アラマタ大事典

作家　荒俣宏が作った事典

作者が好奇心のままに選んだ303項目が、独自の視点で解説されている。
一番最初の項目はあ「荒俣宏」幼稚園のとき貸し本屋で本にめざめ、中学で生物に熱中。絵も得意で漫画家を目指す。
大学では文学に目覚め、英語のファンタジー小説の翻訳の仕事を始めた。サラリーマンのときはコンピュータ担当。
32歳で退職して百科事典づくりに参加。その後博物学を広めるべく活動中とのこと、好奇心でできている宇宙人みたいな地球人なんだそうだ。

アラマタ人物伝でもそうだけど、ここでもジャンプ先リンクがあって、「アラマタ・ヒロシ」からは平賀源内、博物学と龍にリンクがあった。順番でなく、好奇心のままに読んでくれという意味もあるらしい。
物事には「事実」「別の見方」「フィクション」がありことを理解して、実際に見て触れることをやってみようとあった。

人物伝と同じく最初の10項目は特に紹介したい事項らしい。それとも本がでたときの流行かな。
「アラマタ・ヒロシ」
「浮世絵」お守りの意味もあったこと
「カクレクマノミ」ニモのおとうさんは本当なら性転換してお母さんになること。子供は本来親と暮らさないこと。そうしないと近親相姦になっちゃうので
「ガラパゴス諸島」写真がいっぱいだが、わりと平均的解説
「スペースシャトル」トイレの話がメイン。シャトルは個室だが、昔はビニール袋をお尻にはりつけていた。
「ダ・ヴィンチ」絵が有名だが、そのアイディアと原稿が天才の証明。原稿はナポレオンが集めたりしていた、今はビルゲイツも持ってるそう。
「客家土楼」中国福建省南西部にある。丸いドーナツ型マンション。5世紀ごろ移ってきた人たちが自衛のため作ったもの。今でも2300ほど残っていて、人が住んでいる。
「ヘラクレスオオカブト」大きくなるかどうかは遺伝より幼虫のときのエサで決まる。熱帯雨林の減少とともに姿をけしつつある。
「妖怪」山野や海川にいるといわれる奇妙な生き物、不思議な現象を起こす力、目に見えない精霊の総称。ふつうのものでも100年たつと「霊」が入り込んで妖怪になるとか。妖怪にふんした荒俣宏の写真もあった。
「ラフレシア」変なにおいがする世界一大きな花。茎も葉もなく地面にぽつんとおかれたようにあるそうな。正体は寄生植物なのだそう。変なにおいは昆虫をさそうためらしい（食べるわけではない）花の寿命はわずか5-7日だとか。

あとは50音順にならんでいる。目次では項目別に並べられている。最初の10項目もここで項目に入れられている。
「宇宙」・・スペースシャトルとか、ミウラ折（太陽光パネルの折り方らしい）、スペースペン（無重力で書ける）など
「地球」・・海洋深層水、独楽（地球は巨大な独楽だから）、偏角（コンパスは正確に北極点を指すわけではない）など
「科学」・・イグ・ノーベル賞、女性発明家（ハリウッドスターの女優が携帯電話の基礎を発明していた！）など
「哺乳動物」・・アシカとアザラシ（逆立ちはアシカ、腹這い移動がアザラシ）など
「魚」・・カクレクマノミ、チョウチンアンコウ（オスが見つからなかったが、実はメスにくっついていた小さい！)など
「鳥」・・コンドル（上昇気流がないと飛び立てない鳥の王者）など
「昆虫」・・ヘラクレスオオカブト、カ（体温が高く、汗をかきやすく、O型の人がさされやすい）など
「不思議な生き物」・・ベニクラゲ（歳をとると幼体に戻る不老不死のクラゲ？）など
「植物」・・ラフレシア、スイカ（種なしスイカの作り方）など
「人間」・・アレルギー、ウィルス、別腹、乗り物酔い、麻酔など
「世界」・・ガラパゴス諸島、客家土楼、カッパドキア、世界地図、ナウル共和国（鳥の糞でできた島）など
「日本」・・鉛筆（家康もつかっていた！）、くだらない（語源は醤油）、苗字、ヌンチャク（沖縄生まれ）など
「遊びと祭り」・・ウソ、じゃんけん、盆踊りなど
「乗り物」・・駕籠、自転車、車輪、新幹線、など
「食べ物」・・食い合わせ、昆虫食、くさや（アラマタの好物）など
「アート」・・浮世絵、イコロジー（絵の中の持ち物やポーズで人物がわかる！）など
「スポーツ」・・消える魔球（重力に逆らっているのはストレート）、古代オリンピックなど
「ファッション」・・お歯黒（虫歯予防にいい）、四十八茶百鼠（江戸時代華美な服を禁止された庶民が考え出した色）など
「変な人」・・アラマタ・ヒロシ、アインシュタイン、ダ・ヴィンチ、始皇帝、鄭和など
「ミステリーとファンタジー」・・妖怪、ツチノコ、宝島、占い、河童の正体など

アラマタ大事典

• 作者: 荒俣 宏
• 出版社/メーカー: 講談社
• 発売日: 2007/07/13
• メディア: 単行本

タグ：荒俣宏