SSブログ
[PR]本のベストセラー

バスカビル家の犬 シャーロック=ホームズ全集 (3) [小説]

BBCのドラマ「SHERLOCK」を見たら、すっごくおもしろかったので、原作を読んでみました。
今回も、ドラマの元ネタがいっぱい。






SHERLOCKでは同名の話があるが、事件をもちこむのは危険にさらされている当人。

シャーロックが自分が禁煙中なので、相手が煙草をすうのを推理して煙草を吸うようにすすめるのは

ちょっと原作ににたところがある。

あと、ロンドンを離れられないホームズに代わってワトソンが現場にいくシーンも、ちょっと似ているかな。

でもSHERLOCKではバスカビルでなく、他の話ででてくる。






ここから内容です。ネタバレ注意!


冒頭は来客の忘れていったステッキを使った推理から始まる。

それは、ヤシの幹でつくられた太くてみごとなもので、握りの部分が球形になっており、

握りのすぐ下に幅1インチの銀の帯がまいてあり、

「王立外科医学校出身者 ジェームズ=モーティマー氏へ C・C・Hの友人一同より」と書いてある。

ワトスンはステッキの減り具合から田舎の往診をしてまわっている医者で、ステッキは狩猟クラブから送られたものと推理。

ホームズは君には天才を刺激する才能があるとほめて、ワトスンは舞い上がるが、

「君の間違いを調べると真実が発見できる」といって、自分の推理を話す。

田舎の開業医なのは同じだが、C・C・Hはチャリング・クロス病院の略で、5年前に病院をやめたときは、

それほどの幹部ではない、だから押し出しのいい中年の開業医ではなく、

30前の青年医師で、ステッキに毛がついているから犬を飼っている。

ステッキを置き忘れるようなうっかりもので、野心家ではない。

ワトスンは医師名簿を探して、住んでいるのはデボン州ダートムーア、グリンペンと調べる。

そこに当人のモーティマー医師が現れ、ステッキは結婚したとき同僚が送ってくれて、

それを機会に診察医になるのをあきらめ田舎で開業したのだと語った。

ホームズは少し推理がはずれたのにがっかりする。

医師はホームズの頭蓋骨に興味を示してから、手巻煙草を巻いて話を始める。



医師は18世紀のはじめごろの古文書をだして(これもホームズが指摘)読み上げる

それによると、「バスカビル家の犬の伝説は、残虐をきわめたヒューゴの時代、さらってきた娘が逃げたので

追いかけたヒューゴは、谷窪で謎の横死を遂げた。目撃した3人の仲間によると、娘の死体と、

ヒューゴの死体があったが、ヒューゴの喉にかみついていたのは巨大な黒い犬だった」というのだ。

それ以来バスカビルの当主は謎の横死を遂げるものが多く、暗い夜に荒野にいってはいけないと言い伝えられているという。

数日前、チャールズ・バスカビルがいつものように就寝前の散歩をにでて、夜中に死体となって発見された。

暴行のあとはなかったが、死に顔は恐怖にゆがんでいた。死因は心臓がよわっていたための病死であった。

モーティマー医師は住民が少ないので、バスカビル卿とごく親しい間柄であり、主治医であった。

ここ数か月伝説を気にして、夜の荒野へは絶対にでようとしないほどだったという。

ある夜黒いものが玄関の外を横ぎるのをみたバスカビル卿がひどく怯えて古文書をみせたので、

医師はしばらくロンドンで過ごすようにすすめたのだという。

事件が起きたのは出発前夜のことであった。

そして、下のそばには確かに足跡はなかったが、少し離れた場所に、ものすごく大きな犬の足跡をみたのだという。

ホームズはその両側にイチイの生垣がある散歩道について詳しく質問し、

チャールズ卿は、門のところでしばらく待った後、なにかから逃げるように家と反対の方角に走りだし、

恐怖のあまり心臓が止まって死んだことを確かめる。

さらに、荒野でバスカビル家の悪霊に似た生きもののすがたをみたものが何人かいることも話した。

そして、チャールズ卿の相続人である甥のヘンリー=バスカビル卿がカナダから来るのだが、どうしたらよいか相談したいという。

ホームズはヘンリーをつれてまた来るように言う。

そして夕方まで煙草で部屋中を煙にしながらダートムアの地図を前に考え込んでいた。

翌日モーティマー医師がヘンリーを連れてやってくる。

ヘンリーは新聞を切りぬいた警告「生命と常識の価値を知る者は、荒野を遠ざけよ」をうけとったという。

荒野だけはインクで書いてある。また買ったばかりのブーツが片方なくなったという。

ホームズは警告文がタイムズの社説から切り取られていることを見抜く。

また、どこかのホテルでかかれていて、ヘンリー卿が宿泊しているホテルをしっていることから

ロンドンでヘンリー卿を監視しているのだと推理する。

ヘンリー卿は犬の伝説をきいて、心をきめるのに時間がほしいので、ホテルに2時にきてくれといって帰る。

ホームズとワトスンはすぐに尾行してヘンリー卿をみはっている顎髭の男を乗せた馬車をみつけるが、

まんまと逃げられてしまう。しかも相手は立ち去るときに自分は「シャーロック・ホームズだ」といって、

貸し馬車の番号からたどられたときにホームズをからかうネタまで残して行ったのだ。

ホームズはメッセンジャー会社のカートライト少年をつかって、あたり一帯のホテルで新聞の切り抜きのゴミを探そうとするが

こちらはうまくいかなかった。

ホテルに行くとヘンリー卿が、今度は黒い古靴が片方なくなったと大騒ぎしていた。

そしてバスカビル館に行くことにしたという。

ホームズは尾行されていたこと伝えて、黒い顎髭の人物がダートムアにいないか尋ねる。

執事のバリモアがそうだというので、ホームズはバリモアがダートムアにいるか確認するために電報を打つ。

結果バリモアは館にいた。

モーティマー医師によるとチャールズ卿は南アフリカで成功した財産家で、総資産は百万ポンド近くなり、

自分やバリモアなど周囲の人間や慈善団体にも遺産をのこしても74万ポンドが残るのだという。

ホームズはヘンリー卿が亡くなった場合の相続人をきいたが、

ウェストモーランドで牧師をしている年配のいとこが相続することになるが、不動産だけだし、本人も野心のない人間だという。

そして、自分は他の事件があるのでロンドンを離れられないがワトスンをいかせるという。

ワトスンには、なるべくヘンリー卿を一人にせず、特に荒野に一人でいかせないように。

そして見聞きしたことを報告してほしいという。

ヘンリー卿を狙う犯人の目星がつかないまま、舞台はダートムアに移る。

このときなんと新しい方のブーツは戻ってきたが、古い黒い靴はとうとうみつからなかった。


デボン州の駅につくと小銃を構えた兵隊がいる、崖には道を見張るライフルを抱えた騎馬兵士がいる。

プリンスタウン刑務所から囚人が脱走し、三日たつのにみつかっていないのだという。

あとでわかるが、この逃げた囚人はバリモアの妻の弟で、バリモア夫妻はひそかにこの男をかくまい、

夜中にランタンで合図して食べ物を届けてあげていた。

ワトスンは最初、バリモアを疑っていたが、別の伏線だったわけだ。

荒野に囲まれた立派な旧家の館。バスカビル家が500年を暮らしてきた土地だという。

翌日にはワトソンはメリピット荘のステープルトンという博物学者とその妹ベリルに会う。

兄妹は全くにていないし、妹は肌の浅黒い黒髪の美女で、最初ワトソンをヘンリー卿と間違えて、

ロンドンに変えるように警告してきた。

ステープルトンはダートムアの自然に魅せられて二年前に移住したといい、

グリンペンの大沼では人や獣がのみこまれており、地元ではバスカビルの魔犬が呼びこんでいるといわれていることなどを

教える。そして、自分は通り道をしっているとも。話の間にも仔馬が一頭のみこまれていった。

また魔犬の鳴き声といわれている声も耳にするが、ステープルトンは他の動物の声だろうととりあわなかった。

斜面の途中には先史時代の遺跡あとがあった。

ワトスンは二人の家に招かれ、ステープルトンは元は北出学校を経営していたことなどを聞いた。

このあとワトスンの報告の手紙が入り、囚人がみつからないこと、

ヘンリー卿とベリル(ステープルトンの妹)がすきあっているらしいこと。

ステープルトンはそれを快く思っていないようで、ヘンリー卿が地位も財産もあることを考えるとおかしいこと

ラフター屋敷のフランクランド老人にあったこと。老人は法律にうるさく訴訟に財産をつぎ込む人物であること。

最近は望遠鏡で荒野をみて囚人を探し出そうとしていることなど、バリモアの様子がおかしいことなどを報告した。

その次の報告書では、バリモアの秘密がわかり、ヘンリー卿とワトスンで囚人を取り押さえようとして失敗したこと。

ヘンリー卿がベリルに結婚を申し込もうとしてステープルトンの激しい拒絶にあい、

そのごステープルトンが謝って和解したこと。当分は結婚のことは持ち出さないで近所づきあいをすることになった。

などを報告した。荒野にわく声(土地の人が魔犬の声とよぶ)も以前として聞こえている。

その後はワトスン博士の日記の抜書きという形ですすみ、

バリモアが囚人をみのがしてくれる代わりにと、チャールズ卿に事件の夜届いた手紙があっとこと。

その手紙の消印はクーム・トレーシーで筆跡は女性、頭文字はL・Lであったことを教えてくれる。

ワトソンはモーティマー医師から、ローラ=ライオンズという女性がクーム・トレーシーにいると聞きだす。

なんとフランクランドの娘だが、父親の反対する男と結婚した上に、相手に捨てられて、

わずかな援助とタイプライターの仕事で暮らしているという。

チャールズ卿、モーティマー医師、ステープルトンらが援助しているという。

また、バリモアは囚人が荒野で別の人物をみかけており、その男も隠れているのだと教えてくれる。

ワトソンはローラを訪問し、ブルネットの美人である彼女は、手紙を書いたことは認め、

事件の夜会う約束をしたが行かなかったと告白した。

会う約束をしたのは、夫と離婚するのにお金が必要だったので援助してもらうつもりだったが、

別の人がだしてくれたからだという。それ以上は聞きだせなかったし、

雨の夜女性が一人で館まで往復したら人目につくだろうとそこで引き下がる。

帰り道フランクランド老人に呼び止められたワトスンは、荒野に荷物を運ぶ少年を望遠鏡でみせられる。

老人は囚人のところに荷物を運んでいるのだと思い込んでいたが、ワトソンは謎の人物のところだと知っていたので

老人と別れてから少年の言った方向を追跡し、先史時代の遺跡のひとつに人の住んでいた痕跡を発見する。

しかし、なんとそこに現れたのはホームズで、荷物を運んでいたのはカートライト少年。

犯人を油断させるためにロンドンにいるふりをして、ワトスンからの報告も1日遅れてうけとっていたという。

ワトソンは最初腹をたてたが、報告が役にたっと褒められて次第に期限を直す。

そしてローラ=ライオンズとステープルトンは親しい間柄であり、ステープルトン兄妹は実は夫婦であると話す。

ロンドンでヘンリー卿を尾行したのもおそらく彼であり、前歴は教師だというのを頼りに調べたところ

名前がちがっていたが、ステープルトン兄妹と思われる夫妻が学校を経営していたが、不慮の事態で行方をくらましてたという。

ホームズはローラがステープルトンを独身だと思っていて、自分が離婚すれば結婚できると思っているので

それを知れば味方になるかもしれないと話す。

そのとき悲鳴が聞こえ、犬の唸り声がした、誰かが崖の斜面に倒れていた。

服装から、二人はてっきり犬に襲われたヘンリー卿だと思い込むが、

実はバリモアが主人にもらった服を与えた脱獄囚だった。

服のせいでヘンリー卿と間違われたのだ。

そこにステープルトンが現れ、ヘンリー卿を招待していたのだが、現れないところに悲鳴が聞こえたのでやってきたという。

そしてホームズだと気が付いて挨拶する。

ホームズは相手を油断させるために、自分は明日ロンドンに帰るという。

そしてワトスンにも、ロンドンに帰らないといけないから、明日のステープルトン家へはヘンリー卿一人でいかせるようにいう。

バスカビル家で一族の肖像画をみたホームズはヒューゴ・バスカビルの肖像画をみて、

ステープルトンにそっくりなのに気が付く、そして彼がヘンリー卿を狙うのは財産のためであると気が付く

翌日ホームズは一人にされるのを嫌うヘンリー卿に、一人でステープルトン家へでかけ、

帰りは荒野をあるいて帰るように指示して、ワトスンとともにクーム・トレーシーに立ってしまう。

駅ではカートライトがレストレード警部の到着をしらせる電報をもってきた。

またロンドンからヘンリー卿に電報をうち、自分がロンドンにいるように見せかけるように手配する。

そうしてローラ夫人に会ったホームズはステープルトンが結婚していることを示し、夫人から

ステープルトンの指示でチャールズ卿に手紙をかき、また出かけるのをやめたのだと証言を引き出す。

3人はヘンリー卿の帰り道に待ち伏せて証拠をつかむつもりでいたが、

霧がでてきたため、間一髪でヘンリー卿を救うことになった。

襲ってきたのは石炭のように黒い巨大な犬で、口から火を吹き、目は赤く光り、鼻づらから首筋にかけて炎がもえている。

正体はステープルトンが用意したブラッドハウンドとマティフの雑種の大きな犬で、リンで炎が立つように細工したものだった。

ロンドンでヘンリー卿の靴を盗んだのは、標的のにおいを覚えさせるためで、そのため新品の靴は不必要だったのだ。

3人がステープルトンの家に戻ると、中には縛り付けられたベリルがいて、夫に愛想をつかし、

逃げ込むのは沼のはずで、そこで犬を飼っていたと教えてくれた。

3人は追跡するが夜の暗い道で沼をぬける目印の棒を見失った犯人は沼に沈んだ後だった。

のちの回想でホームズはステープルトンは、チャールズ卿の南アメリカに逃げた弟の子どもで、

コスタリカ一の美女ベリルと結婚したが、公金を横領して名前を変えてイギリスへ逃げた。

その途中で知り合いになった教師と組んで学校をはじめて、最初はうまくいったがパートナーが亡くなると

だんだんうまくいかなくなって、学校を畳んだ。昆虫学が趣味で蛾に彼の名前のついているものがある。

デボン州に住み着いてからはひそかにバスカビル家の財産を狙っていた。

チャールズ卿がロンドンに行ってしまうと聞いたので、ローラを使っておびきだし、犬に襲わせた。

ステープルトンはおそらく他にも資金集めの犯罪をおかしていて、それらしい強盗事件が3件あるという。

ロンドンにステープルトンが来ていた間犬の世話はアントニーという学校時代からの使用人がしていた。

ベリルは虐待をうけながら夫に従っていたが、悪事をしってヘンリー卿を逃がそうとしていた、

それで最後には縛り上げられていた。

ホームズは犬があれほどおそろしいとは思わなかったので、ヘンリー卿にショックを与えてしまった、

またベリルがウソをつていいたことが、卿をおいつめたのだろうと回想した。

ヘンリー卿は事件の後、モーティマー医師を伴って世界一周の旅にでたのである。


バスカビル家の犬  シャーロック=ホームズ全集 (3)

バスカビル家の犬 シャーロック=ホームズ全集 (3)

  • 作者: コナン=ドイル
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1985/08/01
  • メディア: 単行本



シャーロック・ホームズ バスカビル家の犬 (偕成社文庫)

シャーロック・ホームズ バスカビル家の犬 (偕成社文庫)

  • 作者: A.コナン ドイル
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1998/05
  • メディア: 単行本



バスカビル家の犬 偕成社文庫 / アーサー・コナン・ドイル 【全集・双書】




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

[PR]Kindle ストア ベストセラー

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。