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シャーロック=ホームズ最後の挨拶 上 シャーロック=ホームズ全集 (11) [小説]

BBCのドラマ「SHERLOCK」を見たら、すっごくおもしろかったので、原作を読んでみました。
ドラマの元ネタをひろいながら、あらすじを書いていくので、ネタバレしたくない人は特に後半は読まないでね。


4個の短編からなっている。


電車から死体が振り落とされる話が「ブルース・パーティントン設計図」にでてくるけど、「SHERLOCK」にもでてくる。








1 ヴィスタリア荘
 シャーロックの元へ、非常に奇妙な体験をしたので相談にのってほしいとスコット=エクルズ氏から電報が届く。
 カラザーズ大佐(モリアーティの部下)を刑務所に送ってから退屈していたホームズは、よろこんで話を聞こうとするが、エクルズ氏のすぐあとにグレグスン警部と、サリー州警察のベインズ警部が現れる。
 昨夜エクルズ氏が泊まったヴィスタリア荘の主人、アロイシャス=ガルシア氏が死亡してみつかり、エクルズ氏が容疑者だというのだ。ホームズのとりなしで、ひとまずエクルズ氏の話をきくことになった。
 
 エクルズ氏によると、彼は社交的なたちで、ガルシア氏とはあるパーティーで知り合ったばかりだったが、向こうが積極的に近づいてきていたという。はじめて彼の家を訪問したのだが、ガルシア氏は上の空だし、料理がうまいときいていたのに、食事もあまりよくなかった。しかたなく、エクルズ氏が早めに寝室にひきとると、真夜中にガルシア氏が何か勘違いして怒鳴り込んでくる始末。散々なめにあったエクルズ氏は、翌朝さっさとひきあげようとするが、主人も召使もいなくなっていた。着いた時から手入れの行き届いていない屋敷を不審におもっていたが、それもイギリスに来てまもなくだからとおもっていたのだが、これはおかしいと、ガルシア氏とあったパーティの主催者や、屋敷を貸している不動産やにきくと、だれもガルシア氏のことはよくしらず、不動産屋も家賃はきちんともらっているが、それ以上わからないという。途方にくれてホームズに相談にやってきたのだという。

 一方、警部たちによると、自宅から1マイルほど離れた公有地で、頭を砂袋のようなもので殴られた死体となって発見された。召使たちは見つかっていないという。殺されたのは午前1時ごろ。また、盗まれたものはないが、家が異様な状態だという。

 エクセル氏の証言と警察の捜査から、昨夜ガルシアは女の筆跡の手紙をうけとり、なにかの企てがあって、女の手引きで夜中にどこかにでかけていったらしいと分かった。

 ホームズはベインズ警部の捜査をほめると、いっしょにヴィスタリア荘にでかけることにする。到着すると当直の警官が、窓からのぞいていた悪魔のような人影をみたと怯えている。あとでガルシアの料理人とわかった。また台所には頭をおとされたオンドリや、血のはいったバケツ、黒焦げの骨のかけらなどがみつかった。ここまで案内するとベインズ警部は、それぞれのやり方で捜査しましょうといいのこして、帰っていく。

 ヴィスタリア荘の近くの宿におちついて5日目、ベインズ警部がガルシアの料理人を逮捕したという。ホームズは、彼は犯人とは思えないと忠告するが、ベインズ警部はききいれなかった。 

 ホームズの予想では、エクルズ氏はアリバイの証人として選ばれて家に招待され、夜中にガルシア氏が乱入したのも時計の時間をずらしておいてからの偽装工作。しかしガルシア氏は相手に返り討ちにあったらしいというものだった。
 そして、それをたよりに近隣の家を調べ、怪しい家をわりだした。それは、ハイ・ゲーブル荘のヘンダーソン氏で、50がらみの外国人だが、元気そのもので帝王然とした態度の人物。かれの秘書ルーカスはチョコレート色の肌をした外国人で、猫のようにひとあたりがよく、意地が悪い。11歳と13歳の娘がいて、その家庭教師にミス・バーネットというイギリス人女性がやとわれている。かれらは年中旅行しており、何週間か前にハイ・ゲーブル荘にもどったばかり、召使はたくさんいるが家族とは離れて住んでおり、首になった一人にホームズが接触したところでは、ヘンダースン氏はなにかに怯えているようで用心深い。また出身地などはまるでわからないという。
 ホームズは、手紙を書いたのが、ミス・バーネットだと予想して、屋敷に忍び込んで会いにいくことにする。ワトスンは気が進まなかった。
 しかし、その夕方、ヘンダースン氏は屋敷を後にし、駅でヘンダースン氏の手から逃げ延びてきたミス・バーネットが、ホームズが見張りにつけておいた男に保護されて、宿につれられてきた。

 へインズ警部を呼ぶと、警部もミス・バーネットに接触しようとしていたという。
 料理人を逮捕したのは、ヘンダースンを油断させるためだと。駅から刑事が一味を尾行しているとも教えてくれだ。
 ミス・バーネットによるとヘンダースン氏の正体は「サン・ペドロのトラ」と呼ばれる中央アメリカ全土におそれられた暴君だった。反乱で国を追われたが、そのとき莫大の財宝をもちだした。反乱者は追手をさしむけていた、その一人がガルシアだったのだ。ミス・バーネットも公使だった夫を暴君に殺されていた。
 パリでの暗殺が失敗し、イギリスでの計画が持ち上がったが、ミス・バーネットが手紙を書いているところがみつかって、つかまり、ヘンダーソンとルーカスは手紙をガルシアに送っておびき出して殺し、夫人を監禁していたのだという。薬をつかわれふらふらになりながらも、なんとか駅で逃げ出したミス・バーネットはホームズの協力者に保護されたのだ。

 サン・ペドロのトラはまんまとイギリスを脱出したが半年後にスペインで暗殺されたことが新聞にのり、ベインズ警部がホームズたちに知らせてくれたのだった。また、台所にあった気味の悪いものはビードゥー教の術具で、料理人はそれをとりに戻ってきたのだった。


2 ボール箱
 8月の暑い日、ベーカー街の下宿でワトスンの物思いをホームズがずばり言い当てる場面から始まる。これは、「入院患者」とほぼ同じ。
 そのあと、ホームズはクロイドン市のクロス街に住む、ミス・カッシングのところへ奇妙な小包が届いた話題に話をうつす、レストレードからも手紙がきているので、捜査にいってみることにするというのだ。
 送られてきたのは人間の耳2つを塩漬けにしたもので、ミス・カッシングはこんなものを送られる心当たりはないという。ただ昔下宿屋をしていたころの若い医学生が生活にだらしがないので出て行ってもらったことがあるので、その恨みではないかとして警察が捜査していた。
 二人はでかけ、小包を調べたホームズは紐の結び目が特殊であること、文字は男のものであまり教育がなく、クロイドン市のこともよくしらない人間のものだろうと推理。さらに送られてきた耳に防腐剤がつかってないことから医学生の仕業ではなく、したがっていたずらでなく犯罪であると述べる。さらに送られてきたうち小さいのが女のものでミス・カッシングの耳と酷似していること。もう一つは男のもので、日焼けしてイヤリングの穴があることから船乗りと推理した。
 そしてミス・カッシングから話をきくと、彼女は3姉妹で、二か月前まですぐ下の妹セアラと同居していたという。一番下の妹はブラウナーという船乗りと結婚した。ブラウナーは妻のそばにいたいからと、南アメリカの定期航路をやめてリバプールとロンドンの定期船にのりかえ、二人はリバプールで済んでいるという。
 ホームズはさらに調査をすすめ、セイラがしばらく妹夫婦の家にいたことをつきとめる。
 このことから、耳はセイラに送られたものと判断し、彼女に会いにいくが、病気で寝込んでいるという。

 ホームズはブラウナーを捕まえるようにレストレードに指示。首尾よくブラウナーを捕まえたレストレードが送ってきたブラウナーの話で全てがあかされる。
 セイラは妹夫婦の家にいる間にブラウナーを好きになり言い寄ったが、ひどく振られてしまった。恨みに思ったセイラは妹に入れ知恵して、夫を疑うようにしむける。おかげで夫婦の仲はぎくしゃくしてしまう。さらにセイラにそそのかされた妹が浮気、ブラウナーは浮気相手とセイラをボートの上で殺し、耳を切ってセイラに送ったのだった。
 レストレードにつかまったブラウナーはホッとしたといっているし、罰はとっくにうけていて、いつも殺した二人の顔につきまとわれているといっているという。


3 赤い輪党
 以前に下宿人の困りごとを解決してもらったウォレン夫人が、ホームズに相談にやってくる。彼女のところの下宿人が、部屋を借りたあと一度も外に出ず、食事もドアの前に運ばせるだけで顔もみせないので気味が悪いのだという。家賃は2週間分、相場より高くもらっているが、10日もそんなことがつづいて怖いのだと。必要なものはメモで食事の盆にのってくるので、ウォレンのおかみさんが買って盆にのせて渡すが、そのメモも筆記体でかかれたもので、男女すらわからない。ホームズは話を聞いて、なにか変ったことがあったらしらせるようにいうが、その後ウォレン氏が襲われるという事件がおきて、夫人はいよいよ心配になる。
 ホームズたちが鏡をつかって盆をとりに出てくる下宿人を確認したところ、借りたのは口髭の男だったのに、なんと女性だくらしていたのだ。
 ホームズは、下宿人が毎日読んでいるというデーリー・テレグラフ紙の通信広告欄を探し、それらしい記事をみつけ、下宿屋から見える窓からのランタンの合図を解読する。合図はイタリア語で、用心とか危険とかいうものだったが、急に止まってしまう。
 急いで合図が送られていた窓のある建物に向かうとグレグスン警部に会う。
 警部によるとピンカートン・アメリカ探偵社のレバートン氏に協力して、「赤い輪党」のゴルジアーノという犯罪者をおいかけているのだという。2人と合流して窓の部屋にいってみると、ゴルジアーノが殺されていた。ホームズは、建物から出て行った中にウォレンのおかみさんが言っていた下宿を仮に来た男と特徴が一致する人物がいたことを確かめると、窓からランタンで合図して下宿にいた夫人をおびき出す。
 女性はルッカ夫人と名乗り、ニューヨークから夫と逃げてきたという。もとはナポリの近くにいたが、雇い人だったルッカ氏との結婚を許してもらえなかったので駆け落ちしてニューヨークに渡ってきたのだという。ニューヨークで仕事もみつけ暮らしていたが、夫が若いころ加入していた「赤い輪党」に居場所を知られてしまった。そしてニューヨークで世話になった恩人をダイナマイトで吹き飛ばすように命令されたので、二人で逃げ出してきたのだという。
 
 グレグスン警部は「話が本当なら、恐れることはないでしょう」といって、婦人を上司のところにつれていくことにする。
 そしてホームズが、現場にあらわれたのをしきりに不思議がるが、ホームズは「勉強ですよ」と受け流す。




4 ブルース・パーティントン設計図
 霧の日。ホームズが事件がないとぼやいていると、兄マイクロフトから電報がきて、「カドガン=ウェストの件で、お目にかかりたし、すぐいく」という。ホームズは兄が生活習慣を変えてまで、自分に会いにくるとはよほどの大ごとだとおどろく。
 ワトスンにホームズが説明したところでは、マイクロフトは英国政府そのものといっていいくらいの重要人物だが、表向きは下級官吏である。本人が名誉も肩書ももとめないためで、兄がいなければ英国政府は必要な情報を得る為に右往左往することになるだろうという。推理力でも自分を超えるが足を使った捜査はきらいで探偵には向かないともいう。
 ワトソンはカドガン=ウェストの名前に憶えがあった。新聞記事があったことを思い出し、探すと火曜日の朝地下鉄で死体で発見されたことがわかった。27歳で未婚のウーリック兵器庫の事務員だという。月曜日の夜、婚約者と劇場に行く途中で急に立ち去り、翼長したいとなって保線工夫に発見された。場所はオールゲート液を出たところだという。切符はもっていなかった。現金や小切手は残っており、技術関係の書類ももっていたという。
 
 ホームズの予想通り、マイクロフトの用件はカルガンがもっていた技術関係の書類だった。レストレードをともなってやってきたマイクロフトによると、カルガンが持っていたのは新型潜水艦ブルース・パーティントンの設計図で、ウーリjッジの金庫から10枚が持ち出されたうち、7枚がカルガンのポケットから見つかったのだという。もっとも重要な3枚は発見できていないという。これを見つけて取り戻してほしいという。
 なぜ、自分で解決しないのかというホームズに、兄は事実をつかむ必要があるからと答える。

 設計図の管理官はジェームズ=ウォルター卿で、長年政府のために働いてきた愛国者である。月曜の夕方まで設計図は金庫にあり、ウォルター卿は3時には金庫の鍵をもってロンドンにいき、シンクレア海軍司令長官の家にいたのだという。
 もう一人の鍵の預かり人は、製図専門のシドニー=ジョンソン、40歳で既婚、5人の子持ち。月曜日に帰ってから、鍵は懐中時計につけたまま、自宅にあったという。カルガンは入所して10年目で席はジョンソンの隣、どちらも申し分のない公僕であったという。
 月曜日に金庫に設計図を戻したのはジョンソンであったことから、ホームズはカルガンが合いかぎを使って設計図を盗み、ロンドンで写しを売って、翌朝までに金庫に戻そうとしたが、失敗して途中で死んだのだと推理するが、マイクロフトは婚約者とあっていた点をあげて、不可解だという。
 
 ホームズとレストレードはカルガンの死体が見つかった駅に向かい、話を聞く。おちたと思われる電車を調べたが、格闘の跡や切符はみつからなかった。また月曜日の晩に人間が線路に落ちるような音を聞いた乗客がいるという。ただ現場にはほとんど血痕がなかった。
 ホームズは、オールドゲート駅は転てつ器やカーブが多いことを指摘、死体は電車の屋根で運ばれたと推理した。
 レストレードと別れてジェームズ卿の屋敷をたずねると、卿は急逝したという。弟のバレンタイン大佐は新郎だといい、自分はなにもしらないという。
 次にカルガンの家に向かうと婚約者がいて、ここ1週間ほど気がかりなことがあってふさぎ込んでいたようだったが、お金には困っていなくて、信念には結婚する予定だったという。また、設計図が重要で外国のスパイが大金をだすといってカルガンが「あっ」と叫んでそれきり言っていまったという。
 役所にいくとジョンソンはジャームズ卿が亡くなったとあたふたしていた。事件の晩は5時に金庫に設計図を閉まって帰った。その後は警備員がみまわっているが、他の見回りもかねているという。金庫までの鍵は3個あり、自分は金庫の鍵しかもっていない。ジェームズ卿は3個もっていて、まとめてリングにかけていたのを見たことがあるという。模写をする技術はジェームズ卿もジョンソンもカルガンも持っていた。盗まれた3枚はもっとも重要なものだが、戻ってきた設計図にも調整弁などがあり、それがなければただちに潜水艦はつくれないだろうとのことだった。
 ウーリッジの駅に戻ると駅員がカルガンを覚えていた、8時15分発のロンドン行きにのったのだが、ひどく興奮して怯えていたため釣銭を受け取る手が震えていたのを覚えているという。
 ホームズはカルガンが役所に向かう外国スパイを目撃して、それを阻止するために婚約者を置き去りにしたのではないかと推理するが、それにしてはすぐに捕まえなかったのは府におちない。

 ベーカー街に戻るとホームズがマイクロフトに調査を頼んだスパイの情報が届いていた。ホームズはそのうちのめぼしい人物の調査にでかける。夜になるとワトスンのところに物騒なもの(拳銃や金てこ)をもってきてくれと電報が入る。
 あるスパイの家が電車下に停車する窓に該当するというのだ。これから押し入って調べるというので、最初は止めるワトスンだが、緊急事態だと説得される。
 家で二人は血痕を発見。カルガンが殺害され電車に乗せられたのは間違いないと思われたが、スパイはすでに証拠を処分して逃げ出したあとだった。ただ、デーリー・テレグラフ紙が残っており、人事広告欄にスパイと設計図を盗んだ人物との通信と思われる内容がのこっていた。ホームズは広告を出して盗んだ犯人をスパイの家におびき出す。

 やってきたのはジェームズ卿の弟バレンタイン大佐だった。
 株で失敗した彼は、金をつくるため兄のもっていた鍵をコピーして役所から設計図を持ち出したのだ。以前から大佐を疑っていたカルガンは大佐を尾行してスパイの家にたどりつき、大佐につめよったところをスパイに殺害されたのだという。設計図はその晩のうちに金庫に戻すつもりだったが、スパイが3枚は複雑で模写が不可能なので預かるといいだした。大佐が反対したので、カルガンのポケットに7枚をいれて犯人にしたてあげることを提案され、それに従ったという。事件を聞いた卿は弟の仕業と気が付きおそらく自殺したのだ。
 ホームズの説得で大佐はスパイとの連絡方法を教え、不可欠な模写があるとしてスパイをおびき出して逮捕。設計図を取り戻した。

 その後ホームズはウィンザーで一日をすごし、高貴な女性からエメラルドのタイピンをいただいたという。



シャーロック=ホームズ最後の挨拶 上  シャーロック=ホームズ全集 (11)

シャーロック=ホームズ最後の挨拶 上 シャーロック=ホームズ全集 (11)

  • 作者: コナン=ドイル
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1984/02
  • メディア: 単行本



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