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ジュニアスポーツのための筋力トレーニング―小学生から高校生まで今すぐ始める体力向上エクササイズ [子育て]

アメリカで刊行された子ども筋力トレーニングの指導書を翻訳したもの。
2003年に刊行

序章 Part1 石井直方
翻訳とは別に、日本の子どもの現状と、日米の差異について。

人は生まれてから成人になるまで身長が3.5倍、体重が20倍になる。
筋・骨格、神経系が特に速い速度で発達する必要がある。
こうした発達は活発な日常生活や運動による重力との相互作用によっておこる。
しかし、日本の子ども達の身体活動は十分ではなく、体力、特に筋力は低下している。
反面、本格的なスポーツ活動を行う子どもは増えており、スポーツ障害が増えている。
こうした問題は大人の社会の「省力化」によるもので、子どもだけをそこから遠ざけるのは難しい。
スポーツ障害も、一度進化したスポーツ指導を元には戻せない。
そこで、科学的トレーニング・プログラムを導入することが必要だ。
トレーニング科学の権威であるW.J.Kraemer S.J.Fleck両博士が、日本版の10年前に刊行したもので
子どもの身体的、生理学的、心理学的特性を十分に考慮した無理のないトレーニングが紹介されている。
プログラムの基本は同じでも、国によって環境は違うので、現状を踏まえた見直しが必要。

筋力トレーニングは従来はボディビルダーのようなたくましい筋肉をつくったり、
スポーツ競技力に直結するような筋力やパワーを養ったりするものと考えられてきた。
そのため、気力を振り絞り、危険を伴うほど行うものと思われてきた。
ボディビルディングや重量挙げなどならともかく、一般的には誤った認識。

筋力トレーニングの目的・・・筋肉と身体の状態をよりよくすること
(全米ストレングス&コンディショニング協会)

スポーツ動作は複雑で高度な運動技能を必要とするので、技術力を向上させるために
質の高い練習を繰り返し行う。そうすると特定の筋や骨・関節などの支持組織に強いストレスが発生し
特定の筋の疲労が持続したり、アンバランスな筋の発達が促されたりする。
これが障害の原因になる。
こうして質の高い技術練習ができなくなる。
悪循環を断ち切るために
バランスのとれた筋力・筋持久力の向上→良質の技術練習→技術発揮に必要な筋機能のさらなる向上
をもたらす筋力トレーニングを行うべき。

一般の健康づくりでも
悪循環、筋力低下→日常的な活動の低下→さらなる筋力低下を断ち切る意味がある。

身体的・精神的ストレスを最小限に抑えながら、短時間でもっとも大きな効果を得るように
科学的に工夫されたものが理想的なトレーニングプログラム

子どもの発達には個人差があり、思春期を迎えるころには3歳程度の差があるのが普通。
発達段階のどの時期にあるかは、清朝の増加率を調べるとわかる。
増加率のピークは平均して男子13歳、女子11歳。この時期に運動の刺激が強すぎると骨や関節に障害が発生しやすい。
思春期前には神経系の発達が著しく、筋・骨格系の発達はゆるやか
思春期を迎えるころから生殖腺や内分泌系が発達、筋・骨格系も性に応じて発達。
筋は速筋繊維の機能が高まることで、エネルギー代謝における、速筋・遅筋の役割分担が明確化する。
発達特性を考慮して、
スポーツ活動は、スポーツとの出会い→複数スポーツの経験→専門種目への傾斜→専門種目への集中→トップアスリートへの挑戦→トップ・コンディションの維持、の段階がそれぞれ重なりながら行われるべき、専門種目への集中は発達のピークを過ぎてから。
技術は、模倣→基本の習得→応用能力開発→洗練化と独創性、個性の発揮が同じく重なりながらおこなわれるべきで、応用は発達のピークをすぎてから。

平成13年度の文部科学省の報告では、子どもの体力は低下の一途をたどっている。
また子どものスポーツ活動に伴う外傷・障害も増加している。
幼児期から思春期前にかけての時期に神経系の発達を促す運動が不足して身のこなしが体得されていないのも原因。
それよりおおきいのは「動きづくり」=神経系と筋の相互作用がないことと思われる。
ジャンプ動作のにおける障害をふせぐには、ジャンプ自体よりもスクワット・ジャンプの方よい。
適切な筋力をつけるのは障害の予防になる。

筋力トレーニングは「良質な動きをつくり、外傷・障害を予防するために筋の状態を改善する」という目的で
適切なプログラムに基づいて行うと、子どもを含む老若男女にとって極めて有用。
子どもの体力低下にも歯止めがかかるかもしれない。
ポイントは適切なトレーニングが与えられるかで、その点では我が国は施設も指導者も皆無。
この本であげている、特別な器具をつかわないプログラムを学校教育でとりいれるのが効果的と考える。


序章 Part2 甲賀千詠子(ウイダー・トレーニング・ラボ)

レジスタンス・トレーニング・・・・外的な抵抗を利用して筋肉の機能を高めようとするトレーニング方法。通常はフリー・ウェイトやトレーニングマシンを用いるが、腕立てなどの自重を負荷にする運動も含まれる。

安全性や効果の理解、子どもの体力レベルが筋力トレーニングの段階にないとう声にこたえた導入プログラムを
ウイダー・トレーニング・ラボが作ったもの。

ガイドラインとして
適切な指導のもと行えば危険と外傷のリスクが低いこと
思春期前の子どもでも、成長発達以上の筋力の像かが認められる。
ただし、効果は筋の肥大化よりも神経系統のメカニズムに関連している。
運動単位の活性化や発火頻度の増加といった神経の適応が筋力の獲得に結び付いている。
これによる運動スキルの改善や動作にかかわる筋群の協調が高められるが、目的に応じたトレーニングを処方する必要がある。
筋力の向上によって、指示構造(靭帯、腱、骨)の強化や関節周辺の筋力バランス改善が行われ、スポーツ活動中の外傷や障害の可能性を低くできる。
毎日の運動は健康習慣の確立につながる、自由時間の半分はスポーツや身体活動にあてるが理想的。
規則正しいトレーニング、適切な栄養、十分な睡眠の大切さを教育すること。
健康的なライフスタイルによって、体脂肪の減少、骨密度を高めるなどのメリットがある。

導入プログラム パターン1 週3回
・スクワット12-15
・デッドリフト 12-15
・プッシュアップ 12-15
・懸垂 8-12
・アーム・カール 8-12
・トライセップス・』エクステンション 8-12
・背筋のトレーニング 8-12
・腹筋のトレーニング 12-15
これを1セットとして1-3セット、セット間の休憩は1分30秒から2分

導入プログラム パターン2 サーキットトレーニングとして行う
パターン1と同じで回数は12-15 セット数2-3、セット間休憩15-30秒

各動作には3Stepがある。
15回×3セットできるようになったらStepをあげる目安になる。

注意
・プログラムの前にウォーム・アップをして体温を上げる、ストレッチングで関節可動域を広げたり、筋や腱の弾性を高める。
・成長期の子どもにみられる障害(オスグッド・シュラッテル病、肘、ローテーター・カフ、かかと骨骨端線障害)などに注意して、無理はさせない。痛みがあれば医師の診断をうけさせる。既往症の子どもは再発防止を
・関節可動域はフルレンジ(全可動域)で行う。可動域が狭いとそれ以外の範囲の筋肉が発達しない。

ストレッチングの実施
ウォームアップとクールダウンで行う
大筋群のストレッチングを紹介するので、小さな筋肉のストレッチングを加える必要がある。
障害のでやすい部位を意識して行う。
気持ちよく伸ばせるところまで、反動をつけないで、ゆっくり行う。呼吸はとめない
筋肉は急にのばsれると伸び過ぎを防ぐために逆に緊張してしまう。
ストレッチングのメリット
・筋肉の緊張が抑えられ、からだをリラックスできるようになる。
・関節可動域を広げる
・ウォームアップとして体をあたためて行うと、筋損傷を防ぐ
・クールダウンとして行うと筋疲労を軽減する
・将来にわたって柔軟性を維持・向上させる
・体の各部位に意識をむけさせることができる

外遊びは意識的に子どもたちの生活のなかでとりいれていかないといけない
養われる体力要素
・敏捷性=ある方向に素早くからだを動かす能力
・パワー=力×速度で表される、瞬間的に発揮される大きなエネルギー
・バランス能力=姿勢を巧みに保持する能力
・柔軟性=関節が本来動かせる範囲を保つ能力
・コーディネーション=手足の動きなどを巧みに組み合わせて効率よくからだを使う能力
遊びの具体例と、その効果
・棒上り→全身の筋力、全身のコーディネーション
・馬跳びくぐり→下半身のパワー、上半身のパワー、股関節の動的な柔軟性、全身のコーディネーション
他に垂直跳び、うんてい、けんけん、縄跳び
遊びは体力要素の他に神経系の機能をたかめるので、
将来トレーニングによって強化される筋力やパワーを効率よく動きのなかで発揮するのに役にたつ。
プロのスポーツ選手のトレーニングでも鬼ごっこがとりいれられている。
遊びをウォーム・アップの一部にとりいれるのはよいこと。

写真入りでストレッチングの実際を解説
・ハムストリングのストレッチ・・・座って足をひらき、片方の足の膝に片方の足の裏をつけた体制で脚の方向に上体をたおす。寝たまま膝をかかえ胸の方向にひきよせる
・股関節周辺のストレッチング・・足を開いてすわり状態を倒す、あぐらで両足裏をつけて上体を倒す。
・腰部ストレッチング・・・寝転んで片膝をたてて、反対の足の方向に倒し、上半身は反対方向へ捻る
・アキレス腱・・・片膝をたてて床にすわり、膝をかかえる。かかとがうかないように
・大腿四頭筋全面、横向きに寝転んで上の足を曲げ、足の甲を手で持つ
・ふくらはぎ・・・壁に両手をついて、片足をひいいて踵をゆかにつける
・肩のすとれっち・・・・左ひじが無目の前にくるように腕をまげ、右手で左腕を抱え込むようにして右肩のほうにゆっくりひきよせる。反対も。
・体側のストレッチ・・・両手を頭上で組んで、体を横に倒す
・上腕三頭筋・・・腕が頭の後ろに来るように左腕をまげて、右手で左ひじをつかんで下におす、反対も。

導入プログラムの各ステップ解説と注意ポイント
スクワット
 setp1 何かにつかまって行う
 setp2 何もつかまらずに行う
 setp3 後ろ足を台にのせて、片足で行う
 注意点・・・膝がつまさきより前にでたり内側に入らないようにする、足を地面につける、、目線はしっかり前
デッドリフト
 setp1 砂または水(少量)をいれたバケツをもって立ち上がる
 setp2 量を増やす
 setp3 さらに量を増やす
 注意点・・・膝がつまさきより前にでたり内側に入ったりしない。背中を丸めないで体幹を使う。
プッシュアップ
 setp1 鉄棒をつかって立位で行う
 setp2 膝をついて
 setp3 膝をつかずに
 注意・・・お腹・お尻をつきださずに頭から足まで一直線、立つ位置は鉄棒から離すほど負荷があがる。
懸垂
 setp1 ななめ懸垂
 setp2 補助者が足をもってななめ懸垂
 setp3 懸垂
 注意点・・・スタートポジションい戻すとき、ゆっくり行う。体を一直線に保つ、動作範囲をフルにとる
アーム・カール
 setp1 チューブを足で踏んで両端を両手でもってもちあげる(肘は動かさない)
 setp2 足でチューブを踏んで背面からあげて、頭の後ろに回した手で持つ、そのままひきあげる
 注意点・・・反動を使わない。チューブを短く持つ、二重にすることで負荷があがる
背筋のトレーニング
 setp1 うつ伏せで上体起こし(両手は頭の横に添える)
 setp2 四つん這いで片脚屈伸
 setp3 四つん這いで片手片脚伸展
 注意点・・・反動をつかわずに、戻すときもゆっくりと
腹筋のトレーニング
 setp1 膝に手をそえて上体を起こす
 setp2 クランチ(足を台にあげて、両手を胸のまえで組む)
 setp3 シットアップ(膝をまげて両手を頭の後ろに組んで上体起こし)
 注意点・・・反動をつかわない。手の力でもちあげない。


第1章 子どものための筋力トレーニング
大人の管理のもとできちんと計画されたレジスタンス・トレーニングを行うことの長所
・筋力向上
・筋持久力向上
・スポーツおよびレクリエーション活動時の障害予防
・スポーツおよびレクリエーション活動時のパフォーマンス向上
子どもは神経系を発達させていくことで筋力を発達させていく。
思春期前の子どもはレジスタンス・トレーニングが筋肉の肥大化にはつながらない。
しかし、負荷を用いることで筋肉の機能を高めることができて、運動能力の向上に結び付く。
レジスタンス・トレーニングは子どもには害があるという考えも誤解である。
負荷について検討し、適切に行う分には筋力を向上させ怪我の防止になる。

子どもがレジスタンス・トレーニングを始める前に指導者やコーチが気を付ける点
・レジスタンス・トレーニングをするにあたり、その子供が精神的にも肉体的にも準備が整っている状態であるか
・その子供にあったレジスタンス・プログラムは何か
・プログラムのかのそれぞれの項目で、リフティングの正しいやり方を指導者も子どもと理解しているか
・プログラムのそれぞれの項目で、リフティングする負荷の安全な持ち方、置き方を指導者も子供も理解しているか
・プログラムで使うそれぞれの用具の安全面について子どもは理解しているか
・プログラムで使う用具は子どもに適当なものであるか
・その子供はバランスのとれたスポーツ活動に参加しているか

レジスタンス・トレーニングが危険なのは練習量が子どもに不適切であることが原因。
ガイドラインだけでなく、個人への配慮が必要
あまり短期化に多くのことをせず、ゆっくり慣らす。
子どもが特定のプログラムに固執したり、楽しくなさそうに練習していても驚くにはあたらない。
レジスタンス・プログラムに参加している理由をコーチや親子どもが理解していることが大切。
そのためには目にみえる目標はなにか、どのような必要性があるか、トレーニングをするとどうなるかなどに大まかな理解が必要。

レジスタンス・トレーニングの年齢別基本的ガイドライン
7歳以下 基本的な練習を軽いウエイトあるいはウエイトなしで行う。トレーニングのおおまかな内容を把握させる。
      練習のやり方を教え、体全体を使った柔軟体操、パートナーエクササイズ、軽い負荷を使ったレジスタンス・エクササイズ。
      すべての内容は、負担の少ないもの。
8-10歳 だんだんとトレーニングの種類を増やす。
      拳上動作(重力にさからって負荷をもちあげる運動)を用いたトレーニングのやり方を教える。負荷を徐々にあげてみる。
      簡単でわかりやすいものを徐々に増やす。運動からうけるストレスに常に注意する。
11-13歳 すべての基本的なトレーニングのやり方を教える。
       ウエイト(自重を含む)を使った練習では負荷を少しずつあげていく
       引き続き正しいテクニックで行うことを優先しながら、少し高度なトレーニングを紹介、軽いウエイトあるいはウエイトなしをやらせてみる
14-15歳 負荷を使ったより高度な青年向けトレーニングに移行させていく。
       スポーツ競技特性にあわせたトレーニングもとりいれてみる。
       引き続き正しいテクニックで行うことを優先しながら、少し高度なトレーニングを紹介し、軽いウエイトあるいはウエイトなしをやらせてみる。トレーニングの量を増やす。
16歳以上 レジスタンス・トレーニングについての概念をきちんと理解し、
       基本的なトレーニングを一通り体験したら、大人のプログラムを教えていく。
はじめるときには、年齢のひとつ前の段階からはじめる。理解力を考慮して次の段階に進める。

大人のためにつくられたプログラムをそのまま子どもにやらせてはいけない。
レジスタンス・トレーニングに対する間違った先入観(強い人は絶対に負けないなど)を持たせないようにコミュニケーションをとる。

トレーニングをしっかりと継続的に行うことは、厳しくつらいことだが、得るものも大きい。
大人の理論を子どもにあてはめてはいけない。
子ども同士を比較してもいけない。子どもにあった進度で満足がいけばいい。
プログラムはどんどん新しく高度なものへ変わっていく必要があるが、子どもが精神的肉体的に疲れをのこさないように注意する。


第2章 成長と発達
子どもの成長と発達の仕組みを理解することで、子どもに求めるものが現実的に把握できるようになり、
トレーニングの目標や内容の説明方法おのずとわかってくる。
トレーニング・プログラムは子どもの身体的・精神的発達の度合いを考えてその子供がこなせる範囲のものでなければならない。
子どもの成長と発達にはいろいろな側面があり、複雑にからみあっているが、一般的には適切な運動と栄養をとりいれた
健康的な生活習慣を守ることで、子どもはより好ましく成長し、遺伝的な要素も最大限に発揮していくことができる。

体の大きさは遺伝的要素が大きい。
子どもの身体的特徴から、ある決まったスポーツにむいているとは限らない。
発達曲線はあるものの、個人差があってからなずしも当てはまらない。
成長のピークをすぎてから予想値に近づく。

レジスタンス・トレーニングによって骨を痛めるのは、間違ったトレーニングをしたときだけ、
むしろ骨密度などによい影響がある。

これまでのところ運動選手や思春期前に運動を始めた女子は一般の女子に比べて初潮の時期が遅いことがわかっている。
その影響などについてはよくわかっていない。

トレーニングに対する適度な興味、集中力、態度が必要。
7・8歳の子どもの方が12・3歳の子どもよりも教えやすく動機づけしやすい。
精神的な発達の程度によって、子どもの運動をより安全かつ効果的にするための指示はことなる。
やる気をひきだし、うまくやりたいという気持ちを起こさせることが、プログラムを成功させる秘訣。

エクササイズのレベルを先にすすめることばかりに固執してはいけない。
子どもが困っていることや、わからないことがないか常に気を配る。
やりすぎないようにする、
やりたがらないときは無理にやらせない。
やる気がでるような環境作りが指導者の役割。

一般に女子のほうが男子よりずっと早く成熟する。
子どもは人と比べたがるが、トレーニングは個別で意味がないことを理解させよう。
自分にうちかつことが大切であると教え、異なった目標をつくってあげる。
自分の進歩に関心をもつことは、その後の活動的な生活習慣のために大切。

子どもをスポーツ分野で成功させることだけを目指してはいけない。
レジスタンス・トレーニングはスポーツ分野で成功するためだけのものでなく、
スポーツ自体を楽しみ、体を鍛えるものであること、スポーツの準備として位置づけられるべきものであることを伝える。
子どものスポーツ経験がよりよいものになるようにしてあげることが大切。
そして子どものもっている可能性を最大限伸ばすために必要なものを与えてあげなければならない。

将来プロ選手にさせることだけを考えるのではなく、
子どもにとってスポーツとは何かということを適切に指導してやり、
経験したことを役立たせてあげること。
体力がおもうように続かないときには、もっと違ったエクササイズを考えることで、
子どもが生涯にわたり、健康で幸せでいられるような生活習慣づくりを助けてあげよう。



第3章 プログラムの作成と管理
プログラムを行う環境は、子どもにとって適切で、理念がきちんと展開、実行されることが必要。
子どもの心理的、生理的欲求や能力をしっかり把握していることも前提。

やる気付けは一人一人違っているもの。
最初の段階では子どもが純粋に身体を動かすことに興味を持つようにさせる。
無理やりでは子どもはおっくうになる。
よくあるのがフリースローを入れられなかったことなどの失敗に対する罰を課すなど。
子どもの能力の限界を超えることや、身体的に辛くなるようなことは避けるべき。
最初から回数を求めるとひどい筋肉痛をひきおこす。
精神的・肉体的準備をしっかりしてから、安全にスポーツに参加できるように指導する。
こどもたちがトレーニングを始めるまえに、からだづくり、トレーニング、スポーツとは何かについて、
ある程度学習させておくことが大切。
トレーニングへの参加は自由であり、大人を喜ばせる為やるべきではない。

適切な目標は大切。
子どもに適した目標とゴールを決める手助けが必要。
何が現実的で可能なのかという基本的な理解が必要。
間違った指針は子どもの自尊心を傷つけ、トレーニングの本質を取り違えてしまい、指導者は信頼を失ってしまう。
子どもは他人よりも自分に打ち勝って目標を達成することが大事。
トレーニングのやり方や目標は子どもの年齢、興味、身体的発達によって変わる。
スポーツ競技にあわせて、より厳しさが求められるものになっていく。

掲示や表示物できちんとした情報を伝える必要がある。
計画表の例や、盛り込む内容などの例があがっていた。
・レジスタンス・トレーニングの適切な目的を明示など

まずトレーニングをのプログラムをしっかりつくり、
後から管理上必要な部分を変えていく、
施設の方をトレーニングにあわせていく。

器具をそろえるのは難しいので、だいかえになるものを探す。
斜面や階段を利用したり、自分やパートナーの体重を利用する。

スポーツクラブの会員になる際に考慮すべき点がのっていた。
インストラクターに資格があるかとか、安全面の配慮、器具がととのっているか、子ども専用、子ども用のプログラムがあるかなど。

器具は毎月、できるだけ頻繁に調節すること。
子どものトレーニングカードに調節する値をいれておくのもいい。
調節に時間がかかるあまり、トレーニングの効果が半減しないようにしておくことも大切。

器具類の手入れ法
週に1回は接合部分のひび割れ、ねじのゆるみなどを点検。
湿気が多いとマシンの錆の原因になるので換気に注意。
シリコン入り潤滑油で摩耗部分を手入れする。
週に一度はチェーン部の汚れをとり潤滑油をさす。
部位別に手入れ方法が解説してあった。
ケーブルとぷーりー、ウエイト・プレート、オリンピック・バー、シート部分

可能であれば施設のすべての床を褐色のゴム加工フローリング材にするとよい。

用具の修理に必要な備品
アレンレンチ、ドライバー、配置ファイルなど

一度に何人くらいの子どもを教えられるかは子どもの成熟度による。
混みあう時間はきまっているので、個人やチームで時間をきめたり、
どの時間にどの器具が使えるか、子どもに教えるもの大切。
トレーニング時間の人の動きがうまくいくようにするほうほうもある。
その具体的な方法として時間を計ってトレーニングさせる、あらかじめ決められたトレーニング順序に従う(好きなものに偏らない)
などがあがっていた。

安全なレジスタンス・トレーニングを行うために、施設の全床面積が十分あることが必要。
器具の間はすくなくとも1.5mあるのが望ましい。フリーウエイトを使うなら器具を置く場所が必要。
新しい器具をいれるときはスペースを考慮する。

プログラムをつくったら休憩・負荷を変える時間・器具を調節する時間を含めて必要な時間を計算する。
休憩時間を減らすことで血中の乳酸値が上がる。
子どもがもっとトレーニングできるのか、乳酸値をあげる運動がやれるのか注意してみている必要がある。
休憩時間を減らしてよいのは、高い負荷で一部の筋肉を鍛えるトレーニングをさせるときだけ。
休憩時間は2分以下にならないようにうする。
時間の制約でプログラムを変更して子供のやる気をそがないようにする。

トレーニングプログラムが最初の目標にあっているか評価する。
少なくとも8週間かけないと検討はできない。
簡単で早いのはトレーニングの記録を調べること。
こどもがRM負荷運動をとおして何ができるようになったかの記録を見て調べる。
筋力・パワーは3-4週は20%、8-14週になると30-40%程度の伸び率がひられると成功しているといえる。
以前にトレーニングしている子どもはこれほどの伸びはみられない。
通常RMを調べるときにはレッグ・プレス、スクワット、ベンチ・プレス、インクライン・ベンチなどのエクササイズふたつかみっつを組み合わせる。

トレーニングの記録をとる。
記録用紙の例がのっていた。

RMの決め方
子どもの場合6-7RMという反復回数が筋力を計るのにちょうどいい。
休憩時間や行ったセットによって結果がかわるのでしっかり管理して行う。
6RMの決め方、
レッグ・プレスの例がのっていた。
正しいRMテストは子どもがひとつのエクササイズをするごとに10-15分かかる。
ふたりで交代させて一人は休憩させたりして効率よく行う。
前のトレーニング終了から24時間たっていないといけない。
正確なエクササイズを周知徹底して行う。

筋持久力テスト
RMてすととは別々に24時間から48時間おいて行う。
6RMの60%から80%の負荷で行う。

運動能力テスト
詳しい情報は「Measurement for Evaluation in Physical Education」を参考に。

評価の方法
子どもの競争心を満足させてあげるために、リフティング・コンテストなどをひらくのもよい。
スクワット、ベンチ・プレス、パワー・クリーン、スナッチはいくつかの運動を組み合わせて高度な技術を要するリフティング。
単に重いものをもちあげただけでなく、正しい姿勢などテクニック面に焦点をあてる。
章の終わりに評価シート例をつけた。

指導のポイント
いったんレジスタンス・トレーニングをはじめたら、プログラムの組み立て、進歩の度合いに応じた見直しは
ずっとやり続けなければならない。


第4章 体力や年齢に合わせたプログラムづくり
レジスタンス・トレーニングを始める前に
医師による健康診断を受ける。
例としてオスグッド・シュラッテル病であったら、膝を曲げるトレーニングを避けて、
関節まわりの主要筋力を鍛えるトレーニング・プログラムから開始する。
プログラムでは最初にウォーム・アップ、最後にストレッチングを毎回行う。
基本的なリフティング技術を学んだらひとりひとりに合わせてスポーツに関連したエクササイズを盛り込む
成功のコツはプログラムの基本にさらに何をプラスしていくかにある。

ポイント
・運動機能を構成するすべてのもの(筋力・筋持久力、柔軟性、心肺持久力、体組成)の調和を考慮する。
・上半身、下半身の筋力向上のためにバランスのとれたエクササイズを選択する。
・各関節を取り巻く筋肉をバランスよく強化するようにエクササイズを選択する。
・からだの各部位を全身の一部ととらえてエクササイズを行う。
男女の違いはあまり考慮しないが、女子用なら上半身や上肢帯を重点的にきたえるのがよい、
男女の成熟と成長の違いは考慮すべき。

レジスタンス・トレーニングの目的を明確に
・筋力・パワーの強化
・筋持久力の強化
・運動動作にかかわる神経系の発達
・年齢にあった体重の増加を図る
・年齢にあった筋肉の増加を図る
・体脂肪を減らす
よく練られたレジスタンス・トレーニングなら、ここにあげた目標をすべて達成することが可能。
ただし、子どもの年齢や体の変化で制約がでることがある、

鍛えたい筋肉はどれか
一般的なトレーニングならからだの主要な筋肉と関節の運動に不可欠な筋肉に対しておこなうものでなければならない。
短距離走など目的があるなら大腿の前後ろなど特定の筋群を鍛える必要がある。

スポーツに必要な筋肉の収縮
筋肉の主な動きには、等尺性収縮、等張性収縮(短縮性就職、伸張性収縮)がある。
これらを組み合わせたトレーニングの方が効果があるとされている。

スポーツに必要なエネルギー機構
運動は、有酸素運動(マラソンのような長いもの)から無酸素運動の間に分布している。
無酸素的な運動は筋肉の収縮の度合いは高く、活動時間は短く(数秒)
有酸素的な運動は筋肉の収縮の度合いは多少穏やかで、運動時間は長い(4分から数時間)
両者の間に乳酸系の運動があり、筋肉の収縮の度合いは最大に近く、時間は短いから中程度(15秒から6分)
となる

スポーツで起こりやすいケガ
一般的にケガがおこりやすいのは、ヒザ、肘、肩、首、足首
子どもは骨格や筋肉が未熟であるので、特有の怪我(成長なん骨損傷)などがある。
上半身の筋肉はほとんどの子どもが弱い。
弱い部分を強化するプログラムを組む。
怪我をしないように機能的能力を考慮する。

成長なん骨の損傷
成長なん骨は結合繊維の一種、
3つの部分があり、
長骨の成長板あるいは骨端なん骨といわれるぶぶん、
骨に剣が付着している骨端付着部といわれる部分
関節の上にある軟骨で関節軟骨といわれる部分
思春期の骨が硬くなる前に骨端軟骨が損傷すると、その後骨の成長に影響する。
これらの損傷は、単純な怪我、重症、ちいさな怪我を繰り返すなどの硬いで起こる。
レジスタンス・トレーニングでおきるほとんどの成長なん骨の損傷は、頭上へ最大に近い負荷を拳上する場合におきている。
子どもが小さいうちに激しい運動をしていると成長なん骨損傷がおきることがある、
レジスタンス・トレーニングでバランスよく筋肉を鍛えることが予防になる。

思春期前の子どもは下背部の筋肉や脊椎がまだ十分に発達していないために、
大人に比べで下背部の痛みや怪我がおこりやすい。
子どもの身体が一気に成長するとき、多くの子どもが脊柱前湾症になる。
大人も子供も下背部に問題があると重大な障害を引き起こす可能性がある。
レジスタンス・トレーニングで背中に問題がおこるとすると、下背部の筋肉や靭帯をひっぱったりねじったりしたのが原因で、
多くの場合最大負荷をもちあげようとして不適切なやり方になったときである。
デットリフトやスクワットを行うときには背中をまっすぐにして、脚の力もつかってもちあげるようにすること。
子どもにあっていないマシンを使うことでも起こる。
問題がおきないように下背部と腹筋の筋肉強化や柔軟にするエクササイズを行おう。
負荷は中程度から始めること。

腹部の筋肉はあらゆるスポーツをするうえで重要な役割があり、腹部が弱いとスポーツの上達も限られてしまう。
レジスタンス・プログラムでは腹部を鍛えるエクササイズにも力をいれる必要がある。

上半身の筋肉は子どもはとくに弱い。
上半身が弱いとスポーツ特有の動きに制限がでてくるだけでなくレクリエーション的なものでも難しいことがある。
レジスタンス・プログラムでは上半身のエクササイズに力をいれるべき。

プログラムの組み立て方としては変化をもたせ、興味を持続させるのがよい。
ペリオダイゼーション型プログラムを子ども用に直して行う方法が開設されていた。
負荷や反復回数セット数、休憩時間の組み方を具体的に解説。
週3日、きつさ(重さ)を変えたトレーニングを行うほうほうなどが解説されていた。
筋群を強化するにはひとつのエクササイズでなく複数のエクササイズを組み合わせたほうが、筋力パワーとも効率よく強化される。
2-3週おきに新しいエクササイズをとりいれたり、セッションをひとつおきに変えてみたりするとよい。

子どもの立場にそって、スポーツへの興味にそって、実行可能な計画をたて、スポーツに必要なからだづくりの準備期間を設ける。
筋力や筋持久力だけでなく、心肺持久力機能もたかめる。過密で無理にならないようにする。
レジスタンス・プログラムには回復の要素が必要。
痛みは数日で消えるのが普通だが、そうでなければトレーニングを変えたり、量を減らす。

回復とは身体的だけでなく、精神的な意味(こどもがトレーニングをどう思っているか)もある。
子どもの感情を軽くみず、時間をかけて簡単なことでもきちんと説明しよう。
何の為にエクササイズするのか、痛みはないか、感じていることを話せるような環境をつくる。指導者が一緒にエクササイズできるのが楽しみであることを伝える。

ストレスを感じさせない指導方法
1 負荷の無い、あるいは負荷の小さいエクササイズのやりかたを教える。このおりえーテーション期間はゆったりもうけ、エクササイズをせかさないこと。
2 最初のエクササイズは、比較的軽い付加(12-15RM)を使って1セットだけにする。
3 3-4週間は練習期間とする。簡単な各部位のエクササイズから初めて、次に子どもに合わせて徐々に複数のエクササイズを組み合わせたものいする
4 少しずつ負荷をあげ、セット数を増やしていき、4-5週間後にプログラムのスタートができるようにする。
5 子どもが身体的にも精神的にも回復しているかを観察し、回復しようとする力をうばわないようにする。
進歩は一人一人違う。同じような進歩はみられない。他のことでがんばればよいと教えよう。

子どもは現実的な目標や期待をもつことが大切。
トレーニングの目的は、からだづくり、健康・運動の分野で子どもが持つ可能性をのばしてあげること。
子どもは親や先生コーチから受ける影響が大きいので、常に子供の気持ちを汲んだ慎重な態度で接する必要がある。
スポーツで得られる喜びは勝つことだけではない。努力の結果得られる達成感もすばらしい。
子どもにどの程度の筋力の発達を期待できるかは年齢からでなく、からだの成長の具合で違う。
成長による筋肉の変化からでなく、実際のトレーニングの成果として筋力をつけるには長い時間が必要。

子どもの身体づくりのプログラムは総合的な根ディ初認うgのなかで進めていく必要がある。
レジスタンス・トレーニングだけがトレーニングではない。
トータル・コンディショニング・プログラムに含まれるのは
・筋力、筋持久力の発達を促すレジスタンス・トレーニング
・運動のために心肺機能を鍛える有酸素トレーニング
・柔軟性運動
・敏捷性、協調性、バランス・スポーツに必要なスピードを養うための補助トレーニング
・健康な体のための栄養プログラム
これらを考慮した予定表例がのっていた。

子どもには様々な要素をとりいれたトレーニングが必要。
その過程でいろんな種類の運動に触れる機会をもつこともできる。
1種類のトレーニングでは、子どものからだをトータルに成長させることはできない。



第5章 トレーニング技術の指導
大事なポイント2つ
・子どもたちの進歩や状況を辛抱強く見守ること
・指導内容に対する正確な知識をもつこと。リフティングやすぽっティングの方法が間違っているために子供に怪我をさせることは絶対にあってはならない。

正しい方法をしるためにエクササイズの指示どおり動かし、一連の動作を省略することなくすべて行い
ターゲットとなる筋肉を意識するようにする。鏡を使うかコーチにチェックしてもらう。
本来そのエクササイズで使う筋肉以外を使うとターゲットの刺激が減って効果が半減する。
子どものケガが多いのはプログラムを始めたばかりで負荷に慣れていない時か、負荷を大きくしすぎたとき。

正しいスポッテイング(補助)のチェクリスト
・正しいエクササイズの知識があること
・正しいスポッティングの知識があること
・子どもと負荷を十分スポッティングできる力があること
・子どもが行う予定の反復回数を把握していること
・子どもを常に注意深くみていること
・誤った方法で行っている場合はやめさせること
・けがをしたときの対処方法をしること
補助スタッフが少なければ子どもの数を減らす。

新しいエクササイズを教えるとき
・エクササイズとスポッティングを実際にやってみせてポイントを話す

・子どもが軽い負荷を使ってそのエクササイズをやってみる。ウエイト・プレートのついていないダンベルなど

難しい点やできていない点を指摘しながら軽い負荷で続ける。

フリーウエイトでエクササイズとスポッティングを教えるのはマシンより手間がかかる。
多関節エクササイズを教え、複数の関節で負荷に対するバランスをとることを教えることも大切。
多くのエクササイズを教えると習得が難しくなるので、7から8くらいから始め、そのひとつから3つが多関節エクササイズにする。
多関節エクササイズ・・・スクワットのように複数の関節が関与して数多くの筋群が稼働する運動のこと。
負荷の増加はゆっくりおこなう。
りふたーはリフティングの負荷を下す直前、または下している間に息を吸い、持ち上げていくときに息を吐く。
反復をしている間はこきゅを止めてはいけない。
行ったエクササイズやスポッティングについて子どもの意見を聞く、そしてアドバイスする。
テクニックが正しかったかどうかに反応を示してあげないと、負荷の上昇に伴い、子どものリフティングのテクニックはすぐに低下してしまう。

バイラテラル・エクササイズと呼ばれる両手両足を使った両側エクササイズしか行わないと、強い側が弱い側をかばって、左右の強さに差がでてしまう。左右の差が10%以下が好ましい。
ユニテラル・エクササイズ=片側エクササイズを取り入れて左右の差を縮めるのがよい。
ユニテラルできる種目はニー・エクステンション、レッグ・カールなどがある。

関節周囲の主働筋・拮抗筋の筋バランスも大切で、大腿四頭筋を鍛えるなら同時にハムストリングスを鍛えることが必要になる。

適切な監視の下で行われるレジスタンス・トレーニングにでは怪我がおこることはほとんどなく、あるとすれば筋肉痛くらいのもの。
怪我のおこるときの原因としては
・扱うウエイトが重すぎる
・誤ったリフティング手法を用いている。
・マシンを使う際、手と足の位置が間違っていてペダルやハンドルから滑り落ちてしまう
・マシンのチェーンやぷーりーの部分、ウエイト・プレートの間に手を挟んでしまう。
・反復運動終了時にマシンのウエイト・スタックを落としたり、フリー・ウエイトを落としたりする
・スポッターがきちんと見ていない
・施設の中で決められたルールを守れない
・エクササイズの最中にベンチや器具の一部がくずれてくる
・カラーを使わずにフリー・ウエイト種目をおこなう。
対策として一番近い病院や救急車の番号を用意したり、両親の連絡先などを抑えておくこと。

マシンには動きの方向やレベルが一定に制約されているので、負荷の方法やバランスに気をとられる必要がないという利点がある。
フリー・ウエイトでは負荷のバランスをとる能力を発達させることができる。
よいプログラムは両方の利点をとりいれる。
大人に関する調査ではスクアットのようなフリー・ウエイトのエクササイズの方が、レッグ・プレスマシンのエクササイズよりも垂直跳びの記録が伸びたとある。理由は、スクワットの動作が垂直跳びの動作に近いからと考えられるが、両方とも垂直跳びの記録をあげることは間違いない。

トレーニングマシンの種類
・バリアブル・レジスタンス・マシン・・動作中、筋が発揮する力の変化に応じて負荷を変えられるマシン。しかしどもの強度曲線にあわせるのは不可能。
・アイソキネティック・マシン・・・どの関節角度でも運動速度を一手にたもち、その速度における最大の筋出力でトレーニングができるとされるマシンのこと。

マシン・トレーニングをするなら、器具が子どもにあっているかがもっとも重要。すわるところにパッドをしいたり、足元にブロックを置くなどして調節しよう。
安全がなにより重要である。負荷をあげるときも、大人の一段階は子どもには大きすぎることがあるので注意。

レジスタンス・トレーニングの器具を選ぶポイント
・器具が子どもにあっていない場合、安全に使えるような状態で調整可能か
・器具を購入する場合、各器具がターゲットとする部位ごとで値段はどうか
・器具を購入する場合、主要筋肉のエクササイズ用の器具類すべてで値段はどうか
・器具を購入する場合、保証期間はどうなっているか、保証でどこまでカバーできるか
・器具の品質に問題はないか、丈夫に組み立てられているか
・負荷の調節方法は簡単か、増量は子どもにあわせてできるか

レジスタンス・トレーニングの付属品について用途などを解説
・ウエイト・トレーニング・ベルト
・ウエイト・トレーニング・グローブ
・ウエイト・トレーニング・シューズ・・・土踏まずのアーチを強化し、しっかりと足にフィットして靴底は滑らないように作られている。

指導のポイントが再度あげあられていた。
器具を正しくつかい、急激に負荷をあげない。正しいエクササイズやスポッティングの知識をもち、実際にやってみせて話すなど。



第6章 レジスタンス・トレーニング
それぞれのエクササイズについて、鍛えたい筋肉と、開始姿勢、スポッティングや安全面の注意、動作を分で解説したものとイラストがついている。
パートナー・エクササイズ・・・・アーム・カール、バック・スクワット、ラテラル・アーム・レイズなど
チューブ・エクササイズ・・・アーム・カール、シーテッド・ロウなど
あとは部位別になっていた、その筋肉を使う運動と、エクササイズの注意がのっている。
肩周辺・・・ラテラル・ショルダー・レイズなど
ローテーター・カフ(回旋筋腱板)・・・ショルダー・インターナル・ローテーションなど
上腕三頭筋・・・スタンディング・バーベル・トライセップス・エクステンションなど
肘の屈筋・・・自抵抗によるアーム・カールなど
胸部・・・ダンベル・フライ
前腕・・・グリッピング・エクササイズなど
下背部・・・ライティング・バック・エクステンションなど
腰痛を防ぐエクササイズ・・・ニー・ツー・ショルダーなど
腹部・・・シットアップなど
多関節を使った上半身のプッシュ系エクササイズ・・・バーベル・べはインド・ザ・ネック・プレスなど
多関節を使った上半身のプル系エクササイズ・・・バーベル・ベントオーバー・ロウなど
単関節の下半身エクササイズ・・・・レッグ・カールなど
多関節を使った下半身のエクササイズ・・・自重によるスクワットなど
トータル・ボディ・エクササイズ・・・バック・スクワットなど
バリスティック・オーバーヘッド・リフト・・・反動を使ってバーベルを持ち上げる非常に高度なエクササイズ
バリスティック・トータル・ボディ・エクササイズ・・・ダンベルを床からもちあげて頭上にあげるエクササイズ、何段階かで解説している。



第7章 体力づくりとスポーツのための筋力トレーニング・プログラム
こどもが小さいうちから特定のスポーツをやらせるのは考えもの。
子どものためのレジスタンス・トレーニングは体のあらゆる主要な筋肉に働きかけるエクササイズになっているのが望ましい。
親やコーチは子どもにとって無理があり難しいプログラムを押し付けてしまうことが多い、こなせたとしても精神手kに無理があることが多いので、コミュニケーションをとりながら、プログラムの目的を一緒に考えることが必要。
子どもに自分に打ち勝つことの大切さを理解させ、自尊心を高め、目的を達成して体力的成長も実りあるものにできる。
プログラムに子どもが期待する効果は大人とは違う、なんらかの形で褒美を与えたりほめたりして満足感をあたえるのが重要。
紹介するプログラムは基本的ガイドラインなので、子どもにあわせて不要なものを除き、必要なものを負荷すること。
ひとりひとりにあわせることで、子ども達はプログラムに熱心に取り組むので効果的になる。
変更可能な要素は、子どもの適応能力やトレーニングの成果を反映させることができる。現状を知りプログラムの内容を変える。
子どもがどう感じているか常に把握し、日々の計画や週単位の計画にとりいれること。

シーズン別トレーニング
オフシーズン・・・総合的な筋力と筋持久力の強化、トータル・コンディショニングとバランス・プログラムが特徴、回復に必要な休憩をとりつつ、エクササイズの許容量を高める
プレシーズン・・・競技特性に合わせて筋力やパ話、筋持久力を高めるためのプログラム、6-12週間
インシーズン・・・オフ・プレで高めた体力レベルを維持。怪我をおこしやし関節とその周辺の部位に注意した内容になる。

活動的な子供向けのプログラムとして、プログラム例がのっていた、
基礎エクササイズ、応用エクササイズ、注意事項がのっており、
サーキット法、あるいはセット法で行う。
最初の2-3セッションでは1セット、次の2-3セッションで2セット、プログラムの全体像を描きながら3セットずつ行う。
セット間にはあらかじめきめられた休憩をとる。
自重とパートナーを使ったバージョンと、器具を使ったバージョンがのっていた。

あとはスポーツ別に、強化する能力と、オフシーズン、プレシーズン、インシーズンのプログラムがのっていた。
プログラムは、基礎、けが予防、応用、注意事項にわかれている。
野球、バスケ、長距離走、アメフト、体操、アイス・ホッケー、ラケットスポーツ、サッカー、水泳、陸上(跳躍)、陸上(投擲)、陸上(スプリント)、バレーボール、レスリング


ジュニアスポーツのための筋力トレーニング―小学生から高校生まで今すぐ始める体力向上エクササイズ

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  • 作者: ウイリアム・J. クレーマー
  • 出版社/メーカー: 森永製菓健康事業部
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 大型本



ジュニアスポーツのための筋力トレーニング(本)【ウイダー】ジュニアスポーツのための筋力トレーニング(本)




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