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「排便力」が身につく本―重症の便秘も治る!専門医が教える生活プログラム (ビタミン文庫) [健康]

著者は「毒だしジュース」などを提唱している、便秘外来のある病院のお医者さん。
便秘は従来考えられているよりも重大な健康問題として、便秘治療に熱心に取り組んでいる。

現代人は「排便力」が落ちている人が多く、下剤がないと排便できない「下剤依存症」の人もいる。
著者の病院では重度の「下剤依存症」の人がかかっていることも多く、何年もかかって下剤を減らしていく治療をしているそうだ。最後の方に症例がのっていた。心理的に排便がないのではというストレスがかかることがあるので、排便がなければ下剤は元の量にもどしていいという条件を必ずつけるそうだ。

便意がおこらないのは注意。下剤を服用し続けるとまったく便意がおこらなくなることがある。
腸の働きが低下しているうえに、直腸反射もなくなっているので、これらを取り戻す治療を行うそうだ。
下剤の分類や、どんな作用があるか解説し、症状にあわせて緊急的に使い、常用しないようにいっていた。

軽い便秘なら自分で著者の提唱する腸内リセットプログラムを行えば治るといっていた。

便秘の重要度セルフチェック表があり
軽度(停滞腸)、中等症、重症、最重症までわけてあった。
便秘が悪化する理由
排便を我慢しているうちに直腸と肛門の働きが悪化して便意を感じなくなる
加齢で腸の働きがおちる
食生活(特にダイエットによる欠食など、食物繊維の不足、朝食抜き)
不規則な生活
過大なストレス
運動不足
開腹手術後
月経前症候群(PMS) 月経前には大腸の蠕動運動を抑制するホルモンがでるので
特定の病気の影響や薬の副作用(甲状腺、抗うつ薬など)

ポイントは便意があるか、あれば軽度といえる。
大した便秘でもないのに下剤を使っていると、便意がおこらなくなることがあるので注意。こうなると下剤依存症になりやすい。



腸内リセットプログラム・・・疲弊した腸をまっさらな状態にしてよい環境をつくる
1日目
下剤で便を出し切ってスタート、塩類下剤(ミルマグやスイマグ)を使う。著者のおすすめは「スラーリア」。空腹時にのんでその後1-2リットルの水をとる。固形物はとらっず、水分とファスティング(断食)ジュースだけを飲む。
便ができったらビフィズス菌製剤を飲む
5時間後に腸の善玉菌を増やすファスティグジュースを飲む。
ファスティングジュースは豆乳+バナナ+ヨーグルト+はちみつ、バナナ+セロリ+人参+リンゴ+オリーブオイルが紹介されていた。ペクチンを含む市販の野菜と果物の100%ジュースでもよい。空腹で我慢できない時には根にゅくゼリーなどの不溶性食物繊維を少量とる。
2-7日目
必ずとるもの
たっぷりの水分1.5-2リットル
食物繊維 2-3日15g 4日目以降25g
ビフィズス菌製剤なたは植物性乳酸菌飲料 3-5g
オリーブオイル 15-30ml
オリゴ糖  3-5g
これらが含まれていれば他には何を食べても構わないが、量は控えめにする。
採った方がいいのは、マグネシウムとビタミンC
マグネシウムは食品(コンブ、ほうれん草、ひじき、納豆、カツオ、ゴマ、サツマイモ)からとる
ファスティングジュース


停滞腸を解消する「毒だしジュース」の作り方
500ml
ペパーミントのティーパック1個
レモンの絞り汁大さじ1
生姜(チューブいり1-2㎝または一かけ)
オリゴ糖 適量

食物繊維が多い食品リストがあった、不溶性、水溶性F/I値、S/F値がのっている。

プログラム終了後は「腸内クリーン維持法」をおこなう。
食品を腸プラス食品と腸マイナス食品に分類していた。
玄米はストレス腸の時はマイナスだが、リラックス腸ならプラスなど、かなり細かい。
レシピものっていた。


運動とマッサージ
ガスが抜けやすくなる腸マッサージ
1 リ、ラックスした状態で体の右半身を下にして横になり、右腕は頭の下に置く
2 左手全体を胃の少し下にあて、おなかの上の方から下に向かうよう、時計回りにマッサージする。深呼吸をしながら行うと効果的。これを5-10分続ける。

体を温めて腸管の働きを促す「湯もみ入浴」
湯船にぬるめのお脱をはり、みぞおちから下だけ使う半身浴を行いながら腸もみをする
1 下腹部の右下から骨盤にそって上にあがる
2 へそのやや右上から浅いU字型を描くようにへそ下を通って左わき腹に移動する
3 左わき腹から、骨盤の内側に沿って下がる、恥骨のあたりまでいったら1周
1か所を2-3回もみながら移動し、2-3周行う。週に1-2回行う。
便秘の人は特にS状結腸のところ、周回の一番おわりのところをもむと効果的。

運動療法1 ウォーキング
ウォーキングがよい理由
1 運動の刺激で新陳代謝が活発になり腸の動きがよくなる
2 排便に必要な筋力が無理なく鍛えられる
3 副交感神経が優位になる
背筋を伸ばし、胸を張り、おなかに軽く力を入れる正しい姿勢で行う。
1日30分前後が目標だが、無理のない範囲で続ける。

運動療法2 排便がスムーズになる「へそ見エクササイズ」
腹直筋は深層筋(インナーマッスル)なのでダイエット効果も期待できる。
腰痛のある人は注意して行う
1 たたみや布団の上に頭の後ろで手を組んで仰向けになる(フローリングはさける)
2 おへそが見えるまでゆっくりと頭を起こし、8秒数える、次にまたゆっくりと仰向けに戻る。これを10回を目標に繰り返す。

腸内リセットプログラムここまで。



下剤依存症からの脱出
便意を復活させるが重要
著者がよく使う薬剤
酸化マグネシウム・・・塩類下剤の1種、にがりもこの一つだが塩分がある。結腸内で内容物に水分を増やして排便を促す。
新レシカルボン座薬・・・炭酸水素ナトリウムと無水燐酸水素ナトリウムが成分、肛門から直腸にいれるとカプセルが解けて炭酸ガスが発生し、ガスで排便を促す。直腸反射をとりもどすために使う。
3 防風通聖散・・・漢方薬。大黄の含有量がすくなく、大腸メラノーシスを起こしにくい下剤として使う。

排便力を取り戻すための鍵は3つ
1大腸(特に結腸)の働きが悪い
2食物繊維の摂取量がたりない。特に朝食抜きがいけない
3便意がない
食事と薬で徐々に自然な便意を取り戻すことを目指す。
下剤服用期間が長いほど、治療は長くかかる。

軽症の下剤依存症の場合、自宅での治療も可能
準備
1 下剤の中身をチェック
2 1週間の下剤の服用量を書きだす
3 1週間の食事メニューを書きだす
4 下剤を服用しないと排便ができないかどうか確認する
実行方法
1食事療法として、前述の腸内リセット+腸内クリーン維持法を行う。入浴後にも食物繊維入りのジュース(ファイブミニなどでもいいし、手作りの断食ジュースでもいい)を飲もう。
2シャワートイレによる肛門刺激、ウォッシュレットの水で肛門周辺を1回につき30秒から60秒刺激、1日1-3回くらい。痛くないくらいの水圧で。
3運動&マッサージ
4酸化マグネシウム
5うまくいったら徐々に下剤を減らす。
6座薬で便意を起こす。朝夜2回にするとどちらかには便がS状結腸にあるのでうまくいきやすい。
便意が復活してきても、最低3か月は続ける。完全にさよならしなくても「酸化マグネシウム」などをとりいれてなるべく自然に近い排便ができる状態を目指す。


中程度以上ではクリニックでの指導で治療することをすすめていた。
またコーヒー浣腸はやらないほうがいいといっていた。






理想の大腸
大腸は、盲腸と結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸からなり、さらに肛門に続いている。
大腸では水分が吸収され、便として固形化されてSじ結腸まで送られ、貯留する。これが排泄されるためには結腸から蠕動運動で直腸に運ばれ、、肛門括約筋の働きによって体外に排泄される。つまり結腸・直腸・肛門の連係プレーが必要。

便からは体内の老廃物の7割が排泄されるので解毒として重要。
腸の毒素は「アセトン臭」という体臭の引き金になることがわかっている。大腸がん、冷えとの関連もあるのではないかといわれている。
便秘は腸内環境が悪化したサインとみるべき。


便意がおこる仕組み
第一段階 胃・結腸反射
下行結腸からS状結腸までの強い収縮運動。食べ物や水分をとることで起こり、喫煙や歩行でも誘発されるといわれている。朝に強く起こる。直腸に便が移行することで直腸が伸びて、腸神経叢が刺激され、収縮運動がおこり便意がおこる。

第2段階 便の移動
便意がおこると腹筋が持続的に収縮し、横隔膜の働きで腹腔内が便をさらに直腸にむけて前進させる。直腸の収縮と肛門の周囲の肛門挙筋という筋肉の収縮で便は肛門にむかっておしだされる。

第3段階 便の排泄
肛門に押し出された便は、肛門の開閉にかかわる肛門括約筋が緩むことで肛門から体外に排泄される。

腸神経叢は、脳や脊髄からの指令を受けずに臓器を動かすことができる神経細胞。おもに神経伝達物質セロトニンで働く。ストレスやイライラは腸に影響するのではないかといわれているのだ。

便の状態で見る大腸のセルフチェック表がのっていた。



腸の機能が衰えておこる「常習性便秘」のタイプ
1 直腸性便秘 直腸まで便が下りてきているのに便意がおこらず便秘になる。
2 弛緩性便秘 大腸全体の運動機能が低下して起こるタイプの便秘。おはかが張っているのに排便できない。
3 痙攣性便秘 ストレスから結腸の緊張が異常に高まっておきる。便秘と下痢を繰り返す。
このほかにダイエットのせいで、便のもとが少なくなるタイプが増えている。



いろいろある下剤の種類
刺激性下剤・・・腸の粘膜を刺激して腸の運動を高めるタイプ、アントラキノン系の下剤(アロエやセンナ、大黄のはいったもの)は、即効性が高く緊急用に短期間つかうのはよいが、副作用があるので常用しないほうがいい。
機械性下剤・・・便を柔らかくしたりかさをふやしたりして排便反射を促すタイプ。便の水分を増やして柔らかくする「塩類下剤」腸内の水分を増やして便を柔らかくする「盗塁下剤」便のかさをふやす「膨張性下剤」

著者の便秘のオリジナル分類別、どの下剤を使うかをまとめた一覧がのっていた。
小腸、結腸、直腸・肛門、消化管内容物の減少、ストレスに分類してあった。
それぞれに合わせて下剤や漢方薬、食事療法などをあわせていくそうだ。
漢方薬は大黄の含有用の少ない防風通聖散をすすめていた。

便秘に有効な漢方薬一覧もあった。成分やききめを理解して使う。


排便力をつけるには
食事
朝のコップ1杯の冷たい水
食物繊維(1日25g)不溶性と水溶性をバランスよく
乳酸菌をとる(乳製品、乳飲料、キムチやみその発酵食品)特に植物性乳酸菌が生きて腸に届きやすい
オリーブオイル、パンに塗るなどしてとる、小腸を刺激する。
オリゴ糖は腸のなかでビフィズス菌(善玉菌)のエサになる
腸管の働きをよくする「マグネシウム」
ぜん動運動を活発にするビタミンC



「排便力」が身につく本―重症の便秘も治る!専門医が教える生活プログラム (ビタミン文庫)

「排便力」が身につく本―重症の便秘も治る!専門医が教える生活プログラム (ビタミン文庫)

  • 作者: 松生 恒夫
  • 出版社/メーカー: マキノ出版
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: 単行本



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