと腰の冷えとだるさとか。
外意守・・・体外の目標物に意念を集中させる。仏家でよくもちいる。水晶玉の方法が図説。
黙念意守・・・・文字、発音、数字などに意念を集中させる。内養功の黙念意守が図説。数息法、

内意守の呼吸法として丹田呼吸法がある。内丹功、周天功など道家の錬気の基本技術で胃炎を丹田に集中して行う逆腹式呼吸。
丹田には別名も多いが体にある重要な部位という認識は共通。
上丹田・・・両眉間の間約9㎝奥
中丹田・・・だん中から役9㎝奥
下丹田・・・臍下のどこかは諸説ある。人によって異なり、練功者が行うときに一番強く生理反応がでる部位と思われる。
また比較的範囲が広いので面だと考えられる。
練功しながら自分の丹田を探して、そこに意守をする。

意行・・・意守をさらに発展させたもので、意守する点を絶えず移動させる功法。内意行と外意行がある。三線放松功、貫気法図説。

存想・・・意念を動きのある景色に集中すること。体内の場合は守内景、大概は守外景という。道家気功では内視技術とあわせたり、医療機構では治療や養生とあわせるなどする。活動性があるので正しく行わないと自己暗示型の幻覚症状がでる、優秀な指導者の下で練習し、各功法の正式な規定に従って練習すること。自己流はダメ。
禅観法、服日光法などが図説。



第5章 調気編
自分の内気を培養して守り、さらに人々の健康に役立たせるなどの技術をマスターすることを調気という。
気功の精は、先天の精(親から受け継いだ高度な情報をもっている精微物質)、後天の精(生きている間に呼吸や飲食で取り入れる外界の気)がある。女性の生理や男女の性生活で消耗した精をおぎなって先天の精に戻す方法を図説。

得気=触とは、内気が増え、入静、リラックスの状態が良くなった時にあらわれてくる生理現象。初心者は感じにくい。
八触・・・動・痒、冷、緩、軽、重、滑、渋
これらが、数種類同時に、冷と熱の感覚があらわれる。入静、放松で抹消の血流量が増加して熱を、緊張させる功法では血流量が減少して冷感が感じられる。少なくなってから増えると痒みを感じるなどの症状がでるなど理由を解説。
得気がでたらからと有頂天にならず、その先の養気、運気に発展させること。

養気とは、練功者の増加した内気を無駄に流出させず守りながら高めること。
六根不漏、目、耳、鼻、下、身、意について内気の露出を防ぐ手段を解説。

行気とは、意念を使って内気を必要に応じて運行させること。調気技術のなかでも実用性が高い方法。
目的は、経絡を疎通させて養生や保健の促進をはかることと、煉気をして気の密度と質を高める。
周天功における内気の任脈、小周天、大周天などは典型的な行気。
京黒行気法、幻真先生の服内元気けつなどを図説。

採気とは、自然界の日、月、樹木の精気を吸収し、それによって内気を補う方法。得られるのはほんの少しなので体質を強化するには足りない、補助方法の一つと考える。
・採気を行うときは、一心不乱に行うこと。精源の気以外はなにもみないと意念する。
・採気の対象は慎重に選ぶ。動物はダメ。毒がある草木の気もdメ。高齢の常緑の松の木を主にして、花草はダメ。

布気とは、外気を発すること。内気はすべての人にあるが、布気はだれでもできるものではない。
内気が相当充実していないとできない。はっきりとした対象があり、治療を目的としていることと、優れた功気技術と医療知識がないといけない。内気の露出とはそこが違う。
外気治療(布気)を行うときは受ける側の協力も重要。意念で外気をうけいれるようにする。
外気治療の方法例や部位、心得などがまとめられていた。
外気は行ってのエネルギーと一定の情報密度をもつ精微物質だが、物理学や生物の応用で観測されるもの(静電気、赤外線など)は外気の二次的効果で本質ではない。


気功の基礎入門―これだけは知っておきたい

気功の基礎入門―これだけは知っておきたい

  • 作者: 柴 剣宇
  • 出版社/メーカー: 日東書院本社
  • 発売日: 1995/07
  • メディア: 単行本



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