なっとく!のシャンプー選び [健康]
「買ってはいけない」をプロディースした山中登思子さんが、「じゃあ、なにを買ったらいいの?」という声にこたえて作った通販サイト「なっとく!通販あれこれ」で、おすすめのヘアケア商品を選ぶタイミングで、「シャンプーの本を書かないか」とさそわれて、同サイトのディレクター小泉まき子さんと共著で書いた本。2010年出版。
シャンプーの成分は表示義務がなかったため、まったくわからなかった。
消費者はCMとイメージで買っている。決まったシャンプーを使っているが、ときどき違うのを試す。
シャンプーは化粧品であり、アレルギーを起こす成分以外は表示義務がなかったが、01年に薬事法の改訂で化粧品が全商品成分表示になり、シャンプー(医薬部外品がほとんど)も自主基準で表示するようになり、成分がわかるようになった。
ほとんどのシャンプーが合成界面活性剤を使っており、皮膚バリアを破壊して薬効成分を浸透させ、タンパク質を変性させる。
合成ポリマーがはやっており、これが細胞内にはいってハリやプルプル感がでるが、皮膚の正常な機能は失われる。
植物由来、弱酸性でも、合成界面活性剤の害はかわらない。
石けんメーカーからは石けんシャンプーがでているが、石けんはアルカリ性であらったあとはキシキシするが、リンスで中和すると髪がひきしまる。合成から石けんへの転換は大抵苦労する。最初はギシギシ感とふけに悩まされる。
毎日シャンプーするのはCMの影響。今でも石けんで週1シャンプーの人はいる。肌質できめるべき。
第1章 売れている&気になるシャンプー
シャンプーの市場調査によると、消費者がシャンプーを選ぶ基準は「仕上がり感」「価格」「詰め替え用があるか」など。
きっかけはTVCMや広告がほとんど。
2009年男性用育毛シャンプー「スカルプD」がヒットした年。他のキーワードは「ダメージケア」あと、香りのヒーリング効果をねらたものがヒットした。
シャンプーの歴史
1926年 葛原工業 植物性シャンプー「モダン髪洗粉」を発売
1930年 ライオン石鹸 液体シャンプー「すみだあらひ」を発売 主婦の友などで広告
1932年 美香園 「タマゴシャンプー」(粉)
花王石鹸 「花王シャンプー」(固形) 高峰三枝子など女優でイメージアップ
・
・
・
1964年 玉の肌 「リンスシャンプー」
この間、洗髪回数は月に1・2度から、1週間に1・2回、85年ごろには朝シャンが登場。1日2回の人もでるように。
リンスは1975年ごろひろがった。
旬なシャンプーとして@COSMEのランキングをのせていた。
1位 ミトク「オーブリー オーガニクス GPBヘアコンディショナー」
2位 日本ロレアル「ケラスターゼ ケラスターゼRE バン ド フォルス」
3位 花王「サクセス 薬用シャンプー/リンス」
傾向として、ライフスタイル提案商品と、流行のヘアケア商品が選ばれているとしていた。
ロングセラーシャンプー
花王「メリット」は発売40年。フケ・カユミを防ぐ+ファミリー層向けというコンセプトでロングセラーに。
01年化粧品が全成分表示なり、医薬部外品のシャンプーも自主基準で全成分表になった。
ただし、化粧品のように成分名の指定ルールはない。また成分量の多い順に表示する義務もない。
これによってわかった成分から第5章で成績表をつけている。
ただし、長年成分もわからないものを使ってきたというのは間違いない。
第2章 髪と地肌のしくみ
髪の平均本数は10万本、少ないと7-8万本、多いと10-12万本といわれている。
伸びる長さは1日0.3-0,4mm、1か月で1-1.5㎝、1年で12-8cm
髪の太さは0.08ミリ、欧米人の1.5倍、太いと0.1ミリ、細いと0.06ミリ、健康な髪の太さは0.1ミリ前後といわれている。
成分は繊維状につながったケラチン(18種類のアミノ酸でできたタンパク質と硫黄)で、水分は12-13%。水分が多いと切れにくいといわれている。
皮膚の下にある毛根と皮膚の上にある毛幹に区別される。
毛根の末端にある毛球にある毛母細胞が毛細血管あkら栄養素をうけとり髪がのびる。
成長して抜け落ち、同じ毛根から新しい髪が生えるを繰り返す、約2-6年のびて=成長期、2週間休み=移行期、抜けるのが3か月=休止期といわれるサイクルを繰り返す。
生えている髪の約85-90%が成長期、残りの10-15%が移行期と休止期、一日50-100本が自然に抜ける。
男性は20歳、女性は25歳くらいを境に短くなり、細くなる、メラニン色素が減って白髪になっていく。
女性の美容コミュニティSNS「キレイナビリサーチ」によると髪悩み1位は「パサつき」調査のたびに傷みを気にする人が増えている。
ネットリサーチによると男性は「抜け毛」が1位。
薄毛を気にしている男性は800万人、女性も薄毛に悩む人が増え、育毛剤市場が拡大している。
髪のトラブルが増えている原因として著者らは
洗髪回数と乾燥、整髪料・ムース、パーマ・毛染め・脱色、ドライヤー、日焼け、帽子・ヘルメット・かつら、まとめ髪、エアコン、薬、食べ物、タバコ、睡眠不足
髪のトラブル内因、腎を弱らせる、血が不足する、ストレス。
シャンプーに期待するのは髪のダメージの修復。
ダメージを与える要因としてあげられた1位はドライヤー
髪の傷みの原因はシャンプーにあると考える人は少なく、シャンプーに髪のダメージを回復するのを期待している。
皮膚の構造
表皮、真皮、皮下組織からなる
表皮にある角質層と顆粒層が外部からの異物の侵入を防ぐ=バリアゾーン
バリアゾーンが壊れると新しい細胞をつくり続ける基底細胞が不健康になり表皮も影響をうける。
頭皮の表面は固い角質層におおわれている。女性のほうが、皮脂の分泌が男性より少ない。
合成界面活性剤は強力な乳化力(水と油を混ぜる力)でバリアゾーンをこわす。これはシャンプーでも同じ。
石けんは乳化力が弱く、皮脂にはじかれて皮膚の中に浸透できない。そのため有効成分を浸透させる力もない。
バリアゾーンが壊されると異物が浸透しやすくなり、末梢血管が委縮して皮膚が栄養不足となる。
第3章 シャンプーの素顔
シャンプーには化粧品と医薬部外品がある。
2001年から化粧品は全成分表示、2006年から医薬部外品の成分表示がはじまり、2008年にすべて切り替わった。
これによってシャンプーの成分がわかるようnなった。
合成シャンプー・・合成界面活性剤を使っているモノ
石けんシャンプー・・・脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、またはカリ石けん素地を界面活性剤としてつかっているもの。
シャンプー市場は1450億円といわれ、1割が無添加や自然派といわれている。
見分け方は、石けんシャンプーなら泡立てたものに酢をいれて、泡が消えて白濁したら石けんシャンプー。泡が消えなければ合成シャンプー。消えずに白濁したら両方がはいっている。
石けんはアルカリ性だから、弱酸性や中性は合成。
アミノ酸せっけんは合成界面活性剤。また洗浄力が弱いので、他の洗浄成分が入っているモノが多い。
複合せっけんは、合成洗剤と石けんが両方はいっているもの。石けんシャンプーとして宣伝しているので気を付けて。
シャンプーの合成界面活性剤は基本的に台所洗剤と同じ。そしてどのくらい配合されているかは書かれていない。
台所洗剤はかかれている。
合成ポリマーとは、天然ポリマーと別に合成したもの。合成樹脂、合成オイル、合成セルロースがある。天然体を利用した半合成品もある。
やわらかくべとつかない、腐らない、酸化しない、つけ心地がいいなどの理由で化粧品の原料として使われるようになった。油に溶ける、水にとけるなどのものがあり、油脂や植物ゴムにとってかわる化粧品の原料。
コンディショナーなどに配合されて指や櫛どおりをよくしている。
化粧水やクリームに配合すると、さっぱり、しっとりし、しわが目立たなくなるが、皮膚の保水力が高まったのではなく、合成界面活性剤を含んだ水が肌にはいってふくらむから。つるつるになったと感じるのは、水を逃がさないように被膜となって皮膚をおおっているので、ラップやビニールを顔にはりつけているのと同じ。
結局バリア機能が弱り、皮膚の常在菌への悪影響、紫外線にあたったときの光毒性、廃棄したときの分解性も疑問。
シリコンや、アクリル酸、メタクリル酸、カルボマー、セルロース、加水分解コラーゲンも合成ポリマー
油分を含む化粧品を変質させないために配合される、酸化防止剤と殺菌防腐剤。
合成着色料は発がん性や催奇形性が心配されている。
紫外線吸収剤は防腐剤やタール系色素と同系列の化合物。フェノール類の化学物質が多くつかわれている。
香料は合成だが、全成分表示でも「香料」なので何がつかわれているかわからない。
毒性添加物でもバリア機能がはたらいていれば肌トラブルは起こさない。
バリアをこわす合成界面活性剤は注意。
窒素化合物、リン酸化合物は人体への悪影響が心配されている。
無添加は、何が無添加なのか表示しないといけない。殺菌剤、防腐剤無添加でも、かわりに合成ポリマーで腐るのをおさえていたりするので注意。
シャンプー実験として合成シャンプーと石けんシャンプーの利用者の髪を太さを調べた実験(1986年)
合成シャンプー9名の平均87.3ミクロン
石けんシャンプー8名の平均 109.6ミクロン
走査電子顕微鏡でみると合成シャンプー利用者のキューティクルは壊れ、髪そのものをいためている。頭皮も合成界面活性剤のウラリル硫酸ナトリウムなどはタンパク質変性が強く、皮脂を必要以上にはぎとるので角質層がすかすかになる、その下の顆粒層に異物がはいり、残留毒性が浸透する。
もっと新しい実験結果がほしかったがなかったという。
58のシャンプーを濃度20%にしてメダカの全致死時間を調べた実験では
合成シャンプー46商品のうち、40商品で60分以内に死亡。
60-79分に4商品が死亡。120分以上生きていたのは2商品。
石けんシャンプーはすべて生きていた。
また、120分以上生きていた商品でかいわれ大根をそだてたところ、発芽・育成がおおきく遅れたという実験結果になった。
合成界面活性剤は、
1960年代の厚生省の見解では「体内に摂取しても1日に体重1キログラムあたり300ミリグラムまでなら安全」となっている
1970年代には「誤飲などでなければ問題ない」となっている。
しかし台所洗剤にはSARSも殺す(細胞障害剤としてはたらく)ほどの威力があり、人の細胞に有害でないというのはちょっと信じられない。
わからないものは使わない=慎重なる回避もひとつの選択かも。
毛染めは欧州では毛染めに含まれる化学薬品22種類について、長期間使用した場合膀胱がんになるおそれがあるとして、使用禁止にしている。
合成界面活性剤でバリアがなくなったところに毛染めの薬品がくるのは怖いこと。
第4章 シャンプーの表示
薬事法ではシャンプーは洗浄用化粧品に分類される。
化粧品は、皮膚の清潔を保ち(洗浄化粧品)、皮膚をすこやかに保ち(基礎化粧品)、皮膚を美しく装い(メイク化粧品と香水)、皮膚にぬったり散布したりするもので、内服できない。作用が緩慢で薬理効果がないもの。全成分表示が義務づけられている。表記は量の多いものから書く。
シャンプーは医薬部外品もある。
医薬部外品とは、化粧品と医薬品の中間にあたり、効果・効能を期待できる薬品。薬理成分の作用が弱く、長期間使用されることが多い。以前は指定成分表示、現在は有効成分と、その他の成分で表示。成分は順不同で表記。表記名は簡略名も使える。
医薬品のミスミリンシャンプーなどは病気を治すもの。
化粧品と医薬部外品は製造工程でのキャリーオーバーは表示しなくていいことになっている。表示指定成分でもキャリーオーバーしていれば表示義務はないので、無添加とかける。
製造年月日や使用期限表示の義務はないが、ロット番号をメーカーにいうと製造年月日を教えてもらえる。
成分チェック
東京美容科学研究所所長 小澤王春「自分で調べて採点できる、化粧品毒性判定事典」によると
毒性成分の分類は
合成界面活性剤は■■
合成ポリマー、防腐剤、防かび剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、法定色素、香料、他の毒性物質は■
ひどい毒性物質 鉛化合物、違法や医薬品は■■
好ましくない成分は△、2-3個あつまると■
として成分チェックして、合計が製造、使用上妥当な個数なら合格として、それ以上なら危険としている。
これを参考に次の章でシャンプーの安全性の採点をしている。
第5章 シャンプーの成績表
資生堂 スーパーマイルドシャンプー 合成シャンプー 11代目 ■15個 △2個 不明1個 不合格
ライオン soft・in1 合成シャンプー ■22個 △1個 不明1個 不合格
P&G PANTENE シルキースムースケア 合成シャンプー ■20個 △0個 不明2個 不合格
クラシエホームプロダクツ ナイーブなめらかスムース 合成シャンプー ■20個、3個、不明3個 不合格
以下の合成シャンプーもすべて不合格
LUXスーパーリッチシャインシャンプー(美容液)
Essential ニュアンスアリーシャンプー
ケラスターゼREバンドフォルスN
SUCCESS エクストラクール(医薬部外品)
オルビス ディープクレンジングシャンプーN
コタ アイ ケア シャンプーN
ディシラ スーペリアシャンプーEX a
柊の贈り物
合成シャンプーで合格
松山油脂 アミノ酸せっけんシャンプー 合成シャンプー ■4個 △1個 合格
サラヤ arau。アラウ。石けんシャンプー 合成シャンプー ■4個 △1個 合格
エスケー エスケーしっとり石けんシャンプー 石けんシャンプー ■1個 △1個 合格
以下の石けんシャンプーも合格
パックスナチュロンシャンプー
ミヨシ 無添加せっけんシャンプー
シャボン玉シャンプー
合成シャンプーひとすじの小泉さんが石けんシャンプーを体験。髪がギシギシになりながらも、髪質がちがってきていることを実感。
石けんシャンプー15年の中山さんが合成シャンプーを体験。精神的なものもあるが、かゆかゆ、手荒れを体験。
合成シャンプーはイメージ商品。石けんシャンプーは説明商品と結論づけていた。
第6章 CMリテラシー
50億円の宣伝費をかけて投入されたTSUBAKIは有名タレントがさらさらの髪を披露するCMで売り上げNo1を獲得。
しかし成分は10種類の合成界面活性剤入りで不合格。不明成分は資生堂に問い合わせていた。
昔から受け継がれている椿オイルを合成界面活性剤と合成ポリマーで浸透しやすくしたとうイメージだそうだ。
資生堂は昔から合成界面活性剤の質問も逃げないし、無添加展開もしたことあるそうだ。
アメリカではCMにでる俳優は三流といわれており、本当のTSUBAKI愛用者が宣伝をしている女性にいるのか疑問。
サントリーの石けんシャンプーconoha(コノハ)は製造はペリカン石けんで、通信販売メインの高額商品。1890円(250ml)
調べたところ合成界面活性剤が3種類はいっていたのでサントリーに問い合わせていた。
サントリーの回答は入ってはいるが、石油由来でないし、量も少ないとのこと。
成績表でいえば不合格になるそうだ。
疑問があれば企業に問い合わせることをすすめていた。
企業サイトに成分表示がないことなども各企業に問い合わせていた。
あとがき
合成シャンプーから石けんシャンプーに切り替えるのは大変だが、健康と環境負荷の観点からすすめるとしてあった。
また、良いものを作っていると確信している企業(合成シャンプーも含めて)対応もしっかりしていると書いてあった。
シャンプーの成分は表示義務がなかったため、まったくわからなかった。
消費者はCMとイメージで買っている。決まったシャンプーを使っているが、ときどき違うのを試す。
シャンプーは化粧品であり、アレルギーを起こす成分以外は表示義務がなかったが、01年に薬事法の改訂で化粧品が全商品成分表示になり、シャンプー(医薬部外品がほとんど)も自主基準で表示するようになり、成分がわかるようになった。
ほとんどのシャンプーが合成界面活性剤を使っており、皮膚バリアを破壊して薬効成分を浸透させ、タンパク質を変性させる。
合成ポリマーがはやっており、これが細胞内にはいってハリやプルプル感がでるが、皮膚の正常な機能は失われる。
植物由来、弱酸性でも、合成界面活性剤の害はかわらない。
石けんメーカーからは石けんシャンプーがでているが、石けんはアルカリ性であらったあとはキシキシするが、リンスで中和すると髪がひきしまる。合成から石けんへの転換は大抵苦労する。最初はギシギシ感とふけに悩まされる。
毎日シャンプーするのはCMの影響。今でも石けんで週1シャンプーの人はいる。肌質できめるべき。
第1章 売れている&気になるシャンプー
シャンプーの市場調査によると、消費者がシャンプーを選ぶ基準は「仕上がり感」「価格」「詰め替え用があるか」など。
きっかけはTVCMや広告がほとんど。
2009年男性用育毛シャンプー「スカルプD」がヒットした年。他のキーワードは「ダメージケア」あと、香りのヒーリング効果をねらたものがヒットした。
シャンプーの歴史
1926年 葛原工業 植物性シャンプー「モダン髪洗粉」を発売
1930年 ライオン石鹸 液体シャンプー「すみだあらひ」を発売 主婦の友などで広告
1932年 美香園 「タマゴシャンプー」(粉)
花王石鹸 「花王シャンプー」(固形) 高峰三枝子など女優でイメージアップ
・
・
・
1964年 玉の肌 「リンスシャンプー」
この間、洗髪回数は月に1・2度から、1週間に1・2回、85年ごろには朝シャンが登場。1日2回の人もでるように。
リンスは1975年ごろひろがった。
旬なシャンプーとして@COSMEのランキングをのせていた。
1位 ミトク「オーブリー オーガニクス GPBヘアコンディショナー」
2位 日本ロレアル「ケラスターゼ ケラスターゼRE バン ド フォルス」
3位 花王「サクセス 薬用シャンプー/リンス」
傾向として、ライフスタイル提案商品と、流行のヘアケア商品が選ばれているとしていた。
ロングセラーシャンプー
花王「メリット」は発売40年。フケ・カユミを防ぐ+ファミリー層向けというコンセプトでロングセラーに。
01年化粧品が全成分表示なり、医薬部外品のシャンプーも自主基準で全成分表になった。
ただし、化粧品のように成分名の指定ルールはない。また成分量の多い順に表示する義務もない。
これによってわかった成分から第5章で成績表をつけている。
ただし、長年成分もわからないものを使ってきたというのは間違いない。
第2章 髪と地肌のしくみ
髪の平均本数は10万本、少ないと7-8万本、多いと10-12万本といわれている。
伸びる長さは1日0.3-0,4mm、1か月で1-1.5㎝、1年で12-8cm
髪の太さは0.08ミリ、欧米人の1.5倍、太いと0.1ミリ、細いと0.06ミリ、健康な髪の太さは0.1ミリ前後といわれている。
成分は繊維状につながったケラチン(18種類のアミノ酸でできたタンパク質と硫黄)で、水分は12-13%。水分が多いと切れにくいといわれている。
皮膚の下にある毛根と皮膚の上にある毛幹に区別される。
毛根の末端にある毛球にある毛母細胞が毛細血管あkら栄養素をうけとり髪がのびる。
成長して抜け落ち、同じ毛根から新しい髪が生えるを繰り返す、約2-6年のびて=成長期、2週間休み=移行期、抜けるのが3か月=休止期といわれるサイクルを繰り返す。
生えている髪の約85-90%が成長期、残りの10-15%が移行期と休止期、一日50-100本が自然に抜ける。
男性は20歳、女性は25歳くらいを境に短くなり、細くなる、メラニン色素が減って白髪になっていく。
女性の美容コミュニティSNS「キレイナビリサーチ」によると髪悩み1位は「パサつき」調査のたびに傷みを気にする人が増えている。
ネットリサーチによると男性は「抜け毛」が1位。
薄毛を気にしている男性は800万人、女性も薄毛に悩む人が増え、育毛剤市場が拡大している。
髪のトラブルが増えている原因として著者らは
洗髪回数と乾燥、整髪料・ムース、パーマ・毛染め・脱色、ドライヤー、日焼け、帽子・ヘルメット・かつら、まとめ髪、エアコン、薬、食べ物、タバコ、睡眠不足
髪のトラブル内因、腎を弱らせる、血が不足する、ストレス。
シャンプーに期待するのは髪のダメージの修復。
ダメージを与える要因としてあげられた1位はドライヤー
髪の傷みの原因はシャンプーにあると考える人は少なく、シャンプーに髪のダメージを回復するのを期待している。
皮膚の構造
表皮、真皮、皮下組織からなる
表皮にある角質層と顆粒層が外部からの異物の侵入を防ぐ=バリアゾーン
バリアゾーンが壊れると新しい細胞をつくり続ける基底細胞が不健康になり表皮も影響をうける。
頭皮の表面は固い角質層におおわれている。女性のほうが、皮脂の分泌が男性より少ない。
合成界面活性剤は強力な乳化力(水と油を混ぜる力)でバリアゾーンをこわす。これはシャンプーでも同じ。
石けんは乳化力が弱く、皮脂にはじかれて皮膚の中に浸透できない。そのため有効成分を浸透させる力もない。
バリアゾーンが壊されると異物が浸透しやすくなり、末梢血管が委縮して皮膚が栄養不足となる。
第3章 シャンプーの素顔
シャンプーには化粧品と医薬部外品がある。
2001年から化粧品は全成分表示、2006年から医薬部外品の成分表示がはじまり、2008年にすべて切り替わった。
これによってシャンプーの成分がわかるようnなった。
合成シャンプー・・合成界面活性剤を使っているモノ
石けんシャンプー・・・脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、またはカリ石けん素地を界面活性剤としてつかっているもの。
シャンプー市場は1450億円といわれ、1割が無添加や自然派といわれている。
見分け方は、石けんシャンプーなら泡立てたものに酢をいれて、泡が消えて白濁したら石けんシャンプー。泡が消えなければ合成シャンプー。消えずに白濁したら両方がはいっている。
石けんはアルカリ性だから、弱酸性や中性は合成。
アミノ酸せっけんは合成界面活性剤。また洗浄力が弱いので、他の洗浄成分が入っているモノが多い。
複合せっけんは、合成洗剤と石けんが両方はいっているもの。石けんシャンプーとして宣伝しているので気を付けて。
シャンプーの合成界面活性剤は基本的に台所洗剤と同じ。そしてどのくらい配合されているかは書かれていない。
台所洗剤はかかれている。
合成ポリマーとは、天然ポリマーと別に合成したもの。合成樹脂、合成オイル、合成セルロースがある。天然体を利用した半合成品もある。
やわらかくべとつかない、腐らない、酸化しない、つけ心地がいいなどの理由で化粧品の原料として使われるようになった。油に溶ける、水にとけるなどのものがあり、油脂や植物ゴムにとってかわる化粧品の原料。
コンディショナーなどに配合されて指や櫛どおりをよくしている。
化粧水やクリームに配合すると、さっぱり、しっとりし、しわが目立たなくなるが、皮膚の保水力が高まったのではなく、合成界面活性剤を含んだ水が肌にはいってふくらむから。つるつるになったと感じるのは、水を逃がさないように被膜となって皮膚をおおっているので、ラップやビニールを顔にはりつけているのと同じ。
結局バリア機能が弱り、皮膚の常在菌への悪影響、紫外線にあたったときの光毒性、廃棄したときの分解性も疑問。
シリコンや、アクリル酸、メタクリル酸、カルボマー、セルロース、加水分解コラーゲンも合成ポリマー
油分を含む化粧品を変質させないために配合される、酸化防止剤と殺菌防腐剤。
合成着色料は発がん性や催奇形性が心配されている。
紫外線吸収剤は防腐剤やタール系色素と同系列の化合物。フェノール類の化学物質が多くつかわれている。
香料は合成だが、全成分表示でも「香料」なので何がつかわれているかわからない。
毒性添加物でもバリア機能がはたらいていれば肌トラブルは起こさない。
バリアをこわす合成界面活性剤は注意。
窒素化合物、リン酸化合物は人体への悪影響が心配されている。
無添加は、何が無添加なのか表示しないといけない。殺菌剤、防腐剤無添加でも、かわりに合成ポリマーで腐るのをおさえていたりするので注意。
シャンプー実験として合成シャンプーと石けんシャンプーの利用者の髪を太さを調べた実験(1986年)
合成シャンプー9名の平均87.3ミクロン
石けんシャンプー8名の平均 109.6ミクロン
走査電子顕微鏡でみると合成シャンプー利用者のキューティクルは壊れ、髪そのものをいためている。頭皮も合成界面活性剤のウラリル硫酸ナトリウムなどはタンパク質変性が強く、皮脂を必要以上にはぎとるので角質層がすかすかになる、その下の顆粒層に異物がはいり、残留毒性が浸透する。
もっと新しい実験結果がほしかったがなかったという。
58のシャンプーを濃度20%にしてメダカの全致死時間を調べた実験では
合成シャンプー46商品のうち、40商品で60分以内に死亡。
60-79分に4商品が死亡。120分以上生きていたのは2商品。
石けんシャンプーはすべて生きていた。
また、120分以上生きていた商品でかいわれ大根をそだてたところ、発芽・育成がおおきく遅れたという実験結果になった。
合成界面活性剤は、
1960年代の厚生省の見解では「体内に摂取しても1日に体重1キログラムあたり300ミリグラムまでなら安全」となっている
1970年代には「誤飲などでなければ問題ない」となっている。
しかし台所洗剤にはSARSも殺す(細胞障害剤としてはたらく)ほどの威力があり、人の細胞に有害でないというのはちょっと信じられない。
わからないものは使わない=慎重なる回避もひとつの選択かも。
毛染めは欧州では毛染めに含まれる化学薬品22種類について、長期間使用した場合膀胱がんになるおそれがあるとして、使用禁止にしている。
合成界面活性剤でバリアがなくなったところに毛染めの薬品がくるのは怖いこと。
第4章 シャンプーの表示
薬事法ではシャンプーは洗浄用化粧品に分類される。
化粧品は、皮膚の清潔を保ち(洗浄化粧品)、皮膚をすこやかに保ち(基礎化粧品)、皮膚を美しく装い(メイク化粧品と香水)、皮膚にぬったり散布したりするもので、内服できない。作用が緩慢で薬理効果がないもの。全成分表示が義務づけられている。表記は量の多いものから書く。
シャンプーは医薬部外品もある。
医薬部外品とは、化粧品と医薬品の中間にあたり、効果・効能を期待できる薬品。薬理成分の作用が弱く、長期間使用されることが多い。以前は指定成分表示、現在は有効成分と、その他の成分で表示。成分は順不同で表記。表記名は簡略名も使える。
医薬品のミスミリンシャンプーなどは病気を治すもの。
化粧品と医薬部外品は製造工程でのキャリーオーバーは表示しなくていいことになっている。表示指定成分でもキャリーオーバーしていれば表示義務はないので、無添加とかける。
製造年月日や使用期限表示の義務はないが、ロット番号をメーカーにいうと製造年月日を教えてもらえる。
成分チェック
東京美容科学研究所所長 小澤王春「自分で調べて採点できる、化粧品毒性判定事典」によると
毒性成分の分類は
合成界面活性剤は■■
合成ポリマー、防腐剤、防かび剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、法定色素、香料、他の毒性物質は■
ひどい毒性物質 鉛化合物、違法や医薬品は■■
好ましくない成分は△、2-3個あつまると■
として成分チェックして、合計が製造、使用上妥当な個数なら合格として、それ以上なら危険としている。
これを参考に次の章でシャンプーの安全性の採点をしている。
第5章 シャンプーの成績表
資生堂 スーパーマイルドシャンプー 合成シャンプー 11代目 ■15個 △2個 不明1個 不合格
ライオン soft・in1 合成シャンプー ■22個 △1個 不明1個 不合格
P&G PANTENE シルキースムースケア 合成シャンプー ■20個 △0個 不明2個 不合格
クラシエホームプロダクツ ナイーブなめらかスムース 合成シャンプー ■20個、3個、不明3個 不合格
以下の合成シャンプーもすべて不合格
LUXスーパーリッチシャインシャンプー(美容液)
Essential ニュアンスアリーシャンプー
ケラスターゼREバンドフォルスN
SUCCESS エクストラクール(医薬部外品)
オルビス ディープクレンジングシャンプーN
コタ アイ ケア シャンプーN
ディシラ スーペリアシャンプーEX a
柊の贈り物
合成シャンプーで合格
松山油脂 アミノ酸せっけんシャンプー 合成シャンプー ■4個 △1個 合格
サラヤ arau。アラウ。石けんシャンプー 合成シャンプー ■4個 △1個 合格
エスケー エスケーしっとり石けんシャンプー 石けんシャンプー ■1個 △1個 合格
以下の石けんシャンプーも合格
パックスナチュロンシャンプー
ミヨシ 無添加せっけんシャンプー
シャボン玉シャンプー
合成シャンプーひとすじの小泉さんが石けんシャンプーを体験。髪がギシギシになりながらも、髪質がちがってきていることを実感。
石けんシャンプー15年の中山さんが合成シャンプーを体験。精神的なものもあるが、かゆかゆ、手荒れを体験。
合成シャンプーはイメージ商品。石けんシャンプーは説明商品と結論づけていた。
第6章 CMリテラシー
50億円の宣伝費をかけて投入されたTSUBAKIは有名タレントがさらさらの髪を披露するCMで売り上げNo1を獲得。
しかし成分は10種類の合成界面活性剤入りで不合格。不明成分は資生堂に問い合わせていた。
昔から受け継がれている椿オイルを合成界面活性剤と合成ポリマーで浸透しやすくしたとうイメージだそうだ。
資生堂は昔から合成界面活性剤の質問も逃げないし、無添加展開もしたことあるそうだ。
アメリカではCMにでる俳優は三流といわれており、本当のTSUBAKI愛用者が宣伝をしている女性にいるのか疑問。
サントリーの石けんシャンプーconoha(コノハ)は製造はペリカン石けんで、通信販売メインの高額商品。1890円(250ml)
調べたところ合成界面活性剤が3種類はいっていたのでサントリーに問い合わせていた。
サントリーの回答は入ってはいるが、石油由来でないし、量も少ないとのこと。
成績表でいえば不合格になるそうだ。
疑問があれば企業に問い合わせることをすすめていた。
企業サイトに成分表示がないことなども各企業に問い合わせていた。
あとがき
合成シャンプーから石けんシャンプーに切り替えるのは大変だが、健康と環境負荷の観点からすすめるとしてあった。
また、良いものを作っていると確信している企業(合成シャンプーも含めて)対応もしっかりしていると書いてあった。
タグ:山中 登思子
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