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まだらの紐 シャーロック=ホームズ全集 (7) [小説]

BBCのドラマ「SHERLOCK」を見たら、すっごくおもしろかったので、原作を読んでみました。
今回も、ドラマの元ネタがいっぱい。

3個の中編からなっていて、ホームズの話のなかでも有名な「青い紅玉」「まだらの紐」が入っている。




青い宝玉には、ホームズが、賭け事好きな人物から、賭けをもちかけて情報を仕入れるシーンがある。
SHERLOCKのバスカビルの犬に似たようなシーンあったな。




1 青い紅玉

クリスマスの翌々日、ワトスンがホームズを訪ねると、ホームズはフェルト帽子を調べていたようだった。
ホームズによると、おおぜいの人間がひしめき合うロンドンでおこる奇妙な小事件の一つだという。
帽子はピータースンというホームズが便利屋として使っている男が
クリスマスの朝ふとったガチョウとともに持ち込んだのだという。

ピータースンがクリスマスのお祭り騒ぎのあと朝の4時ごろ家に帰る途中、
フェルト帽の男が5・6人の乱暴者にかこまれていたので、助けようと駆け寄ったら
全員逃げてしまって(ピータースンは退役軍人でいつも軍服をきているので警察官とまちがえられた)
フェルト帽とガチョウが残ったのだという。
ガチョウの足には「ヘンリー・ベーカー夫人へ」と書いたカードがついており、
フェルト帽にはH・Bのイニシャルがあるものの、それだけではどこに届けていいのかわからなかったので
ホームズのところに持ち込んだのだという。
ガチョウは食べたほうがよさそうだったので、ピータースンが持っていき、
落とし主は新聞に広告を出さなかったという。

ホームズは帽子からこの人物が過去3年間は羽振りがよかったものの、このところ落ち目になってきていること
知識が豊富で、もとは慎重な性格だったが、いまはいい加減になっていて、奥さんの愛情もなくしつつあると推理
その根拠をのべてまたもワトスンを驚かせる。

そこにピータースンがやってきて、ガチョウの餌袋から青い宝石をみつけたという。
それは新聞に広告が出ているモーカール伯爵夫人の青い宝玉で千ポンドの賞金がかかているものだった。
5日前にコスモポリタン・ホテルでなくなり、配管工のジョン=ホナーが罪に問われているものだった。

ホームズは新聞に広告をだして、フェルト帽とガチョウを返すとしてベーカー氏を探そうとする。
ベーカー氏はやってきて、代わりのガチョウとフェルト帽を持って満足して帰って行った。
ホームズは彼は事件に無関係と判断。
ガチョウの仕入れ先だけをうまく聞きだす。

ガチョウを売ったのはアルファの店のウィンディゲートだという。
そこにあたるとコベント・ガーデンの市場の鳥屋のブレックンリッジから仕入れたという。
しかし鳥屋はすでに何度もガチョウのことをきかれているらしく、
ホームズの質問をうるさがる。主人のポケットから競馬新聞がでているのに気が付いたホームズは
賭けを装ってうまく仕入れ先を確かめる。
仕入れ先はオークショット夫人。ブリクストン通りだという。

ホームズとワトスンが立ち去ろうとすると、小柄な男があらわれて主人に鳥のことをきいて追い払われていた。
ホームズは彼に声をかけ、偽名を使おうとするのを見破って、コスモポリタン・ホテルの事務長ジェームズ=ライダと確認し、
3人でベーカー街へ戻る。

事務長によると、伯爵夫人の召使に青い宝玉の話をきいたライダは、
わざと修理をさせるために前科のあるホナーを呼び出し、宝石を盗み出して濡れ衣をきせた。
そして宝玉をうりさばいてくれる男のところにもちだそうとしたが、不安になり、姉の家のガチョウに食べさせた。
なぜなら、クリスマスに一羽もらえることになっていたので、宝石をいれたガチョウを欲しがればいいと思ったから。
もくろみはうまくいったかに見えたが、売りさばいてくれる男のところでガチョウをさばいても宝石はない。
実は同じよな模様のガチョウが2羽いて、間違えたのだ。
しかも、そのガチョウは売られてしまっていたというわけだ。

すっかり訳をきいたホームズはライダを追い出し、警察には引き渡さなかった。
十分反省していて、もう罪は侵さないと判断したのだった。
恵みを施すクリスマスだし、自分は奇妙な事件に取り組めてすっかり満足している。
ライダが姿をくらませば、ホナーの嫌疑もかたまらず、訴訟がとりさげられるだろう。

そういって二人は食事を始めるのだった。




2 まだらの紐
ワトスンがこれまでの事件を回想し、(8年で70余りといっていた)、サリー州ロイロット家の事件について
公表しないと約束した夫人がなくなり、ロイロット家の事件の真相をはっきりさせるのによいだろうと判断して
小説にすると前置きをする。

1883年4月。ホームズとワトスンは若い女性の依頼人に起こされる。
女性はヘレン=ストナーと名乗り、ひどく怯えていた。
ホームズが例のように女性の身なりやポケットからのぞく列車の半券などから見事な推理をみせる。
ヘレンは驚きながら、事件の話を始める。

ヘレンは義父のグリムズビー=ロイロット博士とサリー州のストーク・モーランに住んでいる。
義父の一族は伝統あるサクソンの一族で、一時は広い領地をもっていたが、おちぶれて領地も失い、
暮らしていけないほどになった。
義父は医者になり、インドのカルカッタで開業したが、執事をなぐり殺してしまい、刑務所に入った。
博士はインドでヘレンの母親と結婚した、そのときヘレンと双子の姉ジューリアは2歳だった。
母親の財産は年収で千ポンドあり、二人の子どもが博士と暮らしている間は全額博士のもので、
娘が結婚したら、一部を二人に分け与えることになっていた。
一家がイギリスに帰って間もなく母親が鉄道事故で亡くなり、博士はロンドンで開業する予定をやめて
ストーク・モーランの屋敷に引きこもり、だれともつきあわず、それどころかケンカばかりするようになった。
だれも今では義父と付き合おうとはしない。
屋敷にジプシーを住まわせ、インドからチーターとヒヒを運んで庭で放し飼いにしている。
召使はいついてくれないので、姉妹で家事をして暮らしていたが、2年前姉が30歳の若さで亡くなった。
結婚の2週間前であった。
亡くなった夜、姉はヘレンの部屋で夜中に口笛が聞こえるといっていたが、部屋に鍵をかけて寝ていた。
夜中に叫び声で起きたヘレンが外にでると、口笛と金属音が聞こえたような気がした。
姉の部屋には鍵がかかっていたが、中から鍵をあけて姉がでてきて「まだらの紐」といいのこしてなくなった。
毒は検出されず、部屋が密室だったことから、なにかのショック死とされた。

1か月ほどまえ、ヘレンにも結婚話がもちあがり、博士の反対もなかったので、春に結婚することになった。
2日前、なにかの工事で部屋の壁に穴があけられてしまったので、姉の部屋にうつることになった。
すると口笛がきこえる。ランプをつけるとなにもなかったが怖くてたまらず、家をでてきたのだという。
ホームズが手首のあざを指摘すると、義父によるものだという。
そして、義父は用事でロンドンに来ているので、夜まで屋敷をしらべてくれてかまわないという。
自分も用事を済ませて午後には家に向かうという。

ヘレンが帰ると入れ違いにロイロット博士がやってくる。
娘をつけてきたといい、ホームズにわが家に手をだすなと警告していく。
ホームズは面白がって、ますます事件への興味をつのらせる。

午前中に死亡したヘレンの母親の遺言を調べにいったホームズは、二人の娘が結婚してしまうと
博士は収入が大幅にへってしまうことをつきとめる。動機はあるわけだ。

午後からストーク・モーランの屋敷でヘレンとおちあい、博士がいないうちに部屋をみせてもらう。
ヘレンの姉が死んだ部屋は博士のとなりの部屋で、窓からはかぬきがかかっていたら出入り不能。
ベッドのそばに呼び鈴のひきずながあり、2・3年前につけかえたばかりという。
床や壁を調べてから呼び鈴を引っ張るが鳴らない。
同じころにあけられたという換気孔が博士の部屋とつながっていた。
博士の部屋を調べると、金庫の上にミルクの小皿がのっていた。またベッドのすみに犬の訓練につかうムチがあった。

調べ終わったホームズは、ヘレンに緊急事態だから、よく自分のいうことをきくようにと諭す。
博士が帰ってきたら、ヘレンは寝室にこもるふりをして、博士が寝床に入るのを待つ。
そのあと鎧戸をあけてランプをおいたらホームズとワトスンが窓から部屋に入る。
ヘレンは穴のあいた部屋にうつり一晩そこにいる。

手はずを整えて二人は村の宿屋でヘレンの合図を待つ。
ホームズはワトスンに危険があるのでつれていくのは気がとがめるという。
姉のベッドが固定されていたことなどから、姉の殺害方法についてある程度目星がついたらしい。
11時ごろ合図がみえたので二人は館に向かう。
庭を通るとき、ヒヒとすれ違う。
へやについて真っ暗闇の中でピストルを置いてひたすら待った。
外では放し飼いになっているチーターの鳴き声がする。
午前3時に隣の部屋でランタンがついた気配がした。そしてこきざみに湯気を吹きだしているような音がする。
そのときホームズが呼び鈴のつなをステッキで打ちまくった。
ホームズが明かりをつけると、口笛が聞こえたが、ワトスンには何も見えない。
ホームズが換気孔をみあげている。そのときとなりから恐ろしい叫び声がする。

二人がロイロット博士の部屋にいってみると、まだらの模様のインドの沼ヘビに噛まれて博士は亡くなっていた。
金庫のドアが少し開いたままだった。
ホームズはムチで沼ヘビを捕まえて金庫に放り込み、ヘレンをおばさんの家に送り届けた。
警察は博士は危険なペットと遊んでいて死亡したと結論をだし、事件は解決となった。

あとでホームズがワトスンに、最初はジプシーが関係していると思っていたが、
現地で呼び鈴の紐と換気孔をみて、考えを変えたと教えた。
そして、あの夜自分がステッキでヘビを追い払った結果、博士は死んだわけだが、良心の呵責は感じないと。


3 技師の親指
ワトスンのところに親指をなくした水力技師がパディントン駅からやってくる。
非常に興奮していたが、ワトスンの治療で元気を取戻し、警察にいくつもりだが、
誰も話を信じてくれないかもという。
そこでワトスンは彼をホームズの元につれていくことにする。

ホームズの下宿で一緒に朝食をとり、男の話をきくことになった。
男はビクター=ハザリーという水力技師で、一流の会社で7年見習いをしたあと、
独立して、父の遺産でビクトリア街に事務所を構えた。
しかし相談は二年で3件、仕事は1件でまったく軌道にはのっていなかった。

昨日事務所から帰ろうとすると、ライサンダー=スターク大佐という名刺をもった男が訪ねてきて、
秘密をまもってくれれば、水圧機の調子をみて、どこがわるいか教えてくれれば一晩で50ギニーだすという。
話しがまとまり(水力技師は内心おかしいとおもっていたが)、最終列車でバークシャーのアイフォードへいくことになる。
大佐は秘密にするわけは、漂布土という貴重な粘土をほりだしているので、
それがばれると土地の値段があがってしまうと説明した。

駅から1頭立ての馬で1時間走り、降りたところは玄関ですぐに中におしこまれたという。
ランプを手に美しい婦人があらわれ、外国語で話しかけたが、大佐がすぐにつれていってしまった。
そして技師を他の部屋におしこんだ。押し込まれた部屋にあった詩集はドイツ語だった。
家は時計の音がはっきり聞こえるくらい静まっていたという。
ふいにドアが開いて、ランプの婦人があらわれて技師に帰れという。
そして階上でドアの閉まるおとがすると去って行ってしまった。
大佐ともう一人秘書兼マネージャのファーガスンと名乗る男がやってきて、機械のところに案内した。
なんと機械は家のなかにあり、案内された部屋が水圧機のピストン部分だという。
水力技師は機械を調べ、水漏れをおこしている場所と部品について説明した。
そして、機械からとても漂布土を圧縮しているだけとは思えないことをいうと、
大佐はいきなり技師をピストン室に閉じ込めて機械を作動させる。

技師はおしつぶさるところを、間一髪、ランプの婦人が板張りの壁をはがしてつれだしてくれる。
そして高い窓から飛ぶようにいうが、技師が婦人のことをきづかってためらううちに手斧をもった大佐においつかれる。
婦人が抱き着いて「フリッツ」と呼びながら止めるが、大佐は婦人を「気が狂ったのか、エリーゼ」となじり
手斧をふりおろす、技師が窓枠にかけていた親指だけが手斧の餌食になったのだ。
気が付くと夜露にぬれたまま駅の近くに放りだされていた。
親指の傷がなかったら、夢と思ったかもしれない。
駅できくと警察は3マイル離れているというので、とりあえずロンドンに帰ることにしたのだという。

話を聞いたホームズは、この1年くらいの間に他の水力技師を探す広告が新聞にでていたのを示す。
そしてロンドン警視庁にいってから、ブラッドストリート警部と私服刑事、技師とともにアイフォードに向かう。
皆がどの方向に進むべきか検討しているとき、ホームズが円の中心にいるという。
技師の話のなかで、乗せられるまえの馬が元気だったときいて、
技師をごまかすために6マイルいって6マイル戻ったと推理したのだ。
警部が、やっていたのは半クラウン銀貨の贋金をつくっていた一味で、かねて警視庁が探していたのだと説明した。

アイフォードについてみると駅の近くの森から煙があがっている。
ベッカー博士の家が火事だという。身体的特徴からどうやらファーガスンと名乗っていた男の家らしい。
火元になったのは水力技師をつぶそうとしたときのランプであった。
火が消し止められた後、死体はでなかったが窓枠の指が大騒ぎになった。
技師を運んだのは婦人とファーガスンであることも足跡でわかった。
3人の足取りは、火事の朝、荷馬車がレディングにむかっていったことがわかったが、それ以上はわからなかった。

技師がなにもいいことはなかったというと、ホームズが貴重な体験をしたのだから、
これから話し上手といわれるだろうと笑うのだった。



まだらの紐  シャーロック=ホームズ全集 (7)

まだらの紐 シャーロック=ホームズ全集 (7)

  • 作者: コナン=ドイル
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1982/02
  • メディア: 単行本



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