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競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功 [子育て]

フィンランドは2004年のPISA(国際学力調査)でダントツ1位になった。
著者は何度もフィンランドを訪れ、教育関係者へのインタビューと現場の取材をおこない、その実体をまとめている

まず、PISAがどんなテストであるかだが、生きるための子どものたちの総合的思考力をはかることを目的としているもので、限られた予算で店で買い物をするとか、統計グラフから内容をよみとる、反対の意見をもつ二人の手紙をよんで、自分はどちらを支持し、それはなぜか述べるとか、あまり日本のテストでみられない問題が多い。それでも日本は人口1億人規模の国としては上位のほうらしく、アメリカ、イギリスなどはもっと低い。
日本では無回答がかなり多く、思考停止、あるいは間違っていても答えをだそうとする姿勢が低いと分析していた。また、出来る子と出来ないこの差が激しく(この傾向は他の先進国はもっと強い)それが総合点をさげている。フィンランドの特徴はこの差がないことで、それがダントツでトップの理由になっている。

フィンランドでは、1970年代から徐々に習熟度別制度をなくし、1980年代には全廃している。いまでは基本的に6歳から16歳までが平等な教育をうける。学校も選別されることはなく、比較されることもない。全国学力検査のようなものもなく、標準という言葉は排除されている。飛び級もない。英才教育もない。みな同じ条件の教育をうける。16歳からは評価もあって、普通高校と職業高校があるが、それも垣根はひくく、生涯教育の国らしく、大人になって大学に行く人もいる。

教育のスタンスは、「子どもが自ら学び、先生はそれを助ける。学びは自分のためのもの」というもので、授業風景も少人数にわかれて、教師の課題をこなしたり、自分達で勉強勉強したり、先生はそれを見守り必要なら手助けするというふうになっている。
子どもが授業に参加しないのは自由だが、教室では騒いではならない。編み物など静かにできることをするとなっている。あくまで、子どもが学びはじめるのを待つ。ただし結果は自己責任で、成績が悪いのも本人の責任とうコンセサスがある。

教師の待遇もよく、基本的に授業をすれば、他に部活をみたり、残業したりということもない。定年まで同じ学校に勤め、どっしりと地域に根をおろし、子どもたちを見守る。教師も評価されない。
福祉の国なので、学校の前と後にはアクティビティがあり、ほとんどが共働きの家庭のための学童保育のようなサービスをしているが、ここで補習がおこなわれたりもするが、教師ではなく別の指導員がつく。指導員がみつからなければ教師がやったりするが、アルバイトという位置づけになる。

福祉は国のコンセサスであり、2001年の教育予算はGDPの8.6%(日本5.6%)高い税金が福祉国家を支えているが、国際競争力は高く、労働時間は短い。ほとんどの労働者が4時くらいには家に帰る。
生涯学習の国であり、学校は学び方を教えるところで学びは一生続くと考えられている。


競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功 (朝日選書)

競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功 (朝日選書)

  • 作者: 福田 誠治
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 単行本



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