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複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線 [自然科学]

ネットワーク科学は一見ランダムで複雑に見える事象のなかに一定のパターンを見出すもの。個々の事象の行動はわからなくても、全体としての構造があるパターンの従うもの。
しかも、そのパターンは、食物連鎖、脳のニューロン、社会モデル、インターネットの構造、川の流域面積、疫病の流行などいろいろなところに顔をだす。

6次のへだたり
世界中からランダムに2人の人物を選び出すと、そのふたりはだいたい6人の人間を間に挟んでつながっているという説。社会学者ミルグラムがランダムに選んだ人に手紙を、まったくしらない人に届けてほしいとたのみ。方法は手紙のあて先の主をしっていそうな人に送るという方法をとる。手紙の2/3ほどが届き、経由した人はほぼ6人だった。

私たちの世界は案外狭い。それはどうしてなのか?
物理学者は数学のランダムグラフを人間のつながりにあてはめてみた。しかし、ランダムなグラフでは、6次のへだたりは発生しない。そこで、現実の世界をモデル化したグラフを考えてみる。つまり親しい関係の人々がよりあつまって、いくつかの集団(クラスタ)を作っている。そしてそのうちの何人かは他のクラスタの一人と弱い関係をもつ。このようなハブになる人物が何人かいるだけで、モデルはほぼ現実世界の実験結果と同じ状態になる。このような世界をスモールワールドと呼ぶ。

スモールワールドは、先頭にあげたようないろんなところで顔をだす。いまはそうなるとわかるだけだが、やがてなぜそうなるのか解明されるかもしれない。

スモールワールドを成り立たせ、安定させるものは、クラスタとクラスタをつなぐハブの存在である。これがあるので、スモールワールドは各要素が小さなへだたりで結ばれている。逆にいうと、ハブを攻撃されるとスモールワールドは弱い。
またハブには富が集まりやすい。ウェブのリンクなどはこの傾向を顕著にあらわしている。

スモールワールドには
貴族主義的ネットワークと平等主義的ネットワークがある。
前者では制約がないネットワークで、ウェブのリンクのように、巨大になると益々リンクがあつまり、制約もない
後者は電力網などのように、どの要素もほぼ同じリンク数を持つようになる。これは物理的制約があるからと考えられる。

臨界点
ある状態が他の状態にうつる平衝状態。水と氷のような
ここで構造の変化が起きる

ティッピング・ポイント
そこを越えると一気に状態が変化するところ。疫病の蔓延は些細な出来事の積み重ねだったりする。





複雑な世界、単純な法則  ネットワーク科学の最前線

複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線

  • 作者: マーク・ブキャナン
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2005/02/25
  • メディア: 単行本



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