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子どもを伸ばす音読革命―ぐんぐん国語力がついてくる驚異の「日本語一音一音法」 [子育て]

著者は、家庭教師で、自身のことを受験屋とよんでいた。
それも、できない子を、できるようにして合格させる家庭教師なのだという。
その試行錯誤の過程で発見し、著者なりに研究した音読法の本。

今の国語教育には、言葉を使うことにおける根源的な力、話をきいたり、人につたえたりする、
直感的で、感受性の高い国語力(すべての学習の根幹)をつけることが欠落している。
それなしに、意味ばかりを追わせても、言葉をあやつる能力は向上しない。
それを身につけるには、一音ずつの音読で古典のテキストを読むのがよい(特に小学校低学年までに)
抑揚はつけず、一音ずつ区切って、大きな音で読むのが、著者の音読法。CDがついている。

きっかけは、中3のクラスでビリから2番目の成績の子どもの家庭教師につき
(大抵は東大卒の家庭教師が匙をなげた後が多いそうだ)
とりあえず教科書をよませたが、まったくよめず。
しかたなく、自分の後をよませて、教えると、なんとかなるが、次回にはほとんどもとに戻っているし、
しかも、初めて読む文章はまったく読めない状態。
そんな彼が、古文の時間にしかられて、次回までに練習しろといわれたというので、
徒然草を音読させてみると、切れ目がさっぱりわからないようだったので、一音ずつ音読させてみたら、
意味がわかったような気がするといって、うまくいった。
授業でも褒められた。
そして、徒然草を読んでからは、徐々に他の教科の教科書もよみこなせるようになり、
明治大学に合格できたという。

その後、できない子は国語力が圧倒的に不足していることに気が付き、
音読を突破口に、多くの子どもの学力をのばしてきた。
そして法則にきがつく。
竹取物語を音読させると枕草子が読めるようになる
能の子役も一音読みだった。
つまり、我々の言語は、それまで使われていた言葉の延長線上にある。
特に、その根幹部分、「助詞」「助動詞」の用法において特に顕著に作用する。
我々の読む現代の作家の文も、親の話し言葉の影響をうけていたはず、
つまりそれ以前に成立した文章を作家が咀嚼してつくる。
だから、前の時代に広く用いられた古典テキストの影響が強い。
徒然草は江戸時代に寺子屋で広く音読された。
兼好法師は源氏物語や枕草子を音読していたはず、
そうしてたどりつくと古今集が、そしてその前は万葉集が音読されていたはず。
今の歌会始をみてもわかるように、一音よみで皆に聞こえるように歌を披露していたはず。
というわけで、徒然草の音読で、日本語の理解ができるようになる。

さらには「カタカムナ」というものがあって、
これは上古代語で、起源は紀元前5000年以前にさかのぼるとか、
友人にたのまれて、これを一音法で音読すると、美しく感じるし、意味がわかったような気がする。
それを生徒にためすと、カタカムナを一音法で音読させると、万葉集もよくわかるようになる。
自分の子どもが2歳のときにためしたが、日本語のニュアンスの感受に優れた読書好きな子供になったという。

このように一音音読は素晴らしい効果があるのに、国語で音読はほとんどしない。
国語の先生にも音読の能力は求められていない。

一音音読法を使って国語力を高めると、単にテストで良い点をとるだけでない、
聞いてよくわかる、自分の考えを人に伝える能力が向上する。
言葉を使うことの根源的な力がつくのだ。当然学習能力全般が向上する。

国語ができる=アマタがよい=支配者がわに回ること。

学力低下の真の原因は国語力の低下

日頃使い慣れてきた言葉を直されるのはいやでも、
古典に接すると美しい言葉の存在を確認し、自分たちの言葉を見直せる。

国語ができるとは
・他人の話をきいて理解し、自分の言葉で見解を適切に述べる
・他人の書いたものを読んで理解し、自分の言葉で的確に記述する
しかし、今の国語教育では、できるようにならない、
できるのは親が国語ができる人たち=エリートなのである。

10代の若者が切れるのは、国語力が不足して自己表現ができないから、
他人に認められたいおもいが暴走しているのだ。

教育が荒廃しているから若者が育たないのではなく、文化が低迷しているから教育が荒廃しているのだ。
しかも、大人がそのことに気が付いていない。

日本は世界に類のない豊かな自然環境ももっている。
これほど繊細な文化を生むのによい環境はない。
次世代に残すべきは、豊かな自然環境と、美しい日本語である。

日本語は音読すると本当に美しい言語。
他に似ている言語がない。
日本語はあらゆる言語を取り入れ、あらゆる言語を翻訳するkとができる、
許容力の大きな言語である。

日本語は了解するのは難しいが、感慨をもつのは簡単。
感性にうったえかけるのにすぐれた言語なのだ。

日本語は「意味」よりも「気持ち=直感」が大切な言語なのである。
きくより感じることに日本語の本質がある。

アタマが悪いのは単なる習慣。
赤ちゃんは皆学びの天才。
習慣は大きく二つ
・ある事柄が容易にクリアできなくてそこでコンプレックスがうえつけられること
・その学習をさけるようになり、身につかなくなった状態が改善されず、定着してしまう。
もし、その事柄が次の何かの基本的要素になるなら、学習の版でⅡなってしまう。
デキナイという思い込みが能力を抑制してしまう。
できないと子どもを叱るのは愚の骨頂。
いつかできると思わせること、なるべく手をかけず、自分でできたと思わせることが有効。
自由に歌わせれば音痴になる人はいないが、教育をすると音痴になるひとがでるそうだ。
子どもは話し出すまえから親の言葉をきいている、子どもがなにか言い始めたら、手回しよく理解しないで、
ゆっくりしまいまで聞いてあげること。
それで、子どもの国語力が向上する。

世阿弥の「花伝書」によると
子どもに教えるには強制してはならない。
自然とし始めるのをまって思いのままにさせるようにしなければならない。
間違っても高級な大人の芸の真似事をさせてはならない。、
そんなことをすれば一番大切なものが死んでしまう。
と、かいている。
つまり手本をきかせて、子どもが覚えて自然にやり始めるのを待つことが大切で強制は禁物。

幼児期は自然にできるようになることを願い、本人を褒めて励まし続けるのが良い。
できるだけ「遊び」の硬いで習得させるのがよい。

読み聞かせをするときには、一音一音切って、助詞・助動詞が確実に伝わる発声をし、
ゆっくり読むのがよい。感情移入はしないほうがいい。

子どもが読み始めても、文字を続けて速くよめるようにすることを要求せず、
読んだら褒めて、いい気持ちにさせて繰り返させよう。
子どもはやがて前後を上手に結びつけながら読むようになる。

絵本を読むときも、まず絵をみせて、想像させて、子どもが説明をほしがるのを見計らって
淡々と文字を読んでやるのがいい。求められれば繰り返す、これで定着力がつく。
大人が不必要な力を課さなければ子どものアタマは発達するはず。
親が上手に言い聞かせるように読んでやって「わかった?」と問うなら本を味わう喜びは薄れて、
イメージをする力、定着する力がつかない。
一生懸命理解させようとすると、子どもの能力をうばいとる。
一緒に楽しんで繰り返して。

朗読については難しすぎるとかいていた。

この本で、多くの国語コンプレックスの子どもが救われること。
通常のテストで測れない天才が出現すること。
キレる子供たちが自己表現できるようになることを希望する。


CDの中身
説明以外は、すべて一音よみ
「よこはま・たそがれ」・・よこはまたそがれホテルのこべや
「竹取物語」・・・いまはむかしたけとりのおきなというふものありけり
「船弁慶」・・・そのときよしつねすこしもさわがず

母音の発声
あ・・・・あっと驚くのあ。口を一度最大まであけて、骨格的に把握してから、少し小さめに大きくあけて発声
い・・・あの状態から左右に大きく口を引きさいた状態。ないがしろにされている母音なので気を付けて発音
う・・・口を前に尖らしてしっかり止めたう。
え・・・いの状態から口をやや縦に開いて主に口腔内の上部と舌を使って出す。鼻にも抜ける
お・・・両手を頬にあてて「ほほ」といった形がお。

あいうえおの発音。

同様にわいうえおの発音(いうえは違う字)

同様にハ行

この3行が基本、口を絶えず動かして大声で行う。

カタカムナの音読
ヒフミヨイ マワリテメグル ムナヤコト アウノスベシレ カタチサキ
ソラニモロケセ ユエ(ワ行)ヌオヲ ハエツイ(ワ行)ネホン カタカムナ

万葉集から雄略天皇の歌

古今集仮名序

枕草子・・だんだん早く音読、普通によんでも一音区切りを意識しているそうだ。

徒然草

にごりえ

かにむかし

すべて著者の声で録音されている。講義ぶぶも。
もっと声のキレイな人、若い人にやってもらいたいといっていた。



子どもを伸ばす音読革命―ぐんぐん国語力がついてくる驚異の「日本語一音一音法」

子どもを伸ばす音読革命―ぐんぐん国語力がついてくる驚異の「日本語一音一音法」

  • 作者: 松永 暢史
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2001/10/01
  • メディア: 単行本




タグ:松永 暢史
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