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整体 楽になる技術 [健康]

かなり哲学的な内容で、具体的な整体技術よりも、身体をめぐる環境の変化と、それに対応するためには身体の内側からの感覚を大事にして、身体をコントロールすることで自分自身を取り戻すことを提唱している。

身体の置かれた環境はこの100年でかなり変わってきた。
しかし身体そのものの本質がそう簡単に変わるわけではない。身体の外側からの見方がかわっただけで内側から立ち上がる身体が変わったわけではない。
内側の動きは見るよりは聞くに近い。耳できくより全身で共鳴する感覚。
著者の生態は「重症」でもそうでなくてもやることは同じ、よりよく生きる為に深く気持ちいい身体をめざす。

身体はメディア
間合いや姿勢共鳴など身体がメディアとして働く例。
間接的コミュニケーションにも身体感覚は存在するが、それを無視するとネット上のトラブルが起きる。
密集した閉鎖空間では「いじめ」が起きやすい。学校も閉鎖空間に近い。
繰り返されると身体の反応は高くなり固定化しやすい。
身体は新たな間接的コミュニケーションを含め再編しなおされなければならい。
聞く姿勢は首を傾けることで胸の緊張を緩め、感情的共感を高める姿勢。
まず聞くことから始めよう。

不眠の腰つき
腰椎3番の揺らぎが姿勢を楽にする。
電車で腰かけると眠くなるのは、仙骨と腰椎5番の働きが悪くなっているところに、もう少し同じ方向にずらすことで緊張が緩むから。一般に歪んでいる方に少しずらしてやると緊張がとれやすくなる。
腰椎5番と仙骨の緊張が緩み呼吸が深くなると眠くなる。
寝つきが悪いのは首の緊張と腰椎1番
腰椎別のリラックス法が図解されていた。
ずれている方向と逆の方向に動かすことによっていったん緊張を与えてからゆっくり戻してやると「ズレ」を作る出している緊張が緩む。肝心なのは伸ばすのではなくゆるめる。
腰椎3番が揺らいでいないと、バランスがとれなくて、眠っている間も筋肉がはって目が覚めたり、足がだるくなる。
腰椎2番が緊張していると睡眠時無呼吸症になりやすい。
腰椎4番は睡眠の深さと覚醒度に関係する。
それぞれの腰椎の緊張しているところをゆるめ深く眠ることは「身も心も」軽くする。

身体観を整体する
身体は常に動きのなかにあり、どう歪んでいるかより、どう動くかとうのが肝心。
歪みを直すのが必ずしも整体ではない。歪みも身体の調整だから。凝り固まって動かないのは問題。
睡眠中は身体的過程が優位になっている。他は無意識。
追い詰められたとき、自分の外にでた身体感覚に救われる人は多い。
目が覚めているときでも呼吸と呼吸の間は意識のコントロールをはずれている。
身体の活き活きとした動きを保障しているのは脱力あるいは「ゆるみ」
身体はウォーターバックであり骨は浮いている。
元気があるとは、どのような方向にも動き出せる弾力のある構えを身体が維持しているということ。
身体のコミュニケーション・・・身体に触れることによって起こる反応。整体をなりたたせているもの。
自分の身体が呼吸するたびに膨らんだり縮んだりする「ひとつの袋」であるとイメージしておくと後は身体が自動的に反応する。
身体的コミュニケーションは言語によるものより根幹的なのに、委縮してしまっているのが、今日のあらゆる社会的問題の根底にある。


身体が心をドライブする
われ思う、前に身体あり
近代科学は思考と身体を分離して考えるが、脳の一側面を強調しすぎており、身体感覚と考えるこことは切り離せない。
集中するとは身体の緊張すべきところが緊張し、弛緩すべきところが弛緩しているということである。全身の協調性が高い状態。
悩んでいるときは腰椎2番と3番がくっついたように硬くなっている。こうなると胃の動きが悪くなる。イライラして攻撃的になるのもこの状態。やけ食いは胃を動かす強硬手段ともいえる。
胸椎4番は愛と悲しみの4番。胸と感情と食べることは関連が深い。涙は胸の緊張をとるのに有効。
集中するにしても、やりたいことをやるときと、やりたくないことを無理にするときでは身体のあり方が違う。
前は骨盤上部が引き締まり下腹部に力が集中するが、後者は骨盤底部が引き締まる。違いは集中がすんだあとで、前者は緩むときも気分がいいが、後者は興奮状態や緊張が残って気分がよくない。それをカバーしようとさらに身体を緊張させたり興奮を高めたりすることになる。外発的に獲得した集中力には充足感がないのが特徴。
興奮→達成感→落胆→あらたな興奮という果てしないサイクルに入りとまらなくなる。
このような状態は生理などの内発的集中(興奮)と弛緩のリズムを崩すことになる。身体の欲望の発動が外部装置に依存してしまう。これは現代の特徴。
不安なときは息が浅くなり、前のめりに急いでやろうとする。意図的に遅らせることでバランスを取り戻す方がいい。
決断したといったときに下腹部に力がなければまだ迷っている。
迷っているといっても下腹部に力があればすでに決断している。


身体が世界を生む
人間にとっての時空間は生きている身体によって生み出される。身体が介在しない時空間は存在しない。
時空間は人間の創造物であり、人と世界の相互作用、さらには人と人との間にうまれた言語によって再構成され創造された世界。人間が存在しない「絶対空間」は仮説空間。
風水を身体空間の共同体的・社会的空間における機能の例として考察。
身体を主体としてその周りに広がるものを環境とするアジア
西洋医学では身体は徹底的に客体化される。ただし子宮は例外扱い。
身体感覚と言語のかかわり
身体感覚が論理を駆動する
思考の展開に身体の動きのパターンが投影される。


身体をめぐる空間 200年の変貌
医学的身体観のはじまりはデカルト。身体を客体化し、身体からでるノイズとしての情念をコントロールしようとした。病理解剖は生の全体性が失われてばらばらになった身体を物質的に説明する。
こうして環境から切り離されたデッドな空間=純粋無垢な身体という概念がうまれた。
しかし体は生態系であり動いているものである、デッドな空間から生まれた抗生物質治療は力を失いつつあり、多くの慢性疾患が免疫異常によるものとわかってきている。その多くはストレスとの関係が大きい。
免疫と環境ホルモンはは身体の内外の境界性を無効にする。
現代の身体は無菌化された環境と環境ホルモンという人工環境におかれている。そして環境に敏感に反応する。
しかし外部装置にいくら依存しても所詮は身体の機能の一部を代行するものである。これらとは共生的な関係を作り上げるべき。
古典力学的デッドな空間では客観的判断がなりたつが、生きている私は常に変化しているので絶対=中枢はない。自己が不安定になるのも当たり前である。身体の境界が希薄で透明な自分になったと感じられてしまう。
身体を内側から生きる感覚に沿って新たな倫理観や行動原理がうまれなければならない。


胸騒ぎの腰つきと進歩主義
直線的に進む時間の誕生はニュートンの絶対時間・絶対空間から。しかし我々が感じることのできる時間は加速度。未来に向かってすすむ科学技術の進歩が加速度を感じさせ止まることを許さないそれが人々を不安にさせる。
加速度を音楽やアートから検証。
新しいこと前向きなこと、前にすすむことが正しいとされ、身体も前向きに胸を張って生きる姿勢、仙骨が前に傾いた体重移動しやすい状態になっている。しかしこの姿勢では仙骨と腰椎5番の緊張がとれなくなってしまう。スタート直前状態でつねに気分はおちつかない。
現代では足裏重心が後ろにいっている人が多いが、これは仙骨の前傾が限界に達していることの表れ。
仙骨は本来呼吸で動くはずが、固まってしまい、胸の緊張が高まっているので、息が吐ききれず過換気状態の興奮気味状態の人が増えている。そのためムカツキ不安が多くなる。
こうした身体の状態に耐えきれず、浮遊し脱力したがんばらない身体へのシフトがおきており、音楽やお笑いに現れている。
落ち着いて座っていられない人=不安の腰椎5番の緊張をゆるめると、落ち着く
胸の緊張をとると過敏性大腸症候群やパニック障害という不安が治ったりする。
下腹部に力をいれて呼吸をコントロールすることで上のような状態を回避できるようになった人もいる。
慢性的骨盤底部の緊張=やりたくないことをやらされて頑張っているときの特徴が続いて底部が固まってしまっているひとは24時間闘う姿勢なので呼吸の逆転がおきていることがある。息を吐いたときリラックスするはずが逆になる。こうなると身体はやすまる暇がない。
そして骨盤底部の緊張は、その後に虚脱感渇望感をのこして満足感がなく。同じ興奮を求める負のサイクルにはいりやすい。また外部からのまなざしを自分にむけて緊張感をつくりだし、孤独感が増し、他者との人間関係の距離感やコミュニケーションが不安定になる。
身体は古くは共同体の伝統と身分制度、近代は個の自立という脅迫。前向きに生きるという脅迫にさらされてきた、近年はよりどころを失って浮遊している。
情報空間は現実空間よりもさらに広く方向感がない。身体から沸き起こる感覚で居場所と環境を作っていくことがいまもとめられている。




整体 楽になる技術 (ちくま新書)

整体 楽になる技術 (ちくま新書)

  • 作者: 片山 洋次郎
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 新書



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