頭がよくなる魔法の速習法

高卒で読字障害があった著者は32歳まで本が読めなかったそうだ。その後記憶のメカニズムにあった読書法で読字障害を克服すると13か月で258冊を読破。セミナー講師となり、その後速習法を開発。
23歳で入社した会社でマーケティングを学びたいと思ったのが最大の動機。そのために大嫌いな読書を克服する覚悟を決めた。

この速習法のポイントは記憶のメカニズムを使った勉強法にあるそう。
脳科学・心理学の科学的根拠を取り入れた勉強法

認知心理学でトップダウン処理（本全体から）→概要を把握する、ボトムアップ処理（一語一句から）→詳細を把握する。この二つを組み合わせるのが速習法。

たくさん読むほど早く読める→既有知識が増えるから
発想力も既有知識が物をいう。本を読むのは自分にどのくらいの既有知識があるかの確認テストともいえる。
既有知識があれば本当の体験が少なくても、習得ができる。




大切なのは定着
「速く読むのが取り柄ではない、読んだ本の内容を忘れないで使いこなすのが取り柄」


１．準備
プリペアードマインド・・・本を読む目的、報酬を決める、内容を推測する
　人間の脳は必要なことしか残らない。なにしらないのか明確にしておこう。読書のための読書は意味がない。自分がどうなりたいかイメージがない人に勉強法の習得は難しい。目的と報酬が読書を加速する。環境を整えたり人の力を借りるのも準備。目的はより根源的（生存要求のような）な方が強い。ゴールに到達した自分を5感を使って明確にイメージする。

プライミング・・・ぱらぱら読みで内容を保持・抵抗感をなくす
　覚えようとしないで、ぱらぱらみていく、キーワードを決めておくとプライミングしやすい。これができると自分の既有知識に合った本が選べるようになる。ポイントがわかりやすくなる。


２．実践
「既有知識」によって読み方を分ける

スキミング・リーディング・・・既有知識が少ないときに使う。概要把握に適している。
　気になったところ、目に留まったところを中心に飛ばし読み。
　概要把握のプロセス→既有知識と照らし合わせる、推論する、推論した結果を確かめ新しい知識として取り込む。新しい知識が既有知識になる。未知の部分が多いと速習法は使えない。最初は漫画などで既有知識を積み上げよう。また既有知識は体系化して取り入れる。自分の知識のどこに入るのか関連性で覚える。
　精緻化・・・既有知識との関連ずけて覚えやすくすること。

ターゲット・リーディング・・・既有知識がある程度あるときに使う。詳細把握に適している。
　質問を設定し答えが出ているところだけ読む。
　既有知識がないとき、または自分がどんな既有知識があるのか知りたいときに適している。
　目次を徹底的に眺める。準備の二つをきちんとする。小見出しに注目しながら、その小見出しがなぜつけられたか考えながら読む。質問を投げかけながら答えを探して本と対話するように読む。
　概要把握のためには同じ分野4冊以上。また内容をノートに体系化しながらアウトプットするのも有効。

トレーシング・リーディング・・・小説などストーリー性のあるものを通読するとき。
　最初から最後まで読む。指などでなぞると取りこぼしがなくなる。


３．定着
読書会、SNS,ブログ、試験、問題集などで確認
1か月以内に復習しないと知識は捨てられる（海馬の記憶がそのくらいなの）だから1か月以内にぱらぱら読みでよいから読む。繰り返すと脳は重要だと認識して覚える。記憶実験ではわずか4時間で半分は忘れる。
おさらいは習慣化しよう。思い出すことで記憶が強化される。
「形式知」・・・聞いたり読んだりして覚えたこと
「経験知」・・・実際に体験したこと。
この二つの繰り返し（循環）で記憶に定着させる。
エピソードと絡めると覚えやすい。

その他テクニック
分散読み・・・教科書など一気によんで一気に忘れるより、分散して読んだ方が効率的
「視覚記憶」・・・イメージ記憶。これがないと記憶力が弱い。鍛えよう。一点凝視で残像をみようとするとか、紙の中央に点を打つとか、カタカナ文字の逆さ書きなど
「聴覚記憶」・・・耳からの記憶
両方使えた方が記憶が定着する。

速く学ぶコツは推論すること。
丸暗記には聴覚を使うとよい。音と意味で覚える。
1か月以内に3人に話そう。話せることが理解した証拠。


アメリカの哲学者エマソンの言葉
「もっとも高度な文明においても、読書はやはり最大の喜びである。一度その満足を知ったものは、不幸の中でもその満足を得る。」

頭がよくなる魔法の速習法

• 作者: 園 善博
• 出版社/メーカー: 中経出版
• 発売日: 2009/11/20
• メディア: 単行本（ソフトカバー）