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予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 [ビジネス]

著者は心理学と経済学を学んだ行動経済学者。私たちはみんなどんなルールで自分が動いているかをしらないゲームの駒なのだ、せめてどんな罠にはまっているか自覚していこうといっている。
ユニークな実験で、人間の非合理的な行動を証明し、その対策なども述べられている

われわれは、何かを決めるとき常に相対している。そして、相対できないもの一つと相対できるもの二つがあれば相対できるもの二つのうちで合理的な判断を下す。
また、初めてみるものは、それがアンカーになる。最初に黒真珠は高級品だと売り出されれば、それがアンカーになる。スターバックスはダンキンと相対されない位置にくることで、高いコーヒーを売った。
われわれは、相対の罠にはまっている。なにかを選ぶとき、相対の罠にはまっていないか?アンカーが邪魔をして自分のニーズに対して払える額よりも高い額を払っていないか考えよう。

われわれは無料に弱い。
実験では高級チョコを大幅値引きと、安売りチョコの小幅値引きだと、ほとんどの人が合理的に高級チョコをえらぶのに、安売りチョコを無料にして、高級チョコを安売りチョコとおなじだけ値引きした場合は圧倒的に安売りチョコが選ばれるのだそうである。
無料をみるとわれわれの合理性は吹っ飛ぶ。いらないものをもらったり、おまけにつられていらないものを買ったりしやすいことを知っておこう

世界には二つの規範がある、社会規範と市場規範だ。
実験、人に実験協力をたのんだとき、お金をはらわないのと、安いお金を払うのと、高いお金を払うのとどれが一番協力してくれたか?実は一番はお金を払わないときで、次に高いお金、もっとも非協力的だったのは安いお金だったそうである。人は社会規範でうごいているときが、もっともよく働けるらしい。しかし、少しでもお金がはいると、人々は市場規範で行動してしまい(こんな安い報酬で協力できるか)ということになるらしい。社会規範でうごいているときにお金の話がでると市場規範にうつってしまう。注意が必要。社会規範で行動する人が多い社会は生きやすいと著者はいっている。
ちなみにプレゼントは社会規範の範囲らしい。

われわれは興奮の渦中にあるとき、冷静な状態とは違う判断を下す。
実験、性的興奮状態にあるときの質問の回答と、冷静なとき興奮状態にあると仮定しての回答との差を調べると、大きな差があったそうである。
われわれは興奮状態になったとき、冷静なときには想像もつかない判断を下す。一番賢いのは興奮状態で判断を下さないようにもっていくことで、興奮状態になってからでは遅いわけだ。あるいは冷静なときに打てる手は打っておくなど。

人は手に入れたものに高い価値をおく。
実験、バスケットバールのチケットを抽選で手に入れた人が、いくらならチケットを手放すか?
抽選で外れた人はいくらならチケットを買うか?
実験の結果両者の差は14倍。チケットを手に入れたひとは自分のチケットの価値をそこまで高く見積もっていたのである。
オークションでも、1度最高入札者になると、そのものを所有したような気になり、予定より高い価格で落札してしまったりする。人間は1度手にいれたものは高く評価する。だから他人からの評価は低いと心得よう

人は先延ばしする
実験、3つのクラスのレポート締め切り
第1、締め切りは自分で設定し、遅れるとペナルティがある
第2、学期のおわりまでにレポートをだせばよい、ペナルティはなし
第3、教師がしめきりを指定する。ペナルティあり
成績の良い順は、3,1,2人間は先延ばしするものであり、自制心を発動させるのは他人からの制約であると心得よう
興奮状態ならなおさらだ。買いたいという衝動をやり過ごすのに、クレジットカードを氷付けにするように、他人からの制約で自制心を発動させたほうがよい

人は選択肢がせばまるのをいやがる
実験、パソコンゲームで3つの扉のなかに入り、中でクリックしてお金を探す。扉にはそれぞれ設定金額範囲があり、設定金額範囲の高い部屋をみつけたら、そこでクリックし続けるのがごうりてき選択。クリック数は制限があり、別の扉にいくにはペナルティがある。
この実験をすると、いくらクリックしても他の扉が消えない設定のときは、人々は合理的行動をとる、これが基準値。しかし、クリックするごとに、クリックされない扉が小さくなり消えていく設定にすると、人は扉を消すまいと非合理的な行動をするようになる。そして基準値より少ない金額しか稼げない。
人はいろんな可能性があるほうが好きで、可能性をのこしておくためなら非合理的な行動をとる。
子どもにいろんな習い事をさせて、可能性を引き出そうとするあまり、本当に才能あるところに時間をかけられなかったり。どのカメラにするか悩んでいる間にシャッターチャンスを何回も逃してしまったり。就職先を選んでいる間に肝心の仕事がおろそかになったり。
われわれが見逃しているのは、可能性を消さないために払ったコストだ。決めないことによるコストを意識しよう

人は予測に惑わされる。おいしいといわれている店にいけば、おいしく感じるし、まずいときいている店にいけばまずく感じる。
驚いたことに、攻撃的な言葉をたくさん見せられた人は、穏やかな言葉をみせられた人より、少なくとも実験直後は攻撃的になっているらしい。われわれは知らず知らず周りに影響されるのだ。

人は価格に惑わされる。プラセボ効果というものがあるが、著者がビタミン剤を痛み止めといってプラセボ実験を行ったところ、薬につけた値段で被験者の結果が変わったそうである。むろん高く設定したほうが、効果があると答えたのである。

不正について
実験、数学の問題をといて正解に応じて報酬をもらう。基準グループは不正のできない状態でおこない基準値をとる
次に、不正の出来る状態で同じ問題を大体知能程度が同じと思われる学生にといてもらう。すると少し点数が
あがる。これが不正分と考えられる。それほど大幅ではないが、不正が出来る状態だとする人がでる。
次に、不正の結果受け取る報酬を現金から、現金引換え券にする。すると不正の値は急上昇する。現金がからまないと、われわれの正直さは眠っているらしい。企業の不正会計や保険の不正請求も現金がみえないところに原因がありそうだ。われわれは現金は盗めないが、現金でなければ不正しやすいらしい。現金が消え行く社会でなんとも怖い話しだ。
ただ、実験まえにモーゼの十戒を書き出してもらうと、とたんに不正がやんだ。どうやらこうした行為は道徳心を呼び戻すらしい。

人は合理的に行動しない。レストランで注文するときでさえ、われわれは周りの人の注文の影響をうける。
その結果自分が当初食べたいと思ってもいなかったものを食べて満足度を下げたりするのだ。
でも、自分がどういう合理的でない行動をとりやすいかしてえ、備えることで人生の満足度をあげることができるはずだ。


予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

  • 作者: ダン アリエリー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/11/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:行動経済学
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