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護身Hand Book―実用知識で危険を見抜く [雑学]

著者は、海外で戦闘経験があり、警察対テロ部隊や要人警護の指導などを行ったとのこと。
また、生い立ちによる心の傷、戦闘経験による心の傷から、身心に変調をきたし、カウンセリングで回復した過去もある。
現在は暴力に対する予防、アドバイス、護身術、被害からの回復などのワークショップや指導を行っている。

まず、見開きに表、
縦軸を感情の高まり、横軸を時間経過とするグラフがあった。
まず暴力発生前、暴力発生、暴力発生後という時間的軸で分類し、
知人からうける暴力の場合上下動を繰り返しながら、暴力発生時に一気に高まる
見知らぬ人からうける暴力の場合の感情は一気に高まる。
その後被害者の感情は激しく落ち込みやがて回復していく。
第1章から3章までは暴力発生前の回避を扱い、一番重視している部分。
第4章は暴力発生時の対応
第5章は発生後の回復を扱う。

暴力は対人コミュニケーションの摩擦からおこることがほとんど、まずは予防が大切。
各章質問とその回答形式でなってあり、ワークも入っている。

第1章 暴力に備える

護身術は最終手段。また言葉や心理的、経済的暴力には無力。むしろ状況を悪化させることもある。
身体的場面でも下手に使うと相手を刺激してさらなる暴力を招くこともある。
過剰に使ったら正当防衛がなりたたないこともあることを知っておこう。
そう考えると、暴力をうけたとき反射的に護身術で立ち向かうのはむしろ危険ともいえる。
生命の危機にさらされたら、断固として闘うが、戦わずして勝つが理想的で安全な解決策である。

人間は動物脳で危険を察知して、その感覚を味わいながら、人間脳を用いして論理的思考で多角的に判断できる。
しかも経験を蓄積できる。これが武器である。
暴力をふるい人間は感情的が勝ち、理性が負けている状態。あなたまで感情的にならず、条件付けになった護身術に頼らず、相手の感情を逆なでせず、自分の感情を素直に表現し、相手に理解してもらえるための言動をとれるよう理性と本能をコントロールできるように訓練しましょう。予想外の状況でも、パニックになるのを避けることができます。

身を守るためにもっとも必要なのは「暴力を振るう相手の心と体を受け流す」という理念。
相手に暴力を起こさせる明確な意思を持たせないように予防することが、安全で効果的な護身術。
こちらが怯える様子をみせず、高圧的な態度もみせなければ相手も感情的になりにくい。
相手に心理的抑圧を与えない心理戦ともいえる。相手の思考をよんで暴力という選択肢を選ばせないようにするのがすべて。
安全な間合いを取りながら相手を観察するのが基本。

安全と正義は違う。
暴力に遭遇するときは、可能な限り感情的に物事を考えないことが大切。論理的思考を機能させないと危険が倍増する恐れがあるので。
周囲の状況、相手の心理状態を考えて、論理的に選択肢を選ぶ、正義を選ぶときは感情的になりやすい。安全を重視し論理的思考で状況を読み解くことが身を守るノウハウの第一歩

ワーク1 論理的思考を身につける

暴力をふるう相手も相手なりのルールで行動している。
思考と感情が違うので、あなたの常識は通用しない。感情的になれば、相手はあなた以上の力で屈服させようとしてくるだろう。まずは相手の心理を読み解き、動機と目的を見極める。相手のルールを理解しお互いに問題を解決する姿勢を見せることが大切。
家庭内でおきる暴力は全体の8割におよび、その原因は対人コミュニケーション不足による。意思の疎通がうまくいかなくて、疑心暗鬼になり陰の感情が鬱積され、ガス抜き=弱音を吐くも苦手なことから抑圧された感情が暴力を引き起こすのです。
見知らぬ人から暴力を受ける危険は2割弱ということになる。それよりも顔見知りからうける暴力があることを理解しておこう。

ワーク2 暴力を振るう相手を知る

正当防衛は、自身や第三者の身に重大な危険が迫った場合にしか適用されない。
過去の護身術の書籍などですすめられる、眼をつくや喉を突くは著者の経験からうまくできないことが多い上に、相手の感情を刺激して危険である。
相手を倒すのではなく、相手の思考を混乱させて反抗する気持ちを持たせないように心理的ダメージを与えることが最も効果的であり、逃げる為に闘うのがよい。

ワーク3 シュミレーションから正当防衛を学ぶ

犯罪者は7秒で獲物を選ぶという。
そのとき使うのは身体の動きから心理をよみとる非言語表現。周囲を警戒しない人、背中をまるめて歩く弱気そうな人など、「いまここでの感情」をよみとっていく。逆に毅然として堂々とした態度の人は選ばれないということ。
コミュニケーション能力を高め、常日頃から適切な対人関係を構築していく。客観的に状況を把握できて、相手の気持ちもおもいやれる論理的思考を鍛える。
人は幼少期から培ってきた知識と経験で感情が左右されやすい生物、自分自身を理解し、どんな状況で感情的なるかしっておくことも大切。自然体で自信を持ってふるまっていると五感や直感が機能して、暴力の予兆もとらえやすくなる。
暴力を振るうかもしれない相手でも、あなたが自分のことを理解してくれると感じれば、怒りは自然と消えるもの。
よってコミュニケーション能力は最大の防御である。

人はその場に応じて人格を作り上げるもの。第一印象だけで相手を判断するのは危険。
また、自分を外面からみつめる作業が不得手であるので、自己分析で気づきを得ることは難しい。
暴力を振るう相手の心理の分類
1 あなたをただ混乱させたい(恐怖と不安をあおりたい)
2 様々な手段を用い、あなたを威嚇し、脅迫する(コントロールしたい)
3 脅迫をエスカレートさせ、身体的暴力も持ち出す(力と強いコントロール)
4 問答無用で身体的暴力に訴え、あなたを心身共に傷つける(感情の爆発)
これらの心理はあなたにも覚えがあるはず、人はだれでも条件が整って結果に耐えうる場合、暴力をふるう立場になる。
普段は理性で押さえられているのだ。
狡猾な相手の場合、あなたの「ノー」を予想して手をうってくる。明確に拒否してあとは反応しないこと。

ワーク4 他人の申し出を拒絶する

相手に対して明確な拒絶ができれば、暴力の被害にあう危険は下げられる。
使い方では相手が暴力に訴えようとする感情をそらせるほどの効果がある。
拒絶は相手に知られないように心の中でおこなう方法と、言動で相手に悟らせる方法がある。対人感覚を磨いてケースバイケースで使い分けよう。
拒絶とはある意味自分自身に向き合うこと、素の自分を受け入れ、自分自身の存在を再確認する。武道でいう邪念や邪気を消す秘伝ともいえるもの。
生じる雑念をすべて受け入れリラックスしていると、あるがままの自分を受け入れることができて、相手を拒絶できる。
この状態ならゆとりが生まれ、五感と直感で相手の危険度を察知できるようになる。
拒絶するときにはパーソナルスペースに相手をいれないように注意すること、相手が接近してくるなら声をかけるなどして相手をパーソナルスペースの外でとめるようにすること。
パーソナルスペースを確保しつつ、客観的に状況を把握すれば、相手の心理がわかり、相手があなたをコントロールしたい土合=危険度を察知することができる。
また、相手のパーソナルスペースにむやみに入って刺激しないことも大切。

ワーク5 あなた自身のパーソナルスペースを知る

客観的思考を保ち、自分の言動に責任をもち、そして結果の判断は相手にゆだねられており自分でコントロールできないという論理的思考をもつひとは、暴力の犠牲になりにくい。
相手に自分の素直な意思を伝え、あとは相手の反応にゆだねることができる。
多くの人は、自分さえ我慢すればと感情を押し殺したり、卑屈になり陰で悪口をいったり、相手の反応を憶測して想像で疲れ果てたりする。自分の感情をコントロールできていない、思い込みで判断せず、相手に共感しながら自分の感情を素直にぶつけることができれば、暴力の加害者になる確率が下がる。
拒絶の意志を確実に知らせるには非言語表現と言語表現をうまく組み合わせることが大切。言語表現では内容より口調が大切。
暴力を振るう相手は優柔不断な相手を狙いがち、きっぱりと断りきれない相手は「無意識にコントロールされたがっている」と勝手に解釈しがち。そして、「嫌がっているとはみえなかった」「了解済みかとおもった」などと言い逃れする。
拒絶しても接近してくる相手は危険な存在であり、非常事態である。

ワーク6 一週間を振り返ってみる


第2章 暴力を予測する。

思考先行の漠然とした不安に取りつかれると、自分自身が納得する答えをみつけるまで解消できない。
こういうひとは「夜道がこわいのですが、どうしたらいいでしょう?」などの質問をする、その意図は安心したいがためである。
このタイプは犯罪者をステレオタイプで考えがちであるのも特徴である。
一方で「自分だけは大丈夫」という自分だけのルールで行動しているタイプもいる。この考えでは危険信号を察知しにくくなり危険。相手がどう感じるかは別だから。
また、武道などに自信があり「どこからでもかかってこい」というメッセージを周りに放っているのも危険。相手は素手で来るとは限らないから。

いろんな自己防衛策が氾濫しており、どれを信じればよいか混乱してしまう状態。
まず「言葉でうまく表現できないけど、何かへんだ」と感じたら、その感覚を大切にして、客観的に分析してみよう。
身を守るとは生きた対人関係が深く関係する。
人間は普段思考中心に常識で行動しているので、直感を否定しがち、著者のワークショップでは躊躇することなくお互いに感じたままをいってもらい、素直に感じたままをダイレクトに表現すること、他人から自分がどうみられているか悟る機会としている。

身を守る心得
1 五感を養い、直感を信じる・・・人間脳が動物脳を否定しやすいことを知る。
2 非常識になる・・・日本人は根拠なく人を疑うことを恥ずべき行為としがち。しかし実際には顔みしりからの暴力が多い。言葉にして伝える必要はないが、感じた違和感を大切にする。
3 自らの言動に責任をもつ・・・相手に対しての発言は自らの責任を持った行為を意味する。相手にどう思われるかを納得したうえでの行為になることを意識化すること。存在を認めてもらいたいだけの発言は周囲への依存を意味する。相手の言葉を祭儀れば相手は不愉快になる。なかには爆発することもある。
4 相手の立場から考える・・・自分の意見や感情を一方的に相手にぶつけるのは危険。まずは聴き手になる習慣をみにつけるのが無難。相手が一方的に言葉の暴力をふるってきても、なぜここまで攻撃的になるのかと論理的に解釈していれば、相手の感情とイメージが読み取れるようになる。言葉の裏の動機や目的が見抜ければ、どう対処したらよいのかわかってくる。状況を安全に分析できる。その前に自分を知っておくことが必要だけどね。
5 安全を重視する・・・正義と安全は違う。一方的な正義は危険度を高める。一度ダメージをうければ元の生活に戻ることは難しい。体力に自信がなくてもメンタル面で自信を持つ必要がある。暴力から生還した人の多くは自分の本能に従い、とっさの判断で窮地をのりこえている。

常識でものごとを判断しがちな人は、どうしても間隔が鈍りがちである。
暴力の前兆を見抜き、その危険度を分析して状況に応じた対応を行うには、既存概念はマイナス要素になる。
思考の違うのだから、常識も違い、考え方も違う、常識はすてさること。
そして本来人間んが持っている危険信号を見抜く能力をフルに活用しよう。

人間は生存と、承認の欲求がある。だから暴力の多くは承認が関係する身内や知人で起きやすくなる。
自己主張できないことで感情が抑圧され、限界をこえたとき瞬間的に爆発する。
予兆は必ずあるはずなので、相手に気を配り、違和感があったら常識または不安を打ち消すために否定せず、相手に気を配ることで暴力を予防する。抑圧された感情がガス抜きされなければ、やがて限界にたっする。

人が暴力を振るう大きな要因は感情表現の乏しさ。他人とコミュニケーションするのが苦手でどう接していいかわからずからだで直接表現する方法を選んでしまう。
非行の場合は認めてほしい気持ちがはたらいている
集団非行の場合は、仲間に認められたい、責任分散で暴走しやすい。
相手が暴力を振るい場合、自分の思い通り周囲をコントロールしたいという気持ちでいっぱいです=認められたい。
だから、暴力を振るう相手には話を聴き、共感しガス抜きをさせることが効果的。何を考え感じているのか意思の疎通があると相手はあなたにマイナス感情をもたない。
見知らぬ相手なら、相手に共感しつつも理解を求める必要はなく、明確な意思を伝えパーソナルスペースを確保することが大切。
まずは聴くこと、あなたの正当性を主張したり、相手の話をさえぎったりすると危険は増加する。感情的にならず論理的視点をみうしなわず、客観的思考をみださないでいれば、相手の動機と目的、ウソなどが見えてくる。
相手になにかメッセージを送るときは簡単明瞭に(感情的になっている相手は難しいことをいっても伝わらない)、非言語表現と言語表現を一致させて行う。

ワーク7 相手の話を聴く

相手の本当の気持ちは非言語表現なかでもボディランゲージにあらわれる。ここに注意していると暴力の前兆をすばやく察知できる。
暴力の可能性を感じたら、その感触をあじわいつつ、対応する。過剰な反応は否定や、悪意を見破ったと感じて過激な行動をしかけてくるから。正当性などを主張するのは危険。
相手の話を聴くときには中立的立場を保つことが必要。緊張があっても表面的にはゆとりのある非言語表現を相手にみせる。相手の目をみると威圧されていると思われるかもしれないので、相手の鼻を中心にワイドビジョンでみるのがいい。言葉を交わすときだけは目をみる。
相手の非言語表現に危険なものを読み取ったら、中立的立場をとりつつ脱出という目標を最優先させる。
狡猾な相手は「ミラーイング(相手の姿勢やしぐさをまねる)」をつかって笑顔でちかづいてきたり、マジシャンのように大きなしぐさであなたの視点をそらそうとするものがある。注意が必要
代表的ボディランゲージ
突き出されたあご・・・反抗的な態度
上半身をまえのめりにさせる・・・怒り
素早く肩をすくめる・・・ウソをついているときによくおこる
など

ワーク8 ボディランゲージを見抜く

恐怖に怯えるのは正常な反応です。軽度の緊張は血液の循環を促し、筋と神経を動かしやすくする。このとき普段から気を配ることができて、思考と感情をコントロールして論理的思考をうしなっていなければ、相手の心理を読んで状況を打開できる。しかし、虚をつかれるとコントロールできないでパニック状態になってしまい、暴力の犠牲者となってしまう。
日ごろから、本当の自分を客観的に分析して本当の自分を知ること、そしてありのままの自分を受け入れること。そうであってこそ相手に共感できる。あなた自身の中から不穏な気配を消すことで、気配が再び動き出したときに敏感になれるのだ。


第3章 脅威を査定する

被害にあわないためには、相手の危険度を知ること。
それには特別な公式はなく、常識を打破し、ノウハウに囚われることもなく、自らに備わっている本能と論理的思考を活用すること。FBIのプロファイリングもそうである。
知識より、ありのままの自分を受け入れ、自分を理解することで直感や五感が働いて暴力の前兆を感じることができるようになる。
人が暴力の芽を育てる項目
・暴力を正当化しているか・・・悪いのは相手という思い込み
・暴力でしか解決できない状況にいるか・・・対話による解決が無理な状況
・暴力の実行に伴い、その結果に耐えうるか・・・これしか解決策はないという絶望感
人は被害者でありたいがために結果的に人を傷つける。これが現実。
互いに正当性を主張すればやがて感情的になり暴力が発生するとおもっていい。

暴力から身を守るためには自分をしる必要がある。
著者が相談をうけたストーカー行為をうけているという女性は、コントローラーの資質があり、相手にもコントローラーの資質があるため、お互いに相手を支配しようと、強い態度で接していたため、状況が悪化していた。
相談者に自分の資質を認めさせ、挑発行為をやめて反応しないようにアドバイスして状況は好転した。ただし、相手の行動パターンが急激に変わった場合は行動をエスカレートさせる前兆になることがあるので、注意しているという。その場合も、連絡の中になんらかの予兆があるはずといっていた。

身を守るには「なにか変だな」という感覚を磨くこと、思考一辺倒でなく、からだが感じたままを味わうこと。
常識より、感覚をゆうせんする習慣をつけること。
こうなるとゆとりがうまれて論理的に状況を把握できるようになる。
毎晩画像つきの電子メールで脅されて怖いという女性の相談をうけ、相談者に相手の危険度を感じさせ、恐怖を感じることはないのだと、自分で判断してもらうのを手助けしたケース。
脅迫者は実行せず、殺人者は語らない。
日常生活でも脅しは「約束」「命令」「指示」となって恐怖を伴わないで使われいる。

「脅す」という行為は心理的暴力。
脅すは「威嚇」と「脅迫」に区別できる。
威嚇・・・ある条件が提示されるような脅し文句や行動という恐喝行為
脅迫・・・秘密を暴露するぞなどの怒りの感情をぶつけること
脅迫のほうが危険度が高い。
「秘密を暴露する」と脅されたら、秘密がなになのか教えてくださいと素直にいうこと、感情的になるなら本当は秘密はないということ。相手が一部を暴露したり証拠をおくってくるようなら相手も感情的になっている。金銭を支払ってもよいが、それでは何度も要求されるので、知られたくない人、被害を受ける人を考えて自分で暴露するのが安全を高める方法。
多くの恐喝者は卑屈で外向的な性格とは程遠いので、丁寧な対応をしないと相手の感情を逆なでする危険がある。
脅迫とはせっぱつまった感情表現なので、抑え込むと感情が爆発する危険がある。
相手に共感し、適切な環境を整えれば危険は回避できることが多い。
ただし、最初から恨みや嫉妬の「明確な意思」がある相手は脅しを実行する確率が高いことを知っておこう。

いきなり襲われたら脅威を査定する余裕はない。
ただし、前兆はかならずある、加害者の周辺の人が気を配っていたら事件は未然に防げたはずである。
かれらの行動に対する脅威査定がはたらけば、暴力の予防ができる。

凶器を持つ理由はほとんどの場合自己防衛本能です。
追い詰められた加害者は「威嚇」のために凶器を使うのがほとんどです。
追い詰めないで、凶器を使用させる環境を作らないことが重要です。

脅威査定には、マスコミの動きヒントになります。
無作為に人を襲う暴力の多くは社会に対する批判や憎悪を弱者にぶつけるという歪んだ構図があり、自分が求める結果をえるため、自分の欲求をみたすためという利己主義的行動です。
かれらには私たちの動揺や不安がエネルギーです。マスコミの報道が騒ぎ立てると犯人の欲求をみたします。
また同じ欲求をもつ相手を刺激し、類似の犯罪がおこりやすくなることを知っておきましょう。
もし襲われたら覚悟を決めるしかありません。普段から周囲に気を配り、1秒でも早く予測して、パニックにおちいらず、直感を信じて行動しましょう。日本では凶器のほとんどは刃物なのでパーソナルスペースに近づけないようにすれば最大の危機から脱出できるはず。


第4章 危機から脱出する

特定の相手に特別な感情を抱かない限り、人は自分より弱者に暴力を振るいがちである。
警戒心が薄く、油断している人はその対象になる。
普段から気を配り、心と体の機能を活性化しておくこと、ただし、過度の不安は禁物。暗闇が人を襲うことはないし、相手があなたに危害を加えるにはあなたに接近しなければならない、その予兆をつかめばよい。
脳裏でふくれあがった漠然とした不安で先を考えても神経がすりへるだけである。
予兆をいち早くとらえるためには、周囲に気を配り、洞察力や注意力を養う必要があるが、何も特別なことはしない。そうすればいち早く不穏な空気が察知できるようになる。察知したものを論理的に判断し、対応する。
もし、間違っていてもその経験が大脳に蓄積されるので、無駄にはならない。
不穏な空気を感じたら、逃げるか戦うかの「逃走攻撃本能」が機能するようになる。
相手の接近を許してしまった場合は、とにかく自分のパーソナルスペースを確保する。
暴力をふるう相手はあなたの警戒心を察知するとトリックを用いることがあるので注意する。アメリカで60人近い女性を殺害したハンサムな男性は、けが人を装って女性の目の前で本を落として拾わせ、それを背後から襲うという方法をとっていた。
心の中で他人を疑うことは身を守る術の一つである。
身近な人にも注意を怠らず、普段から気を配り、トラブルは積極的に解決すること。解決には客観的に論じ、まずは相手の立場に共感し思いやること、それが被害を最小限にすることになる。また、相手のパーソナルスペースに入らないことも大切。
誰かに声をかけられた場合の効果的対処法は、話し合う意志がないなら足を止めずにその場を立ち去ることです。
もし、足を止められてしまったら、毅然とした態度で話を聴くこと、相手に話させればそこから相手の意図をよみとることができる。その際言語表現より、非言語表現に注意すること。ボディランゲージこそが本当の意図。
慌てたり、反撃したりすると、相手も慌てて防衛のために凶器を持ち出すという最悪の事態も考えられる。

日常で身体的暴力をさけるには、相手に共感し、タイミングよく相手の感情を捉えること。
善悪で判断せず、謝罪であいての怒りの感情を消し去ることができればそれでいい。
謝罪には口調と態度も大切、相手の気持ちを理解して自分の気持ちを素直に表現する=言語と非言語を一致させた対人間隔を磨くことが必要。相手の性格は変えられないといるルールを理解して、自分自身を率直に表現するとストレスもたまらない。すぐにできないけど、普段から磨いておくことは重要。
痴漢では、電車の時間を変えるなどしなければ、犯罪者は「承諾した」と解釈することもあり得る。自己主張しなければ承諾と理解するなど、相手のルールをおしつけてくる。プライドやメンツにかかわらず安全を優先し、助けを求めよう、そのときは特定の相手に依頼すること、我慢していればだれかが助けてくれるということはない。

襲われたらまずパーソナルスペースを確保して毅然とした口調と態度で対処する。身体をつかうのは最終手段。
相手の正面には立たないこと、相手を威圧している印象を与える上に、あなたの顔面や顔や腹は無防備になる。
会話スタンス・・・著者が考えた中立的立場意識した姿勢。両手を自然に身体の前にだし、胸の前でジェスチャーを交えて相手の話を聴く姿勢。相手を攻めず、自分の感情を押し殺さず、感じるありのままを伝えることができる。指先は自然にゆるめ、相手を威嚇しないようにする。重心は両脚の間、足の裏の中心。
怒りや恐怖を口調やボディランゲージに表さないように注意すること。言語と非言語表現をいっちさせて毅然とふるまうことで相手にコントロールされない状態をつくる
ただし、威圧的にならず、相手の話を聴く姿勢をみせ、共感して問題を解決する姿勢をみせること。
攻撃的でもない、防衛的でもなく、それでいてあなたの信念が感じられる邪念のない態度をみると、相手は暴力を振るうきっかけがつかめず、あきらめるということが在り得ます。
著者のワークショップではこの態度を身につける為に、安全な環境のなかでお互いに感じたことを言い合い、自分を客観的に眺め、自分が感じたことを素直に表現するという試みをやっているそうだ。自身をみつめることは苦しいことなので中には来なくなる人もいるが、それが踏み台にならないと豊かな感情表現はできないといっていた。
心と身体が感じた信号を前兆として受け取るためには自分らしさを表現できることがひつなのだそうだ。
見知らぬ人の話を聴く義務はあなたにはない、予兆を感じたら「ごめんなさい」と断って歩き続けよう。
いきなり襲ってくる相手ならパーソナルスペースを確保しつつ歩き去ろう。
それでも接近してくるときは、「とまれ!」「来るな!」と相手に警告する。著者は声の当身とよんでいるが、タイミングよく相手に声を充てると相手の攻撃の意志を瞬間的に弱めるという絶大な効果を発揮するそうだ。
それでも相手近寄ってくるなら最小限の自己防衛が必要。身体的接触を利用して相手を弾き飛ばして逃げるのが基本になる。このとき「やめろ!」と叫びながら行うと効果は倍増するそうだ。

ワーク9 あなたの声を知る

万が一暴力の前兆を見逃してしまい、危険に陥ってしまった場合。
会話スタンスを用いて毅然とした態度をとる。=安定した姿勢をとる=背骨が骨盤にのっていて、体重が両脚に均等に乗っている状態。
相手の両手の間をホットゾーン=危険地帯、それ以外の場所をコールドゾーンとする。なるべくホットゾーンにはいらない、はいったら素早くコールドゾーンに移動する。
相手が右手を伸ばしてきたら左側にサイドステップして、相手が前の目るになったら側面または背後から相手の肩甲骨を押してバランスを崩す。崩せるかはあなたの安定度による、足は踵から着地小指親指の順につけて3点でしっかり立ち、両愛の6店で地面に立つように意識することを普段からやっておく。力は抜いて行うようにトレーニングしておくこと。力みすぎると身体の軸が前後左右に揺れて不安定になり危険度が上昇する。
万が一地面に倒れそうになったら、後頭部を打たないように顎を引き体をまるめる。反射的に両手を地面につくと関節を痛める。後ろに倒れるときはヒザをまげ顎を引いて背中を丸め重力にまかせて倒れる、右または左なら両膝を倒れるのと反対にまげて重心を下げ倒れる方向の臀部から着地からだの右背面で衝撃を丸く受け流す。前なら顎を引き前腕部全体で衝撃を緩和するまたは前転する(頭部はいためないように斜めにまわる)、手のひらは手首を痛める危険がある、すべての着地には息を吐くこと。
とにかく素早く起き上がること、寝たままの状態で暴力に耐えるには限界がある。相手が集団の場合は、頭部や腹部をけられ内出血や内臓破裂で死に至る危険がある。

ワーク10 安定した姿勢で、立ち歩く

最も効果的な護身術は、相手に心理的ダメージを与えられる技。
状況を客観的に観察できて、感情的にならない論理的思考があることがまず大切。
動きにはベクトルがあり、それを利用すると合理的に身を守ることができる。相手の動きにあなたの動きをあわせ、相手のバランスを崩して逃げるのが基本。
相手に両手をつかまれた場合は、つかまれている腕の筋を弱めて脱力する、すると相手が握りこんでベクトルが発生するので反射をつかい、振り子原理で誘導する。
自分の姿勢を安定させ、相手の動作との方向と速さを一致させること、そのためには暴力を振るってくる相手の真理を読み解きタイミングをつかむこと、そして論理的思考を失わないこと。

ワーク11 力のベクトル別に崩す

刃物をもった相手に襲われたら、相手の意識をそらし、暴力に訴える感情を抜き取る。
切迫した事態ではまず「逃走攻撃本能」を瞬時にめざめさせるべく、普段から心と体の感覚をやしなっておく。正義と安全の違いを理解しながらも、命を守るために必要な手段を講じるこという意思を相手にぶつける。自分がパニックになっていなければ意志は確実に相手に伝わるはず。護身術でも躊躇した動きにはならないはず。
虚をつかれると、あなたの思考は瞬間的に停止するので、普段から暴力に対する準備をしておくこと、そうでないと緊急時に選択肢を思いつけず混乱し、犠牲者になってしまう。
相手も同じで、予想していない行動にあなたが出ることで瞬間的に思考がマヒする。そこから派生する感情をあなたでなく、本人にむかせると暴力という選択肢を自分から放棄させることができる。
このときあなたが見せるべきは平常心。過剰な反応を見せると、感情はあなたの方に向かい暴力がなたに向かいます。
普段から気を張らずに気を配ることを心がけ、訓練をしていけば、次第に身につくもの。
そこまで達していないのに相手が襲ってきたときのための護身術として当身を解説していた。また箒やモップなどの日用品で相手手との距離を保つのも有効。ただし、予防が基本であり、護身術に偏らないこと。

ワーク12 相手を倒して逃げる

PDSデモンストレーション
つかみかかってくる相手を倒すなど

人体の急所を部位別に細かく解説。
身を守るためと、相手の急所として狙う場合に使う。その場合下半身を狙うことで相手の注意をそらし、一時的に動きをとめることができる。

頭部(正面)、後頭部、胴体(正面1,2) 前腕から指先、脚部(正面)、胴体(背面)及び脚部(背面)


第5章 身心を回復する

暴力には様々な形態があり、身体的暴力とは限らない。
誹謗中傷や家庭内暴力やストーカー行為に悩まされている場合は、不安や恐怖にさいなまれ、暴力のサイクルに入り込んで思考が混乱し、自分に原因があると悩みはじめ、穏便に事態を解決したと思うようになるが、この場合相手の暴力は解消できない。
暴力から身を守るには暴力のサイクルに入る前に、早期発見と早期治療が基本、独りで悩まず各種専門機関への相談をすすめる。
悩みを相談するのは「負けを認める」ことになりとか、知らない人に悩みを打ち明ける抵抗感はあるものです。
しかし、初対面のほうが客観的に話を聴けるのです。知り合いはあなたに対する予備知識が邪魔をしたり、正義感から相手に忠告して事態を悪化させることがある。そういった事態をさけるためにも公的機関や民間団体に相談するのがよい、
電話、メール、面接などの方法があり、実名をなのりたくない場合は匿名相談も受けれる。著者も相談をうけている。
相談をするときは、言葉にならなくてもよいので意志をしっかりもつこと、話をしっかり聞いてくれるかよく見極めること、相談員が信用できるか五感すべてで感じて判断し、だめなら変えてもらうか機関を変えよう。

カウンセリングを受ける場合は、心の整理を手助けしてもらうつもりで。
カウンセリングに対しては
「問題を抱えた人がいくところ」「自分は病人であることを認めたくない」という心理が働き、よい印象を持たない人が多い。
暴力は想像以上にダメージを与えることがあるので、心のケアはとても重要。欧米では企業の重役や弁護士なども利用している。病気になったときと同じ感覚で心の問題整理をしているのだ。
心の傷を負ってしまうと、耐えがたい経験に伴う不安や恐怖、そして屈辱感から、普通の生活に戻れなくなってしまう。その原因は一時的な暴力体験だけでなく、日々のさりげない言葉や心理的暴力が、あなたの気が付かないうちに心に傷を負わせていくこともありえる。命を脅かされるなどの体験をすると1か月以上も症状が続くことがある。
カウンセリングを希望する場合は、精神科、神経科、心療内科、メンタルクリックなどに相談する。事件性がある場合には警察や各種民間支援団体に連絡をとる方法もある。通常のカウンセリングには健康保険は適用されないので注意。
ただし、治癒するのはあなた自身でカウンセラーはその手助けをするという姿勢は大切。

一対一のカウンセリングに拒否感のある場合はグループワークを選ぶこともできる
同じ悩みをもつひとが、同じ目的のために集まるワークショップに参加するのが抵抗感が少ないと思われる。
著者のPDSのワークショップについて解説していた。
参加者に守秘義務が課せられ安全装置として経験を積んだリーダーがつき、参加者が話し合い、気づきを深めていく、意見のぶつかりあいや否定的感情がうまれたらリーダーが安全に場を誘導します。
まず安心感を高め、その後体験を語る。強制的に告白する必要はなく、語りたい内容だけを自分のペースで語る。感じたありのままを再構築していくことで、不安や恐怖は薄れていく、過去の記憶に縛られることなく感情をコントロールできる自にきがつくと、「どうにかしよう」「できる」と思えるようになる。

著者のワークショップに関する案内がのっていた。


護身Hand Book―実用知識で危険を見抜く

護身Hand Book―実用知識で危険を見抜く

  • 作者: 毛利 元貞
  • 出版社/メーカー: BABジャパン出版局
  • 発売日: 2004/03
  • メディア: 単行本



タグ:毛利 元貞
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